本当にお客様の側に立てるかがポイントー個人富裕層の「用心棒」に
最近、ある中堅企業のオーナーと話をして弊社の「ファミリーオフィス」事業を話したところ、相当驚かれた。
そのポイントは、物やサービスを「売る立場からではなく、買う立場からのアドバイザーは見たことがない」ということだった。これは富裕層ビジネスでキーになる話だと思った。
日本では従来、売る立場=供給側=大企業の力が強かった。これは、当然、戦後の復興の必要性からで、国策として大企業を育てなければ日本の復活はありえなかったので当たり前だ。でも、政府も今や消費者庁の設置に踏み切っている現実を考えると、もはや供給側を考えるよりは消費者側のことを考える大転換期ではないか。日本では、消費者=買う立場のことを考える専門家すら今までいないに等しかった。
私が「ファミリーオフィス」を始めたのも、この時代の大転換期と大いに関係がある。日本でも大企業ではなく、個人の側に立ち、大企業から個人を守る「用心棒」が必要だと考えた。アメリカでは個人富裕層の立場にたつ「ファミリーオフィス」が数千もあるのに、日本では皆無だったことが、日本では誰も消費者側のことを考えてこなかった証左である。でもこれからはそうもいかない。
ここまでは誰でも言っていることだが、それから先、「本当に消費者の立場にたったアドバイスができるか」は
言うは安し、行うは難しの世界である。基本的にお客様の利益とアドバイザーの利益とは背反することが多いからである。
でも私が「永田町ファミリーオフィス」でやってきたことは、お客様からは一定の評価を受けていると思う。自分なりに最大限、お客様の立場で仕事をしてきているからだ。その結果、それほど儲からないものの、「用心棒」としてお客様の心配事を自分の心配事として受け止めている。だから、かなりシンドイ仕事であることは間違いない。従来の供給者側の仕事では、お客様からいかに搾り取るか、がポイントだったから、180度立場が違うわけだ。
なかなか厳しい話だが、個人富裕層にはそこまでやらないと「信頼」されないことだけは間違いない。私自身もまだまだ発展途上だが、「本当のお客様重視」の態度だけは堅持しないと顧客を失うと思っている。超富裕層は見る目もまた相当に厳しいのだ。
文部科学省事務次官に坂田東一さんが就任ー旧科学技術庁の宇宙大好き人間
今日の日経夕刊に、次期文部科学次官に坂田東一さんが内定したというニュースがあった。今から15年前に、私が経団連の宇宙開発担当の時に、当時科学技術庁の宇宙企画課課長だった坂田さんと知り合った。技官で
東大大学院でも宇宙工学をやっていた宇宙好きの人だった。
ところが、思い出したくもない1994年9月の「きく6号」の打ち上げの失敗の後、当時の科学技術庁長官の田中真紀子氏は、突然「反宇宙」になったのだ。坂田さんも当然、大変な苦労をしていて、翌年には兵庫の山の中の研究所に転勤になってしまった。恐ろしい事件だった。
その後は、坂田さんとは没交渉となったが、たまたま3年前に偶然にも私の自宅マンションの部屋の前で10何年ぶりかの再会を果たしたのだ。その時は坂田さんは理研の理事をしており、私と同じフロアに事務所のある某自民党大物議員と打ち合わせに来たのだ。
その変な事件の後、再び坂田さんとはコンタクトができたわけである。人生の不思議を感じるが、ともかく事務次官までなったのだから大変な出世だ。一時は苦しい時期もあったものの、そこから復活したのが素晴らしいと思い。サラリーマンは誰も同じだと思うが、ずっと順風満帆とはいかないわけで、苦しいところから這い上がる粘り強さが出世には必要なのだろう。
ともかく坂田さんには1年間(いや、結城さん(元宇宙開発課長)は3年事務次官をしていた)、日本の教育や科学技術政策を少しでもよくするよう、活躍をして頂きたい。
超富裕層にはしつこい営業はダメ!?-訪問は3か月に1回くらいがいい
保険の営業で成績を上げている人は、未だにともかくGNP(義理、人情、プレゼント)で迫れとか、「気合だ」とか
