前回の記事に関連する話です。
場合の数の問題で、問題文に「少なくとも」という表現があれば余事象を考えるという人は多いと思いますが、少しでもラクに解くために余事象をもっと積極的に利用したいところです。
そもそも普通に数えようとすると難しいものだけが問題として出題されるわけなので、理にかなったアプローチかと思われ、場合の数の問題を見たらまずは余事象を考えるぐらいの気持ちでちょうどいいように思います。
とくに整数問題では余事象と相性がいい問題が多いように思います。次のような感じです。
数の組合せ(普連土2021算数)
1、2、3、4、5、6の6個の整数の中から「3と5」のように連続していない2個の整数を取り出します。取り出し方は何通りありますか。
❶1~6の6コから「2個の整数」を取り出すときのぜんぶの取り出し方は6×5÷2=15通り
❷「連続していない」ものを求めたいので、連続する整数の取り出し方をここから引く。これは5通りある(1と2、2と3、3と4、4と5、5と6)。
よって15-5=10通り
作れる整数①(立命館守山中2021B)
1、2、3の3種類の数字だけを並べて4けたの整数を作ります。となり合う位どうしはどこもちがう数字で、3種類のどの数字も1度は使うとき、4けたの整数は▢通りできます。
❶まず1~3を並べて作れる「となり合う位どうしはどこもちがう」4けたの整数ぜんぶを数えると、千の位が3通り、百の位は(千の位と違う数字なのでそれ以外の)2通り、十の位、一の位も同じく2通りずつあるから 3×2×2×2=24通り
❷「3種類のどの数字も1度は使う」ものを求めたいので、2種類の数字しか使っていないならべ方をここからはずす。これは1212、2121、1313、3131、2323、3232の6通り
(なお、1種類しか使っていない数は最初から❶には入っていない)
よって、24-6=18通り
作れる整数②(頌栄女子2019)
1、2、3、4、5と数字が書かれたカードが4枚ずつ合計20枚あります。この中から5枚を選んで5けたの数を作るとき、何通り作ることができるか求めなさい。
❶もしすべてのカードが5枚ずつあったと仮定すると5けたの数はぜんぶで3125通り(=5×5×5×5×5)作れた。
❷この5枚めのカードは存在しないので実際には作れない数がありこれを引く。それは11111、22222、33333、44444、55555の5通り。
よって 3125-5=3120通り
作れる奇数(慶應義塾中等部2019)
6個の数字0、1、2、3、4、5の中から異なる3個の数字を並べてできる3けたの整数のうち、奇数は全部で▢個あります。
❶まず「0、1、2、3、4、5の中から異なる3個の数字を並べてできる」数はぜんぶで(0からはじまるものを含めて)6×5×4=120コ。このうちのちょうど半分が奇数なので(0~5は偶数と奇数がちょうど半々なので)0からはじまるものを含めたぜんぶの奇数は60コ
❷「3けたの整数」を求めたいので、0からはじまる数をここから引く。❶の60コのうち0からはじまるものは
0▢1が4コ、0▢3が4コ、0▢5が4コ
の合計12コあるので
60-12=48個