晴れ時々ジャズ -44ページ目

晴れ時々ジャズ

日々の雑感とともに、フランスを中心に最新の欧州ジャズについて書いています。

リーダーのSTEPHAN OLIVAは、90年代初頭から自己のトリオで頭角を現し始め、1991年にOWLレーベルからNOVEMBREというアルバムをリリース。1992年にはESPOIR DE L'ANNEE 92(1992年度の最も有望なアーティスト)としてDJANGO D'OR(金のジャンゴ賞)を受賞し、映画音楽にも携わるなどしているフランス人ピアニストです。
本作は10枚目のリーダー作で、14曲すべてがSTEPHAN OLIVAのオリジナル曲。変拍子を多用し、シリアスな抽象表現によるメカニカルな演奏と内省的で哀愁漂う雰囲気の曲とがあって、概ねは綿密に構築されたスコアにもとづき、入念なリハーサルを経て録音された作品という印象。部分的にフリーフォームもありますが、無味乾燥にならず表現力が豊かで、トータルな作品としても素晴らしい内容なのではないでしょうか。今までになかった新しい何か、これからのジャズを模索し、可能性を試しているかのような音楽性です。このテのジャズは苦手と仰る向きもあろうかと存知ますが、このアルバムは凄いですよ!どの曲も全て素晴らしい出来。で、はっきり言ってめっちゃ私好みです♪
4曲目SPIRALESは、ソプラノサックスが主役。ユニゾンで始まりますが中間部はフリーフォームで、主役のソプラノサックスにベースとドラムが絶妙に絡みつき、ピアノとクラリネットが加わる頃には徐々に盛り上がってそれが最高潮に達するとユニゾンで終わるというエキサイティングな曲。
続くCERCLE OUVERTは、リズム、メロディ、ハーモニーが全くなく、クラリネットとソプラノサックスから放たれる奇妙に歪んだロングトーンと、ベースのアルコがさながら呻くようなズゴゴゴ...という音がドスの利いた低音のまま変化しつつ絡まりあって、神秘的で不気味な雰囲気が横溢しています。暗闇のなかを得体の知れない謎の大型生物が鈍く発光しながら目の前をゆっくりと移動し、さらなる深淵へと消えてゆくといった光景を思い浮かべてしまいました。
MOUVEMENT INTERROMPUは、極端に跳躍しながら高速で絡み合うバスクラとソプラノサックスのデュオが見事な小曲。
すぐあとに続くPARADOXEという曲は、バスクラとソプラノサックスのユニゾンで始まります。中盤、ベースとドラムのスリリングで息の合ったフリー・インプロヴィゼーションによるデュオが聴き物。BRUNO CHEVILLONのベースが光ってます!
PASSAGE EN MARGEは、複雑に入り組んだ変拍子で出来ているのか、それともフリーフォームなのかがはっきり分からないところが面白い。奇妙で変てこりんなピアノもたまりまへんが、そのSTEPHAN OLIVAの変態ピアノにどこまでも喰らいついてゆくドラムのNICOLAS LARMIGNATは偉い!
ELLIPSEは、めくるめく高速プログレ風アンサンブルで始まり、それが一転するとハードボイルドなピアノ、ベース、ドラムの重厚なサウンドに主役のドスの利いたクラリネットがかぶさり、やがて主役が変態ピアノへ移ると、めちゃくちゃのようだが実際はベースとドラムがしっかり支えているアンサンブルとなり、やがてもとの高速プログレ風アンサンブルに戻って終わりという、これまたカッコ良すぎの曲!痺れます。
このアルバムは、作曲の凄さや高密度なアンサンブルもさることながら、エキサイティングでダイナミックな楽曲群に、中東あたりの民族の香りただよう曲、静謐で落ち着いたムードの曲、哀愁漂うゆったりした曲などをはさみ、最初と最後に緊張感と牧歌的雰囲気の交錯する同じテーマを配するという、聴き終わったあとに強烈な印象と余韻を残す曲構成もまた憎心憎いばかりです。
寸分の隙も見せない緩急自在のこんな凄い演奏は、ながら聴きなんてとても出来たものではありません。各楽器の音を真剣に追いつつ、絶妙に絡み合うアンサンブルにどこまでも酔いしれてください。精緻で入り組んだ美しい幾何学模様のようでもあり、各人の熱演が目に浮かぶようでもある素晴らしい作品です。
御用とお急ぎでないかたは↓STEPHAN OLIVAのホームページへどうぞ。
        http://www.stephanoliva.com/
■STEPHAN OLIVA / ITINERAIRE IMAGINAIRE (Sketch SKE 333042)
STEPHAN OLIVA (p)
MATTHIEU DONARIER (ss)
JEAN-MARC FOLTZ (clarinettes)
BRUNO CHEVILLON (b)
NICOLAS LARMIGNAT (ds)
入手先:HMV(通販)
10月26日のTOMASZ STANKO来日のことがオラシオさんとしぶちゃさんのところで話題になっていましたね。
MARCIN WASILEWSKI, SLAWOMIR KURKIEWICZ, MICHAL MISKIEWICZ / TRIOを聴いてすっかり気に入った私は、このトリオと一緒に来日するというTOMASZ STANKOの大使館でのライヴが気になって仕方がなかったので、ダメモトだと思って、9月26日にポーランド大使館へメールで問い合わせてみたんです。
しかし、メールを送ったあとでよくよく考えてみますと、このライヴは大使館ゆかりの人物かポーランドの文化学術関係者などを招待して行われるもので、大使館の招待状がないと入れない特別なイヴェントであり、一般の入場は許されないだろうということに気がつきました。大使館からの返事も無く、その後このことはすっかり諦めて忘れておりました。
そしたら、今日、こんな返事(以下全文)が届いたんです!!
___________________
Dear Sir,
I received the e-mail from you and if are interested to come for Tomasz Stanko concert to our Embassy
please send us your name and address so we could send you the invitation card.
Sincerely,
Bozena Socha
Second Secretary
Embassy of Poland in Tokyo
Meguro-ku, Mita 2-13-5
153-0062 Tokyo
___________________
ええーっ!?うそーっ!!!ご招待?何着て行こ?(これこれ、そういう問題か?)
あ~、びっくりした。こんなにびっくりしたこと、今までにあったやろか?いまでも胸がドキドキしています。
大使館へお手紙を書かなくては。英語で?あーっ!レターセットは可愛い犬とか猫のはあかんね、きっと。アタフタアタフタ...(;^_^A
(続く)
BOWWOW QUARTET
今回、オラシオさん記事 を受けて、初めてトラックバック企画に参加させていただきます。

