魔人の記 -752ページ目

第10話:ニヒロ機構~イケブクロ2:1/5

★1/5話 グルグル通路の先へ★

>前回の続き。

>ニヒロ機構・中枢で再会したヒジリは、マントラ軍のニヒロ襲撃は失敗したとフィフス・バベルたちに告げた。

>地下2階にある中枢は、完膚なきまでに破壊されたにもかかわらず、である。

ヒジリ「アマラ経路を通ってきたせいで、何とか見抜けた……マガツヒの流れが妙だ」

カハク「マガツヒの流れ…?」

ヒジリ「実に巧みに似せてあるが……恐らくここは、中枢じゃない」

光介「……」

ヒジリ「この建物のどこかに、本当の中枢部があるはずだ……氷川の奴も、きっとそこにいる」

>その時、中枢全体を震動が襲った。
破壊されるほどのものではないが、その余震とも思えるレベルの揺れではあった。

ヒジリ「チッ……そろそろヤバイか………」

光介「そうみたい…ですね」

ヒジリ「マントラ軍の騒ぎが静まりつつある。ここから先は、いっそう危険になるだろう」

光介「はい。覚悟してます」

ヒジリ「氷川のツラは拝んでやりたいが……俺じゃ、命が幾つあっても足りん。ここらで引き返すしかなさそうだ」

>ヒジリはまたこちらを見る。

ヒジリ「途中、先に進めない通路があったろ? 回転して進入させないようにしてたやつだ」

ウィルオウィスプ「グルグル!」

コダマ「あれ、目が回りそうだったよねー」

ヒジリ「そいつのロックを、さっき解除した。もう先へ進めるはずだ」

カハク「ここから、本当の中枢ってのにワープできないの?」

光介「それは無理じゃないかな。ここはもう壊されてるからね…」

ヒジリ「俺に出来るのは、これくらいだからな」

カハク「そう。結局、あたしたちが進んでいくしかないのね」

光介「納得できないかもしれないけど、自分たちで進むことで得られるものもある…俺はそう思うよ」

カハク「あたしもなんとなくそう思うけど…まだ納得できないのは、あたしがコドモだからかしら?」

光介「さあ、それは俺にはわからないな」

ヒジリ「……氷川とどう向かい合うかは、お前に任せる」

ウィルオウィスプ「カハク コドモジャ ナイゾ!」

コダマ「そうだよー。ボクらの中で、一番いろいろ考えてるじゃないかー」

光介「お前たち、話が終わりだと気付いたら、いきなりしゃべり出したなあ」

ヒジリ「ここまで来たんだ。悔いだけは残すなよ……じゃあな」

>フィフス・バベルたちは中枢から出された。

光介「さて、と…」

ウィルオウィスプ「コースケ ソッチ グルグルノ トコ!」

光介「さっきヒジリさんが言ってたろ? ここはもうグルグルしてないんだよ」

>フィフス・バベルは、安定しない通路への扉を開ける。

ウィルオウィスプ「ウォ?」

コダマ「止まってるー」

>通路は安定している。
ヒジリの言う通り、通ることが可能になっているようだ。

カハク「ここを通って、地下15階まで行くのね」

光介「ああ。その代わり、氷川のところへ行くには、4つのキーラっていうものが必要になるんだ」

コダマ「キーラ?」

ウィルオウィスプ「キラキラ?」

カハク「それ、ここに来るまでにオニから聞いたわ。オニは『ガセネタだったか?』って言ってたけど」

光介「うん。その情報はガセじゃないってことも話したよな? これからは、それを集めていくことになるんだ」

カハク「氷川っていうのがニヒロのボスなんでしょ? ってことは、そいつの所に行くのに必要なキーラってのも…」

