シンドラーのリスト


1993年 アメリカ映画

監督 スティーヴン・スピルバーグ

脚本 スティーヴン・ザイリアン

原作 トーマス・キニーリー

出演 リーアム・ニーソン

   ベン・キングズレー

   レイフ・ファインズ



ナチスドイツによるユダヤ人のホロコースト(絶滅作戦、大量虐殺)から1100人を救ったシンドラー。ユダヤ人のスピルバーグ監督作品です。



⚫︎あらすじ


戦時中に必要な物資を調達してドイツ軍に売って一儲けを考えるシンドラー(リーアム・ニーソン)は教会で闇取引の話をしているユダヤ人に話しかける。




(やはり儲け話はネットにはない、密談から探さないとなぁ)


ユダヤ人は働く場所も無く、給料も安く、しかもSSにピンハネされて渡されないことを知ったシンドラーは自分の工場で安く働かせるためにユダヤ人を集める


(人件費をおさえるのは重要)


戦時下は学者や教員などの職業は役に立たない、鉄工所で働いた経験のほうがドイツ軍の役にたつのだ。そのためにシンドラーは経歴詐称してユダヤ人労働者の確保をする。


(生きるためには嘘も方便かもな)


最後にシンドラーは美人秘書を選び「ドイツほうろう容器工場」が完成する。


(シンドラーはタイピング能力などは見ず、美女だけを選ぶ、昔から美人は生き残る価値があったのだ)


シンドラーは美女たちにドイツ人将校をもてなす役をさせるのだ。


(美女はドイツ人将校をもてなす道具、根回しと政治力があってこその商売だ)


シンドラーは妻に話す

今までいつも欠けているものがあった

それで何に手を出しても失敗した

何かが欠けてた

欠けていると気づいても手に入らない

作れないものだ

だが それが成功と失敗を分けるんだ


妻が

運? と聞くと


シンドラーは

戦争さ と答える


(最低な人間も歴史は英雄にする)


ある日、工場のユダヤ人機械工がシンドラーに仕事を頂いたお礼を言いたいと


あなたがいなければ殺されていたかもしれない

あなたの工場に雇われて命を救われました

一生懸命 働きます

いつまでも お役に立ちます

あなたは いい方だ 命の恩人だ


シンドラーは経理担当に言う

二度とするな

第一 身体障害者じゃないか


ある日、ドイツ軍はシンドラー工場の従業員に雪かき作業をさせる

そこで身体障害者は役に立たないので射殺されてしまう。


シンドラーは作業員を1人失った

補償を と控えめに抗議するが

ユダヤ人労働者を使うこと自体が反逆とも取れると言い返されてしまう


その後、経理担当のシュターンがドイツ軍に連行され収容所に送られる寸前に

シンドラーが見つけ出し列車から救い出す。


シンドラーがドイツ軍の下っぱに名前を聞き、ロシア戦線に送るように上に言っておくと脅す。


(ロシア戦線行きだけは嫌なんだな)


列車に乗る前のユダヤ人押収品の中には時計、メガネ、抜かれた銀歯まである


ゲットーでは少しでもドイツ人の気に入らないユダヤ人がいれば、その場で射殺される


(頭を撃たれると血が噴水のように噴き出るんだな


ドイツ人将校が宣言する

600年前ユダヤ人は黒死病の咎(とが)を負った

ポーランド王はクラクフの町がユダヤ人を受け入れると言い 彼らは来た

そして住み付き 成功した

商業でも学問でも教育でも芸術でも

無一文でやって来た なのに富を得た

ユダヤ人は栄えた それを考えろ

それが消滅する 歴史的な日だ


(*咎=あやまち、罪)


(*かつてペストはユダヤ人たちがヨーロッパに持ち込んだとされた。そのためヨーロッパ中でユダヤ人迫害が吹き荒れた。

しかしポーランドではユダヤ人の基本的な諸権利が法律で保護されていた)


そしてドイツ軍によるゲットー解体が始まる


(*ゲットー=ユダヤ人居住区)


なすすべの無いユダヤ人は少しの宝飾品をパンに入れて飲み込む


(白黒映画の中に赤い服の少女がいる)


ゲットーでは床下や家具の中に隠れるユダヤ人と、聴診器で壁の音を探るナチス


工場の従業員をゲットーに収容されてしまったシンドラーは従業員を元へ戻すように交渉する。


しかし経理担当のシュターンだけは工場ではなくゲットー内で仕事するようにナチスから命じられてしまう。


経理担当のシュターンはシンドラーの工場なら殺されないと考え、命の危ないユダヤ人をシンドラー工場に送り込む。


(シンドラーのリストじゃなくて、シュターンのリストか⁉︎


(経理担当、ガンジー役の人じゃない?)


そのうちにゲットーも収容人数が多くなってきたので身体の弱っている者をガス室行きの列車に乗せるための身体検査が始まる。


ユダヤ人たちは裸にされる前に自らの血で化粧して健康的に見せる。


(エヴァの告白でもそんなシーンがあったな


シンドラーは最後に稼いだ金で工場の従業員を出来るだけ買い取るためのリストをつくる。


そして男たちはシンドラーの故郷の工場に送られる、しかし女たちは手違いでアウシュビッツ送りになってしまう。


シンドラーは1人でも多くのユダヤ人を救うため、あるだけの金を軍に使い果たした時に、戦争が終わる。


そしてシンドラーはドイツ軍の仕事をしていたので戦争犯罪人となる。


ユダヤ人労働者たちはシンドラーのために署名してシンドラーに手渡して言う。


ダルムード(ユダヤの聖書)の言葉です

1つの生命を救う者が世界を救える


するとシンドラーは

もっと救い出せた


シュターンは

あなたは1,100人を救いました。


シンドラーは

車も売れば10人救えた

バッチを売れば1人は救えた


そしてロシア軍が解放しにくるがユダヤ人たちには行く場所が無い…


その後、シンドラーは1958年エルサレムに招かれ正義の人に選ばれた。



⚫︎感想


シンドラーは最初からユダヤ人を助けようとしたわけじゃなかったんです。


ユダヤ人なら安く働かせることが出来たから自分の工場の労働力に使ったのです。


シンドラーは言いました。医者と牧師と会計士を味方に付けろと。


ユダヤ人会計士のシュターンが有能で、最初の頃はシュターンのリストでした。


最初はシンドラーもドイツ人将校たちに裏金を使い、戦争によって儲けていました。


でも最後には稼いだ金を全て出してユダヤ人を救ったんですね。



⚫︎赤い服の女の子


スピルバーグ監督は黒澤明監督の『天国と地獄』からヒントを得て、白黒映画の中に赤い服の女の子を入れたそうです。


ドイツ人シンドラーもユダヤ人を蔑んだ見方をしていましたが、赤い服の女の子を見て同じ人間ではないかと改心するシーンなんだそうです。


もしかしてバンクシーの赤い風船にもそういう意味があるのかもしれない⁉︎