以前の記事の続きです。
今年出題された流水算の第2弾です。
ある川の上流にA地点と、その下流にB地点があり、A地点とB地点の距離は30kmです。船Pが、A地点からB地点まで移動するのにかかる時間は2時間で、B地点からA地点まで移動するのにかかる時間は3時間20分です。船Qが、B地点からA地点まで移動するのにかかる時間は2時間30分です。船Pと船Qの静水上での速さと川の流れの速さはそれぞれ一定です。次の問いに答えなさい。(吉祥女子2023)
⑴ 川の流れの速さは時速何kmですか。
船Pが下るときの速さは30㎞÷2時間=時速15㎞、上るときの速さは30㎞÷¹⁰⁄₃時間=時速9㎞
よって川の流れは(15-9)÷2=時速3㎞
⑵ 船Qの静水上での速さは時速何kmですか
船Qが上るときの速さは 30㎞÷2.5時間=時速12㎞
よって、川の流れは時速3㎞なので、船Qの静水上での速さは 12+3=時速15㎞
船Pと船Qは、それぞれA地点とB地点の間を次のように往復しました。
船Pについて
・A地点を出発し、B地点に着いてから1時間後にA地点に引き返した。
船Qについて
・船PがA地点を出発してから1時間後に、B地点を出発した。
・A地点に着いてから30分後にB地点に引き返した。
・B地点へ向かう途中で故障したので、川の流れと同じ速さで流れ、予定していた時刻よりも1時間40分おくれてB地点に着いた。
⑶ 船QがB地点を出発してB地点にもどってくるまでにかかった時間は、何時間何分ですか。途中の式や考え方なども書きなさい。
ここまでにわかった情報をダイヤグラムと表にまとめると
船QがB→A→Bにかかる時間を考えると
- 「B地点からA地点まで移動するのにかかる時間は2時間30分」
- 「30分後にB地点に引き返した」
- 「A地点とB地点の距離は30km」なので時速18kmで下ると(30÷18=1⅔より)本来1時間40分で着くはずが、途中で故障して「予定していた時刻よりも1時間40分おくれてB地点に着いた」。
以上の時間を合計して
2時間30分+30分+1時間40分+1時間40分=6時間20分
⑷ 船Pと船Qは、船Qが故障するまでに2回すれちがいます。
① 1回目にすれちがう地点は、B地点から何kmですか。
QがB地点を出発したのは「船PがA地点を出発してから1時間後」。このときP(下り時速15km)はA地点から15km進んでB地点から15kmの場所にいる。
この距離15kmをP(下り時速15km)とQ(上り時速12km)が向かい合って進むときの出会い算を考えればよいから
15÷(15+12)=⁵⁄₉時間
よって 12×⁵⁄₉=²⁰⁄₃ より、B地点から²⁰⁄₃km
② 2回目にすれちがう地点は、B地点から何kmですか。
Qが「B地点からA地点まで移動するのにかかる時間は2時間30分」だから、A地点に到着するのは3時間30分後(船PがA地点を出発してからの時間。以下同じ書き方をする)でA地点を出発したのは4時間後。
同じ4時間後にPがどこにいるかを考える。Pは「A地点からB地点まで移動するのにかかる時間は2時間」で出発はその1時間後だから3時間後。とすると4時間後にはBを出発して1時間進んでいるから(上り時速9kmの)PはB地点から9kmの場所にいる。
となると4時間後のPQ間の距離は21kmあり、これをPとQが向かい合って進むときの出会い算を考えればよい(なお「船Pと船Qは、船Qが故障するまでに2回すれちがいます。」との問題文より船Qの故障は出会った後の話とわかるからここでは考える必要ない)ので
21÷(9+18)=⁷⁄₉時間
よってPがB地点を出てから1+⁷⁄₉=¹⁶⁄₉時間進んだところで出会うから
9×¹⁶⁄₉=16 より、B地点から16km
⑸ 船Qが故障した地点は、B地点から何kmですか。
Qは故障前は下り時速18km、故障後は(川の流れと同じ)時速3kmで進んだところ、30kmの距離を合計3時間20分かかったから、つるかめ算により、時速18kmで進んだのは⁴⁄₃時間とわかる。
よって、Qが故障したのは 18×⁴⁄₃=24 よりA地点から24kmのところなので、B地点からだと 30-24=6km