第9話:イケブクロ~ニヒロ機構:2/5
★2/5話 人修羅v.s.悪魔召喚師★
>イケブクロのターミナルにて再開。
光介「よし、これでセーブもきっちりしたし、ゴズテンノウに会う準備は整ったな」
コダマ「コースケはけっこうMP減ってるけど、回復しなくていいのー?」
光介「あ、フォッグブレスを2回使ったからなあ…んじゃ、回復の泉でしっかり回復させて行こうか」
カハク「先に回復してからセーブした方がよかったんじゃない?」
光介「そうだな、二度手間だけど…お前たちはHPもMPも満タンだし、ちょっと行ってくるよ」
コダマ「はーい」
>フィフス・バベルは回復の泉に行き、全快になってターミナルに戻った。
光介「よし、これでセーブし直して…と」
>セーブしました。
光介「じゃあ行こう!マントラ軍本営の中は敵が出てくるけど、そんなに強くないからがんばりすぎなくていいからね」
コダマ「わかったー」
カハク「そっか。んじゃあたしもムダにプロミネンス使わないようにしていくわ」
ウィルオウィスプ「ウォレ ゼーイン タタキノメス!」
ピシャーチャ「…(ざわざわと楽しそうにしている)」
>扉を開け、マントラ軍本営・入口があるフロアに来た。
光介「…!」
>王国のメノラーの炎が、激しく揺れている…
光介「まさか…?」
コダマ「火、ゆれてるよー?」
カハク「確か、マタドールの時もそうだったわよね…ってことは、ここに魔人がいるの?」
光介「いや、次の魔人はだいそうじょうのはずだけど、まだタイミングが早すぎるはず…」
ウィルオウィスプ「ココデ ヒ ユレテル ッテコトハ ココニ マジン イル? ウルィ?」
光介「そうだ。メノラーの炎が揺れるってことは、このフロアのどこかに別のメノラーを持った誰かがいるってこと…でも、だいそうじょうはこんな場所にはいない!」
カハク「じゃあ、どういうことなのよ?」
光介「…そうか、このタイミングで来るのか…」
カハク「…?」
コダマ「あのマネカタさん、何か言ってるよー」
>コダマは、階段の前にいるマネカタの話を聞いた。
マネカタ「銃刀法違反でした」
ウィルオウィスプ「ジュートーホー?」
光介「…」
マネカタ「学生の方でした」
光介「…やはり、そうか!」
カハク「なんなの?ひとりで納得しないでよ」
光介「マントラ軍本営・入口前に、誰かがいる…そいつは、魔人とは違うけど、魔人並みにやっかいなヤツだ」
コダマ「魔人じゃないけど魔人なみ?」
ウィルオウィスプ「ツヨイ ッテ コトカ?」
光介「ああ。さすがにここは俺も油断ができない…」
カハク「それ、トールの時も言ってたじゃない」
光介「それ以上にだ! アイツとついに戦うことになるのか…!」
コダマ「コースケ、いつになくマジだよー」
ウィルオウィスプ「ウォレ モエテキタ ゾ」
カハク「そう。コースケがそこまでマジになるってことは、あたしもマジにならなきゃね…!」
光介「お前たちはいつもの戦い方でいい。戦闘の順に言うと、コダマは真空刃、カハクはプロミネンス、ウィルオウィスプは気合いを込めた九十九針でいい」
コダマ「コースケは、フォッグブレス?」
光介「ああ。ヤツはそれを無効化できるが、絶対に無効化するとも限らない。フォッグブレス2回で、限界まで命中&回避力を下げておくよ」
カハク「そいつ、一体どこにいるの? ちょっと見たかぎりではいないみたいだけど…」
光介「入口だ。そこまで行かないと会えない。俺は物理に強いマガタマ『カムド』を装備して…と」
>フィフス・バベルは、マガタマをカムドに付け替えた。
光介「これでいい。みんな、準備はいいか?」
コダマ「いーよー」
カハク「問題ないわ」
ウィルオウィスプ「イツデモ コイ!」
光介「…よし、ピシャーチャは移動用の魔法専門だから、休んでくれてていいからな」
ピシャーチャ「…(ざわざわとうなずいた)」
光介「いくぞ…!」
>フィフス・バベルたちは、本営入口へと向かった。
光介「…?」
>入口付近には、何かがいる。
気配を感じて、フィフス・バベルがそちらを見ると…
光介「…!」
>緑色の悪魔が、物陰からそっとこちらを見ている。
>と、いきなり顔が引っ込んだ。
光介「!」
>そしてゆっくりと、緑色の悪魔が物陰から出てきた。
右手には、小さなブーメランを持っている。
光介「やはり、か…モコイさん!」
コダマ「モコイさん?」
カハク「な、なんだか…カワイイ、かも…」
ウィルオウィスプ「ウォレノ ヨソウヲ コエル ウゴキ…!」
>モコイさんは、妙な音を立てながらぶるぶるるんと震えた!
モコイさん「なんだかとってもダークネス。ボク、ボルテクス界デビューしたッスよ」
コダマ「あ、そーいえば悪魔全書で見たことない悪魔だー」
カハク「そういえばそうね。あたしも、全書の仲魔たちからいろんなもの買ったことあるけど…この悪魔は見たことないわ」
光介「この世界にはいないことになってるからな…」
>モコイさんは、楽しそうに言葉を続ける。
モコイさん「ウヒッ、デビルサマナークズノハライドウ対人修羅…それってイケてる?」
ウィルオウィスプ「デビ…ル?」
コダマ「サマナー?」
カハク「くずのは、らいどう?」
光介「ああ。デビルサマナー葛葉ライドウ…今までで最強の相手だ!」
>モコイさんはこちらから向かって右側を見る。
その視線の先には…
光介「…!」
コダマ「階段のところに、誰かいるねー」
カハク「…ねこちゃんもいるわ」
>黒いマントを来た、学生服の美少年。そして黒猫。
それこそが、デビルサマナー 十四代目葛葉ライドウだった。
ライドウ「………」
>風にはためくマント。
それは、首元以外全てボタンが外されている。
光介「悪魔を封じる封魔管、剣、そして銃…隠すつもりもないってことか!」
>それは『彼』の覚悟を物語っている。
ウィルオウィスプ「コヤツ… デキル!」
>かたわらにいる黒猫・ゴウトが、不意に口を開いた。
ゴウト「……人修羅とやら」
カハク「!」
コダマ「ねこちゃんがしゃべったよ!?」
光介「お前らだってしゃべるだろ…それよりも、すぐに戦闘だぞ、気を付けてくれ!」
ゴウト「まずはその力を見極めさせてもらうぞ!」
>ゴウトの声と共に、ライドウは剣を抜きつつ階段を駆け上がる!
そして階段を上がり切り、臨戦態勢をとった!
>悪魔召喚師・十四代目葛葉ライドウと戦闘開始!
光介「行くぞ!作戦はさっき話した通りだ!おちゃらけられる余裕は、全然ないからな!」
コダマ「わかったー!んじゃボクはしんくうはー」
カハク「あたしはプロミネンス!」
ウィルオウィスプ「ウォレ キアイコメテ アイツ サス!」
>フィフス・バベルたちは戦う!
ライドウに大ダメージを与えた!
>そしてライドウに行動が移る。
ゴウト「ライドウ、まずは慎重にな。間違っても殺すなよ?」
>その直後、ゴウトは続けて言った。
ゴウト「ライドウ、少し力を抜きすぎではないか?」
コダマ「あれ?」
光介「あれ…?」
カハク「力を抜きすぎって、まだあたしたちに攻撃なんてしてないわよ?」
光介「それだけこっちが、1ターン目に大ダメージを与えたってことなんだろう。どちらにしろ攻撃が来る!気を付けろっ!」
ゴウト「人修羅め、なかなかやる……」
ライドウ「…!」
>ライドウの挑発!
ゴウトが学生帽の上に乗り、こちらに向かって叫ぶ!
ゴウト「シギャァァ!!」
>フィフス・バベルたちの攻撃力が2段階上がり、防御力が2段階下がった!
>さらにライドウのブギウギ!
銃を抜き、コダマを狙う!
コダマ「あ。ボクねらってるー」
光介「コダマっ!」
>銃弾が発射され、コダマに襲い掛かる!
食らえば、複数回の物理ダメージだ!
コダマ「えへへー」
>しかしコダマは避けた!
ライドウの行動は終わる。
光介「よく避けたな、コダマ!」
コダマ「コースケが2回フォッグブレスかけてくれてたからだよー。無効化されなくてよかったね」
光介「ああ。挑発のおかげでこっちの防御力は2段階下がってるが、攻撃力は2段階上がってる!今がチャンスだぞ!」
>フィフス・バベルは、コダマに順番を回す。
コダマ「やっぱりボクって、しーんくうはー」
>コダマの真空刃!
単体衝撃特大ダメージ!
>ライドウの様子が変わった。
光介「もしかして、苦しんでるのか!? よし、カハク!お前が決めてやれっ!」
カハク「わかったわ! あたしの炎、しっかりと食らいなさいっ!」
>カハクのプロミネンス!
