勉強本を紹介「脳にまかせる勉強法」:214冊目 | 技術士を目指す人の会

技術士を目指す人の会

勉学を通じて成長をナビゲートする講師。
2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

本日ご紹介する本はこちら。

 「脳にまかせる勉強法

 

●記憶術とはどんなものか

記憶に関する書籍はいろいろあります。

こうした書籍には、無秩序に並んだ単語や数字を記憶する方法が述べられています。

例えば、「富士山」、「ブドウ」、「325」、「アタナシウス派」、「サッカー」、「馬」といった単語を記憶するとします。

これらの単語を、以下のようなストーリを作って、映像をイメージすれば、記憶に残りやすいです。

 

「富士山」で「ブドウ」を食べている「325(森ミツコ)」は「アタナシウス派」で、「サッカー」をした後、「馬」に乗って下山した。

 

325は語呂合わせで、3(ミ)2(ツ)5(コ)にしました。

それから、アタナシウス派という見慣れるぬ単語があります。

これを記憶するなら、アタ、ナシ、ウスの文字を区切って、以下のようイメージ化してやれば、記憶しやすいです。

当たった(アタ)梨(ナシ)を臼(ウス)に入れる。

 

こうした記憶術は、単語や数字を記憶する際は、とても便利な方法です。

ただし、具体的な内容を記憶する際は、そこまで有効ではないです。

先程の単語の中で、アタナシウス派というのがありました。

アタナシウス派というのは、世界史で登場する単語です。

キリスト教は2つの考え方があって、アタナシウス派は「キリスト=神」、アリウス派は「キリスト≠神」です。西暦325年、アタナシウス派はニケーア会議においてキリスト教の正統派になったものです。

 

例えば、次のような問題があったとします。

Q1 西暦325年、アタナシウス派はニケーア会議においてキリスト教の正統派になったものは何?

 

この答は、アタナシウス派 です。

これならば、単語だけを憶えていても答えることができるでしょう。

でも、アタナシウス派について説明せよ?って聞かれたら、これは答えることができません。

 

つまり、単語は憶えたけど、意味がわかっていない という状況に陥ります。

 

学校の期末試験とかであれば、単語を憶えるだけでいいのかもしれません。

しかし、大人になると、単語だけ憶えたけではダメです。

意味がわかったうえで、その知識をちゃんと使えないと、資格試験や実社会の中では活用できません。

 

では、単語や数字ではなく、ちゃんと内容を憶えるためには、どうすればいいのか?

その方法を提示するのがこの書籍の主題です。

 

 

●脳にまかせるとは

この本の作者は、記憶力日本選手権大会で優勝した方です。

この本には、上述のような記憶術についても説明されていますが、メインは脳にまかせる記憶術に関することです。

 

では、脳にまかせるとは何を意味するのか?

それは、脳の仕組み踏まえて勉強することなのだそうです。

 

脳というのはは、ある情報が繰り返しインプットされると、それを重要だと判断するのだそうです。

また、情報をインプットした時、何らかの感情が伴うと、それを重要だと判断します。

つまり、勉強を楽しいものにして繰り返し復習するべきだというわけです。

それから、情報を記憶するならば、まずは憶えようとする意志を持つことが重要なのだそうです。

のんべんだらりと参考書を読んでも憶えれません。

やるからには憶えよう、そういう覚悟が必要です。

そして、実際に憶えて、思い出して、それが正しいかどうか確かめるという作業が必要があります。

だから、記憶する時には、集中しなければならないわけです。

 

それでは、この本に書いてある、脳にまかせる記憶術について説明します。

この記憶術は、「3回転読む」と「1分間書く」で構成されています。

まずは、「3回転読む」についてです。

例えば、5ページの資料の内容を憶える必要があったとします。

その時、通しで読むのではなく、以下のように、行ったり来たりしながら読むのだそうです。

❶P1

❷P1+P2

❸P1+P2+P3

❹    P2+P3+P4

❺        P3+P4+P5

➏           P4+P5

❼              P5 

これが1回転目です。分からないところは飛ばして、できるだけ早く読むことを意識するのだそうです。

次に2回点目。これは通しで読みます。さらに、早く読むことを意識します。

最後に3回点目。これで内容を憶えることができるのだそうです。

1回転目で3回読むので、トータルでは5回読むことになります。

 

次に「1分間書く」です。

憶えたことを、1分間、書き出します。

1分間はタイマーをセットします。

書き出すのは、単語ではなく、文章です。

例えば、先程の5ページの資料であれば、何らかのテーマについて書かれているはずです。

そのテーマについて憶えていることを、主語と述語が整った文章を書き綴るです。

思い出せないことがあっても、手を止めずに、書き続けることが重要なのだそうです。

間違っていたところ、抜けていたところを確認して、それを補完した文章を書く、これで終了です。

 

僕も、似たようなことをやっています。

スタディサプリで世界史の勉強をしているんですが、前回の講義を2倍速で見た後で、今回分の講義を受講します。

やっぱり、行ったり来たりするのがいいです。

その後、勉強したことを体系化して説明できるようノートを作ったりします。

この方法のメリットは、比較的、短期間で全部受講を聴講でき、その科目全体の流れを理解できる点です。

デメリットは、流れが見えるだけで、単語や年号を憶えていないので、記述式の試験にはまったく対応できないです。

しかも、理解したと思っていた内容も、すぐに忘れてしまいます。

せっかく勉強したのに、、、、という気持ちになります。

 

本日ご紹介した書籍では、先程も説明したとおり、参考書等を3回転読み、1回転目は行ったり来たりしながら3回読むことを推奨しています。記憶に残したいなら、復習の回数を増やす必要があるわけです。

でも、作者は優秀な方だから、3回転で憶えることができたかもしれないけど、凡人たる我々がやるとうまくいかないかもしれない、そう思うかもしれません。

しかし、こうした不安というのは、これから待ち構えている労力を逆算して、躊躇しているだけなんです。

本気で憶えたいなら、3回転で成果が得られないなら、4回転でもいいわけですから。

しんどいなら、少しずつでもいいからやればいいわけですから。

 

あらゆることに言えることですが、自分にあった方法というのがあります。

だから、いろいろ試してみる、そして自分にあった方法を探し当てるのが一番だと思いますね。

 

 

★具体的な勉強法

いつ、どこで、誰が、何を、どうやって、なぜ、勉強するのか、整理しておきます。

①When:朝(10時まで)、夕方(午後4時まで)、15分単位で区切る
②Whrere:

③Who:社会人

④What:-
⑤How:記憶術(共通点や規則性を探す、ストーリーにして憶える、語呂合わせ、聴覚感覚嗅覚を組みわせる)、人に教える、瞑想、運動、耳栓
⑥Why:-
⑦モチベーション:勉強の成果を可視化する、目標を紙に書く

 

 

※213冊目は「ムダにならない勉強法」。これを見たい方は、こちら をクリックしてください。

※212冊目は「勉強法以前の勉強体質のつくり方」。これを見たい方は、こちら をクリックしてください。

※211冊目は捨てる勉強法」。これを見たい方は、こちら をクリックしてください。

※210冊目は10年後を生き残る最強の勉強術」。これを見たい方は、こちら をクリックしてください。