Q4 事故災害対策 600字
BCPを策定する際、発災後に活用できるリソースをあらかじめ把握しておくために実施するべき事柄を複数挙げ、その内容を説明せよ。
【解答例】
水道事業者は、自然災害により被災した場合でも給水を継続するため、BCPを策定する必要がある。
BCPを策定するにあたっては、事業影響度分析を行い、発災時でも優先的に継続するべき重要業務を抽出するとともに、目標復旧レベルや目標復旧時間を検討する。その上で、重要業務を遂行するために必要なリソースを明確にする。さらに、発災後に活用できるリソースを把握するため、以下の(1)から(4)に関する被害想定を行い、代替措置を確保する。
(1)災害対応拠点等の施設
災害対応拠点は、施設の耐震性、耐水性等を調査し、地震、洪水浸水、土砂災害等における被害状況を把握する。その上で代替拠点を用意する。
(2)職員
災害等の被害想定を踏まえ、非常時において参集できる人員を見極め、重要業務を遂行するための体制を確保する。重要な役割を担う者が参集できなかった場合に備え、代行者を決定した上で、権限委譲の準備や訓練を実施する。
(3)重要情報
火災等により施設図面、配管図、給水台帳等の台帳情報が喪失した事態を想定する。紙媒体から電子媒体への移行を進め、バックアップを確保する。
(4)ライフライン
災害対応拠点は、施設で停電等が発生した事態を想定する。その上で自家用発電設備等を整備する。
●出題者のコメント
BCPに関する問題は出題されたことがありません。
しかし、令和2年度は、リスクマネジメントが出題されましたが、これはこれまでに出題されていないテーマです。
自然災害や公共施設の事故の発生を踏まえ、危機管理に注目が集まっています。
そう考えると、BCPについては、新水道ビジョンにおいても言及されているので、そろそろ出題されてもいい頃だと思います。
BCPについては、維持管理指針にも掲載があります。
ただし、内容がリスクマネジメントと重複しており、総論的なものだったので、問題文に加工しにくいです。
そこで、「下水道BCP策定マニュアル」から、問題を作ってみました。
リソースとは、施設、職員、情報、ライフラインの4つです。
これらの活用に制約があるわけですから、代替措置を講じることがBCPのポイントになります。
自分で言うのもなんですが、なかなかいい問題です。
この問題は1枚物(600字)ですが、策定の手順等を入れて2枚物の問題でも良かったかもしれません。
令和3年度の予想問題ですが、Q2はNBCテロ、Q3は自家発電設備、Q4はBCPに関する問題にしました。
災害事故対策は、とても重要なので、毎年、出題されてもおかしくないテーマです。
勉強しておくべきですね。
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●技術士の勉強法
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●二次試験の予想問題
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●過去問と解答例
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