Wed 221102 プロ野球「戦力外」について/予備校講師はどうだ?/二十日ゑびす 4289回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 221102 プロ野球「戦力外」について/予備校講師はどうだ?/二十日ゑびす 4289回

 ワタクシは時々、せっかくドラフトで獲得した選手に対するプロ野球球団の扱いが、あんまり粗雑すぎないかと不満になることがある。

 

 社会人野球まで経験して、年齢も25歳に近づいた選手なら、もう立派なオトナだ。さすがに彼らなら、オトナとして自分の実力と将来をキチンと見極めて進路の決断をしたはず。その決断が成功しようと失敗に終わろうと、選択と決断の責任を自ら100%引き受ける覚悟だってあるだろう。

 

 しかし諸君、高校卒業直後の18歳の選手たちは、ちょうど普段ワタクシの前にズラリと並んだ生徒たちと同じ年齢だ。大学学部卒22歳の選手たちも同様、いくら「プロの世界は厳しいんだよ」と冷笑されても、学部でのたった4年の経験で、選択&決断の責任を100%負わせるのはムチャな気がする。

(10月19日、宵ゑびす、10月20日、二十日ゑびす。ワタクシはこの雰囲気が大好きだ 1)

 

 例えば、甲子園の優勝投手とか準V投手、日本の夏休みをあんなに沸かせた選手たちについて、もう少しだけリスペクトがあっていいんじゃないのか。プロ野球とは、かつてのヒーローたちに悪口雑言を浴びせ、18歳の夏の短い栄光にツバを吐きかける場所ではないはずだ。

 

 佐藤世那は、2015年の準V投手。仙台育英高校のエースとして、決勝では東海大相模に確か10点取られて準Vに終わったが、甲子園の緒戦から全試合を見事に投げぬいたはずだ。

 

 しかし彼の名は、もうとっくにプロ野球の世界にはない。ドラフトからわずか4年だったか5年だったか、「サイドスローに転向」などという紆余曲折を経て、まもなく戦力外通告。22歳か23歳でそんな扱いを受けて、いったいそれからの人生をどうしろと言うんだ?

 

 いや、もちろん何度でも言うが「プロは甘くない」、そんなことは今井君も骨身に沁みて分かっているつもり。何しろ何の保証もない予備校業界、人気がなくなれば無残に「ポイ!!」の世界で30年も生きてきたんだ。「骨身に沁みて」どころか、味が沁みすぎて2日目のカレーかチャンコみたいになっている。

(10月19日、宵ゑびす、10月20日、二十日ゑびす。ワタクシはこの雰囲気が大好きだ 2)

 

 2018年の甲子園V投手は、大阪桐蔭の柿木蓮。このワタクシが30年にわたり、ありとあらゆる予備校の授業で予告し続けた金足農の快進撃を、大阪桐蔭史上最強と言われたメンバー、根尾・藤原・中川・宮崎とともに、無残に押しつぶした男である。

 

 あの時の残酷なスコアは、今も忘れることが出来ない。13—2、初回に3点、3回に3点、4回に6点、どんどん離れていく点差を何とか追い詰めようとする金足農打線だったが、その前に鬼のように立ちふさがったのが、柿木蓮の勇姿だった。

 

 あれから、たった4年しか経過していない。それなのに、おそらく22歳になったばかりであろう甲子園Vのヒーローに対して、マコトにドライに戦力外を通告する。翻訳すれば、「もうオマエはいらないよ」ということである。何のリスペクトもない。リスペクトゼロで「プロは厳しいよ」とおっしゃるわけだ。

 (京都ゑびす神社の鳥居は、いやはや高島屋だらけである)

 

 いやはや、ワタクシの心が優しすぎるのかもしれないが、今井君は「もしも高校卒業直後の若者をドラフトでとろうとするなら、満25歳までは戦力外通告できません」ぐらいのルールを作ってほしいと念願する。

 

