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飯塚病院 漢方診療科のブログ

漢方診療科へようこそ♪

Gです。

 

桜の時期が終わり、日中は暑さを感じるほどになりました。

一方では朝は冷え込む日もあり、気温の日内変動が激しくなっています。

 

温度を含む環境の変化に対して、我々の体は自律神経を介して体内環境を一定に保っており、

この自律神経のバランスが崩れると様々な症状を自覚するようになります。

 

例えば、鼻水が出やすい、おなかが緩い(下痢や軟便)などは副交感神経活動に対する体の応答で、

眠りが浅く夢が多い、動悸がする、汗をかきやすいなどは交感神経活動に対する体の応答です。

交感神経・副交感神経の失調に関わる症状は他にも沢山あります。

気分の落ち込みなどの症状も同時に起こりがちです。この時期は「気の異常」が増える印象があります。

温度をはじめとする外的環境の変化が身体的ストレスとなり、それが精神的ストレスに繋がることもあるかと思います。

 

季節の変わり目に体調不良を感じる方には心当たりのある症状ではないでしょうか。

漢方医学ではこれらの自覚症状に加えて、悪化のタイミングや身体所見を踏まえて診断し、治療を決定します。

 

現代医学的な治療を行っても不調が長引く方は、漢方治療の適応かもしれません。

 

Gです。

 

いつもは自由にブログを書いていますが、そろそろ新患倍増に向けて当科のアピールをしたいと思います。

 

漢方治療を希望される患者さまは、それぞれお困りの内容が異なり、それに対して様々な治療法があります。

男女比でいうと、女性の患者様が多いようで、年齢も様々です。

中でも、女性も年齢ごとにお困りの症状が異なる傾向があります。

症状があるにも関わらず、ご自身ではそれに気づいていない方が多数いらっしゃるようです。

「ずっと前から続いているから、これが普通だと思っていた」と。

 

さて、以下のもので思い当たることはありませんか?

 

・便秘がち(便秘が4,5日もしくは1週間以上も続く)

・月経痛がつらい(とくに下腹部)

・月経前にイライラする、もしくは気分が落ち込む

・月経前後にめまいや立ちくらみがする

・月経前にむくむ

・疲れやすいもしくは常に疲れている(家に帰ると疲れで何もできず、電池が切れたように寝てしまう)

・顔がのぼせる

・手足が冷える

・とにかく寒がり

・下痢が止まらない、もしくはいつも軟便、冷たいもので下痢する

・夏場、クーラーにあたると体調が悪くなる

・腰のまわりがスースー冷えて、しかも足が重だるい

・舌のまわりがギザギザ(歯型)

・雨降り前に頭痛やめまいがある

・なんだかよくわからないが、漢方に興味がある

 

他にも色々あるのですが、思い当たることがあれば漢方治療の適応かもしれません。

これらの症状は、現代医学的には問題ないと言われても、漢方医学的には問題があることがあります。

そんなに困っていないつもりでも、治療をすることで、元気になり生活の質が向上します。

 

くわしくはこちらへ

https://aih-net.com/kanpo/

最後に付け加えると、

妊娠しにくい方にも漢方はお勧めです。現代医学的には問題がなくても、漢方医学的な問題に対応していく

ことで、妊娠しやすい体内環境を整えることができます。上記症状も漢方医学的な問題にあたる可能性があります。

産婦人科で不妊治療を受けられていても、漢方治療を併用することで不妊治療をサポートすることができます。

(当漢方診療科は保険診療です。漢方治療費用は3割負担で、薬代込で1か月 2000円~4000円程度が中心です。

治療内容により異なります。検査は別です。)

 

皆様の受診をお待ちしています。

 

 

 

Gです。

 

ブログを更新しないまま、花見シーズンになってしまいました。

我らが漢方診療科も2年ぶり(?)に花見をしました。

 

写真は勝盛公園です。

 

 

大幹部Y先生が場所を確保し、

スタッフとその子供たちで花見をしました。

 

昨年は桜の時期に雨でしたが、今年は晴れ。

また、レセプトの時期よりも少し早かったので良かったです。

 

新年度も頑張る元気が補充されました。

Gです。

 

本日は今年の最終診療日でした。

思い起こせば、今年も沢山の患者さんに御来院いただきまして、忙しい毎日だったように思います。

とても良くなったとのご報告をいただいた患者様がいらした一方、難治でなかなか症状改善に至らなかった患者様もいらっしゃいました。

来年は一人でも多くの患者様の苦痛を改善すべく、年末年始の休みの期間に知識を蓄えておこうと思った1日でした。

 