コダマ「誰かが守ってそうだよねー」

光介「その通り。ここにある仕掛けを突破して、キーラを守るボスたちを倒していかなきゃいけないんだけど…」

>フィフス・バベルたちは通路の突き当たり、扉のところまでやってきた。

>扉の向こうから、強い妖気を感じる。

カハク「早速なの?」

光介「キーラその1、早速手に入れるぞ!」

コダマ「どんなヤツが持ってるのかなー?」

ウィルオウィスプ「ウォレ サックリ サシノメス!」

>フィフス・バベルは扉を開けた。

>そこは広間になっており、4つの台座が見えている。

コダマ「んー?」

>その近くには、妖魔コッパテングと夜魔インキュバスがいた。

コッパテング「……マントラ軍のアホども、まんまとダマされやがった」

コダマ「チビテングくんだ! アマラ深界にもいたね」

光介「第1カルパに出てきたな。まあ、もちろんあっちにいたヤツとは違う個体なんだけど…」

カハク「何か話してるわね」

コッパテング「中枢部がニセモノとも知らずに、襲撃した気になるんだからな」

インキュバス「力、力って、知恵が足りなくていけないねえ」

コッパテング「………ん?」

>コッパテングはこちらに気付き、振り向いた。

コッパテング「誰だオマエ」

インキュバス「へえ……どこの悪魔か知らないけど、脳ミソ働くヤツもいるんだねえ」

カハク「あたし今、ふと思ったんだけど」

光介「ん?」

カハク「マントラ軍の連中も、グルグルの通路を見たはずよね? 近くに悪魔いたし」

光介「ああ、確かにヨモツイクサがすぐ近くにいたなあ。気にすることはないって言ってたけど」

カハク「なんで気にしなかったの? あれって、アヤシさ大爆発じゃない?」

コダマ「あ、確かにそうだねー」

ウィルオウィスプ「ウォレデモ アヤシイト オモウゾ!」

カハク「中枢を壊したから、もういいやって思っちゃったのかしら…」

光介「多分、そうなんだろうな。ゴズテンノウの命令でニヒロに攻め込んで、中枢壊したらもうOK!って思っちゃったんだろう」

カハク「なんか……バカよね」

光介「みんな、ゴズテンノウが怖くて従ってるような感じだから、さっさと終わらせてすぐに褒美がほしかったんじゃないのかな」

カハク「…そうなの? それにしても、あまりに何も考えてなさすぎよ」

コダマ「相変わらずカハクは厳しいね~♪」

ウィルオウィスプ「ナゼ コダマガ ウレシソウ…?」

光介「まあ、今はそれよりもこの悪魔たちの相手をしないとな。俺たちは結局、進んでいかなきゃならないんだから」

カハク「まあ、あたしとしてもぼんやりしてるなんてイヤだから、そうするけどね」

コダマ「ボクもー★」

ウィルオウィスプ「ウォ ウォレモ!」

インキュバス「どうせ、氷川総司令の首をとって、ハクをつけようって三下だろうよ」

コダマ「コースケ、サンシタってなにー?」

光介「ザコってことだろうね、きっと」

コダマ「えー! なんだよそれっ! ボク、イライラしちゃうぞー!」

コッパテング「ちょうどいい……マントラどもが余りに不甲斐無く、退屈を持て余していたところ」

カハク「あたしたちをザコだなんて、結構な自信なのね!」

コッパテング「せっかくのお客だ、丁重にあの世へご案内差し上げよう」

ウィルオウィスプ「ウォマエタチ コソ ウォレニ アンナイ サレロ!」

悪魔たち「死ねェェェェ!!」

>夜魔インキュバス、妖魔コッパテングと戦闘開始!

