こんにちは、池上校講師の木村美那子です。

ハロウィンが終わったと思いきや、街なかはクリスマスマーケットや、おせちの予約の看板でにぎわって、人々も季節を楽しむ余裕もないまま、次々にやってくるイベントに追われているような印象を受けています。
クリスマスやお正月は「早割でお得!」という言葉で釣られるような行事ではありませんから、ご家族や仲間など大切な人たちで丁寧に迎え、過ごしたいものですね。



さてこの写真は先日のレッスンのひとこまですが、いったい何の場面だと思いますか?
力こぶを作っているのでしょうか?
指揮者の真似をしているのでしょうか?

「いち、に、さん、し!○ちゃん、がんばれ!」
答えは、ベビークラスの生徒さんが、同じクラスの仲間を応援し始めた場面です。
そこから応援の輪がひろがり、お互いがお互いを応援してにぎやかなレッスンとなり、最後には「せんせい、がんばれ!」と、講師の木村まで応援してもらう場面も…!(先生も頑張ります!)

「自分」という存在は「他人」との関わりの中で見えてくるものですが、小さいうちはその不安定さからか、より温度感のある接触や、相手の独占などをするのが普通であり、それを損なうような人間や出来事に出会うと、ネガティブな反応を示したり、時に攻撃的な言動をしてしまうことがあります。

それ自体は自然なことであり、個人的な容量の差はありますが、「自分」という存在が自分にとって明らかなものと認められれば、それは言い方を変えると、肉親を含めた他者との十分なやり取りによって、その容量が一定以上満たされていけば、自然と他の人を認めたり、許容したり出来るとされています。

ですから、成長過程でのそのようなネガティブな事象が発生した際には(もちろん他の人を傷つけるようなことはあってはいけませんが)、「他の人に迷惑をかけるでしょう!」、「他の子はやっていないよ!」と本人を軌道修正させようとするのではなく、「自分」を本人が安心して認められるだけの必要量を少しずつ満たしていくような関わりが出来れば良いのではないでしょうか。

日によって心身の状態は変わりますから、いつでも他の人を許容し、認め、応援したり、支えたり、出来るとは限りません。これは大人である自分を省みても、常にパーフェクト!ということはありませんから、子どもたちにしてみれば出来ないことがあっても当たり前かと思います。

ですから、この日のレッスンのように「みんなでみんなを応援する」ことが出来た時は、多少にぎやかになりすぎてしまっても、このポジティブな雰囲気を全員で味わい、この雰囲気が子どもたちの取り組みや向上心を後押ししていることを少しずつでも理解出来るように、伝えていく良い機会として共有していければと思います。(木村)