魔人の記 -754ページ目

第9話:イケブクロ~ニヒロ機構:1/5

★1/5話 よしよしタイム★

>決闘裁判の後、フィフス・バベルたちはマントラ軍本営から外に出された。

コダマ「…あれ? ゴズテンノウっていうのに会うんじゃないの?」

光介「裁判が終わったら、ここまで出されるんだよ。なんていうか…そういうルールなんだ」

コダマ「ふーん。ここって、ターミナルとかがあるフロアだよねー」

カハク「めんどくさいけど、もう一度入ってゴズテンノウに会いに行けばいいってことね」

光介「あ、ああ…」

カハク「…どうしたのよ、コースケ。目がまんまるよ?」

光介「いや、裁判の前まではあんなに怒ってたのにな、って思ってさ…」

カハク「あたしはね、少しだけオトナになったの。コースケがだらしないんなら、あたしががんばればいいって思っただけよ」

光介「だらしない、って厳しいな」

カハク「だって、結局まだトモダチはマントラ軍につかまっちゃってるんでしょ? コースケが助けられるほど強くなかったから」

光介「う、うん。そういうことになるけど…でもそれは、ゲームのストーリー上しょうがないことで…」

カハク「そんなのあたしには関係ないわ。いいじゃない、いっしょにいるってあたしが決めたんだから。それとも…いなくなった方がよかった?」

光介「な、何言ってるんだよ!そんなさみしいこと言うなよ」

カハク「じゃあ、『そんなさみしいこと』言わせないでね。あたしは決めたの。みんなと一緒にいるって」

光介「そうか…どういう心境の変化かはわからないけど、そう決めてくれて嬉しいよ」

カハク「コースケのためじゃないわ。あたしがそうしたいからそうするんだし、みんなもあたしといっしょにいたいって言うから、そういうことになったのよ」

光介「そ、そうか…なんだか釈然としないけど、これからもよろしくな」

カハク「コースケも、もうちょっとオトナになるのねっ」

>そう言って、カハクはウィンクした後に舌を出した。

ウィルオウィスプ「…」

>一方、ウィルオウィスプは看守悪魔の話をじっと聞いている。
看守悪魔はやはり、ジャックランタンだった。

ジャックランタン「チッ! トール様に認められるなんて、運のいいヤツめ……」

ウィルオウィスプ「ウォレ アイツ ミトメテナイゾ。 アイツ ケッキョク ヨワイ!」

ジャックランタン「ホラよ。どこにでも自由に行きやがれ!」

ウィルオウィスプ「ウォマエ カンシュ ヤッテテ タノシイカ? ウォレタチト イッショノ ホウガ タノシイゾ?」

>しかしジャックランタンには聞こえず、フィフス・バベルたちから去って行こうとした。

ジャックランタン「……そうそう」

>去って行こうとして振り向く。

ジャックランタン「トール様が、オマエは顔パスだってよ。マントラ軍の本営内を、自由にウロついていいんだとさ」

ウィルオウィスプ「コースケ ジャックランタン アア イッテルゾ」

光介「ああ。これでマントラ軍本営の中を動き回れる。ゴズテンノウはそこの頂上にいるから、会いに行けるな」

ジャックランタン「……気にいらねえ!」

>ジャックランタンは捨て台詞を残し、扉を開けて去っていった。

ウィルオウィスプ「…? ジャックランタン ナンデ プリプリ?」

光介「俺はここじゃ新参者だし、アイツは俺を弱いと思ってたから、トールに気に入られたっていうのがムカつくんだろうな」

ウィルオウィスプ「ウォレ ベツニ トール ナントモ オモッテナイ」

光介「そうなのか?」

ウィルオウィスプ「ウォレ アイツヨリ ツヨイ! ダッテ サイキョウ!」

カハク「トールのジオダイン(単体電撃大ダメージ:ウィルオウィスプの弱点)を避けられたのは、コースケのおかげでしょ」

ウィルオウィスプ「ムゥ… ソレ セイカイ」

カハク「アンタだけが最強なんじゃないわ。あたしたち全員で、最強なのよ。この組み合わせだからこそ、どんな敵にだって勝てる」

コダマ「わー★カハクがいいこと言ってるー♪」

カハク「そりゃ、あたしはオトナになったんだもん。みんないっしょだからさみしくないし、みんないっしょだから最強なんだって、あたしは気付いたの」

光介「すごいじゃないかカハク!そのことに気付けるなんて!」

カハク「…エヘヘ☆」

>カハクは、素直に照れた顔を見せた。

ウィルオウィスプ「…!」

コダマ「どしたのー?」

ウィルオウィスプ「ン! ナ、ナンデモ ナイゾ… ウォレ ナニモ ドキドキ シテナイゾ!」

コダマ「別にそんなこと言ってないよー? 変なウィルだなー」

ウィルオウィスプ「ウィル? ウルィ?」

コダマ「コースケが前言ってたけど、ウィルオウィスプってこうなる前はウィリアムさんだったんでしょー?」

ウィルオウィスプ「ウォレ オボエテ ナイケド… コースケガ イウナラ ソウ!」

光介「そういう伝承だと言われてるんだよ。生前は悪行三昧で、地獄に落とされそうになったんだけど聖ペテロって人を『これからはいい人になりますから』って説得して、もう一度人間になったんだ」

ウィルオウィスプ「…フムフム」

光介「それでも悪行三昧だったもんだから、今度は聖ペテロも怒っちゃって『お前は地獄にすら行けないダメなヤツだ!』って怒られちゃって、ウィリアムさんは途方に暮れちゃったんだよ」

ウィルオウィスプ「ウォレ… ダメナ コ ダッタノカ…」

コダマ「でも、ウィルオウィスプだっていっぱいいるよねー? 全部がダメな子って言われたわけでもないっぽいよね」

光介「そこらへんは俺にはわからないけどな。ただ、途方に暮れちゃったウィリアムさんに、とある悪魔がたいまつを渡したことから、ウィルオウィスプになった…と言われてるらしい」

