以前の記事の続きです。
前回はすべての正方形は相似だという話をしましたが(すべての円は相似という前々回の話の続きで)同じく正三角形もすべて相似になります。
正三角形の面積比を求める問題はこの性質を利用してパズル的に解くのも一つの手です。
たとえば次の問題。
右の図のような正三角形ABCがあります。点Dは辺ABを4等分する点のうちBにいちばん近い点、点Eは辺BCを4等分する点のうちCにいちばん近い点、点Fは辺CAを4等分する点のうちAにいちばん近い点とします。AEとBFが交わる点をP、BFとCDが交わる点をQ、CDとAEが交わる点をRとします。このとき、三角形ABCの面積は、三角形PQRの▢倍となります。
(西大和学園中2020県外)
正三角形はすべて相似形なので、△ABCと△PQRも相似。でもこの二つを直接比べるのは難しそう。そこで、ほかにも正三角形がないか(これを間に入れることで間接的に比べられるかも)と考えてみる。
すると、DCと平行にAから補助線①を引き、PFを延長するように補助線②を引けば、ここに小さい正三角形ができることがわかる。
同じように、左下と右下にも同じ大きさの小さい正三角形をつくってみる。
ここでACはAFの4倍の長さだから、ACのあいだにこの小さい正三角形が4段きれいに並ぶことがわかる。ほかの辺も同じなので、結局、△ABCも△PQRも次のような(計25コの小さい正三角形からなる)大きい正三角形のなかにあると考えることができる。
これを利用して面積を求めると、いちばん小さい三角形の面積を①とすると、
正三角形PQRの面積は④
そのまわりの赤の部分(△ARC、△BPA、△CQB)は3つとも小さい正三角形6コの半分の大きさなので ⑥÷2×3=⑨
よって正三角形ABC=⑬とわかり、三角形ABCの面積は三角形PQRの¹³⁄₄倍
ちなみに、こちらの問題は次のように辺の比と面積比の問題として解くこともできます。
またほかにも「すべての正三角形は相似」の性質を使って解ける問題としてこちらも過去に取り上げています。