火炎大ダメージが2回当たり、ライドウを退けた…
光介「よしッ!!」
カハク「キャハッ!やったぁ♪」
コダマ「すごいねカハク★コースケは今までで最強だって言ってたけど、2ターンで倒したね!」
カハク「アンタの真空刃がすごかったのもあるのよ!アンタもすごいわ、コダマ!」
ウィルオウィスプ「ウォ、ウォレ… ミセバ ナカッタ…」
光介「いや、ライドウが誰に攻撃するかわからない以上、見せ場がないとは言い切れないぞ。今回は結果的にこうなったけど、もしかしたらお前がトドメを刺してたかもしれない」
ウィルオウィスプ「コースケ ソウイウ ナラ キット ソウイウコト! ウォレ ジシン モツ」
光介「しかし、ホントにお前たちは大したもんだよ…ライドウ相手に、ここまで一方的に戦えるなんてな」
ライドウ「……」
>ライドウは、剣を鞘に収めた。
それとほぼ同時に、ゴウトが口を開く。
ゴウト「ライドウが認めるその力。やはり、なかなかのものだな…」
コダマ「びっくりしたでしょー?エヘヘ★」
ゴウト「人にあらず悪魔にあらず…故に人修羅、か…なるほどな」
コダマ「なんだよー、ボクたちだってがんばったんだぞー」
光介「コダマをほめてないんじゃなくて、俺たちみんなの力をほめてるってことだよ」
コダマ「そっかー。それならなっとく。くしし」
ゴウト「今、お前と戦ったこの男の名はライドウ。そして俺はゴウト。まあ、しがない探偵だ」
ウィルオウィスプ「ネコガ タンテイ? ウォレ ヨリ アタマイイ?」
光介「ゴウトは完全に猫、ってわけでもないからなあ…いろいろと複雑なんだよ、彼の出自も」
ウィルオウィスプ「ソウナノカ… コノ ネコニモ イロイロ アルンダナ」
カハク「だから話聞きなさいって、アンタたち」
ゴウト「ある老紳士の依頼で、お前の様子を探りに来たんだが…」
>ゴウトはちらりとライドウを見る。
ゴウト「ライドウ、お前の言う通りになったな?」
コダマ「そーいえば、ライドウって人、全然しゃべらないねー?」
光介「きっと照れ屋さんなんだろう。そこはそっとしといてあげような」
ライドウ「………」
ゴウト「老人の思惑が気になる。少し調べて見る必要がありそうだ」
>ゴウトは、視線をライドウからフィフス・バベルへと戻した。
ゴウト「事と次第によっては、もう一度ライドウと手合わせするかもしれんぞ?」
ライドウ「………」
>ライドウは、ゴウトの目が離れた直後、ほんの少しだけ動いた。
カハク「…ん?」
光介「どうした?」
カハク「ライドウって人、ちょっとだけ首を横に振ったような…?」
光介「そうか?」
ライドウ「………」
>ライドウは、動いていない。
ただじっと、フィフス・バベルを見ている。
カハク「…もしかしたら、照れ屋じゃないって言いたかったのかも」
光介「そ、そうか?別にライドウが照れ屋でも照れ屋じゃなくても、どっちでもいいんだけどな…」
ゴウト「…それまではその命、大事にしておくのだな」
>ゴウトは話を終わらせ、背を向けて、去る。
その後をライドウがついて行った。
コダマ「あ、逃げたー」
光介「逃げてないってば。この場は退却した、っていうだけだよ」
ゴウト「ライドウ、これは一筋縄ではいかなそうだな? 気を引きしめて調査するとしよう」
>ゴウトの言葉にライドウはうなずき、フィフス・バベルたちの前から走り去って行った。
カハク「…で、結局なんだったの?」
光介「とりあえず、ライドウは俺たちの力を見るためだけにここに来たんだろうな。老紳士の依頼で来た、って言ってたけど…」
コダマ「ろーしんし?」
光介「アマラ深界の覗き穴で、車椅子に座ってるおじーさんがいただろ?」
コダマ「あ!あのおじーさんなの?」
光介「間違いないよ。その証拠に、メノラーが反応したからね…車椅子の老紳士は、ライドウにもメノラーを渡して俺と引き合わせるようにしたんだろうな」
カハク「なんでそんなこと…?」
光介「さあ、それは今はわからないし、多分これからもわからないよ」
カハク「どうして?」
光介「俺はもう、ライドウと会う気はないからさ」
コダマ「なんでなんでー?ねこちゃん、さっき『もう一度手合わせするかも』って言ってたよー?」
光介「ライドウは、アマラ深界の第3カルパにいるんだけど、彼がいる場所まで行く気が俺にないのさ…俺は今回、前とは違う世界を創るつもりだからね」
カハク「前…は、確か静寂の世界だったわよね?」
光介「ああ。でも今回は違う。どっちがいいとか比べられるものじゃないけど、違う世界を俺は目指すよ」
カハク「ふーん…よくわかんないけど、これからゴズテンノウに会いに行くっていうのは、変わらないんでしょ?」
光介「あ、そーいやそういう用事もあったな。それじゃ中に入ろうか」
コダマ「あれー?もしかしてコースケ、忘れてたのー?」
カハク「ライドウとかいう人と戦うのに夢中になってたのね。すぐに終わっちゃったけど」
ウィルオウィスプ「キット ソレダケ マジニ ナッテタ」
コダマ「そーなのかなー?」
カハク「あたしも、ウィルの言う通りだと思う。きっと、あたしたちを守るために、必死で作戦考えてたりしたんだわ」
コダマ「なんだか、オトナになったあとはコースケの肩持つねー」
カハク「そうじゃないわよ。今回だってコースケのフォッグブレスがなかったら、アンタ銃でボコボコにされてたかもしれないのよ? あれであたしたち、ダメージ受けないで済んだんだから」
コダマ「そーいえば…確か、トールとの戦いでもウィルが助けられたよねー?」
ウィル「ウォレモ コースケニ タスケラレタ。 ジオダイン チョクゲキ スルトコ ダッタ」
カハク「やっぱり、あたしたちだけじゃ最強にはなれないのよ。コースケがいて、作戦を考えて戦ってくれるからこそ最強になれるんだわ」
コダマ「それなら、コースケにもよしよししてあげなよー。さっきはイジワルしてたじゃないかー」
カハク「それとこれとは別よ。コースケをイジると楽しいから、ああいうふうに言ってみただけ」
コダマ「なるほどー。イジワルじゃなくて、イジってたんだねー」
ウィルオウィスプ「カハクモ コースケ スキ。 ウォレ チャント ワカッテタ」
コダマ「ウィルまでなんだよー。まるでボクだけ、コドモみたいじゃないかー」
光介「…おい、お前たち…中に入るぞ?」
コダマ「あ、はーい」
カハク「はいはい」
ウィルオウィスプ「ワカッタ」
>仲魔たちは、どこかニヤニヤしている。
光介「なにをみんなして、ちょっぴりニヤニヤしてるんだ?」
ピシャーチャ「…(ざわざわと楽しそうにしている)」
>3/5話へ続く…
→ト書きの目次へ
>イケブクロのターミナルにて再開。
光介「よし、これでセーブもきっちりしたし、ゴズテンノウに会う準備は整ったな」
コダマ「コースケはけっこうMP減ってるけど、回復しなくていいのー?」
光介「あ、フォッグブレスを2回使ったからなあ…んじゃ、回復の泉でしっかり回復させて行こうか」
カハク「先に回復してからセーブした方がよかったんじゃない?」
光介「そうだな、二度手間だけど…お前たちはHPもMPも満タンだし、ちょっと行ってくるよ」
コダマ「はーい」
>フィフス・バベルは回復の泉に行き、全快になってターミナルに戻った。
光介「よし、これでセーブし直して…と」
>セーブしました。
光介「じゃあ行こう!マントラ軍本営の中は敵が出てくるけど、そんなに強くないからがんばりすぎなくていいからね」
コダマ「わかったー」
カハク「そっか。んじゃあたしもムダにプロミネンス使わないようにしていくわ」
ウィルオウィスプ「ウォレ ゼーイン タタキノメス!」
ピシャーチャ「…(ざわざわと楽しそうにしている)」
>扉を開け、マントラ軍本営・入口があるフロアに来た。
光介「…!」
>王国のメノラーの炎が、激しく揺れている…
光介「まさか…?」
コダマ「火、ゆれてるよー?」
カハク「確か、マタドールの時もそうだったわよね…ってことは、ここに魔人がいるの?」
光介「いや、次の魔人はだいそうじょうのはずだけど、まだタイミングが早すぎるはず…」
ウィルオウィスプ「ココデ ヒ ユレテル ッテコトハ ココニ マジン イル? ウルィ?」
光介「そうだ。メノラーの炎が揺れるってことは、このフロアのどこかに別のメノラーを持った誰かがいるってこと…でも、だいそうじょうはこんな場所にはいない!」
カハク「じゃあ、どういうことなのよ?」
光介「…そうか、このタイミングで来るのか…」
カハク「…?」
コダマ「あのマネカタさん、何か言ってるよー」
>コダマは、階段の前にいるマネカタの話を聞いた。
マネカタ「銃刀法違反でした」
ウィルオウィスプ「ジュートーホー?」
光介「…」
マネカタ「学生の方でした」
光介「…やはり、そうか!」
カハク「なんなの?ひとりで納得しないでよ」
光介「マントラ軍本営・入口前に、誰かがいる…そいつは、魔人とは違うけど、魔人並みにやっかいなヤツだ」
コダマ「魔人じゃないけど魔人なみ?」
ウィルオウィスプ「ツヨイ ッテ コトカ?」
光介「ああ。さすがにここは俺も油断ができない…」
カハク「それ、トールの時も言ってたじゃない」
光介「それ以上にだ! アイツとついに戦うことになるのか…!」
コダマ「コースケ、いつになくマジだよー」
ウィルオウィスプ「ウォレ モエテキタ ゾ」
カハク「そう。コースケがそこまでマジになるってことは、あたしもマジにならなきゃね…!」
光介「お前たちはいつもの戦い方でいい。戦闘の順に言うと、コダマは真空刃、カハクはプロミネンス、ウィルオウィスプは気合いを込めた九十九針でいい」
コダマ「コースケは、フォッグブレス?」
光介「ああ。ヤツはそれを無効化できるが、絶対に無効化するとも限らない。フォッグブレス2回で、限界まで命中&回避力を下げておくよ」
カハク「そいつ、一体どこにいるの? ちょっと見たかぎりではいないみたいだけど…」
光介「入口だ。そこまで行かないと会えない。俺は物理に強いマガタマ『カムド』を装備して…と」
>フィフス・バベルは、マガタマをカムドに付け替えた。
光介「これでいい。みんな、準備はいいか?」
コダマ「いーよー」
カハク「問題ないわ」
ウィルオウィスプ「イツデモ コイ!」
光介「…よし、ピシャーチャは移動用の魔法専門だから、休んでくれてていいからな」
ピシャーチャ「…(ざわざわとうなずいた)」
光介「いくぞ…!」
>フィフス・バベルたちは、本営入口へと向かった。
光介「…?」
>入口付近には、何かがいる。
気配を感じて、フィフス・バベルがそちらを見ると…
光介「…!」
>緑色の悪魔が、物陰からそっとこちらを見ている。
>と、いきなり顔が引っ込んだ。
光介「!」
>そしてゆっくりと、緑色の悪魔が物陰から出てきた。
右手には、小さなブーメランを持っている。
光介「やはり、か…モコイさん!」
コダマ「モコイさん?」
カハク「な、なんだか…カワイイ、かも…」
ウィルオウィスプ「ウォレノ ヨソウヲ コエル ウゴキ…!」
>モコイさんは、妙な音を立てながらぶるぶるるんと震えた!
