子どもたちと 分かちあいたい ことば
―㉘詩 まど・みちお『ことばのうた』銀河社
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あいうえお
まど・みちお
あいうえおは あおいでいる
あおい うちゅうの あおい うえを
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かきくけこは かたくて こちこち
かきっこ くきっこ かむけいこ
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さしすせそは すずしそう
さやさや そよそよ ささ すすき
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たちつてとたち たてついてた
たてと ついたて つったてて
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なにぬねのはね ねないのね
なきの なみだに ぬれながらにね
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はひふへほはん はなはずかしい
はひひ ふへへ ほほが はれて
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まみむめもは もう むやみに ねばつく
もっちり むっちり あめまみれ
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やいゆえよは やわいようよ
ぶよぶよ ぶゆぶゆ やわやわよ
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らりるれろなら ろれつが もつれる
らるりり れろりり ろれろれろ
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わゐうゑをは おおさわぎだわ
わいわい わやわや てんやわんや
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■先日、札幌で作文教育の会の仲間たちと研究会をしていて、「あいうえお」の指導が話題になりました。若い先生が初めての一年生の文字指導で楽しくあいうえおを導いていくのはどうしたらよいかということからでした。細かな指導は北海道の先輩教師がアドバイス豊かです。私はアニマシオンでやってきた遊びとこのまどさんの詩の暗唱をすすえめました。「あいうえお」の詩は、たくさんの詩人が試みています。どれも個性があり、リズムが大事に取り入れられて教室に持ち込みたいものばかり。それでも、このまどさんの詩は、ひらがな五十音のそれぞれの特徴(語感)を実に深くとらえ、かつゆかいに表現しています。ぜひ覚えてみてください。(岩)
●縦書きにして印刷してください。(岩辺 泰吏)