【天声人語】2006年05月15日
「もしお昼ご飯を食べている最中なら、いまラジオを切ったほうがよいかもしれません」
第二次世界大戦でドイツの敗北が目前に迫る45年4月、米CBS放送のエド・マロー記者はそう言って、連合軍が解放したばかりのドイツ中部のブッヘンバルト強制収容所のリポートを始めた。
【感想】
キーワード:言葉
言葉とは不思議なものだ。それはときに人の心に一生の傷を残す凶器にもなるし、真実の一部しか表せない不完全な道具にもなる。同じ言葉でも言う場所や言う人間が違えば、感じ方が違うこともある。
我々はコミュニケーション手段の大部分を言葉に依存している。話さなければ伝わらないとも言うし、話さなくても伝わるとも言う。真面目にに考えてみると、毎日のように使っているこの言葉というものは、なんとも得体の知れないものに思えてくる。
そんなことを考えたところで、結局誰かに何かを伝えるためには、言葉を用いなければならないのだから、いかに自分の言いたいことを相手に伝えるかを考えたほうが建設的か。ただし、自分の思う相手の悪意までは伝わらないようにしなくては。