以前の記事の続きです。
回転体の表面積を計算する問題の第3弾です。
その1(江戸川女子2023一般2科)
図のような正三角形を、直線𝓵を軸として1回転させてできる立体の表面積は▢㎠です。ただし、円周率は3.14とします。
正三角形の頂点を次のようにA、B、Cとすると、辺AB(左図の青)が軸𝓵のまわりを回転してできる表面積は辺ABが軸𝓵までの距離を半径とする円の円周を回るものとして計算できる。このとき軸𝓵までの距離は辺ABの真ん中の点からの距離1.5㎝となる(パップス=ギュルダンの定理より)
同じように辺AC(右図の赤)についても軸𝓵までの距離0.5㎝を半径とする円の円周を回るものとして表面積を計算できる。
こうしてそれぞれの辺について表面積を計算すると(辺BCの表面積はそのまま半径2㎝の円の面積として計算すると)
- 辺AB…2×(1.5×2)×3.14=6×3.14㎠
- 辺AC…2×(0.5×2)×3.14=2×3.14㎠
- 辺BC…2×2×3.14=4×3.14㎠
よって求める表面積は (6+2+4)×3.14=37.68㎠
その2(須磨学園2023第3回)
右の図形を直線アを回転の軸として回転してできる立体の表面積は▢㎠です。ただし、角A〜Dはすべて90°で、AB=CD=2㎝、BC=1.5㎝、DE=3㎝、EF=5㎝、FA=1.5㎝、円周率は3.14とします。
①辺BCと辺DE、②辺EF、③辺ABと辺CDの3つに分けて考えると
- 辺BCと辺DE(次の左図の青)が軸アのまわりを回転してできる表面積は軸アまでの距離(それぞれ2㎝と4㎝)を半径とする円の円周を回るものとして計算できる。
- 辺EF(右図の赤)が回転してできる表面積はその真ん中の点から軸アまでの距離2㎝を半径とする円の円周を回るものとして計算できる。
- 辺ABと辺CDが回転してできる表面積はまとめて半径4㎝の円の面積として計算できる。
こうして計算すると
- 辺BC…1.5×(2×2)×3.14=6×3.14
- 辺DE…3×(4×2)×3.14=24×3.14
- 辺EF…5×(2×2)×3.14=20×3.14
- 辺ABと辺CD…4×4×3.14=16×3.14
よって (6+24+20+16)×3.14=66×3.14=207.24㎠
その3(東京都市大等々力2023)
右の図のように、長方形と三角形を組み合わせた図形を、辺ABを軸として1回転させたときにできる立体の表面積は▢㎠です。ただし、円周率は3.14とします。
①辺FEと辺DC、②辺BC、③辺AFと辺EDの3つに分けて考えると
- 辺FEと辺DC(次の左図の青)が軸ABのまわりを回転してできる表面積は軸ABまでの距離(それぞれ2㎝と4㎝)を半径とする円の円周を回るものとして計算できる。
- 辺BC(右図の赤)が回転してできる表面積はその真ん中の点から軸ABまでの距離2㎝を半径とする円の円周を回るものとして計算できる。
- 辺AFと辺EDが回転してできる表面積はまとめて半径4㎝の円の面積として計算できる。
こうして計算すると
- 辺FE…3×(2×2)×3.14=12×3.14
- 辺DC…3×(4×2)×3.14=24×3.14
- 辺BC…5×(2×2)×3.14=20×3.14
- 辺AFと辺ED…4×4×3.14=16×3.14
よって (12+24+20+16)×3.14=72×3.14=226.08㎠