DANIELE SCANNAPIECO / NEVER MORE | 晴れ時々ジャズ

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日々の雑感とともに、フランスを中心に最新の欧州ジャズについて書いています。

DANIELE SCANNAPIECOは1970年、イタリア南部カンパーニャ地方の生まれ。リーダー作としては2作めとなる今作は、DADO MORONI(1962年、イタリアの生まれ)、IRA COLEMAN(1956年生まれ)、なぜか(どういう繋がり?)GREG HUTCHINSON(1970年、NYの生まれ)、そして今や多方面でひっぱりだこの俊英トランペッターFABRIZIO BOSSO(1972年、イタリアの生まれ)が2曲に参加、という顔合わせになっております。
フランスのレーベルからリリースされた前リーダー作、DANIELE SCANNAPIECO(Night & Day MSCD 010)は、FABRIZIO BOSSO(tp)、STEFANO DI BATTISTA(ss)、ERIC LEGNINI(p)、DARIO ROSCIGLIONE(b)、ANDRE CECCARELLI(ds)というめっちゃ豪華な精鋭メンバーによる硬派でシリアスな演奏が素晴らしく、録音も優秀。それに私の大好きなANDRE CECCARELLIのドラムソロも聴けるしね♪ということで、今も私の愛聴盤なんです。
また、DANIELE SCANNAPIECOとFABRIZIO BOSSOの2人を中心とする若手クインテット、HIGH FIVEが相次いでリリースした2枚のアルバムでは、バップテイストあふれる楽曲を若者らしい感性と洗練された音楽性で表現し、イギリスのロックバンドQUEENのキャッチーなヒット曲を不良っぽくハードボイルドに聴かせているところなんぞは「憎いね~!」と感心したものでした。
さて今作は、前リーダー作の硬派シリアス路線は少々影をひそめており、ハードバップが主体とはいえ、くつろぎ系の聴きやすい楽曲が多くなっています。10曲中SCANNAPIECOのオリジナルは4曲で、そのうちのタイトル曲を含む2曲はストリングス入り。
DANIELE SCANNAPIECOという人は演奏のみならず作曲のセンスもなかなか素晴らしいという点で注目に値すると思いますが、このストリングス入りの2曲はともに綺麗なメロディが印象的。夜のくつろぎのひと時、ワイン片手に一人で聴くも良し。そんなアナタの横に恋人、または大切な人がいてくれたらなおのこと良し。あとは勝手にどうぞ的な感じのするロマンティックなムードの曲ではありますが、よーく耳を傾けてみますと、その美しいメロディといい、SCANNAPIECOのソロといい、やはりこの人には才能があると感じます。IRA COLEMANのベースがこれまた美しいラインで存在感たっぷりに歌って貢献しております。
JOHN COLTRANE作曲のAFTER THE RAINは静謐で瞑想的な雰囲気。ほかにスタンダードナンバーのAUTUMN IN NEW YORKも取り上げています。
1曲目のIT COULD HAPPEN TO MEは明るく軽快なムード。この曲でもやはりBOSSOのソロが耳を引きます。
私はNOSE OFFというダークで渋い雰囲気の曲がお気に入り。BOSSOのちょいダーティーな奏法がカッコエエわ~。もうひとつのお気に入りはSCANNAPIECOのオリジナル曲でアップテンポのFAST MOOD(FIGH FIVEの1作めに入っていたのと同じ曲)。DANIELE SCANNAPIECOのいてまえソロも凄いが、「もしもし、悪夢にうなされてますか?」的唸り声(これ聞くと笑えます。ERIC LEGNINIも確かこのテの唸り声やったなぁ)とともに繰り広げられるDADO MORONIのオラオラピアノ(そんな表現していいのか?)や、続くGREG HUTCHINSONのドラムソロもエキサイティングですぞー。
御用とお急ぎでないかたは↓DANIELE SCANNAPIECOのホームページをご覧ください。
        http://www.danielescannapieco.com/
■DANIELE SCANNAPIECO / NEVER MORE (Via Veneto Jazz VVJ 054)
DANIELE SCANNAPIECO (ts)
FABRIZIO BOSSO (tp)
DADO MORONI (p)
IRA COLEMAN (b)
GREG HUTCHINSON (ds)
Orchestra d'archi “B.I.M.STRINGS ENSAMBLE”
Violini:MARCELLO SIRIGNANO, ANTONIO CORDICI, ROBERTO MILANA, ANTONELLA FRANCESCHINI, FEDERICO VOZZELLA, PATRIZIA PANGRAZI
Viole:TERESA CECCATO, SILVIA ANDRACCHIO
Cello:GEUSEPPE MULE
Strings arrangement by MARCELLO SIRIGNANO
入手先:キャットフィッシュレコード(通販)