言っている人が多い。でもこれは「一般人向け」の営業スタイルだ。超富裕層には逆効果であることに、保険のセールスマンは気づかないことが多い。
ある日本有数のファミリービジネスのオーナーと話をすると、その間にもいろいろな証券会社から営業の電話が
かかってくる。すべて断っているが、また同じ会社の別の営業マンから電話がくるという。千三つ(千回やって三回当たればいい)の営業だろうが、忙しい超富裕層にとっては全くの迷惑でしかない。もちろん、電話営業などで彼らが顧客になることは万に一つもない。
アメリカの有名なファミリーオフィスの経営者に聞いたところ、お客様と会うのは3か月に1回で十分と言っていたのが印象に残っている。ある日本の大手証券会社の役員が、アメリカに行って向こうの証券マンから、超富裕層は3か月に1回以上会うと、しつこいと思われる、という話を聞いたそうだ。心理学的にも3か月に1回のペースというのはいい間合いだそうだ。
私もお客様や見込み客の方々には、3か月に1回のペースで連絡を取るようにしている。それ以上連絡を取ると
しつこいと思われ、逆効果になる可能性が高いからだ。
超富裕層にはギヴ、ギブ、ギブで最後にギヴンー澤上篤人さんからの教え
昔、麹町の「さわかみ投信」の勉強会によく行っていたころ、澤上さんのピクテ時代の営業の話を聞いたことがある。ともかく日本の超富裕層は、代々の金持ちも成金の金持ちも腰が重く難しいという話だったが、相手に信頼されるにはとことんギブ(与える)しかないというのが結論だった。
私が超富裕層を相手の「ファミリーオフィス」を経営していることが、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」の富裕層ビジネス特集で紹介されたとき(5分間だったが、ワールドビジネスサテライトでは異例の長さだったようだ)、その夜から何と1000通ほどのメールを頂いた。半数が保険のセールスマンで、彼らはほとんどが「自分は日本一の保険セールスマンなので超富裕層のお客を紹介してほしい」ということだった。「日本一」が数百人いるわけだ。。。
数が数だけに、ほとんど返事も出さなかったが、彼らのほとんどが保険は売れていないなと感じた。(もっとも売れていたらテレビ番組を見てメールなどしてこないが)まず、ギブだという発想がないからだ。ギブンしか考えておらず、自分がいかに超富裕層を相手に儲けるか、しか頭にないのだ。しかも私を利用して。
でも、最初与え続けるのは実際には至難の業だ。さわかみ投信自体もできていない。信頼されるまで儲けを度外視して相手に尽くさねばならない。日本のお金持ちは、もういろいろな金融機関に合法的にせよ騙されているので(少なくとも彼ら自身そう感じている)、警戒心は相当強い。相当なギブが必要で、これにはビジネスをする方も経済的に相当余裕がないとできない話だ。
ところが、実はこのあたりが富裕層ビジネスのポイントかもしれない。自分に余裕がないと超富裕層の気持ちなど分からないし、やはり富裕層ビジネスは富裕層にしかできないことになる。誰もが言いにくい悲しい(?)現実かもしれないが、そこは強調しすぎることはないだろう。
マイケル・ジャクソンと金銭教育の無用さーアメリカの報告より
マイケル・ジャクソンが悲惨な最期を遂げた。いや、いつかはこういう結末になることは、誰でも想像できたのではないか。世界一のスーパースターも最後は借金まみれだった。もっとも、資産が天文学的だったので、トータルではまだまだ残っていたようだが、日本でも小室哲哉氏が、スケールは違うものの、やはりお金で苦しい状況になっている。
でもここで、ちょっと「金銭教育」に興味のある人なら、「日本はともかく、アメリカのように世界一の金銭教育を誇る国でもマイケル・ジャクソンのような人がなぜ出てくるの?」という疑問を持つだろう。しかも、これほどの資産を持ったなら、アメリカなら当然、アドバイザー(いやファミリーオフィスだろう)をつけていたはずだ。なぜこうなってしまったのだろうか。