まずは、年明けの外来の大混雑で「待ち」の苦痛を与えないよう、サクサクと頑張りたいと思います。

 

今年はM先生の加入があり、昨年とは少し変わった雰囲気になりました。

M先生と漢方医学の現代医学的な病態生理はどうなっているのか?ということを話し合うというのが大変面白かったです。

症例について話し合う→傷寒論などの古典を確認する→現代医学的な病態を推測し、基礎医学の論文を検索する。

この流れには、症例経験豊富で、古典に精通し、研究に明るいという3要素が必要なので、なかなか2人で話がまとまることはありません。

それで、いつか「漢方病態生理学研究会」立ち上げにつながれば良いかなと期待しています。

 

古典についても発見がありました。

昨年読んだ傷寒論は条文を順に、目で字を追うだけでしたが、今年の傷寒論は症例から振り返って読むことと、方剤からのアプローチで読むことが多かったです。来年はどうなることでしょうか。楽しみです。

これまで星の数ほど読み続けてきたであろうT部長でさえ、「いまだに読むと発見がある」と言われます。

恐るべき本です。

 

何がと言われると困りますが、実りの多い年だったように思います。

来年はどうなるかわかりませんが、今年の終わりに飯塚病院漢方診療科のホームページがリニューアルしたことはここでお伝えしておかねばなりません。

 

今年、お世話になりました方々に、この場をかりてお礼申し上げます。

 

 

 

 

はじめまして。前回G先生からご紹介いただいたAです。9月から3ヶ月間、山梨県から研修に来ております。

はじめは漢方診療の独特さと見慣れない漢字に戸惑いました。しかし今では1日でも漢方診療から離れると不安になるという中毒症状が現れるほど、どっぷり漢方に浸かっております。

 

実は私はこのブログを拝見して飯塚病院 漢方診療科に興味を抱きました。今回は飯塚病院での研修内容をご紹介します。どこで漢方研修を行うべきか悩んでいる方のご参考になれば幸いです。

 

漢方診療科の1日は「井見集」の輪読会から始まります。ここで漢文の洗礼を受けます。午前中は外来に陪席し問診や身体診察の方法を学びます(1日の平均患者数は30人です)。慣れてきたら初診患者の予診を行い証と処方を自分で考え上級医のフィードバックを受けます。昼食は職員食堂で(安い早い美味い)。午後は1、2のレクチャーを受け、「傷寒論」の勉強会に参加し、受け持ち患者さんの診察・カルテ記載をします。週2回の部長回診では、受け持ち患者さんのプレゼンを行い部長と共に診察を行います。ここで突然口頭試問が始まることがあるので油断はできません。3ヶ月で受け持たせていただいた入院患者さんは5人、予診をとらせて頂いた外来患者さんは29人でした。

帰りはだいたい18時頃です。飯塚は博多ほど都会ではありませんが、病院から徒歩圏内にたくさん飲食店があり食べるものには困りません。しかもどこも美味しいです。スーパーも近くにあります。車は必須ではありませんが、あると行動範囲が広がって楽しいかもしれません。

 

6人の先生方はそれぞれ個性豊かでありますが、まるで一つの漢方薬の如くまとまっており、チームワークは抜群です。普段は皆さん穏やかですが、漢方のことになると熱く燃え上がります。学会前の予演会は「地獄のデスマッチ」と評され、全員がクタクタになるまで議論が続きます。診療内容もかなりアグレッシブで驚くことばかりです(ここでは全てを語ることはできませんが・・・)。

古方もしっかり、そして最先端の漢方診療も学べるのは日本全国探しても飯塚病院だけだと思います。漢方診療を学びたい方、飯塚で美味しいものを食べたい方、個性豊かな先生方に会ってみたい方はぜひ一度見学に来てください。楽しい時間を過ごせること間違いなしです。

 

 

<Gの追記>

A先生は3か月の研修をしたいとのことで5月に1日間見学に来られました。その際のお土産に信玄餅を2箱も頂戴し、大幹部Yが超ご機嫌となりました。実際に3か月も研修に来ることができるのかと、スタッフみんなで心配していたところ、今度は山梨名産の大量の葡萄と共に飯塚にやってきました。

 

