Tue 211221 上野動物園へ/海外の動物園の記憶/湯島天神にラス詣/ぶどうパン 4148回
今日の京都では、東寺「終い弘法」が開かれている。1年最後の弘法大師の月命日、境内には露店が立ち並び、お正月の縁起物・日用品・鉢植え・駄菓子・骨董品、売っているものはマコトに多彩である。
昨年のワタクシは、12月23日の昼前に東寺の終い弘法を訪ねてみた。2週間に及ぶ長い長い京都滞在を終え、宿泊先のブライトンホテルでも、従業員の皆さまともうすっかり顔なじみ。「いよいよチェックアウトか」と思うと、寂しさもひとしおだった。早いもので、あれからもう1年が経過する。
あの頃は、「長かったマスク生活も来年の今頃には終わっているだろうな」と暢気に考えていたが、いやはやオミクロン軍団の出現で、どうやら2022年のオシマイぐらいまでは、まだまだガマンを続けなきゃいけないかもしれない。
「Thu 201231 生類憐れみの令のこと/靴供養と財布供養/2020年を締めくくる 3989回」
(学問の神様・湯島天神に2021年のラスト詣。諸君の幸運を祈ってきた 1)
冬至が近くなると、今井君はどういうわけか動物園に行きたくなる。ついこの間も、昨日書いた平河町のレストランでのヴィネガー・ショックを癒そうと(スミマセン、昨日の続きです)、神田から電車に乗って上野動物園を訪れた。
上野はすっかり活気を取り戻して、関東一円の高級オジサマに高級オバサマがワンサと繰り出し、美術館に博物館にコンサートホールの周辺は、どこも黒山の中高年だかり。足の踏み場もない上野公園に、何と修学旅行の中高生グループも混じって、スニーカーの足でドスドス、たくましく駆け回っていらっしゃる。
今井君も一応は高級オジサマのハシクレと自認しているが、残念ながらヴィネガー・ショックが胃袋に残っている。この段階でも鼻先に強い酸味を感じ、吐く息にも酢のカホリを感じ、その度に吐瀉の危機が迫る。美術館とか博物館とか、そんな高級な場所には接近しない方がよさそうだ。
そこで諸君、今井君は上野動物園に闖入することにした。パンダに象にキリンにトラ、そういう暢気な優しい動物を眺めれば、鼻先の酸味を忘れることもできるだろう。そうだ、ラクダもいるだろうし、何と言ってもマヌルネコの勇姿を眺めたいじゃないか。
ホントになぜなのか、理由はさっぱり分からないが、冬至の迫るこの時期に、今井は動物園が恋しくなる。2019年の12月には、わざわざウィーンでシェーンブルン動物園を訪ねた。あんなに寒いウィーンで、優しいケモノたちはワルツでも踊り出しそうな、マコトに優雅な表情で暮らしていた。
「Wed 210602 不思議なオジサン/ジレンマ/ナマか映像か9(ウィーン滞在記24)4065回」
(学問の神様・湯島天神に2021年のラスト詣。諸君の幸運を祈ってきた 2)
2016年の12月は、ベルリンで動物園の隣のホテルに宿泊していた。ドイツ語で動物園は「Zoologischer Garten」。ここに20世紀後半の西ベルリン中央駅があり、「ツォーロギッシャーガルテン」では発音がメンドーだから、人々は短く「ツォー駅」と呼んだ。
つまり東西冷戦中は動物園が西ベルリンの中心だったわけだが、ワタクシが宿泊していたのが動物園のお隣のインターコンチネンタルホテル。12階の窓から眼下に広がる動物園に、シカやらトナカイやらがそこここに顔を出しては、優雅に草を噛んでいた。
何しろクリスマス市の真っ最中だから、動物園の周囲にも賑やかな市が立ち、ワタクシは来る日も来る日もブランデーのたっぷり入ったホットワインで酔っ払っていた。
コロナどん来襲前のこの上なく楽しい日々だったが、実際にはここもやがてテロの標的になり、今井君が酔っ払っていたちょうど同じクリスマス市に、2年後だったか3年後だったか、トラックが突っ込んで大惨事になった。
「Sun 160410 TVドラマにトランプ氏発見 帰国の日も観光(ドイツ・クリスマス紀行35)」
(学問の神様・湯島天神に2021年のラスト詣。諸君の幸運を祈ってきた 3)
その翌年のクリスマスには、シドニーのダブルベイに宿泊して、対岸の「タロンガ・ズー」を満喫した。何しろシドニーの12月は夏の真っ盛りだ。旅行記にも「シドニー夏のX mas」と名付け、コアラとカンガルーを飽きるまで眺めていた。
何しろ動物と人間の間にほとんど垣根がないのである。オヤジくさいカンガルーを眺めつつ、「何だこの憎たらしさ、自分とそっくりじゃないか」と苦笑していると、ワタクシの背後をホンモノのワラビーが駆け抜けた。
「Fri 161223 木下サーカス/仇敵カンガルー/タロンガ・ズー(シドニー夏のクリスマス6)
「Sat 161224 北大でコアラ/発音はコゥアーラ/大意と設問解説(シドニー夏のクリスマス7)」
あんまりコアラとカンガルーが気に入ったので、翌2018年のクリスマスもシドニーに旅をした。シドニーのついでに真夏のウルル → 通称エアーズロックも訪問してきたが、あまりの暑さに地球の真ん中で愛を叫ぶのを忘れ、その代わりビールをしこたま消費してきた。