 もちろん、少しぐらい給与が低くなっても構わない。オトナのプロとして判断ができる年齢まで、あまりにも残酷な通告は待ってほしいのだ。「ポイ!!」の場合の、あまりに早すぎる第2の人生についても十分に考慮してほしい。

 

 東京大学のエースからドラフトでプロ入りした宮台康平選手も、やっぱり引退するんだそうな。彼なら、何しろ東大法学部卒、暇な時には民法の勉強なんかにも取り組んでいたんだそうだから、司法試験でも目指すんでしょうかね。しかしやっぱり、さすがにプロは厳しいですな。

(鳥居は、高島屋だらけ。こちらは大丸だらけ。しかしワタクシはこういうのが大好きだ)

 

 一方、われわれ予備校講師はどうかと言うに、ググッとスケールは小さくなるが、生き抜いていく厳しさと言ふ点においてだけは、野球の世界に引けを取らないと言って差し支えないかもしれない。

 

「来年の契約は、どうなるんだろう?」という不安がピークに達するのが、まさにこの時期だった。「だった」と過去形で書くのは、ワタクシが河合塾や駿台で不安な日々を過ごしていた1990年代にはそうだったということであって、代ゼミから東進で過ごした合計約25年はこの限りではない。

 

 秋が深まっていくこの時期、予備校サイドから講師の自宅に、地味な封書が一通届けられる。封書には「来年度の出講確認」が封入されていて、「来年度の出講可能な曜日と時間帯に○印をつけて、11月△日までに、同封の封筒でご返送ください」の類いの文言が記されている。

 

 この封筒が到着すれば、「来年もクビがつながった」ということであって、家族揃って万歳三唱、「バンザイ」「バンザイ」「よかったね」「よかったね」と、近くの居酒屋あたりで祝杯をあげる。ついでに「春期講習の出講確認」も封入されていれば、いよいよ人気講師への道がひらけてきたことを意味した。

 

 翌朝の講師室でも、「来年度の出講確認が届いたかどうか」が、熱い話題になる。「昨日、届いたよ」「オレも」「オレも」と頷きあい、手を取り合って祝福し合うセンセたちもいた。

(誰かが初穂料を収めると、巫女さんのありがたい舞が始まる)

 

 ところが「オレには、届いてないよ」と肩を落とすセンセもいらっしゃる。仲間たちが駆け寄って「まだ大丈夫だよ」「今日あたり、きっと届いてるから」「郵便局の手違いじゃないの?」と慰めの声をかける。ただし多くの仲間が内心、「オレじゃなくてよかったな」と胸をなでおろす。

 

 そして諸君、野球選手以上に厳しい世界が待っている。届かないものは届かない。意地でも届かない。2日待っても、3日待っても、届かないものは届かない。

 

 届かないことに納得がいかなくて、事務局側に思い切って質問しにいくセンセもいた。すると当然のように、その場で「来年度は契約いたしません」という無慈悲な回答が返ってくる。理由はもちろん生徒たちによる「授業アンケート」であり「もっとメリハリのある授業をなさらないと」と、厳しい現実を容赦なく突きつけられる。

 

 いやはや、どんな世界に生きるにも、もしも「プロ」を名乗るなら、突きつけられる現実の厳しさに耐え抜かなければならない。その辺のことを詳細に記した大昔のワタクシの記事は、今でも閲覧する人が後をたたない。曲がりなりにも「プロ」な世界を目指すオカタは、やっぱりしっかり覚悟なさった方がいい。

Mon 090608 予備校の新人講師をどんな「優遇」が待っているか 新館・東校舎・研修館

(夜7時の八坂神社。知恩院、青蓮院、粟田神社の脇を通って、ホテルまで40分の散策を楽しんだ)

 

  いやはや、何だかメッタヤタラに景気の悪い話になってしまった。ホントは今日は、もっともっと景気のいい話を書こうと思っていたのだ。

 

