金沢大学医学部の今回の成績評価は?〜点数や成績の連続する不適切行為群/財務省森友書換えと公益通報 | 医療事故や医学部・大学等の事件の分析から、事故の無い医療と適正な研究教育の実現を!金沢大学准教授・小川和宏のブログ

医療事故や医学部・大学等の事件の分析から、事故の無い医療と適正な研究教育の実現を!金沢大学准教授・小川和宏のブログ

医療事故死は年間2万-4万人と推計されており(厚労省資料)交通事故死の約4-8倍です。医療問題やその他の事件が頻発している金沢大学の小川が、医療事故防止と事故調査の適正化や医学部・大学等の諸問題と改善を考えます。メール igakubuziken@yahoo.co.jp(なりすまし注意)

金沢大学医学部の今回の成績評価はどうするのか
〜試験点数や成績についての連続する不適切行為群
  公益通報が財務省森友文書書き換えに早期に機能していれば
   (医学部大学等事件98)

 財務省による森友文書の書き換え問題に関する職員の自殺が報道され、急速に事態が動き出したように見えます。

●東スポ/exciteニュース
https://www.excite.co.jp/News/society_clm/20180310/TokyoSports_944323.html

●週刊朝日/AERA
https://dot.asahi.com/wa/2018031100014.html

 ちょうど私が参議院議員会館での公益通報シンポジウムで電話報告した前後の日であり(自殺と自殺報道が)、公益通報が森友文書書き換えの早期に機能して入れば、命が失われることがなかったのではないかと残念です。

3月7日 職員自殺

3月8日 参議院議員会館で公益通報シンポジウム
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12358710093.html

3月9日 自殺報道と佐川国税庁長官辞任

 いずれにしても、亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げるとともに、「死人に口無し」にならないよう願っています。

 それでは今日の本題で、点数・成績入力妨害や再試験、シラバスなしなどが問題になっている、金沢大学医学部・医学類の「薬物治療の基礎」科目(現在の2年生より「薬理学」に改称)の不適切な出来事群を、幾つか並べてみていきます。

1、試験点数入力妨害継続、9日の成績発表を20日に延期

(ア)大学側からの連絡の通り、小川が点数を入力して、その写しを提出する
(イ)大学法人主張の日程でも仮処分自体が手遅れだった
について、山崎学長から異議のご返信がなかったのですが(次の3月2日の本ブログ記事など)、
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12357029419.html
本日(3月12日)時点でも、点数入力ができない状態が継続されていますし、再試験の連絡は来ていません。

 3月9日に予定していた進級判定発表を、3月20日に延期するという掲示が、3月7日付け出ています(次の「医学類お知らせ」のページで、3月12日時点で、中ほどよりやや下に掲載されている、「全年 学生 各位」で始まる連絡、電子掲示は同月8日)。
http://dbweb.m.kanazawa-u.ac.jp/stu/info/listrec.php

 しかし、仮処分が送達されたのが2月26日ですから、大学法人の主張によると3月20日にはとても間に合わず、仮に年度末の3月31日に成績評価と進級判定を行うと仮定して計算しても、仮処分は手遅れでした(これも大学法人の主張で計算すると)。

2、週末頃「薬理学」シラバスアップ、今週試験だが「3年次前期」と記載

 シラバス(授業案内書、授業計画書)なしで「薬理学」授業を行っていたことが、3月1日までに判明して、同日に私と安藤仁・教員が話した件です(次の3月1日の本ブログ記事)。
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12356815888.html

 「薬理学」シラバスは、3月8日(木)に検索した時は無かったのですが、3月11日(日)にはアップされていました。次の金沢大学公式のシラバス検索画面で、科目名に「薬理学」を入れて検索するとヒットします。
https://eduweb.sta.kanazawa-u.ac.jp/portal/Public/Syllabus/SearchMain.aspx

 ところが、中身を見てみると、昨年11月24日から実際に学内常勤教員4名で担当しているのに、担当教員欄が白紙で、担当者がいないような記載になっています(3月12日時点)。

 また、教科書『NEW薬理学』は、最多あるいは2番目に多くの学生が使用している教科書ですが、約1年前に改定された現在の版ではなく、古い2011年の版になっています(3月12日時点)。

 更に、今週金曜(3月16日)に同科目の中間試験(2年生)を行う予定でそう掲示もされているのですが、試験2回を3年次前期に行う、と書いています(3月12日時点)。

 シラバス無しで授業を行っていることが発覚してから約10日にもなって、誰がどうしてこういう内容でアップしたのかです。

3、2008年は架空の点数で成績評価(金子周一医学部長時代)

 2008年、当時の吉本谷博教授(その前に不正経理で出勤停止2ヶ月の懲戒処分、その後に定年を待たずに辞職)は、「薬物治療の基礎」科目(現在講義をしている2年生から「薬理学」に改称)で、実際の試験点数を用いずに「架空の点数」で成績を出しました。

 当時も、私は自分の担当分について、試験点数や採点などの開示を行っていたため、一部の学生は、実際には60点以上なのに60点未満という扱いをされていることに、気づくことができました。

 当時は、金子周一・教授が医学部長でした(現在はそれより上のポジションである、医薬保健研究域長・医薬保健学域長で、被告の1人)。

4、一部の低得点者を合格させそれより高得点者を合格させず

 1年半ほど前の2016年夏、安藤仁・教員は、同科目の本試験で、一部の低得点者を合格させ、それよりも高得点だった11名を合格させず、「点数と成績の逆転」を行いました(次の昨年9月4日の本ブログ記事の、同月5日追記部分)。
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12307665268.html

5、再試験対象者に安藤教員が「秘密のレポート」

 昨年秋口からの点数入力妨害が長引くため、私が昨年12月にS, A, B, C, 60点未満(再試験対象者)の成績を学長、理事、金子部局長、多久和医学部長・医学類長などに提出したものの、大学法人などはそれではダメだという主張で、点数提出の仮処分まで申し立てました(上述の通り時期的にも手遅れ)。

 しかし、安藤仁・教員は、再試験対象者(60%未満)に、「秘密のレポート」を課して、3月2日を提出締切りにしていました(次の同日のブログ記事)。
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12357029419.html

 これについては、得点率30%未満でも合格させるのか、真面目に勉強する医師を育てて欲しいなど、批判的なご意見を頂戴しています。

 この「再試験対象者への秘密のレポート」の事実確認についても、山崎学長から、異議のご返信はありませんでした(次の昨年3月5日の本ブログ記事)。
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12357895390.html

 学生本人が確認した点数に基づいて私が提出したS, A, B, C, 60点未満(再試験対象者)の成績を用いずに「架空の点数」で成績を出すのか、あるいは、実際には私が提出した成績表を用いながら、再試験対象者へ課した「秘密のレポート」で不明朗なことをやって、それでも「S, A, B, Cではなく点数がないとダメ」という主張をまだ続けるのか、今後の展開を注視する必要があると考えています。

 また、再試験対象学生が再試験の日程調整を始めていたところ、安藤仁・被告(既に訴訟の被告となっていた)が昨年9月1日にその日程調整を止めさせて、再試験での適正な成績判定ができないという現在の事態に至っているので、当該学生に不利益が生じないようにする必要もあります。