私の想像はこうだ。マイケル・ジャクソン、いや小室哲哉でも、資産に関するアドバイザーはいた。しかし、彼らのように一つの分野を極めると、自分は何でもできると勘違いして、アドバイザーのいうことには耳を傾けなくなったのが一つの原因(少なくとも小室はそういう指摘をされている)。もう一つは、そもそも学校での「金銭教育」は
意味がない、ということである。
学校での「金銭教育」の無用さについては、本年2月に「シカゴトリビューン」がおもしろい記事を載せた。「金融リテラシー教育は有害ですらある」というものだ。概要は、こういう教育は生半可な知識だけを身につけ、誤解に基づく自信だけがつくため、いきなり株などを買って大損する傾向がある、というものだ。その通りだろう。
でも、なぜアメリカで金銭教育が盛んなのかーこれはこういう分野に「既得権益」を持っている人がいるからだ、と
シカゴトリビューンでは明言している。日本でも、「評論家FP」(お客さんはいなくて、金融機関にくっついて講演や執筆を業務としている人ーよくマスコミに登場するものの稼ぎはあまりないのが特徴)がよく日経新聞などの証券会社の広告で、「わが国でも金銭教育が必要だ」とか言っている。アメリカでもこういう人がたくさんいるのだ。
本当に有用な金銭教育とは、、、親などの親族から日常的に教えられるものだ。安田家、住友家、服部家などの
代々の資産家の方々に聞くと、お金の使い方は親から教えられたという。マイケル・ジャクソンなどは、成金の悲しさで教えてくれる親族がいなかった。お金持ちになってからはアドバイザーのいうことなど、ばかにして聞けなくなったのだろう。これは多くの一代でお金持ちになった人の特徴だ。
日本でも「小中学校で金銭教育が必要だ」などの論調が見られるが、これは「既得権益」を持っている人の宣伝かもしれない。気をつけたい。
なぜタダでノウハウを公開するの?-ある読者からの質問
最近、「間違いだらけの富裕層ビジネス」的な内容を書いているのだが、昨日ある人から質問があった。
「こういう内容だったら高い講座料をとっても人は集まるのに、なぜタダで富裕層ビジネスのノウハウを公開しているの」というものだ。もっともな質問だろう。富裕層ビジネスのノウハウ講座だったら、かなりのお金を取っても人は集まると思われる。
しかし、ビジネスも大事だが、より大事なのは「日本でまともな富裕層ビジネスをする人が増えること」ではないか。これは経団連官僚の悪いクセかも知れないが、私には個人の儲けよりも天下国家を考える、というマインドが染み付いているのだ。たとえ、自分のビジネスに影響があっても(もっとも今の日本の状況ー誰も富裕層ビジネスでは成功していないーではありえないと思うが)、社会がいい方向に行ってくれればいいという発想だ。
また、より現実的な理由としては、いくら自分のノウハウを伝授しても、それを真似できる人は今の日本ではなかなかいない、という悲しい事実もある。例えば、超富裕層は「紹介」でないと顧客にならないことはよくわかった。しかし、紹介してくれる人はどうやって探すの?ということになる。自分の人脈がないと自分に顧客を紹介してくれる人もいないのだ。
富裕層ビジネスは、ノウハウが分かっても簡単にはできない。「一番難しいマーケティング」といわれる所以だ。
でも日本の現実は、その手間のところで、皆その基礎の基礎すら分かっていないでやっているのだ。
だから私はまず、基礎の基礎から広報したい。そのためにNPOまでつくったわけだから。
超富裕層は「紹介」でしか顧客にならないー多くの富裕層マーケッティング者の間違い
富裕層ビジネスには一般の人が「常識」と考えることが非常識のことが非常に多い。だからほとんどの人は
うまくいかないのだ。大企業ですらそうなのだから、中小企業が富裕層ビジネスをすることは非常に難しい。
むしろ、小回りのきく個人に向いている分野であるだろう。ニッチ分野ともいえる。
「間違いだらけの富裕層ビジネス」とでも言おうか、その中でも大きなものの一つが、「インターネットや本、雑誌
などで宣伝をすれば富裕層顧客が得られる」という誤解だ。実際に、度々で恐縮だが、臼井さんなどはインターネットを使った富裕層マーケッチング情報会社である「Eマーケティング」という会社を起こしたが、結局はうまくいかなかった。