コダマ「ふーん」

光介「ウィスプっていうのはたいまつらしくて、ウィルオウィスプっていうのは『たいまつを持ったウィリアム』だとか、そういう意味らしいんだよ」

ウィルオウィスプ「デモ ウォレ タイマツ モッテナイ…」

光介「たいまつ、っていうのが変化して、やがて鬼火になっていったんだろうな。だから、ウィルオウィスプの姿は、ちゃんと伝承にのっとった姿なんだよ」

コダマ「むずかしいねー。ボク、よくわかんないや」

ウィルオウィスプ「ウォレモ ヨク ワカンナイ。 デモ ウィルッテ ヨバレルノ ベツニ イヤジャナイゾ」

コダマ「そう?んじゃ今度からウィルって呼ぶー。カハクもそうしなよー」

カハク「そうね。もう最弱なんて呼べないし、ウィルオウィスプじゃ言いにくいし」

ウィルオウィスプ「デモ ウィルッテ ヨンデモイイノ ウォマエタチ ダケ」

光介「…俺は?」

ウィルオウィスプ「コースケ モチロン イイ!」

ピシャーチャ「…(ざわざわと尋ねる)」

ウィルオウィスプ「ピシャーチャ センパイ。 モチロン イイ!」

光介「じゃ、俺たちだけの呼び名だな、ウィル」

ウィルオウィスプ「ウホッ! ナンダカ テレル」

カハク「ウホッて何よ。でも、嬉しそうね」

>カハクは、そっとウィルオウィスプをなでた。

ウィルオウィスプ「…!」

カハク「あたしを守りたいって言ってくれたこと、ホントは嬉しかったわ。でも、さっきまでのあたしはコドモだったから…ゴメン。これはおわびのよしよし☆」

ウィルオウィスプ「カハク チャント アヤマッタ!」

光介「ああ、えらいな」

カハク「コダマ、アンタもよ」

コダマ「んー?なになに?」

カハク「いいから、こっち来て」

コダマ「はーい」

カハク「ピシャーチャも」

ピシャーチャ「…(ざわざわと嬉しそうに近付く)」

カハク「みんな、困らせてゴメン。これからも、ヨロシクね」

>カハクは、仲魔たちの頭をかわりばんこになでた。

コダマ「うひょー♪初めてカハクによしよしされたー★」

ピシャーチャ「…★」

>やがて、よしよしタイムは終わる。

光介「あ、あれ…? 俺は?」

カハク「コースケはダメ」

光介「なんでだよ!?」

カハク「だって、コースケはまだまだ強くならなきゃいけないんだもん。あたしたちはそれぞれ強いスキルとか、役立つスキル持ってるけど、コースケはまだでしょ?」

光介「う…確かに、まだ終盤まで使える強いスキルは覚えてないけど…」

カハク「それってハンニンマエっていうんでしょ?だからダメ」

光介「き、厳しいなあ、もう」

コダマ「コースケかわいそ。でも、がんばればきっとよしよししてもらえるよー」

ウィルオウィスプ「ウォレモ サポート スル。 ダカラ メゲルナ」

ピシャーチャ「…(ざわざわと笑顔でなぐさめる)」

光介「んじゃ、俺は俺でしっかりがんばらせてもらうよ。みんなには負けられないからね」

カハク「そうそう、その意気!しっかりね、コースケ☆」

>そう言って、カハクは二度目のウィンクをフィフス・バベルに贈った。

光介「ありがと。それじゃ一度ターミナルでセーブして、本営の中に入ろうか」

