第9話:イケブクロ~ニヒロ機構:1/5
★1/5話 よしよしタイム★
>決闘裁判の後、フィフス・バベルたちはマントラ軍本営から外に出された。
コダマ「…あれ? ゴズテンノウっていうのに会うんじゃないの?」
光介「裁判が終わったら、ここまで出されるんだよ。なんていうか…そういうルールなんだ」
コダマ「ふーん。ここって、ターミナルとかがあるフロアだよねー」
カハク「めんどくさいけど、もう一度入ってゴズテンノウに会いに行けばいいってことね」
光介「あ、ああ…」
カハク「…どうしたのよ、コースケ。目がまんまるよ?」
光介「いや、裁判の前まではあんなに怒ってたのにな、って思ってさ…」
カハク「あたしはね、少しだけオトナになったの。コースケがだらしないんなら、あたしががんばればいいって思っただけよ」
光介「だらしない、って厳しいな」
カハク「だって、結局まだトモダチはマントラ軍につかまっちゃってるんでしょ? コースケが助けられるほど強くなかったから」
光介「う、うん。そういうことになるけど…でもそれは、ゲームのストーリー上しょうがないことで…」
カハク「そんなのあたしには関係ないわ。いいじゃない、いっしょにいるってあたしが決めたんだから。それとも…いなくなった方がよかった?」
光介「な、何言ってるんだよ!そんなさみしいこと言うなよ」
カハク「じゃあ、『そんなさみしいこと』言わせないでね。あたしは決めたの。みんなと一緒にいるって」
光介「そうか…どういう心境の変化かはわからないけど、そう決めてくれて嬉しいよ」
カハク「コースケのためじゃないわ。あたしがそうしたいからそうするんだし、みんなもあたしといっしょにいたいって言うから、そういうことになったのよ」
光介「そ、そうか…なんだか釈然としないけど、これからもよろしくな」
カハク「コースケも、もうちょっとオトナになるのねっ」
>そう言って、カハクはウィンクした後に舌を出した。
ウィルオウィスプ「…」
>一方、ウィルオウィスプは看守悪魔の話をじっと聞いている。
看守悪魔はやはり、ジャックランタンだった。
ジャックランタン「チッ! トール様に認められるなんて、運のいいヤツめ……」
ウィルオウィスプ「ウォレ アイツ ミトメテナイゾ。 アイツ ケッキョク ヨワイ!」
ジャックランタン「ホラよ。どこにでも自由に行きやがれ!」
ウィルオウィスプ「ウォマエ カンシュ ヤッテテ タノシイカ? ウォレタチト イッショノ ホウガ タノシイゾ?」
>しかしジャックランタンには聞こえず、フィフス・バベルたちから去って行こうとした。
ジャックランタン「……そうそう」
>去って行こうとして振り向く。
ジャックランタン「トール様が、オマエは顔パスだってよ。マントラ軍の本営内を、自由にウロついていいんだとさ」
ウィルオウィスプ「コースケ ジャックランタン アア イッテルゾ」
光介「ああ。これでマントラ軍本営の中を動き回れる。ゴズテンノウはそこの頂上にいるから、会いに行けるな」
ジャックランタン「……気にいらねえ!」
>ジャックランタンは捨て台詞を残し、扉を開けて去っていった。
ウィルオウィスプ「…? ジャックランタン ナンデ プリプリ?」
光介「俺はここじゃ新参者だし、アイツは俺を弱いと思ってたから、トールに気に入られたっていうのがムカつくんだろうな」
ウィルオウィスプ「ウォレ ベツニ トール ナントモ オモッテナイ」
光介「そうなのか?」
ウィルオウィスプ「ウォレ アイツヨリ ツヨイ! ダッテ サイキョウ!」
カハク「トールのジオダイン(単体電撃大ダメージ:ウィルオウィスプの弱点)を避けられたのは、コースケのおかげでしょ」
ウィルオウィスプ「ムゥ… ソレ セイカイ」
カハク「アンタだけが最強なんじゃないわ。あたしたち全員で、最強なのよ。この組み合わせだからこそ、どんな敵にだって勝てる」
コダマ「わー★カハクがいいこと言ってるー♪」
カハク「そりゃ、あたしはオトナになったんだもん。みんないっしょだからさみしくないし、みんないっしょだから最強なんだって、あたしは気付いたの」
光介「すごいじゃないかカハク!そのことに気付けるなんて!」
