医学ニュースの深層 -31ページ目

5~9歳のインフル脳症13倍に…昨年7月以降

特集 新型インフルエンザが流行した昨年7月以降のインフルエンザ脳症は、
5~9歳の年齢層で100万人当たり25・5人を超え、
2008年(1・9人)の約13倍に上ったことが国立感染症研究所の調べでわかった。

 脳症患者は例年、0~4歳の割合が高いが、

新型インフルエンザ流行期には5~9歳が最も多く、

季節性インフルエンザより発症年齢が高かった。

 感染研によると、脳症の報告数は1月27日までで285人。

このうち新型が240人(84%)で、残りはA型38人、B型1人、不明6人だった。



 さらに、07年、08年、新型インフルエンザが全国的に流行する前の09年7月5日までの患者数を、それ以降と年齢層別に比較。5~9歳の人口100万人当たりの患者数は、07年、08年、09年前半はそれぞれ3・2人、1・9人、2・6人だったが、流行以降は25・5人と大幅に増えた。

 患者の予後は、回答があった118人のうち、96人は回復したが、8人が死亡、14人に後遺症が残った。(読売新聞)



コメント:


 インフル脳症については、以前、詳しく書いたので(12月10日)、

そちらの記事を参照してください。

健康被害救済に15人申請 新型インフルワクチン

 厚生労働省は5日、新型インフルエンザワクチンの副作用で健康被害が生じた場合に国が補償する救済制度に対し、1月末までに15人が申請したことを明らかにした。医師らで構成する審査会が接種と被害の因果関係を認めれば、医療費や障害年金、遺族一時金などが支給される。

 健康な成人へのワクチン接種は、最後に残っていた島根県が5日に開始し、全都道府県での実施となった。

 また同省は、新型インフルエンザの流行状況について、すべての年代で患者数が減少か横ばいの状態にあることを明らかにした。1月31日までの1週間に新たに医療機関を受診した患者数は推計約35万人。このうち前週に増加した5~9歳は10万人から8万人に、10~14歳も7万人から6万人に減ったという。(共同)



コメント;


 新型インフルの減少傾向については、ここの記事どおりの推移を見せている。

ただし、まだ、注意報レベルを維持している自治体も、多数あり、季節インフル(A型、B型)の増加も考えれば、引き続き注意が必要なことは変わりない。


 そして、新型インフルワクチンで不幸にも災難にあった人の存在は忘れてはならない。さあ、担当委員会が、どこまで「因果関係」を認めるのでしょうかね?


 私としては、ここでも、再三、問題を指摘しだした頃、まだ、「高齢者・基礎疾患あり」のかたは中断などの措置を、あれほどの犠牲者が出ているにも関わらず、とらなかった政府の対応を社会的に問い、場合によっては、裁判でケリをつけたほうがいいと思うが・・・。まあ、今の、ヘタレ「民主党」のHCV訴訟で「ご活躍」だった国会議員さんは、こういうことをちゃんと勉強してるのかな?



「次のインフル」としてのB型インフルエンザ

 今年に入ってから、インフルエンザ感染者中でB型インフルエンザ感染者の割合が、緩やかであるが上昇傾向にある。年始は、0.7%だったが、1月最終週には1.4%になった。


 例年、B型は小規模の流行をおこします。

およそ、今年も、3月中旬が流行の目処になるでしょう。


 さて、このB型、A型とほぼ同様の症状だが、特に、子供と高齢者では、消化器症状の発現率がA型よりは高く、また、他の年齢層よりは子供と高齢者での重症化率は高い傾向にあります。また、子供では筋肉痛の症状も注意事項。


 あと、重要なことですが、すでに新型インフルを含むA型に罹ったからといっても、B型には、しっかり罹ります。年に2回以上もインフルエンザでつらい思いをする人が、それなりの数にのぼるでしょう。


 B型は、新型インフルを含むA型ほどには、タミフルは効き難いです(両方に効果ありと言われてはいますが・・・)。今年は、また、そういう傾向が強く出るかもしれません。

 その意味で、ここで紹介した、2つの新薬(1つは承認、もう1つは未承認)に期待がかかる。ただ、後者の未承認薬の承認は、3月中旬を過ぎるだろうから、実際、臨床では前者に比重がかかるかな・・・。


 まっ、体調がすぐれないなと思ったら、早目に医療機関にいってくださいね。


 以上、参考にしてくださいませ(・∀・)

大豆食品で肺がんリスク低下 非喫煙男性、厚労省研究班

 たばこを吸わない男性では、豆腐や納豆などの大豆食品に含まれるイソフラボンの摂取量が多い人が肺がんになるリスクは、摂取量が少ない人の半分以下だとの研究結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)がまとめ、5日公表した。

