私です。
突然ですが、ニトロブースを導入しました。
先月レッドサイクロンをフルメンテしたばかりですが、その後使用中にレッドサイクロンが突然死しましてね。多分ACアダプターが逝っちまいました。
変わりのACアダプタ探すのも面倒だったし、いい機会だったのでとうとう購入。最後の最後までネロブースと悩みましたが、最終的にはこっちを選択。
一応ニトロブースについて説明しておくと、コンプレッサーの方でも有名なRAYWOODが取り扱っているドラフトチャンバー方式の塗装ブースです。
ドラフトチャンバー方式というのはファンで直接吸うのではなく、ブース内に仕切り板を設けて減圧室を作り、そこをファンで負圧状態にし、ワークスペース→減圧室→ファンという順番で排気する仕組みのブースです。
減圧室を設ける分筐体が大きくなりますがミストの飛散をより抑制し、効果的に吸気できる点がメリットです。
ドラフトチャンバー方式と言うと、圧倒的に人気なのがガットワークスのネロブースだと思います。
ネロブースとニトロブースの大きな違いはファンの種類。
ニトロブースは「プロペラファン」、そしてネロブースは「シロッコファン」です。
一般的にシロッコファンは静穏性と排気性能のバランスが良く、特に静穏性でプロペラファンを大きく上回ります。
プロペラファンはサイズ次第で十分な排気性能を発揮しますが音がうるさく、比較的安価な塗装ブースで使用されることが多いイメージ。
ニトロブースではそのデメリットをファン自体の静穏化と無段階のファンコントローラー(風量調節)で補っています。ファンの回転数を抑えればその分作動音も減らせますからね。
また、ネロブースは150mm径のダクトを使用していますがニトロブースは200mm径ダクトを使用します。
デカい分取り回しは悪いかもしれませんが、径がデカい=排気効率がいいというメリットにもつながります。
カタログスペック上騒音性ではニトロブースの方が1.5倍ほど数値が大きい(=音が大きい)半面、排気性能では2倍~3倍近い数値の差があります。
あと違いとしては、ネロブースと場合ファンはユニットとして筐体とは独立していて上に載ってるだけなので外せばすぐメンテできますが、ニトロブースは天板とファンが一体化しているのでファンのメンテナンス性で劣ります。
ネロブースの説明では「減圧室で有機溶剤を飛ばすのでフィルターは不要」と唱っていますが、ニトロブースではフィルターが装着されているのはそういう違いもあってのことかもしれません。結局顔料の粉塵はファンまで届いてしまうので、それを少しでも減らしてファンのメンテ頻度を抑えるために…って感じだと思います。
総じて「うるさいがハイパワーなニトロブース」「十分すぎる性能かつ静穏性に優れたネロブース」といったところでしょうか。
他の違いとして、ニトロブースにはLEDライトが標準で付いている点も挙げられますが、まぁこれは後述。
しかして、両者で悩んでいた私がニトロブースに決めた最も大きな理由は「見た目」です。
良いのは判ってる。これを選んどけば間違いないってのは判ってるんだ…
でもこの見た目は好きになれなかったんだ…!
飾り気のないメタリックな金属地、ドカンと突き出したファンから延びるこれまたメタリックなダクト。
汚れたらツールクリーナーでサッと拭き取れる強みはあれど、部屋の中にちっちゃな(十分デカいが)工場が建つのはちょっと抵抗があってね…
私自身仕事の中でお客様に良く言うセリフなんですが、「結局はデザインで気に入ったものを選んだ方が納得できる」ということで、音量に懸念を持ちながらもニトロブースを選択しました。
さて。ということでここからは使ってみての使用感に触れていきます。
まずサイズ感。幅450mm、高さ450mm、奥行き385mmというサイズは卓上では普通にデカいです。なんだか異様な存在感を放ってます。
と言っても設置スペース的にはレッドサイクロンより場所を取りません。レッドサイクロンはダクトがブース後方から延びる都合、設置には奥行きが500mmほど必要でした。そのうえダクトも取り廻さなくちゃいけないので、設置場所には結構難儀したのですがニトロブースは素直な箱型ボディなのでその点何も考えずに済みます。ただただデカいだけ。
ブース直上から延びる200mm径ダクトは柔らかくて非常にフレキシブル。200mm径なのでやっぱりデカくて気になりますが、まぁその分排気効率良いからまぁ良いかぁ…と自分を納得させています。