1)ブログを始めた目的
そもそも目的というようなたいそうなものは最初からなかったんです。たんに「ブログって何?」っていう興味があって、いっかい自分でやってみたら分かるやろと思って、それこそ軽~い気持ちで始めてみたんです。マイペースを守り、他人と同じことをするのを嫌う傾向のある私が、今度ばかりは、
「猫も杓子もすなるブログといふものを、我もしてみむとて、するなり。」
という訳で、柄にも無く世相につられてしまったからなのでした。
ジャンルに音楽を選んだのはそれが自分の一番好きなことだから。自分の好きなものでないと長続きしないと思ったからですね。

2)ついでに目論んだこと(2番目の目的)
そもそも1番目の目的がないので、2番目もないのです。
ただ、たぶん私が好んで聴いている音楽が少々マイナーだからなのでしょうが、音楽、特に自分が聴いているジャズの話題で身近な人と楽しく盛り上がるというようなことはこれまでほとんどありませんでした。このブログを始めることで、私みたいな者でも仲間に入れてもらえる場所があるかもしれないと思ったのです。今は音楽を通じて、またそれ以外のことについても仲間が出来たような、自分の世界が少しだけ広がったような気がしていて、居心地良く遊ばせてもらっております。

3)そうはいうものの現在の自分のブログは...
三度の飯より音楽を聴くのが好き。自分の気に入った音楽さえ聴いていれば幸せという私なのですが、ブログを始めてしばらくたった頃、まるでブログに記事を書くために音楽を聴いているかのような気分に陥ったことがありました。「あかん、このままでは“音楽”が“音が苦”になってしまう!」と思ったので、気持ちを切り替えてその後は以前にもましてマイペースとなってしまいました。
私は自分のことをまだまだジャズの初心者だと思っています。いわゆる黄金期のジャズをほとんど知らないですから。語彙に乏しく文章も稚拙ですし、ジャズに特有の用語を私自身があんまりよく分かっていないということもあって、ときには読んでいて「???」と思われることもあるかと存じますが、皆様のツッコミ、ご指摘、ご教授などなどよろしくお願いします。

