北九州探訪の2日目は佐賀県へ。目的地の最寄り駅は佐賀駅。隣接するバスターミナルから路線バスにて北上する。

 30分も走ると山が迫って来て、川に沿った谷間の国道へバスは入っていくが、程なくして最寄りのバス停となる小原にて下車する。バス停からは徒歩で1.2km足らずだが、川を瀬にしての上り急勾配。時折立ち止まっては息を整え、20分弱で到達した。

 こちらの清水寺は沢に面して立地しており、その名に相応しい環境にある。また境内には沢水が引き込まれており、お不動様を祀る小祠の裏手には、水行用であろう小滝がある。境内には他にもお不動様が祀られていたり、火渡りの行をする庭が設けられていたりと、修験の雰囲気が色濃く漂っている。

 

 ご本尊様は十一面観音。お参りを済ませ、境内を隈無く見て回り写真を撮っていると、不審に思ったのだろうか、隣接する住宅からご住職様が出てこられた。せっかくなので由来等を質問させて頂く。

 沢沿いに隣接していることもあり、明治期に発生した土石流で建物を流失、その後再建した際、新たな清水寺ということで「新清水寺」とも呼ばれたとのこと。確かに入口の門柱は清水寺と刻まれているが、本堂に掲げられた寺号額には新清水と書いてある。正式にはどちらかとご住職へ聞いたところ、どっちでも構わないとの答え。また真言宗修験のお寺で護摩炊きや祈祷を盛んに行っている旨、京都清水寺との縁はないとの旨、札所になっていないので御朱印は無いことなど伺うことができた。事前調べでは、場所と名前くらいしか分からなかったので大変参考になった。

 佐賀県の清水寺はこの1ヶ寺のみ。佐賀駅へ戻ると、次の目的地である長崎行の列車に乗り込んだ。