カハク「…エヘヘ☆」
>カハクは、素直に照れた顔を見せた。
ウィルオウィスプ「…!」
コダマ「どしたのー?」
ウィルオウィスプ「ン! ナ、ナンデモ ナイゾ… ウォレ ナニモ ドキドキ シテナイゾ!」
コダマ「別にそんなこと言ってないよー? 変なウィルだなー」
ウィルオウィスプ「ウィル? ウルィ?」
コダマ「コースケが前言ってたけど、ウィルオウィスプってこうなる前はウィリアムさんだったんでしょー?」
ウィルオウィスプ「ウォレ オボエテ ナイケド… コースケガ イウナラ ソウ!」
光介「そういう伝承だと言われてるんだよ。生前は悪行三昧で、地獄に落とされそうになったんだけど聖ペテロって人を『これからはいい人になりますから』って説得して、もう一度人間になったんだ」
ウィルオウィスプ「…フムフム」
光介「それでも悪行三昧だったもんだから、今度は聖ペテロも怒っちゃって『お前は地獄にすら行けないダメなヤツだ!』って怒られちゃって、ウィリアムさんは途方に暮れちゃったんだよ」
ウィルオウィスプ「ウォレ… ダメナ コ ダッタノカ…」
コダマ「でも、ウィルオウィスプだっていっぱいいるよねー? 全部がダメな子って言われたわけでもないっぽいよね」
光介「そこらへんは俺にはわからないけどな。ただ、途方に暮れちゃったウィリアムさんに、とある悪魔がたいまつを渡したことから、ウィルオウィスプになった…と言われてるらしい」
コダマ「ふーん」
光介「ウィスプっていうのはたいまつらしくて、ウィルオウィスプっていうのは『たいまつを持ったウィリアム』だとか、そういう意味らしいんだよ」
ウィルオウィスプ「デモ ウォレ タイマツ モッテナイ…」
光介「たいまつ、っていうのが変化して、やがて鬼火になっていったんだろうな。だから、ウィルオウィスプの姿は、ちゃんと伝承にのっとった姿なんだよ」
コダマ「むずかしいねー。ボク、よくわかんないや」
ウィルオウィスプ「ウォレモ ヨク ワカンナイ。 デモ ウィルッテ ヨバレルノ ベツニ イヤジャナイゾ」
コダマ「そう?んじゃ今度からウィルって呼ぶー。カハクもそうしなよー」
カハク「そうね。もう最弱なんて呼べないし、ウィルオウィスプじゃ言いにくいし」
ウィルオウィスプ「デモ ウィルッテ ヨンデモイイノ ウォマエタチ ダケ」
光介「…俺は?」
ウィルオウィスプ「コースケ モチロン イイ!」
ピシャーチャ「…(ざわざわと尋ねる)」
ウィルオウィスプ「ピシャーチャ センパイ。 モチロン イイ!」
光介「じゃ、俺たちだけの呼び名だな、ウィル」
ウィルオウィスプ「ウホッ! ナンダカ テレル」
カハク「ウホッて何よ。でも、嬉しそうね」
>カハクは、そっとウィルオウィスプをなでた。
ウィルオウィスプ「…!」
カハク「あたしを守りたいって言ってくれたこと、ホントは嬉しかったわ。でも、さっきまでのあたしはコドモだったから…ゴメン。これはおわびのよしよし☆」
ウィルオウィスプ「カハク チャント アヤマッタ!」
光介「ああ、えらいな」
カハク「コダマ、アンタもよ」
コダマ「んー?なになに?」
カハク「いいから、こっち来て」
コダマ「はーい」
カハク「ピシャーチャも」
ピシャーチャ「…(ざわざわと嬉しそうに近付く)」
カハク「みんな、困らせてゴメン。これからも、ヨロシクね」
>カハクは、仲魔たちの頭をかわりばんこになでた。
コダマ「うひょー♪初めてカハクによしよしされたー★」
ピシャーチャ「…★」
>やがて、よしよしタイムは終わる。
光介「あ、あれ…? 俺は?」
カハク「コースケはダメ」
光介「なんでだよ!?」
カハク「だって、コースケはまだまだ強くならなきゃいけないんだもん。あたしたちはそれぞれ強いスキルとか、役立つスキル持ってるけど、コースケはまだでしょ?」
光介「う…確かに、まだ終盤まで使える強いスキルは覚えてないけど…」
カハク「それってハンニンマエっていうんでしょ?だからダメ」
光介「き、厳しいなあ、もう」
コダマ「コースケかわいそ。でも、がんばればきっとよしよししてもらえるよー」
ウィルオウィスプ「ウォレモ サポート スル。 ダカラ メゲルナ」