こだわり
自分が聴いてみて、「これは素晴らしいな♪」とか「何か光るものがある!」と感じた作品だけを記事にしていますが、ご紹介するのはほとんどが新譜です。これは新しいものを追いかける方が自分にとって面白いからということもありますが、新譜を聴くのに忙しいので、古い作品を遡って聴く余裕が無いというのが実際のところです。人が薦めてくださったものでなおかつ自分も興味をもった作品があれば、それらも積極的に聴いていきます。

おまけ
ブログタイトルの“晴れ時々ジャズ”はたんなる思い付きです。例えばもっと気の効いたタイトルで“RAIN JAZZCATS AND DOGS”、つまりrain cats and dogs(どしゃ降り)とjazzcats(ジャズ野郎というような意味か?)の二つの言葉をもじったタイトルにしようと思ったのですが、ややこしいのでやめました。この“RAIN JAZZCATS AND DOGS”というタイトルを気に入られたかたがいらっしゃいましたら、どうぞお使いください。

最後に
ここへいらして記事を読んでくださる皆さん、コメントをくださる皆さん、いつもお付き合いくださってありがとうございます。書いている自分が楽しく、読んでくださっている皆さんにも楽しんでいただけるように心がけて、気長に続けられればいいなと思っています。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

プチトマト


近所のスーパーで売られていた和歌山産のプチトマトです。その名も「ロケットトマト」(どうせならもっと可愛らしい名前にしてほしかった)。

水洗いをしているときに気がついたのですが、2つの実がひっついています。ひとつの花から出来たらしくヘタ(ガクというのか)はひとつしかありません。あんまり珍しいので思わず撮影してしまいました。はい、ただそれだけです(^▽^;) で、こんな記事書いてる私も今日はそうとう暇ですね(笑)

ちなみにこのロケットトマト、お味は大変に美味で、細長くて可愛らしい形が気に入りました。

*** バイオグラフィー ***
注目の若手ベーシストREMI VIGNOLOは、1972年、フランス南東部トゥーロンの音楽家の家庭に生まれました。父親がドラマーで、熱心なジャズファンだったことから、REMIも6歳でエレクトリック・ベースを、のちにウッド・ベースも弾くようになり、最初に契約して演奏したのは地元のジャズ・クラブでした。
1992年に奨学金を得て渡米し、ニューヨークのNEW SCHOOL UNIVERSITY で CECIL McBEE(b)、BUSTER WILLIAMS(b)、REGGIE WORKMAN(b)、PHIL MARKOWITZ(b)、KENNY WERNER(p)に学んでいます。
フランスへ帰国するまでの1993年から1995年にかけては、URI CAINE(p)、RAVI COLTRANE(sax)、MARK TURNER(sax)、GERRY GIBBS(ds)等のサイドで演奏していました。
帰国後はレコーディングとライヴでフランス内外の非常に多くのミュージシャン達と共演し、精力的に活動しています。
共演者リスト(注:下記ディスコグラフィーに表記したミュージシャンを除く)
  MICHEL LEGRAND、CHARLES AZNAVOUR、CLAUDE NOUGARO、CHARLIE WATTS、
  BIRELLI LAGRENE、DANIEL HUMAIR、TOOTS THIELEMANS、JEAN-MARIE ECAY、
  SYLVAIN LUC、STEFANO DI BATTISTA、JOHN McLAUGHLIN、LOUIS WINSBERG、
  LIONEL and STEPHANE BELMONDO、ERIC LELANN、JERRY BERGONZI、BILLY HART、
  YVAN CASSAR、ERIC TRUFFAZ、JESSY NORMAN、RICK MARGITZA、
  STEVE GROSSMAN、BAPTISTE TROTIGNON、BOJAN ZULFIKARPASIC、ARI HOENIG、他

