数学美術館  -8ページ目

無限人のお客様にお酒を注ぐと??

こんにちは。パーソナル数学コーチの八田陽児です。



あなたは数学好きが集まるバーでアルバイトを始めました。

そのバーの女性マスターは、昔からの数学○ールです!

(かつてはオオカミ相手に戦ったこともあるそうですw)



マスター「今日は例のお客さんが来るからよろしくね!」


あなた「ああ~、あの無限人の兄弟のお客さんですね?」



そう、年に1回、変なお客さんがくるのです。そのお客さんは兄弟で来るのですが、なんと無限人の兄弟なのです!


いつもはマスターが相手をしているのだけれど、今日はどうしてもマスターが外せない用事があり、あなたが対応することに。



あなた「あのご兄弟の好きなお酒ってなんでしたっけ?」


マスター「お酒の名前に2乗数が入っていれば、なんでもいいらしいわよ。」


あなた「じゃあ、マッカランの25年物や16年物ですね。ワインだと・・・」


マスター「ワインだと、一番新しくても1936年物になるからね~。そんなのないし。次は2025年物が出るまで待たないと・・・」


あなた「じゃあマッカラン16年物にしますか。・・・って、無限人いるんですよね!!ど

れだけ量があっても足りないじゃないですかっ!!!」


マスター「それは大丈夫!というか、その兄弟ってケチくさくってね。長男さんがグラス1杯を注文するのだけれど、次男は長男の半分の量、三男は次男の半分の量、・・・、と注文するのよ~。量がそれぞれ違うから、みんなからグラス一杯分のお金をもらうわけにはいかなくってね。仕方なく、量に比例したお値段を頂いているの。」


あなた「そうなんですか~。ということは長男からはグラス1杯分のお代をもらえるけれど、次男からは半分のお代、さらに三男からはまたまた半分のお代・・・なわけですね。わかりました。準備しておきます。・・・って、あれ?一体どれだけのお酒を用意しておけばいいんだろう??」



さてここで問題です。あなたはマッカラン16年物をどれだけ用意しておけばいいでしょう?


①無限大

②ちょうどグラス10杯分

③ちょうどグラス2杯分












あなた「でも無限人くる割には、もうけが少なそうですよね・・・。」


マスター「大丈夫っ!!チャージは一人ずつからもらうからっ!!!!」



したたかなマスターは一夜で無限円稼ぎましたとさ( ゚∀゚)ノ





この問題は何人に1人解けるんだろう?論理クイズです。

こんにちは。パーソナル数学コーチの八田陽児です。


大学生の4人に1人が平均の意味を理解していない、という記事があっちこっちで話題になりましたね。


それ以外の問題も見たことありますか?

結構難しい問題もありますよ!


話題の平均の問題の次の問題はこんな問題だそうです。


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次の報告から確実に正しいと言えることには○を、そうでないものには×を、
左側の空欄に記入してください。


公園に子供たちが集まっています。男の子も女の子もいます。よく観察すると、帽子をかぶっていない子供は、みんな女の子です。そして、スニーカーを履いている男の子は一人もいません。


(1) 男の子はみんな帽子をかぶっている。
(2) 帽子をかぶっている女の子はいない。
(3) 帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている子供は、一人もい
ない。


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う~ん、この問題、対偶などを知らない(忘れている)人はどうやって解くんだろう??

この問題が解けない大人は、たくさんいるのでは?

いや、私の周りの人(私も含めて!?)解けない人ばかりだと思いますが・・・。


この問題の正答率など知りたいものです。


さて、みなさんは解けますか??( ゚∀゚)


この記事 が参考になると思います。




行列式の発見

こんにちは。パーソナル数学コーチの八田陽児です。



行列式は高校3年生の数Cで学ぶ内容です。

(2012年からなくなるそうですが…)


さて、この行列式は和算の大家・関孝和を語る上ではかかせない言葉です。


なぜなら、この行列式を世界で最初に発見(発明?)したのは、ヨーロッパの数学者ではなく、日本の数学者・関孝和であるから、というのです!!