モコイさん「なんだかとってもダークネス。ボク、ボルテクス界デビューしたッスよ」
コダマ「あ、そーいえば悪魔全書で見たことない悪魔だー」
カハク「そういえばそうね。あたしも、全書の仲魔たちからいろんなもの買ったことあるけど…この悪魔は見たことないわ」
光介「この世界にはいないことになってるからな…」
>モコイさんは、楽しそうに言葉を続ける。
モコイさん「ウヒッ、デビルサマナークズノハライドウ対人修羅…それってイケてる?」
ウィルオウィスプ「デビ…ル?」
コダマ「サマナー?」
カハク「くずのは、らいどう?」
光介「ああ。デビルサマナー葛葉ライドウ…今までで最強の相手だ!」
>モコイさんはこちらから向かって右側を見る。
その視線の先には…
光介「…!」
コダマ「階段のところに、誰かいるねー」
カハク「…ねこちゃんもいるわ」
>黒いマントを来た、学生服の美少年。そして黒猫。
それこそが、デビルサマナー 十四代目葛葉ライドウだった。
ライドウ「………」
>風にはためくマント。
それは、首元以外全てボタンが外されている。
光介「悪魔を封じる封魔管、剣、そして銃…隠すつもりもないってことか!」
>それは『彼』の覚悟を物語っている。
ウィルオウィスプ「コヤツ… デキル!」
>かたわらにいる黒猫・ゴウトが、不意に口を開いた。
ゴウト「……人修羅とやら」
カハク「!」
コダマ「ねこちゃんがしゃべったよ!?」
光介「お前らだってしゃべるだろ…それよりも、すぐに戦闘だぞ、気を付けてくれ!」
ゴウト「まずはその力を見極めさせてもらうぞ!」
>ゴウトの声と共に、ライドウは剣を抜きつつ階段を駆け上がる!
そして階段を上がり切り、臨戦態勢をとった!
>悪魔召喚師・十四代目葛葉ライドウと戦闘開始!
光介「行くぞ!作戦はさっき話した通りだ!おちゃらけられる余裕は、全然ないからな!」
コダマ「わかったー!んじゃボクはしんくうはー」
カハク「あたしはプロミネンス!」
ウィルオウィスプ「ウォレ キアイコメテ アイツ サス!」
>フィフス・バベルたちは戦う!
ライドウに大ダメージを与えた!
>そしてライドウに行動が移る。
ゴウト「ライドウ、まずは慎重にな。間違っても殺すなよ?」
>その直後、ゴウトは続けて言った。
ゴウト「ライドウ、少し力を抜きすぎではないか?」
コダマ「あれ?」
光介「あれ…?」
カハク「力を抜きすぎって、まだあたしたちに攻撃なんてしてないわよ?」
光介「それだけこっちが、1ターン目に大ダメージを与えたってことなんだろう。どちらにしろ攻撃が来る!気を付けろっ!」
ゴウト「人修羅め、なかなかやる……」
ライドウ「…!」
>ライドウの挑発!
ゴウトが学生帽の上に乗り、こちらに向かって叫ぶ!
ゴウト「シギャァァ!!」
>フィフス・バベルたちの攻撃力が2段階上がり、防御力が2段階下がった!
>さらにライドウのブギウギ!
銃を抜き、コダマを狙う!
コダマ「あ。ボクねらってるー」
光介「コダマっ!」
>銃弾が発射され、コダマに襲い掛かる!
食らえば、複数回の物理ダメージだ!
コダマ「えへへー」
>しかしコダマは避けた!
ライドウの行動は終わる。
光介「よく避けたな、コダマ!」
コダマ「コースケが2回フォッグブレスかけてくれてたからだよー。無効化されなくてよかったね」
光介「ああ。挑発のおかげでこっちの防御力は2段階下がってるが、攻撃力は2段階上がってる!今がチャンスだぞ!」
>フィフス・バベルは、コダマに順番を回す。
コダマ「やっぱりボクって、しーんくうはー」
>コダマの真空刃!
単体衝撃特大ダメージ!
>ライドウの様子が変わった。
光介「もしかして、苦しんでるのか!? よし、カハク!お前が決めてやれっ!」
カハク「わかったわ! あたしの炎、しっかりと食らいなさいっ!」
>カハクのプロミネンス!
