全国清水寺探訪その44 愛知県東海市荒尾町 慈悲山清水寺(せいすいじ)
最寄り駅は名鉄常滑線の新日鉄前駅。駅前から海辺にかけては駅名のとおり、広大な敷地に製鉄会社が広がっているが目的地は反対側。坂を登り星城大学の脇を通り、20分程歩くと到着する。 お寺の周辺は昔からの民家が建ち並ぶ集落の中にあり、狭い路地道を通るが、歴史好きにはこういう雰囲気がたまらなく良い。路地道に面して3~4台分の駐車場があり、その先はすぐに本堂で、庭というものがほとんどない。境内地は狭く、本堂も妻入りで窮屈な印象であるが、知多四国第85番札所と言うこともあって、入れ代わり立ち代わりで参拝者が訪れなかなか賑やかである。 ネット検索のよると、ご本尊様は聖観音像で滋覚大師の作と伝わる。江戸時代にこの地で大火があった後、2度とこの様なことがないよう観音様を迎えてお祀りしたことから、火防せの観音様として信仰されてきたという。また寺の近くにあった清水の湧く井戸水を霊水として宮中に献上した故事に基づき、昭和期になってから清水寺と改称したとのことであった。 さてお参りを済ませた後、本堂脇にある受付所にて御朱印をお願いする。応対して頂いたのは尼さんで、受け取りの際にお聞きしたところ、ここは昔から尼寺とのこと。なかなか気さくな方で、私のご朱印帳が各地の清水寺で埋められていることから話が広がり、あそこの清水寺のご住職はお仲間だとか、どこに清水寺があるとか教えて下さった。そのうちにお茶まで頂きしっかり長居をしてしまった。小さなお寺ではあったが大きな満足感を胸に、お礼を述べ帰途についた。