 研究班は岩手、秋田など8県に住む45~74歳の男女約7万6千人を平均約11年間、追跡調査。男性481人、女性178人が肺がんになった。食事内容のアンケートからイソフラボンの摂取量を算出し、男女をそれぞれ4グループに分け、肺がんの発症率を比較した。

 男性のうち、非喫煙者では、イソフラボン摂取量が最も多いグループ(豆腐換算で1日約203グラム)の発症率は、最も少ないグループ(同約37グラム)の43%だった。

 研究班によると、肺がんと女性ホルモンの関係を指摘する報告があり、女性ホルモンと構造が似ているイソフラボンの摂取が肺がん発症に影響するか注目され、今回と同じようにイソフラボンの摂取で肺がんリスクが下がることを示唆する海外の報告があるという。

 ただ同センター予防研究部の島津太一研究員は「肺がんの最大の原因はやはりたばこだ」と話している。

(共同)



コメント;


 直近の「塩」の「しょっぱい」報告(笑)よりは、興味深いな。

しかし、「(豆まきの)節分の時期」及び「湯豆腐などの豆腐入りの鍋物の季節」にタイムリーな発表をされるなあ(笑)・・・と感心しています。


 なんせ、今回のネタは、数年前、TV番組の「あるある」事件で話題になったイソフラボンだしね(笑)。でも、この研究のデザインは、まずまず信頼性が高い方法ですので参考にはなります。


 ただ、あくまでも、ご利益のある方は豆腐や納豆を常食する「非喫煙者(男性)」であり、その方たちの「非喫煙関連の肺がん」が減少するということ。


 なお、われわれは、以前、喫煙関連の肺がんで過剰発現する分子を発見しましたが、その分子は、きっと「イソフラボン」や「女性ホルモン」では抑制できないのでしょうね。


 でも、抑制できる薬は開発されているから、速いこと喫煙関連の肺がん患者さん対象で臨床使用したいもんだ。

やっぱり「塩」だよなの続編;循環器疾患やがん発症、塩分取りすぎで高リスク 厚労省研究班

 厚生労働省研究班(主任研究者=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)は4日、1日の間に摂取する塩分が多い人は循環器疾患になるリスクが最大で19%高くなるとする研究結果を発表した。また、高濃度の塩分を一気に取り込んでしまう塩漬け食品などを多く食べる人は、がんの発症リスクが最大15%高まることもわかった。

 がん、循環器疾患の既往歴がない45~74歳の約8万人を8年間、追跡調査した。この間に4476人ががんと診断され、2066人で脳卒中や心筋梗塞(こうそく)など循環器疾患を発症した。

 食生活などを聞き、1日の食塩摂取量を最も多い(1日17.8グラム前後)から最も少ない(1日7.5グラム前後)まで5グループに分けて調べた。最多グループは最少グループに比べ、循環器疾患にかかるリスクが19%高いことがわかった。塩分の多量摂取が血圧の上昇を招き循環器疾患を起こしやすくなったとみられる。(日経)。



コメント;


 直近の2つの記事の続編です。

やっぱり塩分の「過剰摂取」 が、生活習慣病・(生活習慣病の1種としての)がんのリスクを増大させるという・・・「当たり前」のことですね。

やっぱり「塩」だよなあ

 米国の研究グループは20日、米国民が塩分摂取量を1日3グラム減らした場合、1年で最高6万6000件の脳卒中と9万9000件の心臓発作を防ぐことができ、9万2000人の命が救われる可能性があるという研究結果を発表した。医療費も年間240億ドル(約2兆2000万円)削減できるという。
 研究に参加した米カリフォルニア大学サンフランシスコ校のKirsten Bibbins-Domingo博士らは、喫煙を50%削減する効果に匹敵する効果があると見ており、減塩で肥満の割合も著しく低下するとしている。
 米国では、高血圧や心疾患の一因にもなる塩が過剰に使われることも多く、塩分の75%─80%は加工食品から摂取されている。米国人男性の1日あたりの平均摂取量は10.4グラムで、女性は7.3グラムとなっており、増加傾向にある。
 医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」に掲載されたこの研究は、米政府が塩分摂取量を減らすためのプログラムを実行した場合、プログラムの費用1ドルあたりの医療費削減効果は6─12ドルになるだろうと指摘している。(ロイター)



コメント:


 やっぱり塩だよなあ(笑)。

まあ、塩分も脂肪も、ガンガン摂ってるからなあ、米国人は。

もし本気で減らせば、上記のような効果がでるだろう。


もし、米国人が、本気で「取り組む」ならばな(笑)。




塩蔵食品でがんリスク高まる 「控えめに」厚労省研究班

 塩漬けにした魚や干物、たらこなどの塩蔵食品をたくさん食べる人は、胃がんだけでなく、がん全体のリスクが高まるとの研究結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が4日、公表した。