ピシャーチャ「…(ざわざわと笑顔でなぐさめる)」
光介「んじゃ、俺は俺でしっかりがんばらせてもらうよ。みんなには負けられないからね」
カハク「そうそう、その意気!しっかりね、コースケ☆」
>そう言って、カハクは二度目のウィンクをフィフス・バベルに贈った。
光介「ありがと。それじゃ一度ターミナルでセーブして、本営の中に入ろうか」
コダマ「はーい」
カハク「ついにゴズテンノウとご対面ね!」
ウィルオウィスプ「ウォレ ドンナヤツ キテモ マケナイゾ」
>仲魔たちはにぎやかにしゃべりながら、ターミナルへ向かう。
光介「…」
ピシャーチャ「…(ざわざわとターミナルを指差す)」
光介「ああ、すぐについていくよ。それより…」
ピシャーチャ「…?」
光介「なんだか、ここに来て一気に距離が縮まったよな、俺たち」
ピシャーチャ「…(ざわざわとうなずく)」
光介「もしかしたら俺たちは、今やっと…本当の『仲魔』になれたのかも、とかさ。ちょっと思ったんだ
」
ピシャーチャ「…(ざわざわと2回うなずく)」
光介「お前もそう思うかい?そっか…そしたら、俺の考えは間違ってないんだよな、きっと」
ピシャーチャ「…(ざわざわと3回うなずく)」
光介「…いや、そんなにうなずきまくらなくてもいいから…」
カハク「コースケー!なにやってるのっ」
コダマ「ターミナル入るんでしょー? ボクたちじゃ体重かるすぎて扉が開かないよー」
光介「ああ、悪い悪い。じゃあ行こうか、ピシャーチャ」
ピシャーチャ「…(ざわざわとうなずき、あとをついて行った)」
>その頃、マントラ軍本営・入口付近…
?「ヒデキカンゲキーな勢い。やっとついたね」
>緑色の体。
その右手には、小さなブーメランが握られている。
?「ウワサのボクがついに登場。たぶんちょっぴりセンチメンタル」
>緑色の悪魔は、本営入口の近くにある物陰に隠れた。
>そして同じ場所に向かう影が2つ…
それは迷うことなく確実に、このイケブクロに向かってきていた。
>2/5話へ続く…
→ト書きの目次へ
>決闘裁判の後、フィフス・バベルたちはマントラ軍本営から外に出された。
コダマ「…あれ? ゴズテンノウっていうのに会うんじゃないの?」
光介「裁判が終わったら、ここまで出されるんだよ。なんていうか…そういうルールなんだ」
コダマ「ふーん。ここって、ターミナルとかがあるフロアだよねー」
カハク「めんどくさいけど、もう一度入ってゴズテンノウに会いに行けばいいってことね」
光介「あ、ああ…」
カハク「…どうしたのよ、コースケ。目がまんまるよ?」
光介「いや、裁判の前まではあんなに怒ってたのにな、って思ってさ…」
カハク「あたしはね、少しだけオトナになったの。コースケがだらしないんなら、あたしががんばればいいって思っただけよ」
光介「だらしない、って厳しいな」
カハク「だって、結局まだトモダチはマントラ軍につかまっちゃってるんでしょ? コースケが助けられるほど強くなかったから」
光介「う、うん。そういうことになるけど…でもそれは、ゲームのストーリー上しょうがないことで…」
カハク「そんなのあたしには関係ないわ。いいじゃない、いっしょにいるってあたしが決めたんだから。それとも…いなくなった方がよかった?」
光介「な、何言ってるんだよ!そんなさみしいこと言うなよ」
カハク「じゃあ、『そんなさみしいこと』言わせないでね。あたしは決めたの。みんなと一緒にいるって」
光介「そうか…どういう心境の変化かはわからないけど、そう決めてくれて嬉しいよ」
カハク「コースケのためじゃないわ。あたしがそうしたいからそうするんだし、みんなもあたしといっしょにいたいって言うから、そういうことになったのよ」
光介「そ、そうか…なんだか釈然としないけど、これからもよろしくな」
カハク「コースケも、もうちょっとオトナになるのねっ」
>そう言って、カハクはウィンクした後に舌を出した。
ウィルオウィスプ「…」
>一方、ウィルオウィスプは看守悪魔の話をじっと聞いている。
看守悪魔はやはり、ジャックランタンだった。
ジャックランタン「チッ! トール様に認められるなんて、運のいいヤツめ……」