コダマ「はーい」

カハク「ついにゴズテンノウとご対面ね!」

ウィルオウィスプ「ウォレ ドンナヤツ キテモ マケナイゾ」

>仲魔たちはにぎやかにしゃべりながら、ターミナルへ向かう。

光介「…」

ピシャーチャ「…(ざわざわとターミナルを指差す)」

光介「ああ、すぐについていくよ。それより…」

ピシャーチャ「…?」

光介「なんだか、ここに来て一気に距離が縮まったよな、俺たち」

ピシャーチャ「…(ざわざわとうなずく)」

光介「もしかしたら俺たちは、今やっと…本当の『仲魔』になれたのかも、とかさ。ちょっと思ったんだ


ピシャーチャ「…(ざわざわと2回うなずく)」

光介「お前もそう思うかい?そっか…そしたら、俺の考えは間違ってないんだよな、きっと」

ピシャーチャ「…(ざわざわと3回うなずく)」

光介「…いや、そんなにうなずきまくらなくてもいいから…」

カハク「コースケー!なにやってるのっ」

コダマ「ターミナル入るんでしょー? ボクたちじゃ体重かるすぎて扉が開かないよー」

光介「ああ、悪い悪い。じゃあ行こうか、ピシャーチャ」

ピシャーチャ「…(ざわざわとうなずき、あとをついて行った)」

>その頃、マントラ軍本営・入口付近…

?「ヒデキカンゲキーな勢い。やっとついたね」

>緑色の体。
その右手には、小さなブーメランが握られている。

?「ウワサのボクがついに登場。たぶんちょっぴりセンチメンタル」

>緑色の悪魔は、本営入口の近くにある物陰に隠れた。

>そして同じ場所に向かう影が2つ…
それは迷うことなく確実に、このイケブクロに向かってきていた。

>2/5話へ続く…


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第8話:アマラ深界・第1カルパ~イケブクロ:5/5(4周目)

★5/5話 いっしょなら★

>フィフス・バベルたちの攻撃によって大ダメージを食らいつつも、トールはまだ倒れない!

>さらに単体電撃大ダメージのジオダインを、ウィルオウィスプに放った!

光介「ヤバい!ウィルオウィスプは電撃弱点だぞ!」

>食らえば大ダメージは絶対に避けられない!

ウィルオウィスプ「ウ、ウォレ…」

カハク「…!!」

ウィルオウィスプ「ソンナモノ クラワナイ!!」

>ウィルオウィスプは、ジオダインを避けた!
トールの行動回数は全てなくなり、フィフス・バベルたちにターンは移行。

光介「危なかったな…まさかいきなりジオダインが来るとは思わなかった」

ウィルオウィスプ「サスガ トール。 シカシ ウォレサマ ソレ ヨケタ!」

光介「ああ、よくやったぞウィルオウィスプ。あれを食らってたら、さすがのお前でも危なかったかもしれない。フォッグブレス2回かけててよかったよ」

ウィルオウィスプ「コースケノ オカゲ。 アリガトウ」

光介「どういたしまして。それじゃ、あとは総攻撃だ!」

カハク「…」

光介「カハク?」

カハク「あ、わ、わかってるわよ!プロミネンスでしょ!」

光介「ああ。頼むぞ!」

カハク「…あたし、さっき…」

>フィフス・バベルたちは戦う!
トールに大ダメージ!