火炎大ダメージが2回当たり、ライドウを退けた…
光介「よしッ!!」
カハク「キャハッ!やったぁ♪」
コダマ「すごいねカハク★コースケは今までで最強だって言ってたけど、2ターンで倒したね!」
カハク「アンタの真空刃がすごかったのもあるのよ!アンタもすごいわ、コダマ!」
ウィルオウィスプ「ウォ、ウォレ… ミセバ ナカッタ…」
光介「いや、ライドウが誰に攻撃するかわからない以上、見せ場がないとは言い切れないぞ。今回は結果的にこうなったけど、もしかしたらお前がトドメを刺してたかもしれない」
ウィルオウィスプ「コースケ ソウイウ ナラ キット ソウイウコト! ウォレ ジシン モツ」
光介「しかし、ホントにお前たちは大したもんだよ…ライドウ相手に、ここまで一方的に戦えるなんてな」
ライドウ「……」
>ライドウは、剣を鞘に収めた。
それとほぼ同時に、ゴウトが口を開く。
ゴウト「ライドウが認めるその力。やはり、なかなかのものだな…」
コダマ「びっくりしたでしょー?エヘヘ★」
ゴウト「人にあらず悪魔にあらず…故に人修羅、か…なるほどな」
コダマ「なんだよー、ボクたちだってがんばったんだぞー」
光介「コダマをほめてないんじゃなくて、俺たちみんなの力をほめてるってことだよ」
コダマ「そっかー。それならなっとく。くしし」
ゴウト「今、お前と戦ったこの男の名はライドウ。そして俺はゴウト。まあ、しがない探偵だ」
ウィルオウィスプ「ネコガ タンテイ? ウォレ ヨリ アタマイイ?」
光介「ゴウトは完全に猫、ってわけでもないからなあ…いろいろと複雑なんだよ、彼の出自も」
ウィルオウィスプ「ソウナノカ… コノ ネコニモ イロイロ アルンダナ」
カハク「だから話聞きなさいって、アンタたち」
ゴウト「ある老紳士の依頼で、お前の様子を探りに来たんだが…」
>ゴウトはちらりとライドウを見る。
ゴウト「ライドウ、お前の言う通りになったな?」
コダマ「そーいえば、ライドウって人、全然しゃべらないねー?」
光介「きっと照れ屋さんなんだろう。そこはそっとしといてあげような」
ライドウ「………」
ゴウト「老人の思惑が気になる。少し調べて見る必要がありそうだ」
>ゴウトは、視線をライドウからフィフス・バベルへと戻した。
ゴウト「事と次第によっては、もう一度ライドウと手合わせするかもしれんぞ?」
ライドウ「………」
>ライドウは、ゴウトの目が離れた直後、ほんの少しだけ動いた。
カハク「…ん?」
光介「どうした?」
カハク「ライドウって人、ちょっとだけ首を横に振ったような…?」
光介「そうか?」
ライドウ「………」
>ライドウは、動いていない。
ただじっと、フィフス・バベルを見ている。
カハク「…もしかしたら、照れ屋じゃないって言いたかったのかも」
光介「そ、そうか?別にライドウが照れ屋でも照れ屋じゃなくても、どっちでもいいんだけどな…」
ゴウト「…それまではその命、大事にしておくのだな」
>ゴウトは話を終わらせ、背を向けて、去る。
その後をライドウがついて行った。
コダマ「あ、逃げたー」
光介「逃げてないってば。この場は退却した、っていうだけだよ」
ゴウト「ライドウ、これは一筋縄ではいかなそうだな? 気を引きしめて調査するとしよう」
>ゴウトの言葉にライドウはうなずき、フィフス・バベルたちの前から走り去って行った。
カハク「…で、結局なんだったの?」
光介「とりあえず、ライドウは俺たちの力を見るためだけにここに来たんだろうな。老紳士の依頼で来た、って言ってたけど…」
コダマ「ろーしんし?」
光介「アマラ深界の覗き穴で、車椅子に座ってるおじーさんがいただろ?」
コダマ「あ!あのおじーさんなの?」
光介「間違いないよ。その証拠に、メノラーが反応したからね…車椅子の老紳士は、ライドウにもメノラーを渡して俺と引き合わせるようにしたんだろうな」
カハク「なんでそんなこと…?」
光介「さあ、それは今はわからないし、多分これからもわからないよ」
カハク「どうして?」
光介「俺はもう、ライドウと会う気はないからさ」
コダマ「なんでなんでー?ねこちゃん、さっき『もう一度手合わせするかも』って言ってたよー?」
光介「ライドウは、アマラ深界の第3カルパにいるんだけど、彼がいる場所まで行く気が俺にないのさ…俺は今回、前とは違う世界を創るつもりだからね」
カハク「前…は、確か静寂の世界だったわよね?」
光介「ああ。でも今回は違う。どっちがいいとか比べられるものじゃないけど、違う世界を俺は目指すよ」
カハク「ふーん…よくわかんないけど、これからゴズテンノウに会いに行くっていうのは、変わらないんでしょ?」
光介「あ、そーいやそういう用事もあったな。それじゃ中に入ろうか」
コダマ「あれー?もしかしてコースケ、忘れてたのー?」
カハク「ライドウとかいう人と戦うのに夢中になってたのね。すぐに終わっちゃったけど」
ウィルオウィスプ「キット ソレダケ マジニ ナッテタ」
コダマ「そーなのかなー?」
カハク「あたしも、ウィルの言う通りだと思う。きっと、あたしたちを守るために、必死で作戦考えてたりしたんだわ」
コダマ「なんだか、オトナになったあとはコースケの肩持つねー」
カハク「そうじゃないわよ。今回だってコースケのフォッグブレスがなかったら、アンタ銃でボコボコにされてたかもしれないのよ? あれであたしたち、ダメージ受けないで済んだんだから」
コダマ「そーいえば…確か、トールとの戦いでもウィルが助けられたよねー?」
ウィル「ウォレモ コースケニ タスケラレタ。 ジオダイン チョクゲキ スルトコ ダッタ」
カハク「やっぱり、あたしたちだけじゃ最強にはなれないのよ。コースケがいて、作戦を考えて戦ってくれるからこそ最強になれるんだわ」
コダマ「それなら、コースケにもよしよししてあげなよー。さっきはイジワルしてたじゃないかー」
カハク「それとこれとは別よ。コースケをイジると楽しいから、ああいうふうに言ってみただけ」
コダマ「なるほどー。イジワルじゃなくて、イジってたんだねー」
ウィルオウィスプ「カハクモ コースケ スキ。 ウォレ チャント ワカッテタ」
コダマ「ウィルまでなんだよー。まるでボクだけ、コドモみたいじゃないかー」
光介「…おい、お前たち…中に入るぞ?」
コダマ「あ、はーい」
カハク「はいはい」
ウィルオウィスプ「ワカッタ」
>仲魔たちは、どこかニヤニヤしている。
光介「なにをみんなして、ちょっぴりニヤニヤしてるんだ?」
ピシャーチャ「…(ざわざわと楽しそうにしている)」
>3/5話へ続く…
→ト書きの目次へ
第9話:イケブクロ~ニヒロ機構:1/5
★1/5話 よしよしタイム★
>決闘裁判の後、フィフス・バベルたちはマントラ軍本営から外に出された。
コダマ「…あれ? ゴズテンノウっていうのに会うんじゃないの?」
光介「裁判が終わったら、ここまで出されるんだよ。なんていうか…そういうルールなんだ」
コダマ「ふーん。ここって、ターミナルとかがあるフロアだよねー」
カハク「めんどくさいけど、もう一度入ってゴズテンノウに会いに行けばいいってことね」
光介「あ、ああ…」
カハク「…どうしたのよ、コースケ。目がまんまるよ?」
光介「いや、裁判の前まではあんなに怒ってたのにな、って思ってさ…」
カハク「あたしはね、少しだけオトナになったの。コースケがだらしないんなら、あたしががんばればいいって思っただけよ」
光介「だらしない、って厳しいな」
カハク「だって、結局まだトモダチはマントラ軍につかまっちゃってるんでしょ? コースケが助けられるほど強くなかったから」
光介「う、うん。そういうことになるけど…でもそれは、ゲームのストーリー上しょうがないことで…」
カハク「そんなのあたしには関係ないわ。いいじゃない、いっしょにいるってあたしが決めたんだから。それとも…いなくなった方がよかった?」
光介「な、何言ってるんだよ!そんなさみしいこと言うなよ」
カハク「じゃあ、『そんなさみしいこと』言わせないでね。あたしは決めたの。みんなと一緒にいるって」
光介「そうか…どういう心境の変化かはわからないけど、そう決めてくれて嬉しいよ」
カハク「コースケのためじゃないわ。あたしがそうしたいからそうするんだし、みんなもあたしといっしょにいたいって言うから、そういうことになったのよ」
光介「そ、そうか…なんだか釈然としないけど、これからもよろしくな」
カハク「コースケも、もうちょっとオトナになるのねっ」
>そう言って、カハクはウィンクした後に舌を出した。
ウィルオウィスプ「…」
>一方、ウィルオウィスプは看守悪魔の話をじっと聞いている。
看守悪魔はやはり、ジャックランタンだった。
ジャックランタン「チッ! トール様に認められるなんて、運のいいヤツめ……」
ウィルオウィスプ「ウォレ アイツ ミトメテナイゾ。 アイツ ケッキョク ヨワイ!」
ジャックランタン「ホラよ。どこにでも自由に行きやがれ!」
ウィルオウィスプ「ウォマエ カンシュ ヤッテテ タノシイカ? ウォレタチト イッショノ ホウガ タノシイゾ?」
>しかしジャックランタンには聞こえず、フィフス・バベルたちから去って行こうとした。
ジャックランタン「……そうそう」
>去って行こうとして振り向く。
