ボールと箱(場合の数) | 受験算数はきょうもおもしろい

前回の記事の続きです。

 

場合の数の問題で、ボールと箱を使った問題があります。いろいろなパターンがあるので混乱しやすいところですが、問題ごとの基本的な考え方の違いを比べて整理、再確認するのにたとえば次の入試問題などは役に立ちそうです。

 

3個までボールが入る箱が2つあります。4個のボールをそれらの箱に分けて入れていきます。次のそれぞれの場合について、分け方が何通りあるか答えなさい。ただし、すべてのボールを箱の中に入れるものとします。(夙川2022第2回)
⑴ ボールも箱も全て区別できないとき
⑵ 箱は区別できて、ボールは区別できないとき
⑶ ボールも箱も全て区別できるとき
⑷ ボールは区別できて、箱は区別できないとき

 

夙川中学校入学試験問題集2023年春受験用(実物に近いリアルな紙面のプリント形式過去問) (兵庫県中学校過去入試問題集)

 

⑴ ボールも箱も全て区別できないとき

 

右矢印 「4個のボール」を2つにわけるだけなので、そのわけ方は

 ①1コと3コ

 ②2コずつ

の 2通り

 

⑵ 箱は区別できて、ボールは区別できないとき

 

右矢印 箱Aと箱Bに入れるとする。「3個までボールが入る箱」なので、4コのボールのうち、

①1コを箱Aに入れる(残り3コは自動的に箱Bに決まる)

②2コを箱Aに入れる(残り2コは自動的に箱B)

③3コを箱Aに入れる(残り1コは自動的に箱B)

3通り

 

⑶ ボールも箱も全て区別できるとき

 

右矢印 ボール❶❷❸❹を箱Aと箱Bに入れるとする。

いったん「3個までボールが入る箱」の条件を無視して考えると

 ①ボール❶は箱Aに入れるか箱Bに入れるかで2通り

 ②ボール❷は箱Aか箱Bかで2通り

 ③ボール❸は箱Aか箱Bかで2通り

 ④ボール❹は箱Aか箱Bかで2通り

これらは同時に起こるのでぜんぶで 2×2×2×2=16通りある。

 

ここにはボール❶❷❸❹の4コとも箱Aに入れたパターン(1通り)と箱Bに入れたパターン(1通り)もふくめて数えているので、この2通りを引いて14通り

 

⑷ ボールは区別できて、箱は区別できないとき

 

右矢印 2つの箱を区別しないとすると、小問⑶だと二重に数えたことになっているので、これを2で割って 7通り 完了