カハク「アイツに…ジオダイン当たらないで!って、強く思った…」

コダマ「しーんくうはー」

ウィルオウィスプ「ウォレ マケナイ!」

光介「…ク」

カハク「なんで? あんなヤツ、ただの最弱だって思ってるのに、あたし…!」

光介「…ハク」

カハク「どうしてそんなこと、強く思ったの…なんで、願ったの…」

―――ひとりじゃさみしいよ―――

カハク「……あたし…!」

光介「カハク!」

カハク「え!?」

光介「ぼおっとしてると危ないだろ!プロミネンスを叩き込め!それでトールを倒せる!」

カハク「わ、わかったわ…!」

>カハクは、地獄の業火を上回る炎を集めていく!

カハク「あたし…なにか、なんとなくだけど…わかったような気がする……」

>集まった炎は、赤から青へと変化する!
それは、炎の温度が大幅に上がった証だった。

カハク「あたしがイライラしてたのも…コースケに怒ったのも…」

―――ウォレ カハクモ マモリタイ!―――

カハク「もし、コースケに何かあって、みんなにも何かあって…それで、ひとりになるかもしれないのが…怖かっただけなのね…!」

>カハクが集めた炎は、さらに蒼く燃え上がる!

光介「…!?」

コダマ「いつもの、プロミネンスじゃ、ない…?」

カハク「あたしは、自分がさみしがりやだっていうのを認めたくなくて…でも、みんながいなくなるのが怖いって『あたしも知らないどこか』で気付いて…!」

ウィルオウィスプ「カハク…?」

カハク「それでイライラしてたんだ、あたし…コースケに怒ったのも、トモダチを助けられなかったように、あたしを助けてくれないんじゃないかって思ったから…!」

光介「お、おいカハク!それ以上はお前が危ないぞ!早くそれを放つんだ!」

カハク「でも、そんなの本当は関係なかった…! あたしは、ただ…!」

>カハクは、特大のプロミネンスをトールに放つ!

トール「おぉぉぉぉぉぉおおお!?」

>トールはプロミネンスに包まれ、倒れた…!

