右脳で考える図形問題(その2) | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

図形問題では、まずはじめに図形の一部を並べかえたり、動かしたりする下処理が必要となるものがあります。野菜や魚を調理の前に最適の大きさにカットするような感じです(最初からカット野菜や切り身として出題してくれればラクなのですが)。

たとえば次の問題。

 

右の図は正方形と円からできている図です。図のアの部分の面積が57㎠のとき、イの部分の面積は何㎠ですか。ただし、円周率は3.14とします。(渋谷教育学園渋谷2021)

 

 

103 渋谷教育学園渋谷中学校 2023年度用 3年間スーパー過去問 (声教の中学過去問シリーズ)

 

 

  図形を少し動かしてみる

最初に、アの部分が真上にくるように、小サイズの正方形(黒)を真横に、中サイズの正方形(赤)をななめ45度にそれぞれ回転させる。

これにより、3つの正方形が内側から順に2倍、2倍と広がっていることが見えやすくなる。つまり大サイズの正方形(青)と中サイズの正方形(赤)の面積比は2:1。

 

したがってイと★の面積比も2:1(=イの面積は★の2倍)。

 

  ラグビーボールの面積は正方形の0.57倍

ここでアは例のラグビーボール(過去記事)を半分にした形になっている。このラグビーボールの面積は正方形の0.57倍なので、下図の赤点線の正方形を1とするとアは0.57の半分で0.285。

このとき★は0.215(=1の半分-0.285)。

 

実際のアは57㎠なので、

★=57㎠÷0.285×0.215=43㎠

よってイは★の2倍だから 86㎠ 完了