朝の書評 -4ページ目

ハリー・ポッター

ワーナー・ホーム・ビデオ
ハリー・ポッターと秘密の部屋

349.再び長編化を模索する・其の三
http://juji.hp.infoseek.co.jp/text/howto00349.htm
350.再び長編化を模索する・其の四
http://juji.hp.infoseek.co.jp/text/howto00350.htm

ミステリーの書き方

アメリカ探偵作家クラブ, Mystery Writers of America, L. トリート, 大出 健
ミステリーの書き方 (講談社文庫)
 これはたくさんのミステリ作家のいろいろな意見が羅列されています。だから全然論理的ではありません。てゆうか、それぞれの作家が矛盾するやり方を奨めているところも多々あります。けれども、ミステリーの書き方という漠然とした問いに、作家たちがみな真面目に答えようとしていて読んでいて元気付けられます。また、ミステリーが(当時のアメリカでという限定付きですが)社会にどのように受容されているのかが概観できるのもよいと思います。
 個人的に興味を感じたのは、「第26章 ゴシック小説とは何か」です。ゴシック小説の始まりは、「ジェーン・エア」や「嵐が丘」で、「怪奇、神秘、暗鬱を強調する小説形式」だそうです。この系譜にはダフネの「レベッカ」、「従兄のレイチェル」があるそうです。
 「嵐が丘」は読んだことがあります。「レベッカ」はヒッチコックの映画で見ました。ああいう感じ、そう言えば好みだなあ。その割にはあまりその手のものを読んでこなかったなあ、と気付きました。


トリック

パイオニアLDC
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パイオニアLDC
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ジェネオン エンタテインメント
トリック 2 超完全版
ジェネオン エンタテインメント
トリック トロワジェムパルティー DVD-BOX
346.長編化を模索する・其の六
http://juji.hp.infoseek.co.jp/text/howto00346.htm

書く前に読もう超明解文学史

三田 誠広
書く前に読もう超明解文学史―ワセダ大学小説教室 (集英社文庫
  好き勝手に本を読んできましたので、ぜんたい、文学史的にはまとめてどう捕らえ、押さえておけばいいのかというような不安がよぎることがあります。手短に知識を得たい、そういう人向けへの商売であることを隠さずに、正面から文学史のキモをまとめました、というこの作者の姿勢には、むしろ好感を持ちました。
 考えてみれば、教科書や参考書のたぐいはすべてそれまでの蓄積を要領よくまとめたものですし、一定の需要のあるものです。流行りの理論を上っ面だけなぞったものや、読者の気を惹こうとするだけの薄っぺらな内容のものは論外ですが、この本は、真面目に書かれていて、よいと思います。
 この本の中の、人間のキャラクターをしっかり描く自然主義文学が、日本に入ってきて少々曲がって理解されて、日本的私小説になった、というくだりは、最近どっかで耳にしたような気がします。実は売れっ子ライターのあの人とかも、この本を密かにネタ本にしてるんじゃないかなあ。いや、知らないけどね。ただの妄想なんで間違ってたらご容赦ください。

ほら男爵現代の冒険

星 新一
ほら男爵現代の冒険 (1970年)
前回紹介の「ほら男爵」はこれの前フリじゃないですよ。
ちゃんと両方読んでますから、このブログでは自分でちゃんと読んだものしか紹介しませんから。
あれもおもしろいしこれもおもしろいです。
ルネッサーンス!(←それは髭男爵)

ほら男爵の冒険

平野 卿子, ビュルガー, Jean‐Francois Martin, 西本 鶏介, ジャン‐フランソワ マルタン
ほら男爵の冒険
間違いなく世界の名作です。
自信を持ってお奨めします。

東海道中膝栗毛

安岡 章太郎
東海道中膝栗毛―お江戸を沸かせたベストセラー (ビジュアル版日本の古典に親しむ (8))
ぼくが読んだのは上に紹介したのじゃなくて、少年少女向けの文学全集の中にあったやつなんですけどね。
おもしろかったなあ。
今ちょっと思い出そうとしただけで、酒問屋に閉じ込められたり、大井川を渡ったり、大仏の横の柱の穴に引っかかったり、とろろご飯を食べ損ねたり、かごの座布団の下に小判を見つけたり、護摩の灰に騙されたり、あれがおもしろかったこれがおもしろかったと次々思い出します。

怪盗ジバコ

北 杜夫
怪盗ジバコ
北 杜夫
怪盗ジバコの復活
ドクトル・ジバコって映画にもなったシリアスな小説があるようですけどね。それとは全然関係ないようです。ルパンとか二十面相とかのそういったジャンルへの作者の愛情が感じられる作品です。

おれに関する噂

筒井 康隆
おれに関する噂 (1978年) (新潮文庫)
井上陽水の詞ってよく考えるとシュールでおもしろいの多いですよね。ふと思い出すだけでも、「なんにもないけど、水でもどうですか?」とか。「あなたライオン、私はとまどうペリカン」とか。
「ここは、はあ~、坂道ぃ。誰かが上り坂と言い、誰かが下り坂と言う、ぼくにはどちらかわからない、ぼくにはわから~な~いぃ~!」ってあんた、なに悲しげな声で延々叫んでんのよ。
「悲しい人には会いたくもないぃい~!!」
ええっと、この中に収録されている「熊の木本線」もそーゆーおもしろい歌詞が出てくる話です。
表題作も異様におもしろかった。

船乗りクプクプの冒険

北 杜夫
船乗りクプクプの冒険 (集英社文庫 30-A)
これもねえ、懐かしいですおもしろかったです、お奨めです。
ヌーボーがね、「利口になったり、バカになったり、それが人間というものだ」とクプクプを諭しましてね。
いつまでも心に残る箴言です。