トール「…………」

光介「…勝ったぞ、みんな」

トール「私をここまで追い詰めるとは、…見事だ」

コダマ「最後のプロミネンスにはびっくりしたよー。ヤケドしなかった?」

カハク「う、うん。だいじょうぶ」

トール「どうやらキサマの奥底には、他の悪魔には無い何かが宿っているようだ」

>トールはそう言って、何かを取り出した。

トール「……これは、私を楽しませてくれた礼だ。受け取るがいい」

>フィフス・バベルは、マガタマ「ナルカミ」を手に入れた。

ウィルオウィスプ「アタラシイ マガタマ…!」

光介「ああ。これで俺も、電撃系のスキルを覚えることができるようになったぞ」

コダマ「ヤケドしなくてよかったね。カハクは火炎に強いけど、無効にできるわけじゃないから、ボク心配したよ」

カハク「そんなの…! …ううん」

コダマ「え?」

カハク「なんでもないわ。ありがとう、コダマ」

コダマ「なんだか素直だねー★」

光介「おい、お前たち…もうちょっとで話終わるから、静かにしといてくれ」

カハク「うん、ごめん」

光介「…?」

トール「……ゴズテンノウに会え」

光介「どうしたんだよ、素直だな…」

カハク「コースケ、話聞くんじゃなかったの?」

光介「あ、そうだな」

トール「我らの指導者ゴズテンノウは、真の強者のみが生きるユートピア建設を目指されている」

ウィルオウィスプ「ゴズテンノウ… ギンザノ バーデモ キイタ」

光介「ああ。ここに来たのも、もともとはそれが目的だったからね」

トール「ゴズテンノウは、この本営ビルの最上階に在らせられるぞ」

コダマ「あ、そーいえばそうだったねー。いろいろ寄り道したから、ボク忘れてた。テヘッ★」

カハク「そうね、あたしも忘れてたわ」

トール「キサマの力で世界が変わるかもしれん。よく覚えておけ」

カハク「ホントに忘れてた…あたし」

トール「おい、裁判官。フィフス・バベルに無罪判決を下せ、私が認める」

悪魔裁判官「えっ!? 無罪? ……はっ、ハイ!!」

カハク「こうやってここに来るまでは、悪魔全書の中でずっとひとりだったこと…」

悪魔裁判官「……で、では、判決を下す……です」

カハク「最初にアイツが全書から抜け出して、それからコダマが抜け出して…館のおじさんと話してるのを見て、あたしも話してみたくなって…」

悪魔裁判官「トール様の命令……いや…被告フィフス・バベルの力に免じ……ここに無罪放免を言い渡す!」

カハク「それからずっと、館からは出られなくてアイツとケンカばっかりして…コースケがくるまでずっといっしょで」

>出入り口をふさいでいた杭のようなものが上がり、フィフスバベルたちは闘技台から出られるようになった。

カハク「あたし、今ごろ思い出したのね…ひとりはイヤだってこと。いっしょにいたい仲魔は、コダマやアイツだってこと…」

光介「…カハク?」

カハク「コースケとピシャーチャも、その中に加えてあげてもいいわ」

光介「何をぶつぶつ言ってるんだよ。これで、お前の好きなように…」

カハク「コースケ!次はどこに行くの?」

光介「え?」

悪魔裁判官「……これにて裁判は閉廷、被告は釈放につき、すみやかに退去せよ!」

カハク「出てけってことね。ほら、コースケ!早く行くわよ!」

>カハクはフィフス・バベルの背中を押した。

光介「な、なんだよお前、さっきまでとは全然違うじゃないか」

カハク「………」

>カハクはフィフス・バベルの背中から離れ、顔の前にやってくる。

カハク「コースケが強くなるには、あたしが必要なんでしょ?」

光介「あ、ああ」

カハク「それなら素直に、いなくなっちゃやだってあたしに言えばいいじゃない! 好きなようにしろなんて、男らしくないわ!」

光介「…へ?」

>フィフス・バベルは目を丸くしている。
それをよそに、仲魔たちがカハクにこう言った。

コダマ「ボク、カハクがいなくなっちゃやだー」

ウィルオウィスプ「ウォレモ ヤダ。 カハクモ ズット イッショ」

ピシャーチャ「…(ざわざわとうなずいた)」

カハク「もう、しょーがないわね」

>そう言いながらも、カハクは嬉しそうだ。

>彼女はフィフス・バベルを見る。

カハク「コースケはどうなの?」

光介「もちろん…カハクとずっといっしょがいいさ。当たり前じゃないか」

カハク「そこまで言われたら、離れるわけにはいかないわね!」

>カハクは嬉しそうに宙でくるんと一回転した。

光介「…?? どうしたんだ? いきなり機嫌が直っちゃってるけど…?」

コダマ「ボクに言われてもわかんないよー」

ウィルオウィスプ「ウォレモ ヨク ワカンナイ」

カハク「ほらほら!次はゴズテンノウのところに行くんでしょ!はやくはやく!」

>カハクの表情は、明るい。

光介「あ、ああ…」

カハク「なんだかテンション上がってきちゃった!待ってなさいよ、ゴズテンノウ!」

光介「いや、別にゴズテンノウと戦うわけじゃないんだぞ…」

カハク「きゃははっ! なんだかたのしいわ☆ 最高な気分かも!」

>カハクは、楽しそうに宙を舞っている。

―――いっしょなら、もう…さみしくないね―――

コダマ「カハク楽しそー! ボクもなんだか楽しー♪」

ウィルオウィスプ「ウォレモ ウォレモ!」

ピシャーチャ「…(ざわざわと嬉しそうにしている)」

光介「一体…どうしたんだ…???」

>フィフス・バベルたちの旅は、第9話へと続く…


さて、いかがだったでしょうか?
イケブクロでの決闘裁判までお送りしましたけども。

カハクの成長物語的な部分が大きかった今回のエピソードですが、楽しんでいただけたら幸いです♪

…あ、もちろんゲーム中にはこんな場面は出てこないんですけどね(汗)
思いっ切り創作させていただきました。

レベルなどは前回から変化がないので、ステータス表記はナシで。
スキルも変化しませんからね、レベルアップしないと。

次回はついに、『彼』と戦うことになります!
果たしてどういうことになるのか、どうぞお楽しみにっ!