光介「よし、インキュバスは衝撃弱点だから、コダマは真空刃! 残ったコッパテングにはカハクのプロミネンスとウィルの九十九針…」

>フィフス・バベルは、悪魔の落とした「黄のキーラ」を手に入れた。

光介「…あれ?」

カハク「なによ、口ほどにもないわね」

コダマ「さっくり終わったよー」

ウィルオウィスプ「コースケ シジスル オソイ! モウ オワッタゾ」

光介「あ、あら…? まさかこんなに早いとは…」

カハク「で、それがキーラってヤツなのね」

光介「あ、ああ…これを合計4つ手に入れて、ここの中央にある台座にはめ込むんだよ」

コダマ「透き通ってるねー」

ウィルオウィスプ「ナンダカ キレイ ダゾ」

光介「コッパテングとインキュバスはあまりにさっくり倒せたけど…キーラは残り3つ必要だ。それももちろんボスたちが守ってるから、気を付けていこうな」

カハク「でも、あたしたちなら全然問題ないわよ。ね?」

コダマ「そうだよそうだよー」

光介「俺もそうは思うけど、油断すると何が起こるかわからないのがこの世界だからなあ…とにかくまずはセーブといこう」

>フィフス・バベルたちはターミナルへ行き、セーブした。

光介「よし、これでいい。今からニヒロ機構の中を探索していくけど、仕掛けも多いから今回はここで中断しよう」

カハク「そうなの? 一気に行けそうなのに」

光介「油断した気持ちを引き締めなきゃいけないし、それに…コダマに頼まれたみたらし団子も持ってこないといけないからね」

コダマ「あ! コースケ憶えててくれたー♪」

ウィルオウィスプ「ウワサノ ダンゴ ダナ」

光介「ああ。だからちょっと待っててくれ。団子手に入れたら、すぐに戻ってくるから」

コダマ「わかったー★ 楽しみにしてるからねー!」

カハク「つ、ついにみたらし団子っていうのが登場なのね…なんだかドキドキするわ」

ウィルオウィスプ「ウォレ モウ シンパイ シテナイゾ。コダマガ アンナニ ウレシガッテルカラ シンパイ ナイ!」

カハク「そうだと…いいんだけど」

光介「じゃ、ちょっと待たせるけど、ゴメンな」

コダマ「はーい♪ 早く帰ってきてねー」

>2/5話へ続く…


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第9話:イケブクロ~ニヒロ機構:5/5

★5/5話 ニヒロ機構へ★

>イケブクロからターミナルの転送機能を使い、ギンザへ。

>さらにギンザから徒歩で、近くにあるニヒロ機構へ向かった。

ピシャーチャ「…(ざわざわと首をかしげている)」

コダマ「どしたのー? ピシャーチャ」

ピシャーチャ「…(ざわざわと何かを言う)」

コダマ「そうなのー? でも今は、全然違うよねー?」

光介「…どうかしたのかい?」

コダマ「ピシャーチャがねー、前はここにオニたちなんかいなかったって言ってるんだよー」

光介「ああ、そのことか。確かに最初は、堕天使ベリスにすぐに追い出されちゃったもんなあ」

カハク「オニって、確か…マントラ軍の悪魔じゃなかった? イケブクロに入ってすぐ、戦った気がするわ」

ウィルオウィスプ「ソレ ウォレモ ウォモッタ。イバッテル ノニ ヨワッチィ ヤツダッタ!」

光介「そうだな。ここにいる悪魔たちは、マントラ軍に所属してる…ゴズテンノウの指示でここに攻め入って、襲撃成功に喜んでるんだろう」

コダマ「ふーん…」

>エントランスでは、マントラ軍の悪魔たちが騒いでいる。

オニ1「ガハハハハ……何が静寂な世界だ! 何が創世だ! ニヒロ機構など、あっけなく崩壊したぞ! ぐはははは!」

オニ2「ニヒロの中枢部なら、ブッたたいてやったぞ! もうニヒロは終わり。マントラの勝利だ!」

>それは、地下1階でも同じだった。

ヌエ「おお…オマエ、裁判に勝ったヤツだな。やっぱり来たか? 来たのか?」

光介「ええ、まあ…」

ヌエ「でも、一足遅かったな。襲撃だったら、あっけなく終わったぞ。グハグハグハ!」

カハク「…大騒ぎね」

光介「マントラ軍の宿敵だったらしいから、そこをつぶせたのがよほど嬉しいんだろうなあ」

コダマ「ねーねー、ヨモッちゃんが気になること言ってるよー」

光介「ヨモッちゃん?」

>フィフス・バベルが見ると、そこには妖鬼ヨモツイクサがいる。

ヨモツイクサ「……クソッ! 人間の総司令も、巫女も、見あたらねえよう」

カハク「ってことは、ユーコセンセーも無事ってことね」

光介「そうだね。予想通り…というか、わかっていたことであるけど、実際に教えてもらうとやっぱり安心するな」

ヨモツイクサ「……まあいい。お宝は全部頂いたからよう」

コダマ「えっ!? ヨモッちゃん、お宝全部取っちゃったの?」

ウィルオウィスプ「ヨモッチャン…?」

光介「ああ、ヨモツイクサもコダマも、日本に古くから伝わる悪魔だから知り合いなんだろうな」

コダマ「ひどいよー! ボクらの分も残しといてよー」

>コダマはプンプンしている。

光介「コダマ、とりあえず地下2階に行こう。ここの宝箱には、ヨモツイクサが言ったように何も入ってないから」

コダマ「ボク、ヨモッちゃんこらしめるっ! せっかく楽しみにここまで来たのに!」

>コダマは、やる気だ!