*** ディスコグラフィー *** (リーダー作はありません)
○DANIEL MILLE / APRES LA PLUIE (Verve) 2005年11月リリース予定
●PIERRE-ALAIN GOUALCH / ANATOMY OF A RELATIONSHIP (Cristal Records CRCD 04 24) 2005
■ALDO ROMANO / THREESOME (Universal Jazz 982 221-8) 2004
■ROSALIO GIULIANI / MORE THAN EVER (Dreyfus Records DFM 36669-2) 2004
▲ANDRE CECCARELLI / CARTE BLANCHE (Dreyfus Records FDM 36660-2) 2004
■DAVID EL-MALEK / TALKING CURE (Cristal Records CRCD 0317) 2003
■FLORIAN ROSS TRIO / BLINDS AND SHADES (Intuition INT 3372 2) 2003
●CATALI ANTONINI / PAROLE (independent label) 2003
●BY TASSEL & NATUREL / FILLET OF SOUL (Nocturne) 2003
●FLAVIO BOLTRO / 40°(Blue Note) 2003
●LAURENT DE WILDE / STORIES (Warner Music France) 2003
●JACKY TERRASSON / SMILE (Blue Note) 2002
●FRANCK AVITABILE / BEMSHA SWING (Dreyfus Records DFM 36639-2) 2002
●DANIEL MILLE / ENTRE CHIEN ET LOUP (Universal Jazz) 2002
■STEPHANE HUCHARD / TOUTAKOOSTICKS (Blue Note 7243 5 34595 2 9) 2001
●JACKY TERRASSON / A PARIS... (Blue Note 7243 5 27637 2 6) 2001
▲PIERRE-ALAIN GOUALCH / EXPLORING THE MUSIC OF SERGE GAINSBOURG (Night Bird Music NBM 1002 2) 2001
▲ALFIO ORIGLIO / RICORDO (Cristal Records AO 1001) 2001
●EMANUELE CISI / L' ANGE CACHE (Pygmalion Records) 2000
▲RICHARD GALLIANO / FRENCH TOUCH (Dreyfus Records FDM 36596-2) 1998
▲ANDRE CECCARELLI QUARTET / WEST SIDE STORY (BMG 74321518682) 1997
▲ANDRE CECCARELLI / FROM THE HEART (Verve 529 851-2) 1995
●CHRISTIAN TON-TON SALUT / ALI ABA (Musiquemo) 1994