というか、なぜかチキンの丸焼きが気に入って、連日連夜スーパーでチキンの丸焼きを購入、缶ビール6本とか8本とか、あまりに非常識な日々を過ごしつつ、それでもタロンガ・ズーは忘れなかった。
宿泊先はサーキュラーキーのインターコンチネンタルホテル。最上階の部屋の窓からオペラ座とハーバーブリッジの勇姿を眺め、次から次へと船着き場に出入りするジャングルブックみたいなお船の姿を飽きもせずに眺めていた。
「Fri 171208 よいお年を/昨日シドニーから帰国/帰国報告2(またシドニーの12月 2)」
「Wed 180307 中年とカンガルーどんがカワイイと言ふこと(またシドニーの12月 18)」
思えばつい2年か3年前まで、今井君は好き放題に世界を暴れまわり、暴れ放題に世界を闊歩していた。
2022年はどうなるんだろう。今の予定では、海外の旅の完全復活は2023年まで延期。2022年は秋までギュッと我慢して耐え忍び、もしかしたら12月の仕事納めの後ぐらいに、メルボルンかウェリントンへ。だって諸君、そろそろ復活しないと、人はどんどん歳をとる。
(ぶどうパンで話題の湯島「舞い鶴」。「マスカット1房まるまる」という巨大ぶどうパンを買ってきた 1)
さて上野動物園であるが、残念なことにウィーンやベルリンやタロンガ・ズーみたいな活気は感じられない。動物園は開いているが、肝腎の動物がほとんどお外に出ていなかった。
目立ったのは、ウマ・ウシ・ウサギ・ヒツジ・ヤギ。しかし諸君、これじゃ単なる「農家の庭先」だ。キリンもシマウマも象もトラも、みんなお休み中。「ライチョウがいますよ」とのことだったが、小さなオリの中でたった1羽、相棒もなしに何だか不快そうにうずくまっているだけだった。
まあ元気そうだったのがクマの諸君、ツキノワ君は、ツヤと弾力のある黒い楕円形の肉体を弾ませていたし、その隣ではヒグマどんが、ツキノワ君と比較すると圧倒的にゴツイ褐色の肉体を見せびらかしていた。シロクマ君も健在。しかしこれじゃ、動物園というよりクマ牧場だ。
(ぶどうパンで話題の湯島「舞い鶴」。「マスカット1房まるまる」という巨大ぶどうパンを買ってきた 2)
訪れた時間帯がいけなかったのかもしれない。何しろ「平河町のヴィネガー・ショック」が13時。そこから麹町・九段・神保町と歩き、神田から電車に乗って、スニーカー軍団がドスドス走り回る動物園に到着したのは15時近かった。
だから、冬至に近い上野動物園はすでに夕暮れ。比較的元気なクマどんたちだって、盛んに小屋のドアに肉体をこすりつけて「入れてくんろ」「入れてくんろ」「もうメシにしてくんろ」と訴えている様子。見物人になんか、ちっとも興味を示してくれない。
修学旅行の中高生も、カップルどうし「フライドチキン食う?」「食う!!」「げろ、即答じゃん♡」「カハハハ♡」みたいな会話で盛り上がっている。動物よりチキン、こりゃシドニーの今井君とおんなじだ。
というわけで諸君、今井は動物園を早々に退散、不忍池から湯島に抜けて、学問の神様♡湯島の天神様を拝んで帰ることにした。
名付けて「ラス詣」。「初詣」の向こうを張って、1年でラストの参拝ということで「ラストもうで」、略して「ラス詣」。諸君、湯島天神の勇姿を斜めから写真に撮ってきたから、この写真を拝んで、諸君も早速ラス詣、来年の学力スーパー向上を祈りたまえ。
(ぶどうパンで話題の湯島「舞い鶴」。「マスカット1房まるまる」という巨大ぶどうパンを買ってきた 3)
せっかくの湯島だから、湯島天神下「舞い鶴」で、評判の巨大ぶどうパンを購入。「マスカットが1房、まるまる入っています」という贅沢ぶりだが、いやはや、さすがにズッシリと重い。
翌日は広島県福山で公開授業の予定だったので、巨大ぶどうパンは広島に持参し、ホテルで夜食に食べることに決めた。ワタクシはコドモの頃からブドウパンの大ファン。中学時代はお弁当じゃなくて「パン購入」だったから、毎日のランチにブドウパン一斤を平らげていた。
当時の秋田では、なぜかブドウパンを「頭脳パン」と呼んだ。秋田のパン屋は「たけや」と「すずや」。ランチに貪ったのが「たけや」か「すずや」か忘れたが、確かに「頭脳パン」のおかげで、今井君の記憶力は強烈に伸びた。記憶力に不満のある方は、早速「舞い鶴」に走って巨大ぶどうパンを購入したまえ。
1E(Cd) Cluytens & Société des Concerts du Conservatoire:BERLIOZ/SYMPHONIE FANTASTIQUE
2E(Cd) Lenius:DIE WALCKER - ORGEL IN DER WIENER VOTIVKIRCHE
3E(Cd) Bernstein & New York:BIZET/SYMPHONY No.1 & OFFENBACH/GAÎTÉPARISIENNE
4E(Cd) Prunyi & Falvai:SCRIABIN/SYMPHONY No.3 “LE DIVIN POÈME”
total m89 y1157 dd26997