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第8話:アマラ深界・第1カルパ~イケブクロ:4/5(4周目)

★4/5話 決闘裁判★

>決闘裁判、開廷。
フィフス・バベルたちの目の前に、何者かが現れる!

>それは魔獣オルトロスだった。

オルトロス「判決ヲ 下ス……」

コダマ「カハク、おねがいだからいなくなるなんていわないでよー」

カハク「うるさいわね!それを決めるのはあたしよ!アンタでも、コースケでもない!」

光介「コダマ、今はいい。それよりも、カハクは今回は順番回しを頼む」

オルトロス「……オマエハ 死刑ダ。死刑以外 アリエナイ」

カハク「わかったわ。あたしはいらないっていうことね」

光介「違う。オルトロスには火炎攻撃は効かないんだ。だから、順番回しを頼みたいんだよ」

オルトロス「オレノ 心ヲ満タス 死ニ方ヲ 考エロ。準備ノ時間ヲ クレテヤル」

カハク「そう…てっきり、もういらないって言われたのかと思った…」

コダマ「コースケがそんなこと言うわけないじゃないかー。ね?」

光介「ああ。役に立たないメンバーなんて、誰1人としていない。ただ、今回はそういう作戦で行くってことだ…俺も順番回し担当だしな」

ウィルオウィスプ「ドウスル? ジュンビ ジカン ヤルッテ イッテルゾ」

光介「そんなものは必要ないさ。俺たちは、これまでずっとレベル上げをしてきたんだ…万が一にも負けることはないっ!」

コダマ「そうだよね!ボクたち無敵だもんね!」

ウィルオウィスプ「サイキョウノ ウォレサマ ヲ ノウリニ キザミツケロ!」

カハク「…まあ、せいぜいがんばるわよ」

>魔獣オルトロスと戦闘開始!

光介「俺とカハクは順番回しで行くから、コダマは真空刃、ウィルオウィスプは気合いを込め…なくてもいい!」

ウィルオウィスプ「!? ウォレ テッキリ キアイコメロ イワレルカト オモッテタ…」

光介「おまえの九十九針は充分強い!そのままで攻撃してくれ!」

ウィルオウィスプ「ワカッタ!」

コダマ「しんくーは、いっくよ~!」

>フィフス・バベルたちは戦う!
オルトロスに行動させることなく、すぐに倒した…

オルトロス「強イジャ…ナ…イ…カ……」

コダマ「ボクたちを甘くみてるから、こうなるのさ★」

ウィルオウィスプ「グフフ! ウォレサマ ヤッパリ サイキョウ!」

光介「よくやった、お前たち!次は…」

>次に現れたのは、鬼女ヤクシニーだった。

コダマ「うわっ!」

ウィルオウィスプ「ア、アブナイ…!」

>ヤクシニーの胸が、今にも見えそうだ!

コダマ「あれってアリなの!?ボク、見てられないよー!」

ウィルオウィスプ「カミデ カクレテル ダケトハ…! ウォレ ドキドキ!」

光介「こらこら、マリンカリンも使われてないのに魅了されるなよ。確かにキワドい格好だけどさ」

カハク「…ばっかじゃないの」

ヤクシニー「オルトロスに勝てた程度じゃ、あんたに下った判決は覆らないわ」

コダマ「あれっ…やっぱり戦わなきゃいけないんだ。キレーなおねーさんなのに」

ウィルオウィスプ「ウォレ チョット ガッカリ… テキナラ ヨウシャ シナイ!」

ヤクシニー「あんたは死刑なの……ああ…早く切り刻みたい!」

カハク「あんたたち、女を胸で判断するなんてオコサマなのよ! あたしだって、もうちょっと育てばあのくらい…」

コダマ「ねー、カハク。もうその話してないよー?」

カハク「え!」

ウィルオウィスプ「ウォレタチ モウ ヤルキダゾ!」

カハク「あ、そ、そう…じゃ、さっさとやっつけるわよ!」

ヤクシニー「でも、準備の時間はあげる。せいぜい、あがいてちょうだいね」

光介「お前たち、さっきからごちゃごちゃ話してるけど…大丈夫なのか? もう戦うぞ!」

コダマ「ボクはおっけーだよー」

ウィルオウィスプ「ウォレモ モンダイナイ!」

カハク「あたしだってすぐ戦えるわよ!早くしなさいよ!」

光介「…? まあ、いいけど。んじゃ、行くぞ!」

>鬼女ヤクシニーと戦闘開始!

