地獄の黙示録 ファイナル・カット


1979年 アメリカ映画

監督 フランシス・フォー・コッポラ

脚本 ジョン・ミリアス

原作 ジョゼフ・コンラッド

出演 マーロン・ブランド

   マーティン・シーン



アメリカ軍兵士の視点から見た、ベトナム戦争の狂った実状を描いた作品です。



⚫︎あらすじ


アメリカ軍のカーツ大佐は、優秀な軍人だったが、正気を失い、命令を無視し、カンボジアで武装軍団を率いている。


そこでウィラード大尉に、カーツ大佐を抹殺する任務がくだる。


しかしウィラードが思うカーツ大佐は、部下の信頼も厚く悪い印象はない。



ウィラードは複雑な思いを抱きつつ海軍の船に乗り、乗組員たちには目的地を知らせずカーツ大佐の潜伏先に向かって大河を遡行する。


途中でアメリカ兵の別部隊と出会い、ベトナムで戦いながら気がおかしくなっていくアメリカ兵の姿を目にする。



最初はキルゴア中佐のヘリに乗ってワーグナーを大音量で流しながらベトコンが潜んでいるかもしれない民家を次々と爆撃する


戦闘中にもかかわらず、キルゴアはウィラードの部下にサーフィンをさせようとする。


ウィラードは思う

(なぜキルゴアが許されて、カーツが責められるのか)


次は、アメリカ兵慰問のために突如としてあらわれるバニーガールたちのショーに狂喜乱舞する兵士を目にする。


ウィラードは考える

(カーツが怒ったのも当然だ。この戦争はお偉方が演出してる道化芝居だ)


ウィラードはカーツの書いた文を読む

『米軍兵士のベトナム駐屯限度は1年、彼らは戦争を横目で見てるツーリストだ、彼らの要求は冷えたビールと温かい食事、ロック音楽。当然戦力は弱体化する。戦闘意欲を持つ精鋭軍団なら4分の1の兵力で勝利できる』


11月、カーツはベトナム人4人の暗殺を命じた。2名は南ベトナム軍の大佐だった。

以後、彼の地区での敵襲は途絶えた。


ウィラードは思う

(正しい4人を殺ったのだ)

(軍はカーツに呼びかけ、応ずれば全て不問に付すと)

(だが、応ぜず勢力を拡大した。そして俺の出番となった


カーツの家族に送られた手紙には

『私は殺人罪に問われている。4名の二重スパイを処刑したからだ。我々は数ヶ月かけて証拠を固め、その証拠をもとに軍人として行動した。告発は不当だ』


ウィラードの船は、カンボジアに向かう途中、ベトナム人の船を調べた。とくに怪しい船ではなかったが不穏な動きをしたとみなして皆殺しにした。


ベトナム女性が息をしていたので、病院に運ぼうとするのをウィラードが発砲して息の根をとめた。


(俺たちは、いつもこうだ、相手を撃ってから手当てする、欺瞞(ぎまん)だ。見れば見るほど欺瞞(人をあざむき、だますこと)に胸がムカついた。船の連中が俺を見る目も変わる、書類に書かれていないカーツのことが分かり始めた)



指揮官不在の統率のとれていない戦争。

そしてカーツに寝返った、別部隊の兵士がいることも知ることになる。


アメリカ本土のニュースでは、チャールズ・マンソンが、社会に抗議して一家全員を惨殺する。


カンボジアに入ると、武装したフランス人たちと出会う。

「ここは私たちの土地だ、誰にも渡さない。アメリカ人は何のために戦うのか?この戦いは歴史にも前例のない無意味な戦いだ」


そして最後にカーツの率いる武装軍団の地にたどり着く。そこにはウィラードが考えるカーツではなく、常軌を逸したカーツの姿があったのだった。


カーツは語る

『我々は現地の子供たちに小児麻痺の注射をした。しかし村に戻った大人が子供たちの腕を切り落とした。私は悔しくて泣いた。そして悟った、彼らは完璧で、純粋で、一切迷いがない。私は悟った、彼らが我々より強いことを、信念を持って戦っている、私が彼らのような兵を持っていたら

この戦争はたちまち片がつく。持つべき兵は、道義に聡く、だが同時に、何の感情もなく人を殺せる男たちだ。理性的判断を持たずに、理性的判断が敗北を招く…


(聞いていたウィラードの目が変わる)


『気がかりは息子が私をどう思うかだ、私が殺されるなら息子に全て伝えて欲しい、君が私を理解するなら殺ってくれ』


ウィラードは顔を黒く塗りジャングルにまみれてカーツに近づき殺害する…



⚫︎感想


正直言ってよくわからない映画です。第一コッポラ監督自身が撮ってるうちに何がテーマかわからなくなったと言っているそうです。


ただ、戦争って言うものはそういうものなのかもしれません


上官からの命令で見も知らぬ人を殺害しているうちに、だんだんと精神が病んでいき、誰が敵で誰が見方かも分からなくなる。そしてみんなPTSDになっていく。


「朝のナパームの香りは格別だ」というキルゴア中佐の言葉はアメリカ映画の名セリフ10012位に選ばれているそうです。


ナパームの香りは、ガソリンの匂いのような感じらしいですが、できれば朝のナパームの香りなんて、一生嗅ぎたくないですね。


戦争とは戦場には行かない人たちが、最前線で戦う人たちを指揮しています。


カーツ大佐は命令にそむいて南ベトナム人を殺害しました。その結果、何人もの仲間の命を助けましたが、上官の命令にはそむいたことになってしまいます。


ウィラード大尉は、自分がカーツ大佐を殺害して、カーツの家族に本当のことを伝えてあげようと考えたんじゃないでしょうか…

⚫︎ナパームとは

ナパーム弾、焼夷弾のことです。爆弾から粘着性のあるゼリー状の液体が爆発して発火します。人や家に火がつくと水をかけても消えません。また燃焼の際に大量の酸素を使うため、直接当たらなくても酸欠や一酸化炭素中毒になります。これをアメリカハーバード大学の教授が作ったそうです。


⚫︎黙示録とは

新約聖書の最後に書かれている予言のようなものです。『ヨハネの黙示録』とも言われ、この世の終末と最後の審判、キリストの再臨と神の国の到来、信仰者の勝利など、預言的内容が象徴的表現で描かれているものです。