▲印はANDRE CECCARELLI関連作品ですので、別テーマ:ANDRE CECCARELLIで今後記事にする予定です。
また、PIERRE-ALAIN GOUALCH / ANATOMY OF A RELATIONSHIP については、すでに7月21日付けで記事 にいたしました。
今後、上記のうち■印のアルバムを順にご紹介する予定です。(続く)
SIMPLE ACOUSTIC TRIOとしてアルバムをリリースし、ドイツのECMレーベルからリリースされているTOMASZ STANKO(tp)の近年のリーダー作にも参加しているポーランド出身の若手トリオが、初めてECMレーベルからリリースしたアルバムです。
この3人について調べてはみたものの詳細は分かりませんでした。ただ、1993年にTOMASZ STANKOのライヴに参加した時点でこの3人は16歳の若さだったということですから、まだせいぜい20歳代後半と思われます。
13曲のうちオリジナル曲が8曲。オリジナルのうち5曲がフリーフォームジャズです。いわゆる4ビートジャズはひとつも無く、上質な欧州サウンド作品になっています。
聴いてまず思ったのが録音の良さ。特にピアノの音が澄んでいて綺麗です。
2曲目が始まってしばらくして、ん?これどっかで聴いたことのある曲やなぁと思ったら、なんとBJORKのHYPERBALLADではありませんか!?一時期、好きでよく聴いていたのですが、そういえばBJORKがリーダー作出してからすでに12年が過ぎているんですね。原曲の持つビート感を無くしてゆったりと流れるように演奏されるピアノの繊細なタッチにうっとりと聴き惚れます。
MARCIN WASILEWSKI作曲のオリジナル、K.T.C.とSHINEの2曲は美しいメロディが印象的。端正で、優美で、甘すぎず、そかはかとなく知性も感じられるピアノです。このMARCIN WASILEWSKIというピアニストは演奏にしろ作曲にしろ、もしかすると只者じゃないのかもしれないという気がします。
WAYNE SHORTER作曲のPLAZA REALという曲もメロディが美しいですね。ゆったりとして落ち着いた雰囲気のなか、WASILEWSKIのピアノに酔いしれてください。あ、それと気持ちよさのあまり途中で寝てしまわないようにね、私みたいに(*^^*ゞ
SISTER'S SONGは、我々日本人の琴線を大いに刺激しそうな哀愁漂う美しいメロディの、どことなく民族の香りも感じられる楽曲。
MARCIN WASILEWSKI作曲のFREE BOPは、唯一バップフィーリングのある楽曲で珍しくダイナミックなところを見せています。分かりやすいフレーズが出てくる訳ではありませんが、かっこ良くて少々シリアスなところが気に入りました。SLAWOMIR KURKIEWICZのスリリングなベースソロ、MICHAL MISKIEWICZの溌剌としたドラミングも素晴らしいです!
予想はしていたものの、このトリオの演奏に突き抜けた明るさはありません。録音による音質のせいかもしれませんが、神秘的で、ほの暗く、冷気が漂っているような雰囲気を感じると同時に、優しく包まれるような感覚も味わいました。
このアルバムでは、フリーフォームも含めて明確なビート感を持たないゆったりと流れるような演奏が多く、そういう曲では、ドラムのMICHAL MISKIEWICZはパーカッション的な演奏をしていますし、ベースのSLAWOMIR KURKIEWICZにいたってはどの曲においても常に主役のピアノを最大限に引き立てるかのような演奏をしています。また、主役のMARCIN WASILEWSKIとて、特に目の覚めるようなもの凄いテクニックを披露しているという場面は見られません。三者の美意識が詰め込まれたこの作品に、派手な技巧は一切必要なかったということなのでしょう。逆に意識して贅肉を削ぎ落としているかのような印象さえ受け、彼等の知的で品性を感じる演奏には「能ある鷹は爪を隠す」という諺が似合っています。
音楽の美を追求して丁寧につくりこまれた、上質で素晴らしい欧州ジャズ作品に出会うことが出来ました。
*オマケ
さてさて、美しすぎるMARCIN WASILEWSKIのピアノが堪能できるこのアルバム、いや~素晴らしいですね~。最高ですよ、皆さん。
が、しかーし!繊細なタッチの、優美なピアノ演奏の隙間からかすかに、だが確かに聞こえるこの唸り声は...?
私もこれまでに、ジャズピアニスト達のいろんな唸り声を聞いてきました。例えば、
  1.「ユニゾってますね」的唸り声:ちゃんとピアノの演奏とユニゾンになっている唸り声。
  2.「ご機嫌ですね」的唸り声 : 本人はきっとユニゾンのつもりだが、
    実際にはぶら下がっていたり大きく音が外れている唸り声。
  3.「もしもし、悪夢にうなされてますか?」的唸り声 : ピアノの音とは全くかけ離れた、
    悪夢にうなされているかのような唸り声。
といった、大雑把に分けて3段階(私が勝手に分けた)あるのですが、これほどまでに美しくピアノを演奏する人物から発せられたとは思えないMARCIN WASILEWSKIのこの唸り声はどうですか!
これはまるで、今まで聞いたなかで最高の
  4.「救急車呼びましょか!?」的唸り声 : 明らかに尋常ではなく、一刻を争う場合の唸り声。
級の、唸り声(うめき声)ではありませんか!いやはや、これだからジャズは面白い。(って、こらーっ!そんなもん面白がってどないすんねん!)
■MARCIN WASILEWSKI, SLAWOMIR KURKIEWICZ, MICHAL MISKIEWICZ / TRIO (ECM Records ECM 1891)
MARCIN WASILEWSKI (p)
SLAWOMIR KURKIEWICZ (b)
MICHAL MISKIEWICZ (ds)
入手先:キャットフィッシュレコード(通販)

久し振りにケーキを焼いてみました。今日つくったのはチーズケーキです。使った材料は以下のとおり。
  グラハムクラッカー
  無塩バター
  クリームチーズ
  グラニュー糖
  卵
  生クリーム
  レモン果汁
チーズケーキはとても簡単に出来るのでよく作ります。小麦粉を使用していないので濃厚なチーズの風味が味わえますよ。
簡単とはいえ、ボウルに入った材料をビーターで混ぜる作業はけっこう力がいりまっせ。うちに電動のハンドミキサーなるものはありまへん(ケーキつくりは人力に限る!)。いっかいケーキ職人さんの二の腕をご覧あれ。筋肉隆々でたくましいですぞー。

「二の腕に 惚れて顔まで 良く見えた」(いかにもありそうな話ですが、私ではありません)
ケーキ製作中のBGMに選んだのはなぜかFRANK ZAPPA & THE MOTHERS OF INVENTION / ONE SIZE FITS ALL。朝っぱらから、ZAPPAかけて、♪ Po-jama people ! Po-jama people, people ! って歌いながら、抱えたボウルを混ぜ混ぜしてケーキ作ってるのは、私ぐらいしかおらんやろね、きっと...(-_-;)

