「新生児の縦抱っこ紐の使用」について、
子育て支援者の間でしばしば話題になります。
首すわり前は縦だっこをしてはいけない、
という論がある一方で
多くの縦だっこ紐は
「首すわり前から使える」
「新生児から使える」となっています。
赤ちゃんが生まれたばかりのパパママたちも、
「何が正解かわからない」と悩むことが多いでしょう。
最初に、私の考えは、
「適切な抱っこ紐をえらび、適切に使えば
首すわり前であっても安全に縦抱っこ紐を使える」
です。
ドイツで発展した「身体と心の発達を促すだっこ紐の使い方」を
専門的に学んだ視点から
私が考えることをお話したいと思います
素手抱っこと抱っこ紐のだっこは別物
まず最初に、抱っこを考える時は、
「素手での抱っこ」と
「抱っこ紐を使った抱っこ」を
分けて考えることが大切です。
素手抱っこの特徴
素手抱っこは生活の中で自然に行われるものです。
授乳やあやしながらの抱っこ、
片手での作業中の抱っこ、
授乳後にゲップをさせる時、
大人が座っている時に
胸の上でうつ伏せになるような抱っこ・・・
さまざまなシチュエーションで自然とだっこをします。
共通しているのは、親が自分の体で赤ちゃんを支えるため、
赤ちゃんの姿勢や状態に自然と意識が向きやすいことです。
ただし、横抱きで赤ちゃんの股に手を入れた状態や、
赤ちゃんの体がねじれる抱き方などは
赤ちゃんにとって良くない影響が
あることがあるので注意が必要です。
抱っこ紐使用時のだっこ
一方で、抱っこ紐を使う場合、形が決まっている道具に、
赤ちゃんを「入れ」、安全ベルトやバックルをすると安心し、
赤ちゃんの姿勢や状態への意識が薄れることがあります。
その結果、だっこ紐の中で、
赤ちゃんが危険な姿勢の状態に
なっているケースも少なくありません。
特に新生児での使用は、このような状態が
非常に多く見られます。
そのため、
新生児や首すわり前の縦抱っこ紐は危険、
と言われることが多いのだろうと
私は思っています。
発達をサポートするだっこ紐の使い方
だっこ紐を適切に使った縦だっこは、
移動のため、あやすため、
そして親子の愛着形成を促すだけでなく、
身体発達をサポートする方法としても活用できます。
この、
「だっこ紐を使って身体発達をサポートする方法」を知り、
赤ちゃんの姿勢を適切に支えられれば、
首すわり前でも安全に、
だっこ紐をつかった縦抱っこができます。
こういった抱っこひもの使い方は、
介護現場で活用される「キネステティク」の考え方や
運動機能と姿勢調整を支援する「近代ボバース法」の考え方を
抱っこひもの使用に応用しています。
ただこれは、抱っこ紐の説明書
ではわからない知識です。
赤ちゃんの身体の特徴や
発達に合った安全な姿勢を
理解する必要があります。
親子に関わる支援者であっても、
その方法を専門的に、
長い時間をかけて学ばなければ、
安易に教えられないものだと、
私は自分が学んでいた時に強く感じました。
たとえば「おむつなし育児」を
学んで意識的に取り入れるように、
発達をサポートするだっこも
「学び、実践する」育児法の
ひとつと考えるとわかりやすいかもしれません。
それだけだっこ紐使用時の
赤ちゃんの姿勢は重要であり、
新生児や首すわり前は特に、
大切に考えるべきことなのです。
（首座り以降も同じように大切だけどね
）
ただ、ひとつ言いたいのは
「じゃあ、難しそうだしやめよう」
と思ってほしくはないということ。
コツをちゃんと知れば、
誰だってできることです
必要なら、専門家に習う。
安全なポイントを知って使う。
これが当たり前になるといいなと思います
「ドイツで発展しただっこの仕方」を
日本で伝えられる専門家はまだまだ少数です。
愛知県瀬戸市、周辺地域の方には
子育て支援特別サポートをしています。
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