以後、大幹部Yをはじめ、皆からから漢方的「かわいがり」を受けました。

個人レクチャーのプログラムが豊富で、私は和漢食を担当しました。

おいしい葡萄をつまみながら、飯塚名物「ぶどう事件」の話をしたのが忘れられません。

 

大変熱心で、3か月で6か月分以上の経験を身につけられたのではないかと思います。

今後は山梨で漢方を実践して腕を磨いて行かれることでしょう。

 

A先生がいなくなるととても寂しくなるので、誰か他の方の実習をお待ちしています。

 

実習医については以下の当科ホームページをご覧ください。

https://aih-net.com/resident/senior/straight/kanpo.html

 

 

 

Gです。

最近、冬らしい寒さになってきました。
去る11月18日、富山で開かれました第21回和漢診療学シンポジウムに参加しました。

今回の参加はT部長はじめ、当科スタッフ3名と3ヶ月間の研修が佳境に近づいたA先生、そして院外薬局のMさんの計6名でした。

東洋医学会総会と比較すると聴衆はベテラン揃いなので、総会よりも議論が盛り上がっている印象がありました。
貴重なご意見もいただき、今後の糧にもなります。

今年は技能賞、殊勲賞、小倉賞の三賞をいただき、T部長もご機嫌の様子でした。

それぞれ若手や初学者がいただく賞なのですが、いただくと励みになります。

小倉賞のトロフィーをみると歴代の受賞者の名前がタグ付けされていて、T部長、大幹部Y先生、大幹部ではないY先生などがあり、歴史を感じました。

しかし、I先生のがない?確かに受賞されましたが。

数年前からタグが更新されていないようで、残念ながらI先生の少し前から無いようでした。
今回のもタグなしだと思いますが、立派な賞状もいただいたので満足です。

受賞で盛り上がったのか、Mさんの「小柴胡湯の歌」が炸裂し、これにももうひとつ賞があっても良かったかなと思いました。

発表以外は、朝、早朝に起きて、福岡空港でラーメンを食べ、富山大学で美味しい寿司をいただき、夜は美味しいものと酒をいただきつつベテラン先生たちと漢方話で盛り上がり、その後も若手の先生たちと色々な話を楽しみました。

最後は福岡に戻ってからもお土産に買ったカニとエビを満喫しました。

もっとこの分野が発展して、若い先生方や新たに学習を始める方々が増えることを期待いたします。

Gです。

 

前回のブログでご紹介しました「メジャー漢方薬」(羊土社)が売れています。

おかげさまで「東洋医学」「総合診療・プライマリケア」の各カテゴリでベストセラー1位を獲得し、

10月26日現在は「東洋医学」部門で3位となっています。

 

19種類の漢方薬について解説していますが、執筆者からは「他にも思い入れのある漢方薬がある!」との意見があり、続編が期待されます。

 

執筆者にとって貴重なご意見となりますので、購入していただいた方にはアマゾンのレビューを書いていただけると幸いです。

 

9月から3か月間、山梨から総合診療科のA先生が勉強に来られています(実習医)。

入院患者を担当し、メジャーな薬から珍しい薬まで短期間で経験をつんでいます。

 

短期間ながらも濃密な時間を過ごされています。

 

実習医としての研修をご希望の方は飯塚病院漢方診療科のホームページに案内がありますので、

ご連絡ください。

https://aih-net.com/resident/senior/straight/kanpo.html

 

 

10月28日に東洋医学会福岡県部会

http://www.jsom.or.jp/medical/information/pdf/kyusyu/10.28hukuoka2.pdf

10月29日に東洋医学会九州支部総会

http://www.jsom.or.jp/medical/information/pdf/kyusyu/10.29kyushu.pdf

 

があります。

九州支部総会は当科から4演題の発表予定です。

 

発表予行が大変でした。

多くの方々がご参加なさいますことを期待しています。

 

Gです。

 

9月に羊土社からGノート増刊号「メジャー漢方薬」が出版されます。

当科の吉永医師が編集に携わり、当科にゆかりのある医師が中心に執筆しています。

 

 

出版社や編集者からの要求レベルが高く、当科のスタッフはかなり頑張りました。

日本東洋医学会学術総会とも執筆時期が重なり大変な思いをしましたが、

良い内容に仕上がっているように思います。

 

本の内容は出版社のページが詳しいです。

https://www.yodosha.co.jp/gnote/book/9784758123242/index.html(羊土社のページ)