チーズケーキ

この白い大皿はドイツのローゼンタール(スタジオライン)製。表面が平らなので、焼きあがったケーキをのせるのにぴったりで大変重宝しています。お皿が大きいので小さく見えますがチーズケーキは直径21センチあります。

ティータイム

このコーヒーセットもローゼンタール(スタジオライン)のもの。つくりが薄くて軽く、落ち着いたデザインがお気に入り。
午後、おうちでカフェのお供はSTEFANO BOLLANI / CONCERTONE (Label Bleu)。管弦楽入りのピアノトリオですが、こういうのはオーケストラル・ジャズとでも呼ぶんでしょうか。彼特有のユーモアも健在で思わずニヤリ。このアルバムについては、しぶちゃさんがブログに書いていらっしゃいますので↓こちらをご覧ください。
                  http://catpaws.tea-nifty.com/tea/2005/01/stefano_bollani.html
BOLLANIのこういったユーモアをちりばめた音楽を聴くたびに思い出すマザーグース(イギリスの伝承童謡、Nursery rhymes)のこんな歌、皆さん、ご存知ですか?

  What are little boys made of ?
  What are little boys made of ?
  Frogs and snails and puppy-dog's tails,
  That's what little boys are made of.

  男の子はなんで出来てるの?
  男の子はなんで出来てるの?
  カエルにデンデンムシに子犬のしっぽ、
  男の子はそんなもので出来ているのさ。

これは、まさにSTEFANO BOLLANIのためにあるような歌ではありませんか。ピアノでいたずらっこをやっているBOLLANIが私は好き。
チーズケーキはもちろん美味しかったです!ごちそうさまでしたぁー♪

OLIVER STRAUCH(1966年、ドイツの生まれ)、JIMMY WOODE(1928年、アメリカの生まれ *生年については諸説あり)、PIERRE-ALAIN GOUALCH(1973年、フランスの生まれ)のトリオが結成されたのが2003年のことで、2004年にドイツからフランスへかけて2度目のツアーを行ったのちに同年の9月29日にスタジオ入りしてレコーディングされたのが本作です。
アルバムタイトルのANATOMY OF A TRIOとは、1959年に上映された映画“ANATOMY OF A MURDER”にちなんでつけられたもの。サウンドトラックはDUKE ELLINGTONによって作曲、演奏され、当時のDUKE ELLINGTON ORCHESTRAのベーシストがJIMMY WOODEだったのです。この映画が上映された時にはまだ生まれていなかったOLIVER STRAUCHとPIERRE-ALAIN GOUALCHの2人とトリオを組み、タイトルチューンを再演、録音したことは、JIMMY WOODEにとって感慨深いものがあったに違いないと想像します。
リーダーのOLIVER STRAUCHは、自己のコンボでLEE KONITZ(as)とコラボレートしたアルバムをリリースするなど、ドイツジャズシーンで活躍するドラマー。JEAN-YVES JUNG(p)、DIEGO INBERT(ds)とのトリオでSHORT STORIESというリーダー作をドイツのレーベルMons Musicからリリースしています。
15曲のうち、メンバー持ちよりのオリジナルは9曲。PIERRE-ALAIN GOUALCHが目当てで入手したのですが、このアルバムは決して、たんなる懐古趣味で退屈なだけの焼き直し作品にはなっていません。私はこの素晴らしいアルバムを最後の1曲までまるごと楽しめました。
皆さんもきっと、一曲めのANATOMY OF A MURDERのキャッチーなテーマを聴いたとたん、そのかっこ良さに一発でやられてしまいますよ。ここでは原曲を崩さず、ブルースフィーリングたっぷりに演奏されて、FLIRTIBIRDへとメドレーしていきます。
COLE PORTER作曲のI LOVE YOUあたりからGOUALCHも本領を発揮しはじめてクールに迫り、コーダにFRANK LOESSER作曲のIF I WERE A BELLを引用しておちゃめに終わっています。
特に気に入ったのが、お馴染みのCARAVANとTAKE THE A-TRAIN。原曲をいったんバラバラにして再構築したかのような大胆なアレンジとシリアスなアプローチで躍動感みなぎるインタープレイを繰り広げています。PIERRE-ALAIN GOUALCHのパーカッシヴで硬質なピアノが素晴らしい。
アルバムタイトルのANATOMY OF A TRIO Ⅰと ANATOMY OF A TRIO Ⅱは純粋に三者の即興演奏だけで構成された曲。エキサイティングというほどではありませんが、探りを入れつつ、相手の出方を見計らいながら徐々に盛り上がりを見せ、スリリングに展開していきます。
GOUALCH作曲のNOUS TROISは哀愁感漂う小曲で、泣きの入ったWOODEのベース(音程が外れているのではありません)が印象的です。
JIMMY WOODE作曲のSET-UPはアップテンポで明るいムードながら密度の高い演奏です。中間部に入るOLIVER STRAUCHのソリッドなブラシのソロが聴きもので、曲が終わったとたんにJIMMY WOODEの実に楽しげなアハハハという笑い声が聞こえてきて、いい雰囲気出てます。
びっくりしたのはJIMMY WOODEが歌うMY KIND OF WORLD。出だし、いきなりスキャットですよ!いや~、なんとも渋いじゃありませんか。彼はこう歌っています。(聞き取りに自信のないところは笑いでごまかしています)
My kind of world, it's a world full of kindness and care, and my race is the human one, and my place is right here.
-中略(笑)-
Love your neighbor hand in hand. Talkin 'bout togetherness.
Talkin' 'bout loving, talkin' 'bout caring, talkin' 'bout giving, talkin' 'bout singin', talkin' 'bout sharing, talkin' 'bout swingin'.
-中略(笑)-
I'm gonna sing, I'm gonna sing, I'm gonna sing a song.

