LAURENT COQは1970年2月22日、フランス、マルセイユの生まれ。これまでに4枚のリーダー作をリリースしていずれも高い評価を得ているようで、4本の映画でスコアも書いています。
本作は、ベースにREUBEN ROGERS(1974年11月15日生まれ)、ドラムスにOTIS BROWN Ⅲ(詳細は不明ですが同年代のようです)というアメリカ勢を起用した初のピアノトリオ作品。10曲のうち6曲がLAURENT COQのオリジナルで、綺麗なメロディを生かしつつ、変拍子やテンポチェンジを多用したユニークな曲を書いています。
オリジナル以外では、CLAUDE NOUGAROとCHRISTIAN CHEVALLIER作曲の美しいメロディが印象的なTOULOUSE、BRANFORD MARSALIS作曲の瞑想的な雰囲気をもつA THOUSAND AUTUMNS、MARK TURNER作曲のハードバップを基調に変拍子を組み込んでメチャかっこ良くスウィングするBARCELONAなどを取り上げていて、いずれも素晴らしい演奏を聴かせています。
オリジナルのうち出色の出来でアルバムのハイライトでもあるタイトル曲のSPINNIN'は、変拍子を多用し、テンポがめまぐるしく変わる複雑で変化に富んだ少々シリアスな楽曲をポリリズミックな演奏に仕立てていて見事です。難曲を力まず余裕で演奏してさらりと聴かせ、聴き手をぐんぐんと引き込んでしまいます。変幻自在なベースとドラムスも八面六臂の大活躍。三者の呼吸がぴったりと合っていて、三位一体という言葉がぴったりのピアノトリオの醍醐味が堪能できます。
SOUTH FERRYは綺麗なメロディを生かし、変拍子を間に挟みつつ、ゆったりしたワルツと軽快な4ビートが交互に現れてスウィングする面白い曲で、中間部分の盛り上がりもなかなかのかっこ良さ。
シリアスでアップテンポの7/8拍子とアルバム一曲目CLAUDE SAITのメロディアスでスローな4/4拍子が交互に現れるTHE CROWD PLEASERも聴き応えのある面白い曲。
LAURENT COQは以前から気になる存在だったにもかかわらず、前作のLIKE A TREE IN THE CITYは買いそびれたままで、アルバムを聴くのは今回が初めてでした。本作のそれぞれの曲はとてもユニークですが、LAURENT COQはエキサイティングして独りよがりに陥ることはなく、むしろ品があってリラックスした雰囲気さえ感じるほど。それでいてこういった面白~い曲づくりなもんですから、のほほんとは聴いていられず、ついついのめり込んで聴いてしまいます。また、OTIS BROWN Ⅲという人は名前さえも聞いたことがないドラマーなのですが、あらゆるリズムにおいてアイデアが豊富なサウンド作りをしているうえに綺麗な音を出しているので、名前覚えとこっ!と思ったしだいです。ベースのREUBEN ROGERSは派手さはないものの堅実なサポート。1曲でアルコをちょびっとだけ披露してくれているのですが、これがなかなか良かった。もっともっとぎょうさんアルコで弾いてほしかったな~!
御用とお急ぎでないかたはLAURENT COQの↓ホームページへどうぞ。
http://www.laurentcoq.com/
■LAURENT COQ TRIO / SPINNIN' (Cistal Records CR 112)
LAURENT COQ (p)
REUBEN ROGERS (b)
OTIS BROWN Ⅲ (ds)
入手先:キャットフィッシュレコード(通販)