ジャックランタン「トール様が、オマエは顔パスだってよ。マントラ軍の本営内を、自由にウロついていいんだとさ」
ウィルオウィスプ「コースケ ジャックランタン アア イッテルゾ」
光介「ああ。これでマントラ軍本営の中を動き回れる。ゴズテンノウはそこの頂上にいるから、会いに行けるな」
ジャックランタン「……気にいらねえ!」
>ジャックランタンは捨て台詞を残し、扉を開けて去っていった。
ウィルオウィスプ「…? ジャックランタン ナンデ プリプリ?」
光介「俺はここじゃ新参者だし、アイツは俺を弱いと思ってたから、トールに気に入られたっていうのがムカつくんだろうな」
ウィルオウィスプ「ウォレ ベツニ トール ナントモ オモッテナイ」
光介「そうなのか?」
ウィルオウィスプ「ウォレ アイツヨリ ツヨイ! ダッテ サイキョウ!」
カハク「トールのジオダイン(単体電撃大ダメージ:ウィルオウィスプの弱点)を避けられたのは、コースケのおかげでしょ」
ウィルオウィスプ「ムゥ… ソレ セイカイ」
カハク「アンタだけが最強なんじゃないわ。あたしたち全員で、最強なのよ。この組み合わせだからこそ、どんな敵にだって勝てる」
コダマ「わー★カハクがいいこと言ってるー♪」
カハク「そりゃ、あたしはオトナになったんだもん。みんないっしょだからさみしくないし、みんないっしょだから最強なんだって、あたしは気付いたの」
光介「すごいじゃないかカハク!そのことに気付けるなんて!」
カハク「…エヘヘ☆」
>カハクは、素直に照れた顔を見せた。
ウィルオウィスプ「…!」
コダマ「どしたのー?」
ウィルオウィスプ「ン! ナ、ナンデモ ナイゾ… ウォレ ナニモ ドキドキ シテナイゾ!」
コダマ「別にそんなこと言ってないよー? 変なウィルだなー」
ウィルオウィスプ「ウィル? ウルィ?」
コダマ「コースケが前言ってたけど、ウィルオウィスプってこうなる前はウィリアムさんだったんでしょー?」
ウィルオウィスプ「ウォレ オボエテ ナイケド… コースケガ イウナラ ソウ!」
光介「そういう伝承だと言われてるんだよ。生前は悪行三昧で、地獄に落とされそうになったんだけど聖ペテロって人を『これからはいい人になりますから』って説得して、もう一度人間になったんだ」
ウィルオウィスプ「…フムフム」
光介「それでも悪行三昧だったもんだから、今度は聖ペテロも怒っちゃって『お前は地獄にすら行けないダメなヤツだ!』って怒られちゃって、ウィリアムさんは途方に暮れちゃったんだよ」
ウィルオウィスプ「ウォレ… ダメナ コ ダッタノカ…」
コダマ「でも、ウィルオウィスプだっていっぱいいるよねー? 全部がダメな子って言われたわけでもないっぽいよね」
光介「そこらへんは俺にはわからないけどな。ただ、途方に暮れちゃったウィリアムさんに、とある悪魔がたいまつを渡したことから、ウィルオウィスプになった…と言われてるらしい」
コダマ「ふーん」
光介「ウィスプっていうのはたいまつらしくて、ウィルオウィスプっていうのは『たいまつを持ったウィリアム』だとか、そういう意味らしいんだよ」
ウィルオウィスプ「デモ ウォレ タイマツ モッテナイ…」
光介「たいまつ、っていうのが変化して、やがて鬼火になっていったんだろうな。だから、ウィルオウィスプの姿は、ちゃんと伝承にのっとった姿なんだよ」
コダマ「むずかしいねー。ボク、よくわかんないや」
ウィルオウィスプ「ウォレモ ヨク ワカンナイ。 デモ ウィルッテ ヨバレルノ ベツニ イヤジャナイゾ」
コダマ「そう?んじゃ今度からウィルって呼ぶー。カハクもそうしなよー」
カハク「そうね。もう最弱なんて呼べないし、ウィルオウィスプじゃ言いにくいし」
ウィルオウィスプ「デモ ウィルッテ ヨンデモイイノ ウォマエタチ ダケ」
光介「…俺は?」
ウィルオウィスプ「コースケ モチロン イイ!」
ピシャーチャ「…(ざわざわと尋ねる)」
ウィルオウィスプ「ピシャーチャ センパイ。 モチロン イイ!」
光介「じゃ、俺たちだけの呼び名だな、ウィル」
ウィルオウィスプ「ウホッ! ナンダカ テレル」
カハク「ウホッて何よ。でも、嬉しそうね」
>カハクは、そっとウィルオウィスプをなでた。
ウィルオウィスプ「…!」
カハク「あたしを守りたいって言ってくれたこと、ホントは嬉しかったわ。でも、さっきまでのあたしはコドモだったから…ゴメン。これはおわびのよしよし☆」
ウィルオウィスプ「カハク チャント アヤマッタ!」
光介「ああ、えらいな」
カハク「コダマ、アンタもよ」
コダマ「んー?なになに?」
カハク「いいから、こっち来て」
コダマ「はーい」
カハク「ピシャーチャも」
ピシャーチャ「…(ざわざわと嬉しそうに近付く)」
カハク「みんな、困らせてゴメン。これからも、ヨロシクね」
>カハクは、仲魔たちの頭をかわりばんこになでた。
コダマ「うひょー♪初めてカハクによしよしされたー★」
ピシャーチャ「…★」
>やがて、よしよしタイムは終わる。
光介「あ、あれ…? 俺は?」
カハク「コースケはダメ」
光介「なんでだよ!?」
カハク「だって、コースケはまだまだ強くならなきゃいけないんだもん。あたしたちはそれぞれ強いスキルとか、役立つスキル持ってるけど、コースケはまだでしょ?」
光介「う…確かに、まだ終盤まで使える強いスキルは覚えてないけど…」
カハク「それってハンニンマエっていうんでしょ?だからダメ」
光介「き、厳しいなあ、もう」
コダマ「コースケかわいそ。でも、がんばればきっとよしよししてもらえるよー」
ウィルオウィスプ「ウォレモ サポート スル。 ダカラ メゲルナ」
ピシャーチャ「…(ざわざわと笑顔でなぐさめる)」
光介「んじゃ、俺は俺でしっかりがんばらせてもらうよ。みんなには負けられないからね」
カハク「そうそう、その意気!しっかりね、コースケ☆」
>そう言って、カハクは二度目のウィンクをフィフス・バベルに贈った。
光介「ありがと。それじゃ一度ターミナルでセーブして、本営の中に入ろうか」
コダマ「はーい」
カハク「ついにゴズテンノウとご対面ね!」
ウィルオウィスプ「ウォレ ドンナヤツ キテモ マケナイゾ」
>仲魔たちはにぎやかにしゃべりながら、ターミナルへ向かう。
光介「…」
ピシャーチャ「…(ざわざわとターミナルを指差す)」
光介「ああ、すぐについていくよ。それより…」
ピシャーチャ「…?」
光介「なんだか、ここに来て一気に距離が縮まったよな、俺たち」
ピシャーチャ「…(ざわざわとうなずく)」
光介「もしかしたら俺たちは、今やっと…本当の『仲魔』になれたのかも、とかさ。ちょっと思ったんだ
」
ピシャーチャ「…(ざわざわと2回うなずく)」
光介「お前もそう思うかい?そっか…そしたら、俺の考えは間違ってないんだよな、きっと」
ピシャーチャ「…(ざわざわと3回うなずく)」
光介「…いや、そんなにうなずきまくらなくてもいいから…」
カハク「コースケー!なにやってるのっ」
コダマ「ターミナル入るんでしょー? ボクたちじゃ体重かるすぎて扉が開かないよー」
光介「ああ、悪い悪い。じゃあ行こうか、ピシャーチャ」
ピシャーチャ「…(ざわざわとうなずき、あとをついて行った)」
>その頃、マントラ軍本営・入口付近…
?「ヒデキカンゲキーな勢い。やっとついたね」
>緑色の体。
その右手には、小さなブーメランが握られている。
?「ウワサのボクがついに登場。たぶんちょっぴりセンチメンタル」
>緑色の悪魔は、本営入口の近くにある物陰に隠れた。
>そして同じ場所に向かう影が2つ…
それは迷うことなく確実に、このイケブクロに向かってきていた。
>2/5話へ続く…
→ト書きの目次へ
>決闘裁判の後、フィフス・バベルたちはマントラ軍本営から外に出された。
コダマ「…あれ? ゴズテンノウっていうのに会うんじゃないの?」
光介「裁判が終わったら、ここまで出されるんだよ。なんていうか…そういうルールなんだ」
コダマ「ふーん。ここって、ターミナルとかがあるフロアだよねー」
カハク「めんどくさいけど、もう一度入ってゴズテンノウに会いに行けばいいってことね」
光介「あ、ああ…」
カハク「…どうしたのよ、コースケ。目がまんまるよ?」
光介「いや、裁判の前まではあんなに怒ってたのにな、って思ってさ…」
カハク「あたしはね、少しだけオトナになったの。コースケがだらしないんなら、あたしががんばればいいって思っただけよ」
光介「だらしない、って厳しいな」
カハク「だって、結局まだトモダチはマントラ軍につかまっちゃってるんでしょ? コースケが助けられるほど強くなかったから」
光介「う、うん。そういうことになるけど…でもそれは、ゲームのストーリー上しょうがないことで…」
カハク「そんなのあたしには関係ないわ。いいじゃない、いっしょにいるってあたしが決めたんだから。それとも…いなくなった方がよかった?」
光介「な、何言ってるんだよ!そんなさみしいこと言うなよ」
カハク「じゃあ、『そんなさみしいこと』言わせないでね。あたしは決めたの。みんなと一緒にいるって」
光介「そうか…どういう心境の変化かはわからないけど、そう決めてくれて嬉しいよ」
カハク「コースケのためじゃないわ。あたしがそうしたいからそうするんだし、みんなもあたしといっしょにいたいって言うから、そういうことになったのよ」