私、窓からダクトを出して作業するタイプの人なんですけどね、その分窓が開くじゃないですか。熱気と冷気、そして虫さんいらっしゃいませ。
最近は網戸を閉めて、網戸にダクトを当ててするようにしてるので虫さんは概ね大丈夫なんですが、真夏と真冬は今まで以上にキツくなるやもしれませんね。
して。肝心なパフォーマンスについてですが
音は思っていたほどではないです。流石に全力運転すると相応にやかましいですが、半分程度の回転数なら存外静か。
そしてその状態でも0.3mmハンドピースでトリガー全引きした程度なら余裕で排気してくれます。トリガー全引きなんてそうそうしないし、つまり実用上は全く問題ないという事です。
ドラフトチャンバー式と200mmファンの面目躍如と言ったところか本当に良く吸ってくれます。ハニカムフィルター化してファンを犠牲に吸気性能を強化していたレッドサイクロンよりも全然臭気が残らない。
抑えたファンスピードでこれなら缶スプレーでも使わない限りは全力運転は不要なんじゃないかなとか今のところ思ってます。
音で言えば、なんならタミヤコンプレッサーのポコポコした作動音の方が気になるまである。少なくともレッドサイクロンよりは体感上静かなんじゃないかと思います。
( ^ω^)・・・これよりも静かで、近い排気性能のネロブースが圧倒的な支持をうけるのも当然だわなぁ…
で、ニトロブースが標準装備するLEDライトなんですが、コレ標準装備なのにファンとは別電源です。しかもUSB給電。
標準装備のありがたみが…ありがた味が薄いッ・・・!
とは言え照明の色温度や明るさの調整が数段階でできるのは凄く良い。これあんまりレビューで触れられてない気がしたんですが、とても良いポイントだと思いますよ。
塗装ブース内ってLEDで明るく照明されているんで自然光下や撮影時とは見え方が全然変わるんですよ。そのあたりを多少調節して、ブース内でも自分のイメージに近い見え方に近づけられるってのはかなり助かります。色味だったり、キャンディ塗装やシャドウの下地の透け具合だったり、ついやり過ぎちゃうのを防げるかもしれません。
ちょっと残念なところはありつつ、後から用意する手間がかからない点とこの調節機能のおかげで許せちゃうところあります。これでファンと電源が統一されていればほぼ完ぺきでした。
その他の点として、私が魅力に感じた黒ボディなんですが、どうやらこれは酸化被膜とかではなく塗装とのことらしいので、ツールクリーナーで剥げるらしいです。
それを避けるために内側にフィルムを貼ったりしている人もいるようですね。
ここはなぁ・・・できればブルーイングなんかで黒くしてくれていたらもっと気を遣わなかったような気がするんだよなぁ・・・ちょっと惜しいなと思うポイントです。
とは言えね、やっぱり黒ボディは良いですよ。でかくて存在感はありますが少なくとも工場感(?)はありませんもの。
と、いうことでここまでがファーストインプレッション。今後使っていくうえで他の感想が出てきたらまた触れていくかもしれません。ひとまずは念願のドラフトチャンバー方式ブースをしっかりと使い込んでいきたいと思います。
で、牛歩で進めている忍者ちゃん。失敗に失敗を重ね、挙句放置されていたボディスーツ部分もようやくひと段落。
最大の見せ場である胸パーツ。完ぺきとは言いませんが、まぁとりあえず納得できる程度にはなったと思います。
適当なライティングとスマホカメラじゃよくわからないのですが、胸の間のシャドウと塗分けた両サイドの本のうっすらした透け。下品になってしまわないよう細心の注意を払い、肉眼でないと分からないレベルの透け具合を追い求めました。
おなかのパーツも同様、ほぼ透けてない、でもほんのちょっとだけ透けてる感を追求しましたので完成時にはそれが分かるように撮影できればいいなぁと思ってます。
胴体のシャドウとかもこの写真じゃぁぜんぜんわかんないです。どうしても表現を控えめにしがちなのでなおさらかもしれません。
マフラーも髪と同じようなグラデーションにして…
これでひとまず、差し替え用の左足以外はベース塗装は完了です。今回新しく塗装したパーツの細部の塗分けを入れて、あとはデカールとクリアコートです。
その隙間で、後回しにしていた差し替え用の左足も絶妙な透け具合を目指しながら塗っていくとしましょう。
まだまだ完成は先ですね。最近はバイクで時間を取られているとはいえ忍者ちゃんにもう3か月近く付きっ切りですし、4月中には完成させたいところです。