臼井さんは雑誌「SEVEN HILLS」を立ち上げ、このメディアを通じて高級時計とかヨット、ヘリなどを売ろうと
したが、うまくいかず、スポンサーもつかなくなった。この手段ではなかなか売れなかったので仕方がない。
そもそも超富裕層は自分で雑誌を買って物を買うとか、インターネットを調べてものを買うという行為はしない。
そういうものは信用できないと知っているからだ。
超富裕層とつきあっていると、彼らには独自のネットワークがあることがわかる。それは○○倶楽部だったり、
同じゴルフ場の会員仲間だったり、一番強いのは親族のつながりだ。閨閥とよくいわれるが、日本はイギリス
以上の貴族社会かと思えることもある。いつもお世話になっているX さんなどは、親族から歴代首相が「少なくとも」数名いるし(最近10年で3人)、吉田茂が仲人だったというし、有名な○○家のいくつかと親族であったりする。
こういう人のつながり、人からの「紹介」から、彼らは投資したり、物を買ったりしている。だからインターネットや雑誌などは「見たこともない」のだ。
ITでは超富裕層を顧客にできないのが結論だ。これは富裕層ビジネスの基礎の基礎なのに、ほとんどの人が
間違ったことをしている例だ。
本当の富裕層のニーズとはーこれが分からないので皆うまくいっていない
おととい、「透水会」という、いわゆる名士が集まるパーティに初めて参加した。経団連の元会長のお孫さん(複数)や、さまざまなファミリービジネスのオーナー(やご子息)が多かった。もちろん、本当の富裕層といわれる代々の資産家も数多くお目にかかった。しかし、彼らのニーズを探るのは容易ではない。そもそも、そういう人は
相当親しくならないと自分のニーズは言わない。またニーズは個々に相当異なり、一般化もできない。
先週逮捕された臼井宥文氏の本「日本の富裕層ーお金持ちをお得意さまにする方法」によると、富裕層のニーズは5つに一般化できるという。①資産防衛、②教育、社会貢献、③美容、アンチエイジング、④エンターテインメント、⑤セキュリティの5つだ。これはオールドリッチ(本当のお金持ち)もニューリッチ(いわゆる成金)も同じだという。この時点で、この著者は富裕層と付き合いがないことが分かり、私はこの本を読むのをやめた。典型的な「富裕層と深い交流のない人の文章」だったからだ。
超富裕層のニーズを一般化することなど、できるはずがない。それぞれ特徴があるから富裕層になれたのだ。あえて、私の経験からいうと、日本の富裕層=企業オーナーなので、相続事業承継、それに関連する子弟の教育、結婚のニーズが一番大きいという気はする。でもアンチエイジングやエンターテインメントのニーズが大きいとはとても思えない。
結局は富裕層のニーズは個々に相当違うので、一人ひとりにオーダーメイドで応えていくしかない。でもこれでは「組織」では扱えない。マスマーケティングが組織では必要だからだ。だから、臼井さんの本のように明確ではあるが、ピンのぼけたニーズ論が横行するのだ。
富裕層のニーズは徹底した富裕層自身とのコンタクトにより、つかんでいくしかないと考える。これは個人にしかできない。ニーズを日々個々のお客様との接触から学んでいる。
富裕層本の弱点―富裕層を本当の顧客にしていない人が書いている
世にいう「富裕層本」というのは大きな書店にいけば10冊くらいある。しかし残念ながらどれも実務には役立たない。なぜなら、本当の富裕層(成金ではなく金融資産が少なくても10億円以上)を本当の顧客(保険とか一部分ではなく、その人の資産、あるいは人生すべてを見ている)にしている著者は一人もいないからである。
もちろん、彼らは超富裕層と「コンタクト」はある。保険や自らの雑誌などを買ってもらったりしているからだ。でも付き合いはそれ以上ではない。だから内容もステレオタイプだ。アメリカの富裕層本からの引用が多く、富裕層は見る目が厳しいので自分を高めよう、とかお客様のためになることをしようとか精神論に終始している。実際に超富裕層との深い付き合いがないので、精神論にならざるを得ないのだ。