光介「そ、そうか…なんだか釈然としないけど、これからもよろしくな」
カハク「コースケも、もうちょっとオトナになるのねっ」
>そう言って、カハクはウィンクした後に舌を出した。
ウィルオウィスプ「…」
>一方、ウィルオウィスプは看守悪魔の話をじっと聞いている。
看守悪魔はやはり、ジャックランタンだった。
ジャックランタン「チッ! トール様に認められるなんて、運のいいヤツめ……」
ウィルオウィスプ「ウォレ アイツ ミトメテナイゾ。 アイツ ケッキョク ヨワイ!」
ジャックランタン「ホラよ。どこにでも自由に行きやがれ!」
ウィルオウィスプ「ウォマエ カンシュ ヤッテテ タノシイカ? ウォレタチト イッショノ ホウガ タノシイゾ?」
>しかしジャックランタンには聞こえず、フィフス・バベルたちから去って行こうとした。
ジャックランタン「……そうそう」
>去って行こうとして振り向く。
ジャックランタン「トール様が、オマエは顔パスだってよ。マントラ軍の本営内を、自由にウロついていいんだとさ」
ウィルオウィスプ「コースケ ジャックランタン アア イッテルゾ」
光介「ああ。これでマントラ軍本営の中を動き回れる。ゴズテンノウはそこの頂上にいるから、会いに行けるな」
ジャックランタン「……気にいらねえ!」
>ジャックランタンは捨て台詞を残し、扉を開けて去っていった。
ウィルオウィスプ「…? ジャックランタン ナンデ プリプリ?」
光介「俺はここじゃ新参者だし、アイツは俺を弱いと思ってたから、トールに気に入られたっていうのがムカつくんだろうな」
ウィルオウィスプ「ウォレ ベツニ トール ナントモ オモッテナイ」
光介「そうなのか?」
ウィルオウィスプ「ウォレ アイツヨリ ツヨイ! ダッテ サイキョウ!」
カハク「トールのジオダイン(単体電撃大ダメージ:ウィルオウィスプの弱点)を避けられたのは、コースケのおかげでしょ」
ウィルオウィスプ「ムゥ… ソレ セイカイ」
カハク「アンタだけが最強なんじゃないわ。あたしたち全員で、最強なのよ。この組み合わせだからこそ、どんな敵にだって勝てる」
コダマ「わー★カハクがいいこと言ってるー♪」
カハク「そりゃ、あたしはオトナになったんだもん。みんないっしょだからさみしくないし、みんないっしょだから最強なんだって、あたしは気付いたの」
光介「すごいじゃないかカハク!そのことに気付けるなんて!」
カハク「…エヘヘ☆」
>カハクは、素直に照れた顔を見せた。
ウィルオウィスプ「…!」
コダマ「どしたのー?」
ウィルオウィスプ「ン! ナ、ナンデモ ナイゾ… ウォレ ナニモ ドキドキ シテナイゾ!」
コダマ「別にそんなこと言ってないよー? 変なウィルだなー」
ウィルオウィスプ「ウィル? ウルィ?」
コダマ「コースケが前言ってたけど、ウィルオウィスプってこうなる前はウィリアムさんだったんでしょー?」
ウィルオウィスプ「ウォレ オボエテ ナイケド… コースケガ イウナラ ソウ!」
光介「そういう伝承だと言われてるんだよ。生前は悪行三昧で、地獄に落とされそうになったんだけど聖ペテロって人を『これからはいい人になりますから』って説得して、もう一度人間になったんだ」
ウィルオウィスプ「…フムフム」
光介「それでも悪行三昧だったもんだから、今度は聖ペテロも怒っちゃって『お前は地獄にすら行けないダメなヤツだ!』って怒られちゃって、ウィリアムさんは途方に暮れちゃったんだよ」
ウィルオウィスプ「ウォレ… ダメナ コ ダッタノカ…」
コダマ「でも、ウィルオウィスプだっていっぱいいるよねー? 全部がダメな子って言われたわけでもないっぽいよね」
光介「そこらへんは俺にはわからないけどな。ただ、途方に暮れちゃったウィリアムさんに、とある悪魔がたいまつを渡したことから、ウィルオウィスプになった…と言われてるらしい」
コダマ「ふーん」
光介「ウィスプっていうのはたいまつらしくて、ウィルオウィスプっていうのは『たいまつを持ったウィリアム』だとか、そういう意味らしいんだよ」
ウィルオウィスプ「デモ ウォレ タイマツ モッテナイ…」
光介「たいまつ、っていうのが変化して、やがて鬼火になっていったんだろうな。だから、ウィルオウィスプの姿は、ちゃんと伝承にのっとった姿なんだよ」
コダマ「むずかしいねー。ボク、よくわかんないや」
ウィルオウィスプ「ウォレモ ヨク ワカンナイ。 デモ ウィルッテ ヨバレルノ ベツニ イヤジャナイゾ」
コダマ「そう?んじゃ今度からウィルって呼ぶー。カハクもそうしなよー」
カハク「そうね。もう最弱なんて呼べないし、ウィルオウィスプじゃ言いにくいし」
ウィルオウィスプ「デモ ウィルッテ ヨンデモイイノ ウォマエタチ ダケ」
光介「…俺は?」
ウィルオウィスプ「コースケ モチロン イイ!」
ピシャーチャ「…(ざわざわと尋ねる)」
ウィルオウィスプ「ピシャーチャ センパイ。 モチロン イイ!」
光介「じゃ、俺たちだけの呼び名だな、ウィル」
ウィルオウィスプ「ウホッ! ナンダカ テレル」
カハク「ウホッて何よ。でも、嬉しそうね」
>カハクは、そっとウィルオウィスプをなでた。
ウィルオウィスプ「…!」
カハク「あたしを守りたいって言ってくれたこと、ホントは嬉しかったわ。でも、さっきまでのあたしはコドモだったから…ゴメン。これはおわびのよしよし☆」
ウィルオウィスプ「カハク チャント アヤマッタ!」
光介「ああ、えらいな」
カハク「コダマ、アンタもよ」
コダマ「んー?なになに?」
カハク「いいから、こっち来て」
コダマ「はーい」
カハク「ピシャーチャも」
ピシャーチャ「…(ざわざわと嬉しそうに近付く)」
カハク「みんな、困らせてゴメン。これからも、ヨロシクね」
>カハクは、仲魔たちの頭をかわりばんこになでた。
コダマ「うひょー♪初めてカハクによしよしされたー★」
ピシャーチャ「…★」
>やがて、よしよしタイムは終わる。
光介「あ、あれ…? 俺は?」
カハク「コースケはダメ」
光介「なんでだよ!?」
カハク「だって、コースケはまだまだ強くならなきゃいけないんだもん。あたしたちはそれぞれ強いスキルとか、役立つスキル持ってるけど、コースケはまだでしょ?」
光介「う…確かに、まだ終盤まで使える強いスキルは覚えてないけど…」
カハク「それってハンニンマエっていうんでしょ?だからダメ」
光介「き、厳しいなあ、もう」
コダマ「コースケかわいそ。でも、がんばればきっとよしよししてもらえるよー」
ウィルオウィスプ「ウォレモ サポート スル。 ダカラ メゲルナ」
ピシャーチャ「…(ざわざわと笑顔でなぐさめる)」
光介「んじゃ、俺は俺でしっかりがんばらせてもらうよ。みんなには負けられないからね」
カハク「そうそう、その意気!しっかりね、コースケ☆」
>そう言って、カハクは二度目のウィンクをフィフス・バベルに贈った。
光介「ありがと。それじゃ一度ターミナルでセーブして、本営の中に入ろうか」
コダマ「はーい」
カハク「ついにゴズテンノウとご対面ね!」
ウィルオウィスプ「ウォレ ドンナヤツ キテモ マケナイゾ」
>仲魔たちはにぎやかにしゃべりながら、ターミナルへ向かう。
光介「…」
ピシャーチャ「…(ざわざわとターミナルを指差す)」
光介「ああ、すぐについていくよ。それより…」
ピシャーチャ「…?」
光介「なんだか、ここに来て一気に距離が縮まったよな、俺たち」
ピシャーチャ「…(ざわざわとうなずく)」
光介「もしかしたら俺たちは、今やっと…本当の『仲魔』になれたのかも、とかさ。ちょっと思ったんだ
」
ピシャーチャ「…(ざわざわと2回うなずく)」
光介「お前もそう思うかい?そっか…そしたら、俺の考えは間違ってないんだよな、きっと」
ピシャーチャ「…(ざわざわと3回うなずく)」
光介「…いや、そんなにうなずきまくらなくてもいいから…」
カハク「コースケー!なにやってるのっ」
コダマ「ターミナル入るんでしょー? ボクたちじゃ体重かるすぎて扉が開かないよー」
光介「ああ、悪い悪い。じゃあ行こうか、ピシャーチャ」
ピシャーチャ「…(ざわざわとうなずき、あとをついて行った)」
>その頃、マントラ軍本営・入口付近…
?「ヒデキカンゲキーな勢い。やっとついたね」
>緑色の体。
その右手には、小さなブーメランが握られている。
?「ウワサのボクがついに登場。たぶんちょっぴりセンチメンタル」
>緑色の悪魔は、本営入口の近くにある物陰に隠れた。
>そして同じ場所に向かう影が2つ…
それは迷うことなく確実に、このイケブクロに向かってきていた。
>2/5話へ続く…
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第8話:アマラ深界・第1カルパ~イケブクロ:5/5(4周目)
★5/5話 いっしょなら★
>フィフス・バベルたちの攻撃によって大ダメージを食らいつつも、トールはまだ倒れない!
>さらに単体電撃大ダメージのジオダインを、ウィルオウィスプに放った!
光介「ヤバい!ウィルオウィスプは電撃弱点だぞ!」
>食らえば大ダメージは絶対に避けられない!
ウィルオウィスプ「ウ、ウォレ…」
カハク「…!!」
ウィルオウィスプ「ソンナモノ クラワナイ!!」
>ウィルオウィスプは、ジオダインを避けた!