光介「落ち着きなって。おいしいものならまた俺が持ってきてやるから…」

コダマ「……ホント?」

カハク「もちろん、コダマの分だけじゃないわよね?」

光介「ああ。シブヤでチョコあげたっきりだから、また何か持ってくるよ。どんなのがいい?」

コダマ「やった♪ んーとねー…」

光介「さて、今のうちに、と…」

>フィフス・バベルは、機嫌を直したコダマを抱きかかえて地下2階へ向かった。

>エレベータを降りると、すぐに中枢フロアへ到着する。
広いフロアであり、中央に球体のような部屋があった。

カハク「おっきいわねー…」

ウィルオウィスプ「ココ チカ2カイ ナノニ ソトカラ ヒカリガ サシコンデ クルゾ」

光介「うん。ニヒロ機構の建物自体が円盤みたいになってて、中央に穴が開いてるんだ。そこから、世界中のマガツヒを吸い込むように集められる…そういうつくりになってるんだよ」

カハク「よくこんなでっかいの、作ったわね…確かにマガツヒはあたしたちにとって大事なものだけど、マントラ軍とは全然違うわ」

光介「そうだな。マントラ軍は人間が遺したビルを本営として使ってたけど、ニヒロは完全に自分たちでこんな施設を作り上げたんだ」

>その時、そばにいた妖鬼オニが話しかけてきた。
エントランスにいたオニとは、別の個体である。

オニ「この先の丸いヤツが、ニヒロ機構本部の心臓、中枢部……のはずだが、随分とあっけねえモンだな……」

カハク「そうね…ここから見てもまだ下がありそうなのに、ここが中枢っていうのもなんだか変な感じ…」

>フロアの下には、闇が広がっている。
どこまで深いのか、ここから知ることはできないほどの深さだ。

オニ「4つのキーラってのが、中枢部のロック解除に必要って情報も、ガセネタだったか?」

ウィルオウィスプ「キーラ?」

光介「ああ。そしてこの情報は、ガセじゃない」

ウィルオウィスプ「ソウナノカ!?」

光介「まあ、それは後で説明するよ」

オニ「……まあ、ニヒロのヤツらは、マントラに恐れをなして逃げ出した、ってのがオチだろう」

カハク「ここまでおっきなものを、自分たちだけで作り上げて…そう簡単に逃げ出したりするのかしら…?」

光介「まずは、この中枢に入ってみよう。俺たちの声は聞こえてないみたいだけど、それにしたってあまりおおっぴらに話せる内容じゃな…」

コダマ「決まったー!!」

ウィルオウィスプ「ウォ?」

コダマ「決まったよ、コースケ!」

>コダマは、小おどりしている!

光介「そっか。で、どんなのが欲しいんだい?」

コダマ「みたらしだんごー!」

カハク「みたらし?」

ウィルオウィスプ「ダンゴ?」

光介「今度は和菓子かあ。よし、次にターミナルで中断した時に持ってくるからね」

コダマ「ぃやったーい!」

>コダマは興奮状態だ!