日本では、実際に超富裕層と深い付き合いをしている私のような独立したコンサルタントは皆無に近いだろう。もちろんプライベートバンクの日本支社は超富裕層を顧客にしているが、彼らの付き合いは運用(投信、ヘッジファンドなど)だけであることが多い。組織では多くの人を相手にしなければ採算が合わないので、特定の人との深い付き合いは難しいだろう。
私の場合は、お客様も10家族以内と絞っているので、ご家族の方々すべてを把握している。どこの家族で今どういう問題があるかも分かっている。そこから得られたさまざまな経験は、今後、富裕層ビジネスをしていく人たちへの参考になろう。
しかし、このノウハウを文書や映像に残すのは難しい。まず、超富裕層は「目立たちたくない」という特徴があるので、なかなか実名で本やテレビに出てくれない。それができれば非常に迫力があるのだが、以前、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」で弊社が5分ほど紹介された時にも、お客様で出ていただけたのはお一人で、顔を隠してという条件付だった。
自分としてはノウハウの出し惜しみは一切するつもりはなく、むしろ開示したい(だから、持ち出しでNPOをやっている)のだが、実際の超富裕層の方々の意向もあり迫力のある生の声をお届けできないのがジレンマだ。
ともかく、100%満足いかないにせよ、自分の経験を公表していこうと思っている。現に、複数の出版社や雑誌社から突っつかれている。早くしろと。それにより日本の、特に金融界が少しでも変わっていくからだ。小さな成功から始まる「草の根からの改革」が私の信条とするところだから。
次回研究会の講師紹介ー「税務署のためでなくお客様のために働く」公認会計士
当協会の次回研究会(7月16日)の講師は、齊藤栄太郎さんという公認会計士だ。当協会の監事もお願いしている。
この人とは、私が以前会員だったニュービジネス協議会で数年前にお会いした。以降、たまたま同い年で、慶応も同期ということで気楽にお付き合いさせてもらっている。私が経団連に入ったときの会長が「齋藤英四郎」さんで、この方には新人ながら何度かお声をかけて頂いたので、自分の中では思い出のある会長なのだが、その会長と似た名前ということですぐに覚えたのだ。
現実に、この人との関係が続いている理由は、第一に「下町の人情家」であり、私が困ったときにも何でもやってくれること。第二に、これが重要なのだが、彼は会合でも「自分は税務署のために働いている多くの税理士と違い、お客様のために働いている」と公言しているからだ。これは私の、あるいは「ファミリーオフィス」の基本理念と一致しており、非常に重要なポイントなのだ。だからこそ、私が日本ファミリーオフィス協会をつくるときにも監事をお願いしたのだ。
そうはいっても「お客様のために働くなんて当たり前じゃないか」という声が聞こえてきそうだが、その当たり前が当たり前ではないところが税理士の世界らしいのだ。確かに、私のお客様でも「税理士が税務署に突っつかれないように、税金が多い方多い方に処理してしまう」という不満を持っている人が多い。あるいは世間の商店主に聞いても同じことを頻繁に聞く。税理士の立場だと、まず税務署は自分のところに問合せてくるし、最悪脱税幇助にでもなったら大変だと考えるのだろうが、やはり基本は「お客様のため」であるはずだ。
齊藤さんは下町出身だが、私も知らずに「下町と超富裕層はちょっとズレがあるのでは」と聞いたところ、「とんでもない。下町こそ大金持ちがいる」という話だった。要は下町は街が古いので昔からの地主が多いということだ。確かに私も木場で土地だけで数百億円という規模の資産家にお目にかかったことがある。こういう昔からの地主は、田園調布に住めても、やはり下町に住んでいるのだ。
ともかく、次回の研究会は齊藤さんから「実務家としての経験」から富裕層ビジネスのヒントを頂けるということで、実のある内容になりそうだ。