トールの行動回数は全てなくなり、フィフス・バベルたちにターンは移行。
光介「危なかったな…まさかいきなりジオダインが来るとは思わなかった」
ウィルオウィスプ「サスガ トール。 シカシ ウォレサマ ソレ ヨケタ!」
光介「ああ、よくやったぞウィルオウィスプ。あれを食らってたら、さすがのお前でも危なかったかもしれない。フォッグブレス2回かけててよかったよ」
ウィルオウィスプ「コースケノ オカゲ。 アリガトウ」
光介「どういたしまして。それじゃ、あとは総攻撃だ!」
カハク「…」
光介「カハク?」
カハク「あ、わ、わかってるわよ!プロミネンスでしょ!」
光介「ああ。頼むぞ!」
カハク「…あたし、さっき…」
>フィフス・バベルたちは戦う!
トールに大ダメージ!
カハク「アイツに…ジオダイン当たらないで!って、強く思った…」
コダマ「しーんくうはー」
ウィルオウィスプ「ウォレ マケナイ!」
光介「…ク」
カハク「なんで? あんなヤツ、ただの最弱だって思ってるのに、あたし…!」
光介「…ハク」
カハク「どうしてそんなこと、強く思ったの…なんで、願ったの…」
―――ひとりじゃさみしいよ―――
カハク「……あたし…!」
光介「カハク!」
カハク「え!?」
光介「ぼおっとしてると危ないだろ!プロミネンスを叩き込め!それでトールを倒せる!」
カハク「わ、わかったわ…!」
>カハクは、地獄の業火を上回る炎を集めていく!
カハク「あたし…なにか、なんとなくだけど…わかったような気がする……」
>集まった炎は、赤から青へと変化する!
それは、炎の温度が大幅に上がった証だった。
カハク「あたしがイライラしてたのも…コースケに怒ったのも…」
―――ウォレ カハクモ マモリタイ!―――
カハク「もし、コースケに何かあって、みんなにも何かあって…それで、ひとりになるかもしれないのが…怖かっただけなのね…!」
>カハクが集めた炎は、さらに蒼く燃え上がる!
光介「…!?」
コダマ「いつもの、プロミネンスじゃ、ない…?」
カハク「あたしは、自分がさみしがりやだっていうのを認めたくなくて…でも、みんながいなくなるのが怖いって『あたしも知らないどこか』で気付いて…!」
ウィルオウィスプ「カハク…?」
カハク「それでイライラしてたんだ、あたし…コースケに怒ったのも、トモダチを助けられなかったように、あたしを助けてくれないんじゃないかって思ったから…!」
光介「お、おいカハク!それ以上はお前が危ないぞ!早くそれを放つんだ!」
カハク「でも、そんなの本当は関係なかった…! あたしは、ただ…!」
>カハクは、特大のプロミネンスをトールに放つ!
トール「おぉぉぉぉぉぉおおお!?」
>トールはプロミネンスに包まれ、倒れた…!
トール「…………」
光介「…勝ったぞ、みんな」
トール「私をここまで追い詰めるとは、…見事だ」
コダマ「最後のプロミネンスにはびっくりしたよー。ヤケドしなかった?」
カハク「う、うん。だいじょうぶ」
トール「どうやらキサマの奥底には、他の悪魔には無い何かが宿っているようだ」
>トールはそう言って、何かを取り出した。
トール「……これは、私を楽しませてくれた礼だ。受け取るがいい」
>フィフス・バベルは、マガタマ「ナルカミ」を手に入れた。
ウィルオウィスプ「アタラシイ マガタマ…!」
光介「ああ。これで俺も、電撃系のスキルを覚えることができるようになったぞ」
コダマ「ヤケドしなくてよかったね。カハクは火炎に強いけど、無効にできるわけじゃないから、ボク心配したよ」
カハク「そんなの…! …ううん」
コダマ「え?」
カハク「なんでもないわ。ありがとう、コダマ」
コダマ「なんだか素直だねー★」
光介「おい、お前たち…もうちょっとで話終わるから、静かにしといてくれ」
カハク「うん、ごめん」
光介「…?」
トール「……ゴズテンノウに会え」
光介「どうしたんだよ、素直だな…」
カハク「コースケ、話聞くんじゃなかったの?」
光介「あ、そうだな」
トール「我らの指導者ゴズテンノウは、真の強者のみが生きるユートピア建設を目指されている」
ウィルオウィスプ「ゴズテンノウ… ギンザノ バーデモ キイタ」
光介「ああ。ここに来たのも、もともとはそれが目的だったからね」
トール「ゴズテンノウは、この本営ビルの最上階に在らせられるぞ」
コダマ「あ、そーいえばそうだったねー。いろいろ寄り道したから、ボク忘れてた。テヘッ★」
カハク「そうね、あたしも忘れてたわ」
トール「キサマの力で世界が変わるかもしれん。よく覚えておけ」
カハク「ホントに忘れてた…あたし」
トール「おい、裁判官。フィフス・バベルに無罪判決を下せ、私が認める」
悪魔裁判官「えっ!? 無罪? ……はっ、ハイ!!」
カハク「こうやってここに来るまでは、悪魔全書の中でずっとひとりだったこと…」
悪魔裁判官「……で、では、判決を下す……です」
カハク「最初にアイツが全書から抜け出して、それからコダマが抜け出して…館のおじさんと話してるのを見て、あたしも話してみたくなって…」
悪魔裁判官「トール様の命令……いや…被告フィフス・バベルの力に免じ……ここに無罪放免を言い渡す!」
カハク「それからずっと、館からは出られなくてアイツとケンカばっかりして…コースケがくるまでずっといっしょで」
>出入り口をふさいでいた杭のようなものが上がり、フィフスバベルたちは闘技台から出られるようになった。
カハク「あたし、今ごろ思い出したのね…ひとりはイヤだってこと。いっしょにいたい仲魔は、コダマやアイツだってこと…」
光介「…カハク?」
カハク「コースケとピシャーチャも、その中に加えてあげてもいいわ」
光介「何をぶつぶつ言ってるんだよ。これで、お前の好きなように…」
カハク「コースケ!次はどこに行くの?」
光介「え?」
悪魔裁判官「……これにて裁判は閉廷、被告は釈放につき、すみやかに退去せよ!」
カハク「出てけってことね。ほら、コースケ!早く行くわよ!」
>カハクはフィフス・バベルの背中を押した。
光介「な、なんだよお前、さっきまでとは全然違うじゃないか」
カハク「………」
>カハクはフィフス・バベルの背中から離れ、顔の前にやってくる。
カハク「コースケが強くなるには、あたしが必要なんでしょ?」
光介「あ、ああ」
カハク「それなら素直に、いなくなっちゃやだってあたしに言えばいいじゃない! 好きなようにしろなんて、男らしくないわ!」
光介「…へ?」
>フィフス・バベルは目を丸くしている。
それをよそに、仲魔たちがカハクにこう言った。
コダマ「ボク、カハクがいなくなっちゃやだー」
ウィルオウィスプ「ウォレモ ヤダ。 カハクモ ズット イッショ」
ピシャーチャ「…(ざわざわとうなずいた)」
カハク「もう、しょーがないわね」
>そう言いながらも、カハクは嬉しそうだ。
>彼女はフィフス・バベルを見る。
カハク「コースケはどうなの?」
光介「もちろん…カハクとずっといっしょがいいさ。当たり前じゃないか」
カハク「そこまで言われたら、離れるわけにはいかないわね!」
>カハクは嬉しそうに宙でくるんと一回転した。
光介「…?? どうしたんだ? いきなり機嫌が直っちゃってるけど…?」
コダマ「ボクに言われてもわかんないよー」
ウィルオウィスプ「ウォレモ ヨク ワカンナイ」
カハク「ほらほら!次はゴズテンノウのところに行くんでしょ!はやくはやく!」
>カハクの表情は、明るい。
光介「あ、ああ…」
カハク「なんだかテンション上がってきちゃった!待ってなさいよ、ゴズテンノウ!」
光介「いや、別にゴズテンノウと戦うわけじゃないんだぞ…」
カハク「きゃははっ! なんだかたのしいわ☆ 最高な気分かも!」
>カハクは、楽しそうに宙を舞っている。
―――いっしょなら、もう…さみしくないね―――
コダマ「カハク楽しそー! ボクもなんだか楽しー♪」
ウィルオウィスプ「ウォレモ ウォレモ!」
ピシャーチャ「…(ざわざわと嬉しそうにしている)」
光介「一体…どうしたんだ…???」
>フィフス・バベルたちの旅は、第9話へと続く…
さて、いかがだったでしょうか?
イケブクロでの決闘裁判までお送りしましたけども。
カハクの成長物語的な部分が大きかった今回のエピソードですが、楽しんでいただけたら幸いです♪
…あ、もちろんゲーム中にはこんな場面は出てこないんですけどね(汗)
思いっ切り創作させていただきました。
レベルなどは前回から変化がないので、ステータス表記はナシで。
スキルも変化しませんからね、レベルアップしないと。
次回はついに、『彼』と戦うことになります!
果たしてどういうことになるのか、どうぞお楽しみにっ!
→ト書きの目次へ
>フィフス・バベルたちの攻撃によって大ダメージを食らいつつも、トールはまだ倒れない!
>さらに単体電撃大ダメージのジオダインを、ウィルオウィスプに放った!
光介「ヤバい!ウィルオウィスプは電撃弱点だぞ!」
>食らえば大ダメージは絶対に避けられない!
ウィルオウィスプ「ウ、ウォレ…」
カハク「…!!」
ウィルオウィスプ「ソンナモノ クラワナイ!!」
>ウィルオウィスプは、ジオダインを避けた!