光介「ヤクシニーには衝撃が効かない…はずだ。だから、今回はコダマが順番回しを頼む」

コダマ「わかったー」

光介「主力はカハクのプロミネンスだ。派手にぶちかましてやってくれ!」

カハク「わかったわ!あたしのこのこっぱずかしさ…アイツにぶつけてやるんだからね!」

光介「こっぱずかしい…?」

カハク「コースケは気にしなくていいの!行くわよ!」

光介「あ、ああ。俺もコダマと同じく順番回しをやる。ウィルオウィスプは同じように九十九針で攻撃してくれ!」

ウィルオウィスプ「リョーカイ ダ!」

>フィフス・バベルたちは戦う!
ヤクシニーに行動させることなく、すぐに倒した…

ヤクシニー「あああああッ!!」

>そして…

悪魔裁判官「いっ、いよいよだぜ……」

>周囲に地響きが起こり、目の前に巨体の悪魔が姿を現した!

光介「…」

カハク「…」

>それはトールだった。

トール「私は……鬼神トール」

コダマ「あらためて見ても…デカイね」

ウィルオウィスプ「デモ、ウォレ オソレナイ! ソレガ サイキョウ!」

トール「ここまで見事な戦いぶりだった、と誉めてやろう。しかし……この私にも、キサマの力が通用するかな?」

カハク「コースケ、作戦は?」

光介「俺はフォッグブレスを使って、トールの命中&回避力を2段階下げる。コダマは真空刃、カハクはプロミネンス、ウィルオウィスプは…」

ウィルオウィスプ「ツクモバリ?」

光介「いや、今回は気合いを込めてくれ。俺たちのレベルが高いとはいえ、油断はできないからな。その後俺がもう一度フォッグブレスを使って、限界まで命中&回避力を下げるようにする」

トール「我が裁きのハンマーをもって、キサマの力を試させてもらうぞ」

ウィルオウィスプ「ワカッタ。 ウォレ サイコウノ ツクモバリ タタキコム!」

コダマ「真空刃も思いっ切り使えそうだね!」

光介「ああ。だが、こいつは弱点を克服してる…だから、衝撃の最強スキルである真空刃でも、弱点は突けない」

コダマ「効かないわけじゃないんでしょー?」

光介「それは問題ない。ただ、行動回数を稼げないっていうだけだよ」

コダマ「じゃー、問題ないねー」

カハク「あたしのプロミネンスも、普通に効くってことね」

光介「ああ。プロミネンスは2回ぶち当たることもあるけど、こればっかりは運だ…追い詰めると少し本気を出してくるから、早めに倒してしまおう」

カハク「…わかったわ」

トール「今しばらくの猶予を与える。万全の準備を整えるがよい」

カハク「もう準備は終わったわよ!そっちこそ、さっさとかかってきなさいっ!」

>鬼神トールと戦闘開始!

光介「さっきの作戦通りだ!みんな、行くぞ!」

コダマ「まかせてー」

ウィルオウィスプ「ウォレサマ キシン タタキノメス!」

カハク「こんがり焼いてあげるわよ!」

トール「いくぞ!」

>フィフス・バベルたちは戦う!
真空刃、プロミネンス、さらには気合い付き九十九針で大ダメージを与えた!

トール「ほほう、強いな……その力、もう少し見せてもらおう!!」

カハク「まだ倒れない!?」

光介「ウィルオウィスプ!ジオダインが来る!」

ウィルオウィスプ「…!」

>トールのジオダイン!
単体電撃大ダメージが、ウィルオウィスプを襲う!

>ウィルオウィスプは電撃が弱点!
食らえば大ダメージは避けられない!

ウィルオウィスプ「ウ、ウォレ…!」

カハク「…!!」

>5/5話へ続く…


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