2回の立体切断④ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

2回の立体切断の問題では「どの平面で2回切ったか」を示してその体積を求めさせるものが一般的ですが、なかには切ったあとの形だけ投影図で見せてその体積を求めさせるというパターンの問題もあります。2Dから3Dをイメージする能力がより重要になります。

たとえばこちらの問題。

 

図のような1辺の長さが6cmの立方体ABCDEFGHがあります。この立方体を2つの平面で切断して、立体Xをつくります。



下の図は、立体Xを(真上)から見た図、(正面)から見た図、(右)から見た図です。このとき、立体Xの体積は何㎤ですか。(市川中2016第2回)







 

 

 

右差し つぎの立体を正しくイメージできるかというところがほぼすべてという問題です。問題文も解答もきわめてシンプルな美しい体積問題です。

 

 

右矢印 ❶まず【 (真上)から見た図 】を見ると直角二等辺三角形になっているので切断面①(赤)を思いつく(DEGを通るようにななめに切ることでも真上から見た図は同じになるが正面図や右から見た図はこうはならない)。これで三角柱ができる。

❷つぎに【 (正面)から見た図 】【 (右)から見た図 】を見ると、ともに左が3㎝、右が5㎝であること、Dの位置はそのまま6㎝で残っていることがわかる。❶により辺BFはすでに切りとられているから、左の3㎝はAE上の高さ、右の5㎝はCG上の高さ(がそのまま正面からも右からも見えているもの)だとわかり、そのような切断面②(青)を思いつく。

 

❸そうなると立体Xは断頭三角柱となり、その体積は底面積×平均の高さで出せるから

 6×6÷2×(3+5+6)÷3=84㎤ 完了