トールの行動回数は全てなくなり、フィフス・バベルたちにターンは移行。
光介「危なかったな…まさかいきなりジオダインが来るとは思わなかった」
ウィルオウィスプ「サスガ トール。 シカシ ウォレサマ ソレ ヨケタ!」
光介「ああ、よくやったぞウィルオウィスプ。あれを食らってたら、さすがのお前でも危なかったかもしれない。フォッグブレス2回かけててよかったよ」
ウィルオウィスプ「コースケノ オカゲ。 アリガトウ」
光介「どういたしまして。それじゃ、あとは総攻撃だ!」
カハク「…」
光介「カハク?」
カハク「あ、わ、わかってるわよ!プロミネンスでしょ!」
光介「ああ。頼むぞ!」
カハク「…あたし、さっき…」
>フィフス・バベルたちは戦う!
トールに大ダメージ!
カハク「アイツに…ジオダイン当たらないで!って、強く思った…」
コダマ「しーんくうはー」
ウィルオウィスプ「ウォレ マケナイ!」
光介「…ク」
カハク「なんで? あんなヤツ、ただの最弱だって思ってるのに、あたし…!」
光介「…ハク」
カハク「どうしてそんなこと、強く思ったの…なんで、願ったの…」
―――ひとりじゃさみしいよ―――
カハク「……あたし…!」
光介「カハク!」
カハク「え!?」
光介「ぼおっとしてると危ないだろ!プロミネンスを叩き込め!それでトールを倒せる!」
カハク「わ、わかったわ…!」
>カハクは、地獄の業火を上回る炎を集めていく!
カハク「あたし…なにか、なんとなくだけど…わかったような気がする……」
>集まった炎は、赤から青へと変化する!
それは、炎の温度が大幅に上がった証だった。
カハク「あたしがイライラしてたのも…コースケに怒ったのも…」
―――ウォレ カハクモ マモリタイ!―――
カハク「もし、コースケに何かあって、みんなにも何かあって…それで、ひとりになるかもしれないのが…怖かっただけなのね…!」
>カハクが集めた炎は、さらに蒼く燃え上がる!
光介「…!?」
コダマ「いつもの、プロミネンスじゃ、ない…?」
カハク「あたしは、自分がさみしがりやだっていうのを認めたくなくて…でも、みんながいなくなるのが怖いって『あたしも知らないどこか』で気付いて…!」
ウィルオウィスプ「カハク…?」
カハク「それでイライラしてたんだ、あたし…コースケに怒ったのも、トモダチを助けられなかったように、あたしを助けてくれないんじゃないかって思ったから…!」
光介「お、おいカハク!それ以上はお前が危ないぞ!早くそれを放つんだ!」
カハク「でも、そんなの本当は関係なかった…! あたしは、ただ…!」
>カハクは、特大のプロミネンスをトールに放つ!
トール「おぉぉぉぉぉぉおおお!?」
>トールはプロミネンスに包まれ、倒れた…!
トール「…………」
光介「…勝ったぞ、みんな」
トール「私をここまで追い詰めるとは、…見事だ」
コダマ「最後のプロミネンスにはびっくりしたよー。ヤケドしなかった?」
カハク「う、うん。だいじょうぶ」
トール「どうやらキサマの奥底には、他の悪魔には無い何かが宿っているようだ」
>トールはそう言って、何かを取り出した。
トール「……これは、私を楽しませてくれた礼だ。受け取るがいい」
>フィフス・バベルは、マガタマ「ナルカミ」を手に入れた。
ウィルオウィスプ「アタラシイ マガタマ…!」
光介「ああ。これで俺も、電撃系のスキルを覚えることができるようになったぞ」
コダマ「ヤケドしなくてよかったね。カハクは火炎に強いけど、無効にできるわけじゃないから、ボク心配したよ」
カハク「そんなの…! …ううん」
コダマ「え?」
カハク「なんでもないわ。ありがとう、コダマ」
コダマ「なんだか素直だねー★」
光介「おい、お前たち…もうちょっとで話終わるから、静かにしといてくれ」
カハク「うん、ごめん」
光介「…?」
トール「……ゴズテンノウに会え」
光介「どうしたんだよ、素直だな…」
カハク「コースケ、話聞くんじゃなかったの?」
光介「あ、そうだな」
トール「我らの指導者ゴズテンノウは、真の強者のみが生きるユートピア建設を目指されている」
ウィルオウィスプ「ゴズテンノウ… ギンザノ バーデモ キイタ」
光介「ああ。ここに来たのも、もともとはそれが目的だったからね」
トール「ゴズテンノウは、この本営ビルの最上階に在らせられるぞ」
コダマ「あ、そーいえばそうだったねー。いろいろ寄り道したから、ボク忘れてた。テヘッ★」
カハク「そうね、あたしも忘れてたわ」
トール「キサマの力で世界が変わるかもしれん。よく覚えておけ」
カハク「ホントに忘れてた…あたし」
トール「おい、裁判官。フィフス・バベルに無罪判決を下せ、私が認める」
悪魔裁判官「えっ!? 無罪? ……はっ、ハイ!!」
カハク「こうやってここに来るまでは、悪魔全書の中でずっとひとりだったこと…」
悪魔裁判官「……で、では、判決を下す……です」
カハク「最初にアイツが全書から抜け出して、それからコダマが抜け出して…館のおじさんと話してるのを見て、あたしも話してみたくなって…」
悪魔裁判官「トール様の命令……いや…被告フィフス・バベルの力に免じ……ここに無罪放免を言い渡す!」
カハク「それからずっと、館からは出られなくてアイツとケンカばっかりして…コースケがくるまでずっといっしょで」
>出入り口をふさいでいた杭のようなものが上がり、フィフスバベルたちは闘技台から出られるようになった。
カハク「あたし、今ごろ思い出したのね…ひとりはイヤだってこと。いっしょにいたい仲魔は、コダマやアイツだってこと…」
光介「…カハク?」
カハク「コースケとピシャーチャも、その中に加えてあげてもいいわ」
光介「何をぶつぶつ言ってるんだよ。これで、お前の好きなように…」
カハク「コースケ!次はどこに行くの?」
光介「え?」
悪魔裁判官「……これにて裁判は閉廷、被告は釈放につき、すみやかに退去せよ!」
カハク「出てけってことね。ほら、コースケ!早く行くわよ!」
>カハクはフィフス・バベルの背中を押した。
光介「な、なんだよお前、さっきまでとは全然違うじゃないか」
カハク「………」
>カハクはフィフス・バベルの背中から離れ、顔の前にやってくる。
カハク「コースケが強くなるには、あたしが必要なんでしょ?」
光介「あ、ああ」
カハク「それなら素直に、いなくなっちゃやだってあたしに言えばいいじゃない! 好きなようにしろなんて、男らしくないわ!」
光介「…へ?」
>フィフス・バベルは目を丸くしている。
それをよそに、仲魔たちがカハクにこう言った。
コダマ「ボク、カハクがいなくなっちゃやだー」
ウィルオウィスプ「ウォレモ ヤダ。 カハクモ ズット イッショ」
ピシャーチャ「…(ざわざわとうなずいた)」
カハク「もう、しょーがないわね」
>そう言いながらも、カハクは嬉しそうだ。
>彼女はフィフス・バベルを見る。
カハク「コースケはどうなの?」
光介「もちろん…カハクとずっといっしょがいいさ。当たり前じゃないか」
カハク「そこまで言われたら、離れるわけにはいかないわね!」
>カハクは嬉しそうに宙でくるんと一回転した。
光介「…?? どうしたんだ? いきなり機嫌が直っちゃってるけど…?」
コダマ「ボクに言われてもわかんないよー」
ウィルオウィスプ「ウォレモ ヨク ワカンナイ」
カハク「ほらほら!次はゴズテンノウのところに行くんでしょ!はやくはやく!」
>カハクの表情は、明るい。
光介「あ、ああ…」
カハク「なんだかテンション上がってきちゃった!待ってなさいよ、ゴズテンノウ!」
光介「いや、別にゴズテンノウと戦うわけじゃないんだぞ…」
カハク「きゃははっ! なんだかたのしいわ☆ 最高な気分かも!」
>カハクは、楽しそうに宙を舞っている。
―――いっしょなら、もう…さみしくないね―――
コダマ「カハク楽しそー! ボクもなんだか楽しー♪」
ウィルオウィスプ「ウォレモ ウォレモ!」
ピシャーチャ「…(ざわざわと嬉しそうにしている)」
光介「一体…どうしたんだ…???」
>フィフス・バベルたちの旅は、第9話へと続く…
さて、いかがだったでしょうか?
イケブクロでの決闘裁判までお送りしましたけども。
カハクの成長物語的な部分が大きかった今回のエピソードですが、楽しんでいただけたら幸いです♪
…あ、もちろんゲーム中にはこんな場面は出てこないんですけどね(汗)
思いっ切り創作させていただきました。
レベルなどは前回から変化がないので、ステータス表記はナシで。
スキルも変化しませんからね、レベルアップしないと。
次回はついに、『彼』と戦うことになります!
果たしてどういうことになるのか、どうぞお楽しみにっ!
→ト書きの目次へ