ボールを使った問題 | 受験算数はきょうもおもしろい

前回の記事の続きです。

 

カードと同じように、ボールも入試問題の題材としてよく使われます。

たとえば次のような問題があります。

 

  分配算(日本大学中2022)

 

右の図のような箱A、B、Cがあり、その中に玉が10個ずつ入っています。この箱の中の玉を2分ごとにすべてとなりの箱へ、同時に移しかえます。つまり、AのとなりはBだけなので、Aの中の玉はすべてBに移ります。BのとなりはA、Cの2つあるので、Bの中の玉はAかCにそれぞれ移ります。CのとなりはBだけなので、Cの中の玉はすべてBに移ります。

このとき,次の各問いに答えなさい。
⑴ 5分後にAの中に玉が8個入っているとき、BとCにはそれぞれ玉が何個入っていますか。

 

右矢印 まず玉は「2分ごとに」移しかえるから、5分後の状況は4分後と同じ。

2分後と4分後の状況を書いていくと、

  • 2分後にはAとCの玉の合計20コがBに集まる。またBにあった10コの玉ぜんぶがAかCに移動する(下の図はたとえばAに3コ、Bに7コ移動したと仮定)
  • 4分後にはAとCに移っていた合計10コの玉がBに戻り、Bにあった20コの玉ぜんぶがAかCに移動する。このとき、Aに8コの玉が入っているのなら、Cには12コの玉が入っている

よってBには10コ、Cには12コの玉が入っている

 

⑵ 35分後にAの中に玉が3個入っているとき、BとCにはそれぞれ玉が何個入っていますか。

 

右矢印 つづけて6分後、8分後と書いていくと規則性が見えてくる。

❶0分後、4分後、8分後には10コの玉がBに集まる(残り20コはAかCに行く)

❷2分後、6分後には20コの玉がBに集まる(残り10コはAかCに行く)

という4分の周期をくり返すこと。そうなると❶❷は分けて考えるのがいいことがわかる。下の図は❶の動きを下段に、❷の動きを上段に書いたもの。

そこで「35分後にAの中に玉が3個入っているとき」を考えると、34分後の状況を考えればよいから、34÷4=8あまり2。これは上記❷のパターンなので、Bには20個入っている。

そして「Aの中に玉が3個入っている」からCには7個入っている。

 

次の(ア)~(エ)にづいて、正しいものに〇、正しくないものには×を書きなさい。
 (ア) 7分後にAに玉が入っていないことがある。
 (イ) 15分後にBには必ず玉が入っている。
 (ウ) 19分後に2つの箱に玉が入っていないことがある。
 (エ) 25分後に3つの箱に入っている玉の個数が同じになることがある。

 

右矢印 (ア) (イ)…上に見たとおり、いつも「Bには必ず玉が入っている」(10コか20コ)。残りはAかCに入ることしか決まっておらず(個数までは決まっておらず)ぜんぶがCに入って「Aに玉が入っていない」こともある。よって ア…〇、イ…〇

 

  (ウ)…Bには必ず玉が入り(10コか20コ)、AかCのどちらかには必ず玉が入る(残り20コか10コのうちの一部か全部)。よって、どれか1つの箱に玉が入っていないことはあっても「2つの箱に玉が入っていないこと」はないので ウ…×

 

(エ)…「25分後」は24分後の状況と同じ。これは❶のパターンとなるのでBに10コあるのは確定。残り20コはAかCに入るが、AとCに10コずつ入れることもできる。このとき「3つの箱に入っている玉の個数が同じになる」から エ…〇

 

 

  数字の並べ方(聖光学院2022)

 

1~5までの整数が書かれた赤、白、青の3色の玉が1個ずつ、合計15個あります。このとき、次の問いに答えなさい。
⑴ 15個の玉の中から5個の玉を選んで一列に並べる並べ方のうち、左から順に赤、赤、白、白、白と並ぶような玉の並べ方は全部で何通りありますか。

 

右差し 同じ色でもすべて違う番号がついているので、15コぜんぶを別のものとして取り扱う、並べ方(順列)の問題となります。

 

右矢印 「赤、赤、白、白、白」という並べ方を考えると

  • 赤はぜんぶで5コあるので、最初の赤の選び方は5通り、2番目の赤は残りの4通り。
  • 白もぜんぶで5コあるので、3番目の白の選び方は5通り、4番目の白は残りの4通り、最後の白は残りの3通り。

以上すべて同時に起こるので、5×4×5×4×3=1200通り

 

⑵ 15個の玉の中から3個の玉を選んで一列に並べます。玉に書かれた数字を左から百の位、十の位、一の位として3桁の数を作るとき、
(ア) 3桁の数が144となるような玉の並べ方は全部で何通りありますか。

 

右矢印 「144」の並べ方を考えると

  • 百の位の1は、1が書かれた「赤、白、青の3色の玉」から選ぶので3通り。
  • 十の位の4の選び方も同じように3通りあり、一の位の4は残りの2通り。

以上すべて同時に起こるので、3×3×2=18通り

 

(イ) 3桁の数が18の倍数となるような玉の並べ方は全部で何通りありますか。

 

右矢印 「18の倍数」ということは❶9の倍数でもあり❷2の倍数でもあるということ。2つの条件をみたすものを考えていく。

 

❶たして9になる

まず3ケタにすると9の倍数になるということは、3つの玉の和は最高でも15なので、和が9の場合だけ。そうなる3つの組み合わせは

 ①(5,3,1) ②(5,2,2) ③(4,4,1)

   ④(4,3,2) ⑤(3,3,3)

の5つの場合がある。それぞれについて次に考える。

 

❷2の倍数(偶数)

上の①~⑤で偶数になる並べ方を考える。①(5,3,1) と ⑤(3,3,3)はどうならべても偶数にはならないので、それ以外をみていくと

丸ブルー②(5,2,2)…3×3×2×2=36通り

偶数になる並べ方は522と252の2パターンある。

このうちたとえば522だと、最初の5が3通り、真ん中の2が3通り、最後の2が2通りあるので 3×3×2=18通り。252でも同じく18通りある。

丸レッド③(4,4,1) …3×3×2×2=36通り

偶数になる並べ方は414と144の2パターンある。あとは②と同じ。

丸ブルー④(4,3,2)…3×3×3×6=108通り

偶数になる並べ方は432、342、324、234の4パターン。

このうちたとえば432だと(3つとも数が違うため)すべてのケタで3色から自由に選べるので 3×3×3=27通りできる。

同じことがほかの5パターンについても言え、それぞれ27通りできる。

 

以上の合計で180通り

 

⑶ 15個の玉の中から4個の玉を選んで一列に並べ、玉に書かれた数字を左から千の位、百の位、十の位、一の位として4桁の数を作ることを考えます。
いま、ある4個の玉を選んだところ、それぞれの並べ方から作られる数の総和は、106656となりました。玉に書かれている4つの数の組み合わせとして考えられるものを、下の例のかたちですべて答えなさい。
   例 3, 2, 2, 4 → 小さい順に (2,2,3,4)

 

右矢印 「ある4個の玉」の並べ方は4×3×2×1=24通り。同じ数でも色が異なるので、これがそのまま「4桁の数」の個数となる。

 

このとき 106656÷24=4444 より、1つの数の平均は4444。この各ケタの数をたすと16なのでたして16となる4つの数の組合せを見つければよい(そのようなたして16となる4つの数を並べかえて24コの数を作るとその和は必ず106656になる)。

 

これは左から小さい順に書くと次の4つ。

(1,5,5,5)(2,4,5,5)(3,3,5,5)(3,4,4,5)完了