 

お買い求めはamazonが便利です。

https://www.amazon.co.jp/G%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88%E5%A2%97%E5%88%8A-Vol-4-%E6%9C%AC%E5%BD%93%E3%81%AF%E3%82%82%E3%81%A3%E3%81%A8%E5%8A%B9%E3%81%8F-%E3%82%82%E3%81%A3%E3%81%A8%E4%BD%BF%E3%81%88%E3%82%8B-%E3%83%A1%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E6%BC%A2%E6%96%B9%E8%96%AC-%E7%9B%AE%E3%81%8B%E3%82%89%E3%82%A6%E3%83%AD%E3%82%B3%E3%81%AE%E6%B4%BB%E7%94%A8%E8%A1%93/dp/4758123241/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1504164717&sr=8-1&keywords=%E3%83%A1%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E6%BC%A2%E6%96%B9%E8%96%AC

(アマゾンのページ)

 

漢方に詳しい方には是非ともお買い求めいただき、貴重なご意見を頂戴したく存じます。

 

漢方はこれからという方にも是非ともお買い求めいただき、初心者ならではのご質問を頂戴し、今後の糧にしたいと思います。

 

お買い求めの際は、日常の勉強のお供に1冊、インテリアに1冊、ご進物用に1冊の合計3冊の購入がおススメです。

 

冗談はさておき、この本が漢方の普及と活性化の一助となれば幸いです。

 

 

Gです。

 

7月も半ばを過ぎて梅雨が明けました。

福岡県では水害もあり、当科の患者様にも被災された方がいらっしゃるようです。

この場をかりて心よりお見舞い申し上げます。

 

梅雨の間はめまいや頭痛、嘔吐などの水毒患者さんが多かったです。

主訴が頭痛、めまい、嘔吐で同時に口渇、自汗、尿量減少があり、

このような患者さんが同じ日に何人かお見えになったことが何回かありました。
 
「雨降り前や雨の日は辛いでしょ?」と訊いて、「そうです」と答えられる方も
おられますが、「あまり考えたことなかったけど、そうかもしれない」
というような曖昧な自覚の方も結構おられます。
 
このような方は不調の際に輸液を受けて一時的に気分が良くなったと言われることがあります。
これは水毒で組織中に水が貯まる一方、血管内は脱水しており、脱水症状が改善したため
ではないかと察します。
五苓散はこれらの病態を改善するのでこの時期は大変重宝します。
 
梅雨があけて、とても暑くなってきました。
飯塚は冬は寒いですが、夏は県内でも高温になりやすい地域です。
これからは夏の漢方が増えることと思います。
 
外には蝉がたくさん鳴くようになりましたので、こんなものも沢山目にします。
 
蝉退(せんたい):セミのぬけがら
解熱、鎮静、鎮痙作用があり、痒みを止める。
消風散に含まれる。
 
夏の暑い時期は脱水、熱中症、そして冷え性が多くなります。
気をつけましょう。
 
<第68回に本東洋医学会学術総会の御報告>
当科の田原部長が学術奨励賞を受賞いたしました。
スタッフとして誇りに思います。
 
この日以降、部長の多忙に拍車がかかっていますので、少し心配しています。

Gです。

 

色々な締め切りに追われているうちにブログの更新を怠けてしまいました。

久しぶりの更新です。

 

新年度になり、D先生が退職されました。7年もの間、飯塚の漢方の発展に貢献されましたが、

今後は小倉のご実家を継承され、そちらで漢方の実践をされます。長い間、ありがとうございました。

 

それと時を同じくして、M先生が当科のメンバーに加わりました。

かなり毛色の異なる先生で、これから面白いことが起こる予感がしています。

短期間で馴染みすぎて、もういつからいるのかわからない状態になっています。

 

私自身は、外来の患者さんも増えてきていて、やりがいを感じています。

劇的な効果を認めた症例には歓喜し、難渋する症例には肩を落とす、浮き沈みの激しい生活です。

充実していると思います。

 

この時期の漢方診療科のスタッフはくたびれています。

それは、東洋医学会の総会前だからです。

皆でガヤガヤいいながらスライドのチェックをして、書き換えての時期であり、

それなりにくたびれます。

チェック&修正が終わると、皆満足して学会に向かえます。

(そして、学会前にすでに学会ロスのような感じになってしまいます)

 

名古屋の学会では、遠方の方とお会いできるのを楽しみにしています。