カハク「コースケ、みたらしだんごってなんなの?」

光介「あれ? カハクは知らないのか?」

カハク「あたし中国の悪魔だもん。和菓子はそんなに詳しくないわ」

光介「これは意外だなあ。みたらし団子っていうのは、木の串に団子を刺して、それを焼いてタレをかけたものだよ」

カハク「ふーん…タレって、何の? 和菓子っていったら、普通はあんこよね?」

光介「しょうゆベースのタレなんだよ。俺も結構すきだな」

カハク「しょうゆベース!? しょうゆってしょっぱいものじゃないの?」

ウィルオウィスプ「ウォレモ ソウ ウォモッテタ」

光介「しょうゆに砂糖とかみりんとか加えて、甘辛くしたタレなんだよ。みんなの分も持ってくるから、食べてみるといい」

カハク「う、うん…」

ウィルオウィスプ「ワカッタ…」

>カハクとウィルオウィスプは、互いの顔を見合わせる。

カハク「甘辛いって、どういう感じなの…? 日本ので辛いっていったら、からしとかわさびとかでしょ? それと甘いのがくっついてるのかしら…」

ウィルオウィスプ「ウォレ ソウゾウモ ツカナイ!」

カハク「日本には、『くさや』っていう殺人的な臭いを放つ食べ物もあるくらいだし、なんだか怖いわね…」

ウィルオウィスプ「デモ コースケ ウマイ イッテルゾ? ウォレ ソノイミデハ チョット アンシン!」

カハク「でもあたしたち、この世界のマガツヒで生きてるから、今までコースケとごはん食べたことないじゃない? コースケの味覚がまともなのか、わかんないわ」

ウィルオウィスプ「ソーイワレレバ ソウカモ…!」

カハク「とにかく、注意して食べないといけないわね…」

ウィルオウィスプ「ソ ソウダナ…」

光介「おーい、お前たち、何をこそこそ話してるんだよ?」

カハク「あ! な、なんでもないわよ。で、どこ行くんだっけ?」

光介「中枢に入るんだよ。中で説明しなきゃいけないこともあるし…」

コダマ「中枢って、こっちー?」

>コダマは、逆方向のドアを指差している。

光介「おいおいコダマ、どこまで興奮しちゃってるんだよ。それは逆…中枢はこの丸いヤツだよ」

コダマ「テヘっ♪ ボクって大ボケさん★」

カハク「コダマのテンション、ハンパないわね…そんなにおいしいのかしら、みたらし団子」

ウィルオウィスプ「ウォレ ナンダカ キタイ デキソウナ キガスル!」

カハク「そうね、いつもはマイペースでのんびり屋さんなのに、あそこまでテンションおかしいってないわよね」

光介「なんだかみんな、今回はいつもと違うなあ…まあいい」

>フィフス・バベルは、中枢とは逆の扉へ近付く。

カハク「コースケ? そっちは中枢じゃないでしょ?」

光介「ああ。でも、一応見せておいてあげるよ。この先がどうなってるのか」

>扉の向こうから、何やら音が聞こえる…

光介「ここを開けると…こうなってるんだ」

>扉の先は、通路が安定しておらず、進めない…
通路を中心として、壁が回転している。

カハク「な、なにこれ…!」

ウィルオウィスプ「グ グールグル! ウォレ メ マワリソウ!」

コダマ「見てると酔っちゃうよ、これー」

光介「…というわけで、進めないんだよ」

>フィフス・バベルは扉を閉めた。

光介「だから、結局俺たちは先に中枢に入らなきゃならないんだ。というわけで…もう入ってもいいかな?」

コダマ「おっけー★」

カハク「わかったわ」

ウィルオウィスプ「ウォレ グルグル イヤ!」

ピシャーチャ「…(ざわざわとうなずいた)」

光介「よし、それじゃ…」

>中枢の扉の向こうからも、物音が聞こえる。
だがそれは、先ほどの通路から聞こえる音とは違っていた。

光介「開けるぞ」

>フィフス・バベルは、扉を開けた。

カハク「わ…」

>中枢部。
中央にはターミナルのようなものが宙に浮いており、ゆっくりと横に回転している。

ウィルオウィスプ「ア!」

光介「どうした?ウィル」

ウィルオウィスプ「アソコニ ダレカイルゾ!」

>ウィルオウィスプの視線の先。
そこには、ヒジリが立っていた。

ヒジリ「……なんだよ、お前か」

カハク「また出たわね、うさんくさいヤツ!」

光介「おいおい、それはひどいぞ…確かにシブヤからギンザまで行く時に、転送失敗してアマラ経路に落ちちゃったけど、あれは事故なんだから」

カハク「そんなのわかんないわ。コイツはなんだか信用できないのよ!」

ウィルオウィスプ「ウォレモ オナジ イケンダゾ」

光介「まずは落ち着いて。そしてヒジリさんの話を聞こう…あの人だって、ここに遊びに来たわけじゃないんだから」

カハク「…コースケがそう言うんだったら、大人しくしてるわよ…」

ウィルオウィスプ「ウォレモ…」

コダマ「ボクは最初っから、いい子にしてるもーん♪」

ヒジリ「脅かすなよ。待ち伏せされたのかと思ったぜ」

光介「よし、それじゃ…ヒジリさんに話を聞くか」