ウィルオウィスプ「ウォレ アイツ ミトメテナイゾ。 アイツ ケッキョク ヨワイ!」
ジャックランタン「ホラよ。どこにでも自由に行きやがれ!」
ウィルオウィスプ「ウォマエ カンシュ ヤッテテ タノシイカ? ウォレタチト イッショノ ホウガ タノシイゾ?」
>しかしジャックランタンには聞こえず、フィフス・バベルたちから去って行こうとした。
ジャックランタン「……そうそう」
>去って行こうとして振り向く。
ジャックランタン「トール様が、オマエは顔パスだってよ。マントラ軍の本営内を、自由にウロついていいんだとさ」
ウィルオウィスプ「コースケ ジャックランタン アア イッテルゾ」
光介「ああ。これでマントラ軍本営の中を動き回れる。ゴズテンノウはそこの頂上にいるから、会いに行けるな」
ジャックランタン「……気にいらねえ!」
>ジャックランタンは捨て台詞を残し、扉を開けて去っていった。
ウィルオウィスプ「…? ジャックランタン ナンデ プリプリ?」
光介「俺はここじゃ新参者だし、アイツは俺を弱いと思ってたから、トールに気に入られたっていうのがムカつくんだろうな」
ウィルオウィスプ「ウォレ ベツニ トール ナントモ オモッテナイ」
光介「そうなのか?」
ウィルオウィスプ「ウォレ アイツヨリ ツヨイ! ダッテ サイキョウ!」
カハク「トールのジオダイン(単体電撃大ダメージ:ウィルオウィスプの弱点)を避けられたのは、コースケのおかげでしょ」
ウィルオウィスプ「ムゥ… ソレ セイカイ」
カハク「アンタだけが最強なんじゃないわ。あたしたち全員で、最強なのよ。この組み合わせだからこそ、どんな敵にだって勝てる」
コダマ「わー★カハクがいいこと言ってるー♪」
カハク「そりゃ、あたしはオトナになったんだもん。みんないっしょだからさみしくないし、みんないっしょだから最強なんだって、あたしは気付いたの」
光介「すごいじゃないかカハク!そのことに気付けるなんて!」
カハク「…エヘヘ☆」
>カハクは、素直に照れた顔を見せた。
ウィルオウィスプ「…!」
コダマ「どしたのー?」
ウィルオウィスプ「ン! ナ、ナンデモ ナイゾ… ウォレ ナニモ ドキドキ シテナイゾ!」
コダマ「別にそんなこと言ってないよー? 変なウィルだなー」
ウィルオウィスプ「ウィル? ウルィ?」
コダマ「コースケが前言ってたけど、ウィルオウィスプってこうなる前はウィリアムさんだったんでしょー?」
ウィルオウィスプ「ウォレ オボエテ ナイケド… コースケガ イウナラ ソウ!」
光介「そういう伝承だと言われてるんだよ。生前は悪行三昧で、地獄に落とされそうになったんだけど聖ペテロって人を『これからはいい人になりますから』って説得して、もう一度人間になったんだ」
ウィルオウィスプ「…フムフム」
光介「それでも悪行三昧だったもんだから、今度は聖ペテロも怒っちゃって『お前は地獄にすら行けないダメなヤツだ!』って怒られちゃって、ウィリアムさんは途方に暮れちゃったんだよ」
ウィルオウィスプ「ウォレ… ダメナ コ ダッタノカ…」
コダマ「でも、ウィルオウィスプだっていっぱいいるよねー? 全部がダメな子って言われたわけでもないっぽいよね」
光介「そこらへんは俺にはわからないけどな。ただ、途方に暮れちゃったウィリアムさんに、とある悪魔がたいまつを渡したことから、ウィルオウィスプになった…と言われてるらしい」
コダマ「ふーん」
光介「ウィスプっていうのはたいまつらしくて、ウィルオウィスプっていうのは『たいまつを持ったウィリアム』だとか、そういう意味らしいんだよ」
ウィルオウィスプ「デモ ウォレ タイマツ モッテナイ…」
光介「たいまつ、っていうのが変化して、やがて鬼火になっていったんだろうな。だから、ウィルオウィスプの姿は、ちゃんと伝承にのっとった姿なんだよ」
コダマ「むずかしいねー。ボク、よくわかんないや」
ウィルオウィスプ「ウォレモ ヨク ワカンナイ。 デモ ウィルッテ ヨバレルノ ベツニ イヤジャナイゾ」
コダマ「そう?んじゃ今度からウィルって呼ぶー。カハクもそうしなよー」
