先日アップした、ブログ記事。👇
こちらの記事に、とても素敵なコメントをいただいたので、ご紹介させてください。
……いえいえ、離れていてもいいんですよ。
というか、ちゃんと繋がってます(笑)
俳優とは、人間の心を表現するものです。
実のところ、俳優の仕事の9割は、人間を学ぶことにあります。
人間とは、こんな時に何を考えているのだろう?
人間とは、心にどんな痛みを抱えているのだろう?
人間とは、なぜその痛みを隠すのだろう?
日々、そうした人間の心を探求し続けています。
そして、人間の心は「掴めた!」と思っても、またスルスルと逃げていってしまう。
悩み苦しみの解決策が分かったと思っても、すぐに次の壁が立ちはだかり、どこまで行っても尽きないのと同じ。
人間の心の探求は、永遠に続くものなのかもしれませんね。
ちなみに、僕の演技ワークショップ「EQ-LAB」の「EQ」は、母体の会社「イークエスト・カンパニー」の「E-Quest」が元なんですけれど。
この「E-Quest」は「Eternal Quest」、つまり「永遠なる探求」の意味。
人の心への、終わりなき探求心を表しています。
……コメントで頂いた「ご友人」の方のお話。
「最愛の夫」と言えるかどうか、その自問自答。
そこにあるのは、喜怒哀楽なんて単純な言葉ではとても表現できないような、いろんな色が混ざって、複雑で、大きな感情。
苦しくて、でもどこか温かくて、胸が締め付けられるような、ホッとするような、不安だけど安心で、嬉しいようで悲しいような気持ち。
人の心が単純な言葉で言い表せたなら、俳優という生身の人間の仕事は必要なくなります。
わざわざ劇場に足を運んで2時間も客席に座らせたり、そんな面倒な「演劇」という世界は無用の長物です。
なんだかよくわからないけれど、わかりすぎるくらいに胸の中につっかえている何か。
触れないけれど、火傷するくらいにほとばしる想いや衝動。
そうした、捉え所のないものであり。
それでいて、自分自身をまるごと飲み込み支配してしまうもの。
それが、人間の心。
感情。
こんなバカでかくて厄介なものを表現しようとしているわけですから。
俳優という仕事は、なんて凄いんだろうと感心してしまいますよね(笑)
亡くなった方からの、誕生日プレゼント。
それを見つけた時、ご友人の方の胸にはどんな想いが去来したのでしょう。
mixiで「最愛の夫」との別れをご報告された時。
どんな瞬間が心に訪れたのでしょう。
そのご友人の言葉を受け取り、ご自身も同じ言葉を言えるようになろうと決意して。
世界の見え方はどんな風に変わりましたか。
……僕が、母を看取った日。
帰宅して見つけたのは、冷蔵庫の中にそっと置かれた、母が買ってきたトマト。
なぜだか分からないけれど。
このトマトが、母の生きていた証のような気がして。
これを食べないで捨ててしまったら、天国へと旅立った母を裏切るような気持ちになって。
ショックで何も食べられなくなっていましたが、それだけは一生懸命に口の中に入れました。
買ってから数日経過してたので、傷んでしまって正直すごくマズかったですけれど(笑)
数日後。
葬儀も終え、久しぶりに復帰した職場の窓から見た空は、とても澄んだ秋晴れでした。
その時、僕は。
母が存在しない世界の空なんて、生まれて初めて見るなぁ……なんて、とっても不思議な気持ちになりました。
そんな思いが、走馬灯の影絵のように頭を、心を通り過ぎてゆく。
それが人生。
でも僕は、何事もなかったような顔をする。
街のカフェの片隅で、亡き母を思い出しながら記事を書く僕の心は、懐かしさと寂しさでいっぱいで、溢れそうになる涙をぐっとこらえてる。
でも。
他の誰かから見れば、無表情にパソコンを叩く一人の男でしかない。
俳優は、人知れず傷口から血を流し続けている「人間の心」を表現する。
その傷は、血は、痛みは、他の人から見えないけれど。
僕らの仕事は、その目に見えないものに思いを巡らせて、心をそっと寄り添わせること。
そうすると。
胸の傷は、痛みは、世界中の誰もが抱き続けているものだと気づく。
人間の数だけ傷はあって。
癒えてはまた傷つき、癒えてはまた傷つき、と、ずっと繰り返してる。
だから。
この世から人間がいなくなるまで。
永遠なる探求は、終わることはありません。
▲台本読解塾、明日、開講です。
ぜひ一緒に、人間の心を探求する旅をしましょうね!!
(※終了しました。ありがとうございました!)
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