こんにちは、池上校講師の木村美那子です。
月曜日には予想以上の大雪が降り、公共交通機関にも大きな影響が出ましたが、みなさまはいかがお過ごしだったでしょうか?
水分の多い雪だったので、何かを作るには向いていなかったかもしれませんが、生徒のみなさんの中には、雪だるまを作ったりして楽しんだ人もいるのではないでしょうか?
大人になると、降り始めの喜びが長くは続かず、翌日からのお仕事のことや、移動のことなどを考えてしまうようになりがちですが、出来るだけ様々な美しい様子にアンテナを向けておきたいものですね。
(とは言え、雪の影響で遅延が発生し、朝のレッスンに何とか間に合った木村にとってはやはり雪は困りものでもあります。)
さて土曜日クラスでは下級生もカリキュラムに慣れて来たので、少しずつ詳細な指導や訓練を追加しています。
今回取り組んだのは「首の付け方」です。
全身の筋力に安定感が出てくる時期は、個々で差がありますが、小学生になってからだと言われています。
運動量の低下している現代では、小学生になっても体幹が安定せず、学校指定の机と椅子では長時間身体を起こしていられない子どももいるようです。
それを個々の原因を考察せずに「良い姿勢」を押し付けることは、すでに「時代遅れ」ともなっています。
赤ちゃんが自分の手をじっと見つめたり、口に入れたりすることは、まだそれが「自分の手である」と認識を始めたばかりだから、というお話がありますが、時に大人でも自分の身体のパーツそのものや、その長さや太さや可動域の認識不足でぶつかってしまったりケガをすることもあると考えると、その自分の身体への認識はなかなかに「当たり前ではない」ものなのかもしれません。
肩をおさえたり、胸元をおさえたりすることで、自分の動きをより具体的に自覚し、自分の身体についての感覚を育てていきます。
以前の記事にも書きましたが、バレエの身体作りは360度すべての方向に感覚が必要で、例えば自分の目で直接チェックすることの出来ない後方への動きやポジションについても意識をしながらレッスンすることが大切です。
もしかしたら、それがバレエダンサーの(ともすると「隙がない」と表されるような)美しい姿勢や立ち居振る舞いに繋がっていくのかもれません。
どれだけ着飾っていても、やはり立ち居振る舞いが美しくなければ「お里が知れる」とでも言われるような評価となってしまうでしょう。
バレエは時間のかかる芸術ではありますが、その分ひとりひとりに浸透するものは大きく深いように思います。バレエを通じて子どもたちの立ち居振る舞いも、より洗練されていくことを願います。(木村)