人形だったボク 〜海外赴任〜
ボクは虐待を受けた記憶も激しい苦痛に晒された記憶もない。でも気づくと心を失い人の形をした人形になっていた。なぜだろう・・・。その問いの答えを見つけ、人としての心を取り戻した経験をここに書いていこうと思う。いつかボクの体験が誰かの役に立ちいつか誰かの心を取り戻すキッカケになれば嬉しい。三女が生まれて半年、ボクは海外転勤になった。生まれて間もない三女とまだ幼い二人の娘たち。奥さんの苦労は想像を絶するものだったと思う。赴任先はフランス、パリ。これだけ聞くとみんな、10人いたら10人が羨ましいと言ってくれる。だが実際はそんな甘いものではなかった。ボクは仕事に行く。職場に行くと日本から赴任してきている日本人の仲間がいる。社内の公用語は英語。(対してできないが、日常会話ならなんとかと言うレベルだった)だから大した苦労は感じなかった。だが奥さんは・・・・・英語なんてまるで通じない完全フランス語の生活に放り投げられたんだからその苦労は計り知れなかったと思う。だが奥さんはこう言ってくれた。「日本にいて両家の両親のことを心配して生きるより何倍も楽しい人生だから心配しないで」と。そうは言っても長女と次女は食生活がガラッと変わってしまったため毎食、ボイコット。「魚が食べたい!」それしか言わなかったそうだ笑近所のスーパー(とは言っても子供3人を抱えて慣れないバスで通ってくれていた)で普通に売っているのはお肉ばかり。魚は少し高級だった。だから毎食、お肉で頑張って作ってくれていたんだがなぜか日本にいる時から魚が大好きな二人はそれが許せなかったらしい。しかも幼稚園の受け入れが非常が遅くパリに到着してから2ヶ月は在宅保育をしてくれていたのでとんでもなかったと思う笑そしてパリに到着してから1ヶ月半(そのうちの10日間はホテル生活を余儀なくされていた)奥さんは突発性難聴になり、聴力を失ってしまった。しかも土曜日。週末に職場の仲間を頼るほどまだ仲良くない。奥さんには申し訳なかったが週明けの月曜日まで、不安なまま過ごしてもらったんだ。