栄光のランナー/1936ベルリン

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栄光のランナー/1936ベルリン


2016年 米・独・加映画

監督 スティーブン・ホプキンス

脚本 ジョー・シュラップネル

出演 ステファン・ジェームス

   ジェイソン・サデイキス



1936年ベルリンオリンピックで4つの金メダルを獲得した陸上競技選手、ジェシー・オーエンスの感動的な実話を描いています。



⚫︎あらすじ


1936年、ナチスドイツがベルリンオリンピックを開催します。ジェシー・オーエンスはアフリカ系アメリカ人として差別されながらも、素晴らしいランニング技術を持っていました。


ベルリンオリンピックで、ジェシー・オーエンスはドイツの選手たちに挑戦します。

最初に100メートル走で金メダル、つづく走り幅跳びでも金メダルを取ります。


走り幅跳びでは、不慣れな踏切りでファールとなってしまいますが、ドイツ人選手のルッツ・ロングにアドバイスを受けて見事に金メダルを取ります。アドバイスしたルッツは銀メダル、銅メダルは日本の田島直人が取りました。翌日オーエンスは200メートル走でも金メダルを取る快挙を達成します。


そして出場する予定ではなかった400メートルリレーでは、ナチスドイツからの圧力でユダヤ系アメリカ人選手の2人がはずされてしまいます。その代役となったオーエンスが第一走者として走り金メダルを取りました。


しかし、オリンピックは政治的な舞台でもありました。ナチスのヒトラー政権はジェシー・オーエンスの成功を妬み、差別や人種差別を隠すために様々な策略を巡らせます。それでもジェシーは、人種や背景を超えて勝利を収めることで、差別撤廃のメッセージを示しました。



⚫︎感想



アメリカの黒人差別、そしてドイツのユダヤ人差別、そんな時代に行われたナチスドイツによるベルリンオリンピックに出場した黒人のアメリカ人選手ジェシー・オーエンスの物語です。


なかなかの感動作品です。ジェシーが出場した種目は100メートル走、走り幅跳び、200メートル走、そしてリレーです。4種目すべて金メダルという快挙を成し遂げます。


自分自身も観ているうちに映画の中に入り込んでしまい、ジェシーが勝つたびにヨシッっと声を出して握りこぶしを振りかざしてしまいました。


ナチスドイツはオリンピックを映画に撮ることで、ドイツ人の優位性を示そうとしていました。そしてプロパガンダに利用しようとしたのです。


しかしそこに黒人のジェシー・オーエンスが映像に映り込み何度も何度も優勝して金メダルを取っていったのです。



⚫︎1936ベルリンオリンピック


もともと、1916年に開催予定だったベルリンオリンピックは第一次世界大戦により中止になってしまいました。


そういう意味では1940年に開催予定だった東京オリンピックが第二次世界大戦により中止になってしまった東京オリンピックと似ていますね。


オリンピックは「ユダヤ人とフリーメイソンによる発明」とされていたため、ヒトラーはベルリンオリンピック開催に反対だったようです。しかし、プロパガンダ効果が期待できる」との説得を受けて、開催することに同意しました。


宣伝大臣のゲッペルスは、当時すでに人種差別政策などが危惧されていたドイツが平和的な国であると世界に知らしめることが出来る。そして、競技でドイツ人が好成績をあげることで国民に心の興奮を与え、愛国心を高めることができる。そう考えていました。


しかしアメリカから来た黒人のジェシー・オーエンスが、ことごとく金メダルを取ってしまったのです。


ちなみに走り幅跳びで3位だった日本人の田島直人は三段跳びで金メダルを取っています。



⚫︎アーリア民族


アーリア人とは「高貴な人」という意味です。もともとコーカサス地方に住んでいた人々が気候の寒冷化が起きたときにインドやヨーロッパに渡り住んで、それらの地域を支配したそうです。


ヒトラーはドイツ人こそ純粋なアーリア人として国をまとめる原動力に利用しました。そしてオリンピックを「アーリア民族の優秀性と自分自身の権力を世界中に見せつける絶好の機会」と位置づけていたようです。



ナチスドイツのマークもアーリア人が太陽のシンボルとして使っていた模様です。



インドに渡ったアーリア人は仏教のマークとして日本に伝わりお寺のマーク卍になりました。


当時、三国同盟を結んでいた日本人はナチスドイツでは名誉アーリア人とされていたそうです。





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