 何しろ写真は、商売の神様「京都ゑびす神社」、10月19日の「宵ゑびす」、10月20日の「二十日ゑびす」のものばかりだ。

 

 どういうわけかこの4〜5年の今井君は、この「京都ゑびす神社」の大ファンになってしまった。金閣寺でも龍安寺でも、天龍寺でも清水寺でもなくて、そんなビッグネームとは比較にならないほど地味な、祇園の奥の小さな小さな神社である。

Tue 181218 蹴上が常宿/圓徳院/石塀小路/ゑびすと猪(京都すみずみ3)3772回

 

 いや、どんなに小さい神社でも、例えばワビ&サビとか、えも言われぬ奥ゆかしさとか、京都の神社なら他にナンボでも素晴らしい神社が見つかるはずだ。

 

 それなのに「高島屋」のちょうちんだらけ、「大丸」のちょうちんだらけ、えげつないほど現世利益を前面に押し出した京都ゑびす神社がこんなに大好きになるだなんて、そのこと自体が今井君の本性を如実に示しているのかもしれない。

 

 しかし、好きなものは致し方ない。好きなものを嫌いだとか、嫌いなものを好きだとか、そういう見栄を張って得をすることは決してない。

Wed 211201 超優秀生が7割を超える公開授業/京都ゑびす神社、お火焚き祭 4134

(宵ゑびすに「きんなべ」のちょうちん。また近いうちに鍋でも食べに行きたい)

 

 19日の「宵ゑびす」にしても、秋の夕暮れの風に揺れているちょうちんの文字を眺めると、この数年でワタクシが馴染みになった名店の文字ばかりが目立つのである。

 

「きんなべ」は、ゑびす神社から徒歩20秒ほどの名店。歯に衣着せぬ物言いがマコトに爽快な「きんなべ」のオカーサンと、すきやきや沖すきの鍋を挟んでの丁々発止はあまりにも楽しかった。

Sun 220327 京都府立植物園/照月/祇園「きんなべ」/早春シリーズを打ち上げ 4180回

 

「松山閣」の湯葉料理も、やっぱり素晴らしい思い出だ。北山の奥深く、鳴滝のあたり。洛中より少し早い紅葉の山をどこまでも登って、色づき始めた紅葉を眺めながら湯葉料理を満喫したのは、ちょうど昨年の今頃のこと。京都の老女将のイケズの本領も見せていただいた。

Tue 211116 オトナな京都の湯葉料理/宇多野・原谷・鳴滝の紅葉/徹底的に湯葉 4125回

(お蕎麦の「松葉」は、このブログでもすっかりお馴染み。湯葉料理の「松山閣」は、ちょいと敷居が高いが、やっぱり近いうちにまたお邪魔したい)

 

 そして何と言っても、お正月の十日ゑびす、「商売繁盛、笹もってこい!!」の景気の良さは、やっぱり何ものにも代えがたい。

 

 もしも若手&中堅の予備校講師で、「最近どうもうまく行かないな」と嘆いていらっしゃる人がいらっしゃったら、そんなに暗く悩んでもつまらない。

 

 2ヶ月後の2023年1月、京都ゑびす神社に参詣し、3500円の初穂料を納めて大っきな笹をゲット。「笹もってこい!!」のその笹に、宝船やら小判やら米俵やらをいっぱいぶら下げてもらえば、あっという間に運が開けて来るんじゃなかろうか。

Sun 220213 鴨すきやき/23分で32回もの「甘い」/商売繁昌、笹もってこい 4167回

 

1E(Cd) Zagrosek & Berin:SCHREKER/DIE GEZEICHNETEN 1/3

2E(Cd) Zagrosek & Berin:SCHREKER/DIE GEZEICHNETEN 2/3

3E(Cd) Zagrosek & Berin:SCHREKER/DIE GEZEICHNETEN 3/3

4E(Cd) Sequentia:AQUITANIA

5E(Cd) Nevel & Huelgas Ensemble:Canções, Vilancicos e Motetes Portugueses

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