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「Think clearly」
この本の作者は、ビジネス書の要約を提供する会社を作った方です。
多くのベストセラーを出しています。
この本には、いい人生を送るための52の思考法が書いてあります。
●think clearly
「Think clearly」の和訳は「ちゃんと考える」です。
何についてちゃんと考えるべきなのか?
いい人生を送ることについてです。
作者は、この書籍の中で、
①心理学
②哲学(中でもストア派)
③投資術
この3つを組み合わせた思考法について説明しています。
ここでは興味深いものをいくつか紹介します。
●適切解の見つけ方
この本には、効率的にグッドプランを見つける方法が書いてあります。
ネイピア数eと、選択肢の総数Nを使って決定する方法です。
ネイピア数eは自然対数の底です。
2.718......になります。
例えば、何らかのプランが100個あったとします。
総数N=100です。
①〜③の手順でグッドプランを見つけだします。
①N/e
N/e=100/2.718=37 を算定。
②ベスト・オブ・N/e
37個のプランの中からベストを決定。
これを暫定プランと呼びます。
③暫定プラン vs 残りのプラン
暫定プランと残りのプランを比較。
暫定プランを上回るプランが出現。
この最初のプランを発見した時点で比較は終了。
このプランがグッドプラン。
例えば、100組の漫才師がいたとします。
37組まで終わったときの最高得点が暫定王者。
この暫定王者それよりもいい点数をはじき出した最初のコンビが「キングオブ漫才師」になります。
残りの漫才師の中にすごいコンビが存在するかもしれないです。
でも、それを追い求めるよりは、グッドなコンビを合理的に発見することを重視するわけです。
これは、全ての選択肢を検討するのではなく、一部の選択肢の中から適切解を決定する方法です。
この本の中には、次のようなことが言及されています。
「考えるだけで先に進めないことがある。思考の飽和点をとっくに過ぎていても、つい考えすぎてしまう。」
「数学のような正確さが大事なのではなく、明らかに間違っているよりは、概ね正しい方がいい。」
つまり、最適解を追い求めて思い悩むより、早い段階で適切解を手に入れて、行動に移すことが大切なんです。
●今この瞬間と自分の内側に目を向ける
作者が読者に問いかけます。
「あなたにとって、想像できる限りの最高の経験とは何だろうか?」
「その最高の経験に、あなたはいくら払えるだろうか?」
最高の経験と金額をメモするよう指示があります。
そして、次の質問です。
「その最高の経験をしても、何一つ記憶に残らないとしたら、あなたはいくら払うだろうか?」
この質問をすると、多くの人は、記憶に残らないのであればお金を払いたくない と言うそうです。
記憶に残らなくても、その経験には価値があるはずです。
しかしながら、多くの人は、思い出に残らないのであれば、その経験に価値がないと判断するわけです。
これは何を意味するのか?
僕らは、今この瞬間ではなく、過去を大切にするわけです。
また、別のページでは、こんな質問があります。
「あなたとあなたの同僚に対して、仕事の成功に対して、ボーナスが支払われるとする。
次の❶と❷のどちらを選ぶか?」
「❶あなた一人に120万円が支給される」
「❷あなたに180万円、同僚に250万円が支給される」
多くの人は、❶を選ぶそうです。
❷の方が支給される金額は多いにも関わらず、❶を選ぶんです。
これは何を意味するのか?
僕らは、誰かとの物質的な成功の比較により、自らの幸せを評価しているわけです。
例えば、学生時代に何らかの大会で金賞を受賞したします。
これは、他の誰よりも評価された証であり、過去の栄光の思い出です。
これにより、妙なプライドができてしまい、新たな作品を創作することができなかくなったとします。
過去の思い出に浸ってしまい、今現在、何かに挑戦できなくなったとします。
これは健全な状態ではありません。いろいろと悩むことになります。
僕らは、過去を大切にして、誰かとの物質的な成功の比較で自らの幸せを評価します。
そして、このことが様々な悩みのタネになるわけです。
では、いい人生を送るためにはどうすればいいのか?
作者はこんなことを言っています。
「あなたがどこに注意を向けるかで、あなたが幸せを感じるかどうかが決まる」
では、どこに注意を向けるべきか?
過去を大切にして、誰かとの物質的な成功の比較で自らの幸せを評価することが悩みのタネになります。
そうなのであれば、この逆の部分にフォーカスを当てればいいことになります。
つまり、
今この瞬間に目を向け、自分の内側に目を向ける
●楽しい事と有意義な事
以下の①〜⑥の行為は、この本に掲載されたものをちょっとアレンジしたものです。
①ビールを飲む
②ビーチで海水浴
③異性とデートする
④地球温暖化対策を考案する
⑤高齢者の代わりにボランティア清掃
⑥新人用の業務マニュアルを作る
これらは、どれくらい楽しいでしょうか?
5段階で評価をしてみてください。
多くの人は、①〜③は3点以上で、④〜⑥は3点以下になります。
次に、別の質問です。
①〜⑥の行為について、人生で意義のあるかどうか5段階で評価してください。
おそらく、多くの人は、①〜③は3点以下で、④〜⑥は3点以上になると思います。
僕らの行為には、欲求を満たす行為と意義を満たす行為、二種類があるようです。
作者は、楽しいこと、意義のあること、どちらかだけが大切なのではなく、これら両方が大切だと言っています。
では、幸せになるためには、楽しいこと、意義のあること、どちらを優先すればいいのか?
幸いにも、これら2つはトレードオフの関係ではありません。
どちらかを選ぶと、そうではないほうの何かが損なわれるわけではないんです。
これら2つ両方とも得ることが可能なんです。
例えば、①と⑤を組み合わせて、「高齢者の代わりにボランティア清掃をした後、ビールを飲む」というようなことが可能なんです。
つまり、
楽しいこと、意義のあることのバランスをとることにより、いい人生を送ることが可能になる
わけです。
そして、
今この瞬間に目を向け、自分の内側に目を向けることを大切する
わけです。
なるほどですね。
Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法
1,800円
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