-以下略(笑)-
ちょっとしわがれ声ですけれど、暖かくて、しみじみとして、実に味わいのある歌声です。歌おうと思っても、なかなかこんなふうに歌えるもんじゃありませんよ。粋ですねー。素晴らしいですねー。歌い終わったあとJIMMY WOODEがウフフフと楽しそうに笑い、誰かの「Nice!」という声が聞こえ、JIMMY WOODEもなにかしゃべっています。「ほらね、うまくいったよ!」とでも言っているのでしょう。誰かがそれに答えて「Yeah!」と叫んでいます。
続くアルバム最後の曲は、1曲目と同じANATOMY OF A MURDERの印象的なテーマで短くきっちりと落とし前をつけて終わっています。
*残念ながら、本作の5月のリリースを待たずに、JIMMY WOODE氏は今年4月23日に亡くなられたそうです。ご冥福をお祈りいたします。
御用とお急ぎでないかたは↓OLIVER STRAUCHのホームページをご覧ください。
       http://www.oliverstrauch.de/
■OLIVER STRAUCH / ANATOMY OF A TRIO (Laika Records 3510199.2)
OLIVER STRAUCH (ds)
JIMMY WOODE (b)
PIERRE-ALAIN GOUALCH (p)
入手先:キャットフィッシュレコード(通販)

