マニアックな受験算数「正2.5角形」 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

同じ大きさの角が3つあると正三角形、4つあると正方形(正四角形)、5つあると正五角形…という発想でいると「?」となるところですが、たとえば正2.5角形というものもあります。

これを取り上げた今年の入試問題です。

 

3つ以上の直線で囲まれた図形を多角形といいます。多角形の中でも、辺の長さがすべて等しく、角の大きさがすべて等しいものを正多角形と呼びます。正3角形(正三角形)や正5角形(正五角形)など、「正●角形」の●には2より大きい数が入ります。
正多角形の1つの内角の大きさを求める式として、次のような式があります。
    180°-(360°÷●)…㋐ 
ただし、式の中の●には「正●角形」の●の数が入るものとします。このとき、次の問いに答えなさい。(田園調布学園2024第2回)
⑴「正●角形」の●には、いつもは整数が入りますが、ここでは●に小数を入れた場合を考えてみましょう。
①●に2.5を入れて、正2.5角形というものを考えてみます。㋐を使って、正2.5角形の1つの内角の大きさを求めなさい。

 

右矢印 180°-(360°÷2.5)=180°-144°=36°

 

②正●角形の1つの内角の大きさが100°でした。●にあてはまる数を求めなさい。

 

右矢印 180°-(360°÷●)=100° より 360°÷●=80° だから ●=4.5

 

内角の大きさを⑴の①で求めた角度として、辺の長さがすべて等しくなるように図をかいてみると、下の図のようになりました。

ここでは、(図1)の図形を正2.5角形と呼ぶことにします。このとき、正2.5角形の頂点はA、B、C、D、Eの5つとし、辺はAB、BC、CD、DE、EAの5つとします。

⑵ 正多角形の異なる頂点を結んだ直線のうち、辺ではないものを、ここでは対角線と呼ぶことにします。
正多角形の対角線の本数を求める式として、次のような式があります。
  (頂点の数-3)×頂点の数÷2…㋑
このとき、次の問いに答えなさい。
① ㋑を使って、正2.5角形の対角線の本数を求めなさい。
② 解答用紙の正2.5角形に対角線をすべて書き込みなさい。

 

 

右矢印右矢印右矢印

① (5-3)×5÷2=5より対角線は5本

②「正多角形の異なる頂点を結んだ直線のうち、辺ではないものを、ここでは対角線と呼ぶ」から次の青で示した線が対角線となる


 

⑶ 下の(図2)は、正7角形の2つ隣(となり)の頂点同士を結んでできた図形です。次の文の空らんにあてはまる数を求めなさい。
 
(図2)の𝓧の角の大きさは[ ① ]°であり、この図形は正[ ② ]角形と呼ぶことができる。

 

右矢印 正7角形の一つの外角の大きさは 360÷7=³⁶⁰⁄₇°より、一つの内角の大きさ❶は

 180-³⁶⁰⁄₇=⁹⁰⁰⁄₇°

 

したがって頂角⁹⁰⁰⁄₇°の二等辺三角形の底角の大きさ❷は

 (180-⁹⁰⁰⁄₇)÷2=¹⁸⁰⁄₇°

 

よって

① 𝓧=⁹⁰⁰⁄₇-¹⁸⁰⁄₇×2=⁵⁴⁰⁄₇°

② これを問題文にある「正●角形の1つの内角の大きさ1つの内角の大きさを求める式…180°-(360°÷●)」にあてはめると

 180°-(360°÷●)=⁵⁴⁰⁄₇° より 360°÷●=⁷²⁰⁄₇° だから ●=360÷⁷²⁰⁄₇=3.5 なので

 正3.5角形 完了