3日目に突入した北九州の清水寺探訪。午前中に長崎の清水寺を見た後、熊本へ向かった。せっかくだから来た時と同じルートではつまらないと思い、島原半島からフェリーで向かうルートを選択した。

島原鉄道の終点である島原外港駅から熊本行のフェリーに乗ると、後方に雲仙普賢岳が真正面に見える。記憶に残るあの火砕流災害を起こした火山であるが、平穏であれば大変美しく、船内もGWを楽しむ人々で賑やかである。

 

 

熊本港からは路線バスで熊本駅へ。目的地の清水寺は、駅から徒歩10分程度。九州新幹線の高架に沿って博多方面へ歩くと、左手に境内地へと登る石段が見えてくるが、入口に立つ寺号碑には清水寺と長谷寺が併刻されている。というのは明治維新期の廃仏毀釈の際、近くにあった普門山大聖院長谷寺の住職が帰農したため、ご本尊をここへ移し合併、2つの名前が付いたということらしい。また脇にある案内板によると、坂上田村麻呂が祈願のため京都清水寺を移し、全国60余国に清水寺を建立したうちの1つが当山だとあるが、このいわれは初めて聞いたので出所が気になった。

 

 

 

 

さて石段を登って境内へ向かうと、長崎清水寺にもあった石造アーチ状の山門がある。本州では見かけないものを続けてみたので、文化の違いを感じる。これをくぐると境内へ。境内には本堂の他に羅漢様が並ぶ小堂、お不動様、宝篋印塔などが並んでいる。また樹木も覆い茂っているためか、狭い境内に片寄せ合って同居しているという印象。これらを縫うようにして本堂へ向かいお参り。清水寺のご本尊様は千手観音だが、長谷寺のご本尊様は十一面観音。1度で2つの御利益が得られるありがたいパワースポットと言ったところ。ガラス窓から中をのぞき込んでみると、授与品と金額の書いた紙が貼られていたので、御朱印(ちなみに肥後第17番札所)を頂けるかもと思い声を掛けてみたがお留守の模様。少し待ってみようと境内をウロウロしてみると、線路を見下ろす崖沿いのフェンスに時刻表が貼ってあり、鉄道ファンにもサービス満点なお寺さんだと感心。私も電車を数本見送ってみたが、誰も帰ってくる様子がないので、致し方なく寺をあとにした。