DANIELE SCANNAPIECOは1970年、イタリア南部カンパーニャ地方の生まれ。リーダー作としては2作めとなる今作は、DADO MORONI(1962年、イタリアの生まれ)、IRA COLEMAN(1956年生まれ)、なぜか(どういう繋がり?)GREG HUTCHINSON(1970年、NYの生まれ)、そして今や多方面でひっぱりだこの俊英トランペッターFABRIZIO BOSSO(1972年、イタリアの生まれ)が2曲に参加、という顔合わせになっております。
フランスのレーベルからリリースされた前リーダー作、DANIELE SCANNAPIECO(Night & Day MSCD 010)は、FABRIZIO BOSSO(tp)、STEFANO DI BATTISTA(ss)、ERIC LEGNINI(p)、DARIO ROSCIGLIONE(b)、ANDRE CECCARELLI(ds)というめっちゃ豪華な精鋭メンバーによる硬派でシリアスな演奏が素晴らしく、録音も優秀。それに私の大好きなANDRE CECCARELLIのドラムソロも聴けるしね♪ということで、今も私の愛聴盤なんです。
また、DANIELE SCANNAPIECOとFABRIZIO BOSSOの2人を中心とする若手クインテット、HIGH FIVEが相次いでリリースした2枚のアルバムでは、バップテイストあふれる楽曲を若者らしい感性と洗練された音楽性で表現し、イギリスのロックバンドQUEENのキャッチーなヒット曲を不良っぽくハードボイルドに聴かせているところなんぞは「憎いね~!」と感心したものでした。
さて今作は、前リーダー作の硬派シリアス路線は少々影をひそめており、ハードバップが主体とはいえ、くつろぎ系の聴きやすい楽曲が多くなっています。10曲中SCANNAPIECOのオリジナルは4曲で、そのうちのタイトル曲を含む2曲はストリングス入り。
DANIELE SCANNAPIECOという人は演奏のみならず作曲のセンスもなかなか素晴らしいという点で注目に値すると思いますが、このストリングス入りの2曲はともに綺麗なメロディが印象的。夜のくつろぎのひと時、ワイン片手に一人で聴くも良し。そんなアナタの横に恋人、または大切な人がいてくれたらなおのこと良し。あとは勝手にどうぞ的な感じのするロマンティックなムードの曲ではありますが、よーく耳を傾けてみますと、その美しいメロディといい、SCANNAPIECOのソロといい、やはりこの人には才能があると感じます。IRA COLEMANのベースがこれまた美しいラインで存在感たっぷりに歌って貢献しております。
JOHN COLTRANE作曲のAFTER THE RAINは静謐で瞑想的な雰囲気。ほかにスタンダードナンバーのAUTUMN IN NEW YORKも取り上げています。
1曲目のIT COULD HAPPEN TO MEは明るく軽快なムード。この曲でもやはりBOSSOのソロが耳を引きます。
私はNOSE OFFというダークで渋い雰囲気の曲がお気に入り。BOSSOのちょいダーティーな奏法がカッコエエわ~。もうひとつのお気に入りはSCANNAPIECOのオリジナル曲でアップテンポのFAST MOOD(FIGH FIVEの1作めに入っていたのと同じ曲)。DANIELE SCANNAPIECOのいてまえソロも凄いが、「もしもし、悪夢にうなされてますか?」的唸り声(これ聞くと笑えます。ERIC LEGNINIも確かこのテの唸り声やったなぁ)とともに繰り広げられるDADO MORONIのオラオラピアノ(そんな表現していいのか?)や、続くGREG HUTCHINSONのドラムソロもエキサイティングですぞー。
御用とお急ぎでないかたは↓DANIELE SCANNAPIECOのホームページをご覧ください。
        http://www.danielescannapieco.com/
■DANIELE SCANNAPIECO / NEVER MORE (Via Veneto Jazz VVJ 054)
DANIELE SCANNAPIECO (ts)
FABRIZIO BOSSO (tp)
DADO MORONI (p)
IRA COLEMAN (b)
GREG HUTCHINSON (ds)
Orchestra d'archi “B.I.M.STRINGS ENSAMBLE”
Violini:MARCELLO SIRIGNANO, ANTONIO CORDICI, ROBERTO MILANA, ANTONELLA FRANCESCHINI, FEDERICO VOZZELLA, PATRIZIA PANGRAZI
Viole:TERESA CECCATO, SILVIA ANDRACCHIO
Cello:GEUSEPPE MULE
Strings arrangement by MARCELLO SIRIGNANO
入手先:キャットフィッシュレコード(通販)

デュオ


秋とは名ばかりの連日の猛暑に少々お疲れ気味の今日この頃です。 >┼○ バタッ...。
う~む、倒れている場合ではないっ!なにかと忙しい秋冬に備えて、気力体力を取り戻しておかなくては!
そうやなぁ...今はまだ暑いけど、もうちょっと涼しなったら、先日生まれたらしい牧羊犬のニュージーランド・ハンタウェイの赤ちゃん、いっぺん見に行っとかな。静かな美術館でゆっくり絵画鑑賞をしたい。どこか景色の綺麗な自然がいっぱいの場所でお弁当食べるのもええな~。鉢植えの花も植え替えたいし、久し振りにケーキも焼きたいし...。
「あーこれこれ、アーティチョークはん、ぼーっとしてる場合やおまへんで!注文してたCDが5枚、昨日届いとりまっせ。」
あ、そやったね(;^_^A よっしゃ。ほな、これ聴いて元気出そっと!
次にご紹介するのは↓コレです。
■DANIELE SCANNAPIECO / NEVER MORE (Via Veneto Jazz)
久々に手にするイタリア盤で、ここでご紹介するイタリア盤の第1号となります。もうちょっと待っててね。