カハク「そうね。もう最弱なんて呼べないし、ウィルオウィスプじゃ言いにくいし」
ウィルオウィスプ「デモ ウィルッテ ヨンデモイイノ ウォマエタチ ダケ」
光介「…俺は?」
ウィルオウィスプ「コースケ モチロン イイ!」
ピシャーチャ「…(ざわざわと尋ねる)」
ウィルオウィスプ「ピシャーチャ センパイ。 モチロン イイ!」
光介「じゃ、俺たちだけの呼び名だな、ウィル」
ウィルオウィスプ「ウホッ! ナンダカ テレル」
カハク「ウホッて何よ。でも、嬉しそうね」
>カハクは、そっとウィルオウィスプをなでた。
ウィルオウィスプ「…!」
カハク「あたしを守りたいって言ってくれたこと、ホントは嬉しかったわ。でも、さっきまでのあたしはコドモだったから…ゴメン。これはおわびのよしよし☆」
ウィルオウィスプ「カハク チャント アヤマッタ!」
光介「ああ、えらいな」
カハク「コダマ、アンタもよ」
コダマ「んー?なになに?」
カハク「いいから、こっち来て」
コダマ「はーい」
カハク「ピシャーチャも」
ピシャーチャ「…(ざわざわと嬉しそうに近付く)」
カハク「みんな、困らせてゴメン。これからも、ヨロシクね」
>カハクは、仲魔たちの頭をかわりばんこになでた。
コダマ「うひょー♪初めてカハクによしよしされたー★」
ピシャーチャ「…★」
>やがて、よしよしタイムは終わる。
光介「あ、あれ…? 俺は?」
カハク「コースケはダメ」
光介「なんでだよ!?」
カハク「だって、コースケはまだまだ強くならなきゃいけないんだもん。あたしたちはそれぞれ強いスキルとか、役立つスキル持ってるけど、コースケはまだでしょ?」
光介「う…確かに、まだ終盤まで使える強いスキルは覚えてないけど…」
カハク「それってハンニンマエっていうんでしょ?だからダメ」
光介「き、厳しいなあ、もう」
コダマ「コースケかわいそ。でも、がんばればきっとよしよししてもらえるよー」
ウィルオウィスプ「ウォレモ サポート スル。 ダカラ メゲルナ」
ピシャーチャ「…(ざわざわと笑顔でなぐさめる)」
光介「んじゃ、俺は俺でしっかりがんばらせてもらうよ。みんなには負けられないからね」
カハク「そうそう、その意気!しっかりね、コースケ☆」
>そう言って、カハクは二度目のウィンクをフィフス・バベルに贈った。
光介「ありがと。それじゃ一度ターミナルでセーブして、本営の中に入ろうか」
コダマ「はーい」
カハク「ついにゴズテンノウとご対面ね!」
ウィルオウィスプ「ウォレ ドンナヤツ キテモ マケナイゾ」
>仲魔たちはにぎやかにしゃべりながら、ターミナルへ向かう。
光介「…」
ピシャーチャ「…(ざわざわとターミナルを指差す)」
光介「ああ、すぐについていくよ。それより…」
ピシャーチャ「…?」
光介「なんだか、ここに来て一気に距離が縮まったよな、俺たち」
ピシャーチャ「…(ざわざわとうなずく)」
光介「もしかしたら俺たちは、今やっと…本当の『仲魔』になれたのかも、とかさ。ちょっと思ったんだ
」
ピシャーチャ「…(ざわざわと2回うなずく)」
光介「お前もそう思うかい?そっか…そしたら、俺の考えは間違ってないんだよな、きっと」
ピシャーチャ「…(ざわざわと3回うなずく)」
光介「…いや、そんなにうなずきまくらなくてもいいから…」
カハク「コースケー!なにやってるのっ」
コダマ「ターミナル入るんでしょー? ボクたちじゃ体重かるすぎて扉が開かないよー」
光介「ああ、悪い悪い。じゃあ行こうか、ピシャーチャ」
ピシャーチャ「…(ざわざわとうなずき、あとをついて行った)」
>その頃、マントラ軍本営・入口付近…
?「ヒデキカンゲキーな勢い。やっとついたね」
>緑色の体。
その右手には、小さなブーメランが握られている。
?「ウワサのボクがついに登場。たぶんちょっぴりセンチメンタル」
>緑色の悪魔は、本営入口の近くにある物陰に隠れた。
>そして同じ場所に向かう影が2つ…
それは迷うことなく確実に、このイケブクロに向かってきていた。
>2/5話へ続く…
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