時は17世紀。

鎖国をしていてヨーロッパの数学が入ってこなかった日本では、中国からの数学を独自に発展させ、空前の数学ブームが起こっていました。それが「和算」と呼ばれるものです。


鎖国したての頃に、なんとも素晴らしい和算家がおりました。

それが関孝和という人物です。


彼は円周率を求めたり、当時の流行であった天元術という方法では解けなかった問題を解く方法を編み出したり、と今までの日本の数学をあっという間にくつがえしていったのです。


様々な数学の発見(発明?)をする中で、注目すべきなのが行列式の発見(発明?)なのです。


なんとヨーロッパで行列式が発見(発明?)されるよりも10年ほど早く独自で行列式を作ったというのです。




数学の歴史において、日本は(一時的に)ヨーロッパの数学水準をある分野では超えていた、と説明されるときによく使われるエピソードですね。



さて、この話を初めて聞いた時、ふと思ったことは・・・


「10年って、誤差範囲ぢゃないの!?」


ということでした(^ ^A"



だって今から何百年も前の話ですよ!?

10年くらいの誤差なんてそうそうにありそう!


いったい何を根拠に10年ほど先駆けて発見、なんて言うのでしょうか。




それが気になって(ネットでポチポチ)調べていますと・・・。



関孝和が行列式を発表したのは1683年に発刊した『解伏題之法(かいふくだいのほう)』という本だそうです。

(参考:大人の科学.net 国立国会図書館 江戸の数学より



一方、ライプニッツは1693年数学者ロピタルに宛てた手紙に、行列式の発見のことを書いているそうです。



ただライプニッツに関しては、手紙の現物がどこにあるのか、など詳細が分かりませんでした。


関孝和が行列式をライプニッツよりも早く発見したという話だけが有名になり、その根拠は置いていかれているような感じです。


いつか根拠をはっきりとこの目で見たいものです。

(ライプニッツの手紙がどこかで保存されていないかなぁ…。)




偶数と奇数を足すと奇数になるのはなぜ?

日本数学会による大学生数学基本調査のニュースが流れていました。



問題)偶数に奇数を足すと、どうなるでしょうか?



この問題、大学生のみならず一般の大人でもどれくらいの割合で正解するのでしょうか?



思いつく偶数と奇数を足すと、奇数になったから


という理由は自然なような気がします。


手当たりしだい確かめて、違ったら違う。

日常ではそうしますものね。


もちろん、数学の証明としては不適当です。




でもなぜ不適当かを説明しようとすると難しい。





昔、カントールの対角線論法 を講義で聞いた時、いまいち理解できませんでした。

なんとなく「手当たりしだい感」が漂っていたからです。


もちろんよ~く考えるとすべて網羅していることに気付くのですが・・・。





この大学生向けに出されたという問題、ちょっと色んな人に聞いてみようっと( ゚∀゚)ノ

算法少女

こんにちは。パーソナル数学コーチの八田陽児です。


またまた素敵な本を見つけてしまいました!!


その名も算法少女!!( ゚∀゚)


数学ガール和算版です!(?)


算法少女 (ちくま学芸文庫)
遠藤 寛子
筑摩書房
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算法が得意な少女あきは、ある日観音さまに奉納されていた算額に誤りを見つけます。それを嫌々ながら指摘すると、奉納した男もびっくりして・・・

となんともおもしろい話から始まります!

当時は、算法に色々な流派があり、それぞれの流派が争い(?)をしていたのですね。
今ではすべて同じ「算数・数学」ですが、昔は茶道や華道のように流派があったのです。


印象に残ったフレーズは、少女あきがふともらした言葉。

(そこが算法のいいところ。だれがなんといおうと、正しい答えは正しいのだから)

数学の真髄を端的に述べていると感じました。



この本は2006年に復刊された本で、1973年に刊行されたそうです。私が生まれる前に、和算ブームになる前に、こんな素敵な本があったなんて!2012年は天地明察が映画化されるので、和算ブームがきますよ~。

そしてこの和算ガール、いや算法少女を題材にしたであろうマンガがQ.E.D38巻にありましたよ。ぜひそちらも読んでみてくださいね!おもしろいです!