>フィフス・バベルは、ヒジリの話を聞いた。

ヒジリ「……なんとか無事らしいな」

光介「ええ、まあ」

ヒジリ「この前は、済まなかった。事故らせちまって……」

カハク「あれはアンタがワザと…!」

光介「カハク、証拠がないんだぞ」

カハク「わかったわよ、静かにしてるわ」

ヒジリ「だが結果的には、幸運だった」

コダマ「ラッキーだったのー?」

ヒジリ「まさか、こんなドデカい拠点があるとは……成功してたら、たった1人でここへ放り込んじまう所だった」

カハク「あ」

光介「ん?」

カハク「そっか…じゃあ、いきなり成功しなくてよかったのかも…」

光介「もし、の話だから、どうなってたかはわからないけどね」

コダマ「コースケ1人じゃないよ! ボクたちだっていっしょだい!」

光介「ありがとうな、コダマ。でも今は、ちょっと静かにしとこうか」

コダマ「はーい」

ヒジリ「……だいたいの事情は把握してる」

光介「……」

ヒジリ「マントラ軍……いい時に襲撃してくれたもんだ。おかげで俺も目立たずに来られた」

>そう言った後、ヒジリは意味ありげにフィフス・バベルを見た。

ヒジリ「………………」

光介「どうか、しましたか?」

ヒジリ「なあ、まさかとは思うが……お前がマントラ軍に付いたって話は本当か?」

光介「そのことですか。ええ、本当です」

ヒジリ「……そうか」

ウィルオウィスプ「ミンナガ タノシイ セカイ ツクルタメ ダゾ」

ヒジリ「まあ、お前が決めたことだ。俺がどうこう言う事じゃないことはわかってるよ……」

>そう言った後、ヒジリは少しだけ、フィフス・バベルに近付いた。

ヒジリ「この部屋は、全体がマガツヒを集める装置なんだ」

光介「……」

ヒジリ「外から見える大穴の正体はこいつさ」

カハク「確かコースケも、さっきそんなこと言ってたわね」

光介「ああ。俺は何度もこの世界を周回してるからもう知ってるけど、初めて教わるのはここでなんだ」

カハク「ふーん…ただのうさんくさいヤツでも、ないってわけね」

>ヒジリは下を見る。

ヒジリ「もっとも襲撃で壊されちまって、今はもう死んでる」

ウィルオウィスプ「デモ マダ マワッテルゾ?」

光介「ただ動いてるだけで、マガツヒを集める装置としては機能してないんだろうね」

ヒジリ「だが現に、さっきまでここは大量のマガツヒで満ちてたんだ」

コダマ「へー…この人、そんなことまでわかるんだねー」

ヒジリ「マントラ軍は、寄ってたかってここを叩いた。無理もねえ……傍目にゃ、どっからどう見てもここがニヒロの中枢だ」

カハク「…? なんか、引っかかる言い方ね…?」

ヒジリ「連中、今しがた意気揚々と帰ってったぜ……」

>ヒジリはこちらを見る。

ヒジリ「……氷川にハメられたとも知らずにな」

カハク「え!?」

光介「………」

>フィフス・バベルたちの旅は、第10話へと続く…


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ペルソナ2・罪を入手!

ついに買ったんですよー★

今までは中古でも3000円超えしてたんでちょっと手が出なかったんですが、昨日ついに手に入れました♪

現在ムー大陸。

一応、

達哉はファレグ
ギンコがロビングッドフェロー
舞耶とユッキーは初期のまま

ミッシェルはポルターガイスト(笑)

3人の初期ペルソナはまだ残ってます。
当然ランクは8なんですけど…

どうもね、まだシステムを理解してないらしく、ムー大陸の入口付近で戦い続けてます。
敵強いです(汗)

ミッシェルは素直にラダマンティスをつけてればいいとは思うんですが、レベルがポルターガイストの方が上なんで、思わず召喚してくっつけたら…食らうダメージがでかすぎてびっくり。

せっかくなので、ポルターガイストもランク8になるまでがんばって育てようとは思うんですけどね…なかなかしんどいです。

合体魔法をガンガン使うことでパラメータが上がったり、2ランクアップしたり、普通のランクアップでは覚えない魔法とかを覚えるというのはわかったんですが、もうしばらく進めなさそうです。

そもそも、ベルベットルームで表示されるペルソナが少なすぎる(汗)
こういう部分でも、1とは違ってて戸惑ってます。

あと、ペルソナって誰か1人に3体降魔させるんじゃなくて、パーティ全員で使いまわせるみたいですね。
もちろん相性が合わなかったらチェンジできないんでしょうけども。

どうせまだ超序盤だと思うので、のんびりレベル上げしつつシステムを体で理解していこうと思います。

もちろん、真・女神転生Ⅲマニクロのト書きも続けていきますんで、そちらも合わせて楽しんでいただければと思います。

ト書きとプレイ記と、あんまし混ぜくって書くのはよくないとも思ったんですが、せっかくなので報告させていただきました★