 津金部長は「胃がんが中心とみられるが、がん全体のリスクを左右するほど塩蔵食品の影響は大きいと考えられる。食べるのを控えれば、がんのリスクを下げることができる」と話している。

 岩手、沖縄など8県の45~74歳の約8万人を平均約8年間、追跡調査。4476人ががんと診断され、2066人が脳卒中や心筋梗塞などの循環器疾患を発症した。食生活に関するアンケート結果から、塩蔵食品や、こうした食品を含む塩分すべての摂取量によって5グループに分け、病気との関係を分析した。

 がんのリスクは、塩分摂取量による違いはほとんどなかったが、塩蔵魚や干物を最も多く食べるグループ(1日当たり61グラム)は最も少ないグループ(同0・8グラム)の1・11倍、魚卵では最多グループ(同7・3グラム)は最少グループ(同0グラム)の1・15倍だった。(共同)


コメント:


 医学部での疫学の授業では、最初のほうで、日本で「脳卒中」が減少した理由として「冷蔵庫の普及」が最たるものの1つだと習う。冷蔵庫がないから塩蔵食品に頼る地域の住民では、特に「脳卒中」の罹患率・死亡率が高かったが、普及後、減少に転じたから。


まあ、癌も「生活習慣病」の1種だから、そういう結果になりそうなことは予想できるが、「塩分摂取量」ではなく「塩蔵食品」の量というのは、ちょっと?だ。


 今や、塩蔵食品は、(あらゆる種類の)癌リスクを上げるということだが・・・。

 「塩蔵食品」中に含まれる成分中で何が悪いのかが不明・・・塩ではないらしいからな(笑)。


 「ガンガン」このようなものを食べなくてもいいが、絶対悪いとは言い切れない。

適度なら、ぜんぜん構わないと思うよ。

私にとっては、「小沢氏不起訴」<<<白血病再発の仕組み解明

 慢性骨髄性白血病が治療薬の効果を妨げ、再発する仕組みを、金沢大がん研究所の平尾敦教授らが解明し、4日付英科学誌ネイチャーに発表した。特効薬の効果を向上させる新たな治療法の開発につながる可能性があるという。

 慢性骨髄性白血病は、がん化した白血球が異常増殖する病気。治療薬としてメシル酸イマチニブ(商品名グリベック)が広く使われるが、白血病細胞のもとを完全には排除できず、一部の患者で投薬中止後に再発することが課題となっていた。

 平尾教授らは白血病細胞を生み出す「幹細胞」をマウスの実験で分析。「FOXO」という遺伝子が活性化して白血病細胞の産出を促し、グリベックの効果を弱めていることを突き止めた。

 さらに、FOXOの活性化には「TGFベータ」と呼ばれるタンパク質が関与していることも判明。このタンパク質の働きを阻害しグリベックを投与したところ、グリベックだけのときに比べ、90日目の生存率が約34%高かったという。(共同)


コメント:


 まあ、(いちおうの)「不起訴」で「小沢氏問題」が終わったわけではないので、その話は、後回し・・・。それから重要な「次のインフルエンザ」の話は、今日、午後に立て込んでいる研究の打ち合わせが一段落し、学会準備が終わってからにするね。


 さて、久々に明るいニュースだ。グリベック抵抗性を持つ慢性骨髄性白血病の患者さんにとっては、特に。


 それにしても、TGFベータ阻害剤・・・iPS細胞でも、がん幹細胞でも、そして今回のNewsでも、「癌関係のネタ」では、最近、大活躍だな(笑)。

さて、次のインフルエンザは・・・

そろそろ、「次の」インフルエンザについて詳述しておいたほうがいいな・・・。

Mediaが、取り上げる前に・・・。


待て、次号!(笑)


小沢氏が不起訴の方向?・・・まだ「わからんよ」

 TBSと各紙が、「不起訴の方向」と書いているが、必ずしも、全紙一致していない。

まあ「政治資金規正法」では立件が困難だというので、「不起訴」という解釈になっているようだが・・・。


 まあ、今回の事件・・・ここというときの「報道」は、すべて「逆の結果」になってるし、

さらに、過去には「不起訴→脱税→逮捕」された「金丸氏」の例もあり、まだまだ「わからない」よ(笑)。


 明日、4日には、大きな動きがあることは事実だけど(笑)。


 まあ「悪」は、裏に回るより、表にいてくれていたほうが、ある意味、対処しやすい。

結果がどうであれ、小沢氏は「自身の本音の政策」を語って貰いたいもんだ。


 外国人参政権など、そんな優先順位の著しく低い、へたすれば「悪の枢軸国家」に、この国がのっとられる危険のある法案は、断固拒否するし、

他にも、「Definitive No !」(ちなみに、前 合衆国大統領のブッシュ氏が、ヒトES細胞研究に対して、こう述べていた。)な「売国、殺人政策」は、数々あるが。