本日ご紹介する本はこちら。
「脳にまかせる勉強法」
●記憶術とはどんなものか
記憶に関する書籍はいろいろあります。
こうした書籍には、無秩序に並んだ単語や数字を記憶する方法が述べられています。
例えば、「富士山」、「ブドウ」、「325」、「アタナシウス派」、「サッカー」、「馬」といった単語を記憶するとします。
これらの単語を、以下のようなストーリを作って、映像をイメージすれば、記憶に残りやすいです。
「富士山」で「ブドウ」を食べている「325(森ミツコ)」は「アタナシウス派」で、「サッカー」をした後、「馬」に乗って下山した。
325は語呂合わせで、3(ミ)2(ツ)5(コ)にしました。
それから、アタナシウス派という見慣れるぬ単語があります。
これを記憶するなら、アタ、ナシ、ウスの文字を区切って、以下のようイメージ化してやれば、記憶しやすいです。
当たった(アタ)梨(ナシ)を臼(ウス)に入れる。
こうした記憶術は、単語や数字を記憶する際は、とても便利な方法です。
ただし、具体的な内容を記憶する際は、そこまで有効ではないです。
先程の単語の中で、アタナシウス派というのがありました。
アタナシウス派というのは、世界史で登場する単語です。
キリスト教は2つの考え方があって、アタナシウス派は「キリスト=神」、アリウス派は「キリスト≠神」です。西暦325年、アタナシウス派はニケーア会議においてキリスト教の正統派になったものです。
例えば、次のような問題があったとします。
Q1 西暦325年、アタナシウス派はニケーア会議においてキリスト教の正統派になったものは何?
この答は、アタナシウス派 です。
これならば、単語だけを憶えていても答えることができるでしょう。
でも、アタナシウス派について説明せよ?って聞かれたら、これは答えることができません。
つまり、単語は憶えたけど、意味がわかっていない という状況に陥ります。
学校の期末試験とかであれば、単語を憶えるだけでいいのかもしれません。
しかし、大人になると、単語だけ憶えたけではダメです。
意味がわかったうえで、その知識をちゃんと使えないと、資格試験や実社会の中では活用できません。
では、単語や数字ではなく、ちゃんと内容を憶えるためには、どうすればいいのか?
その方法を提示するのがこの書籍の主題です。
●脳にまかせるとは
この本の作者は、記憶力日本選手権大会で優勝した方です。
この本には、上述のような記憶術についても説明されていますが、メインは脳にまかせる記憶術に関することです。
では、脳にまかせるとは何を意味するのか?
それは、脳の仕組み踏まえて勉強することなのだそうです。
脳というのはは、ある情報が繰り返しインプットされると、それを重要だと判断するのだそうです。
また、情報をインプットした時、何らかの感情が伴うと、それを重要だと判断します。
つまり、勉強を楽しいものにして繰り返し復習するべきだというわけです。
それから、情報を記憶するならば、まずは憶えようとする意志を持つことが重要なのだそうです。
のんべんだらりと参考書を読んでも憶えれません。
やるからには憶えよう、そういう覚悟が必要です。
そして、実際に憶えて、思い出して、それが正しいかどうか確かめるという作業が必要があります。
だから、記憶する時には、集中しなければならないわけです。
それでは、この本に書いてある、脳にまかせる記憶術について説明します。
この記憶術は、「3回転読む」と「1分間書く」で構成されています。
まずは、「3回転読む」についてです。
例えば、5ページの資料の内容を憶える必要があったとします。
その時、通しで読むのではなく、以下のように、行ったり来たりしながら読むのだそうです。
❶P1
❷P1+P2
❸P1+P2+P3
❹ P2+P3+P4
❺ P3+P4+P5
➏ P4+P5
❼ P5
これが1回転目です。分からないところは飛ばして、できるだけ早く読むことを意識するのだそうです。
次に2回点目。これは通しで読みます。さらに、早く読むことを意識します。
最後に3回点目。これで内容を憶えることができるのだそうです。
1回転目で3回読むので、トータルでは5回読むことになります。
次に「1分間書く」です。
憶えたことを、1分間、書き出します。
1分間はタイマーをセットします。
書き出すのは、単語ではなく、文章です。
例えば、先程の5ページの資料であれば、何らかのテーマについて書かれているはずです。
そのテーマについて憶えていることを、主語と述語が整った文章を書き綴るです。
思い出せないことがあっても、手を止めずに、書き続けることが重要なのだそうです。
間違っていたところ、抜けていたところを確認して、それを補完した文章を書く、これで終了です。
僕も、似たようなことをやっています。
スタディサプリで世界史の勉強をしているんですが、前回の講義を2倍速で見た後で、今回分の講義を受講します。
やっぱり、行ったり来たりするのがいいです。
その後、勉強したことを体系化して説明できるようノートを作ったりします。
この方法のメリットは、比較的、短期間で全部受講を聴講でき、その科目全体の流れを理解できる点です。
デメリットは、流れが見えるだけで、単語や年号を憶えていないので、記述式の試験にはまったく対応できないです。
しかも、理解したと思っていた内容も、すぐに忘れてしまいます。
せっかく勉強したのに、、、、という気持ちになります。
本日ご紹介した書籍では、先程も説明したとおり、参考書等を3回転読み、1回転目は行ったり来たりしながら3回読むことを推奨しています。記憶に残したいなら、復習の回数を増やす必要があるわけです。
でも、作者は優秀な方だから、3回転で憶えることができたかもしれないけど、凡人たる我々がやるとうまくいかないかもしれない、そう思うかもしれません。
しかし、こうした不安というのは、これから待ち構えている労力を逆算して、躊躇しているだけなんです。
本気で憶えたいなら、3回転で成果が得られないなら、4回転でもいいわけですから。
しんどいなら、少しずつでもいいからやればいいわけですから。
あらゆることに言えることですが、自分にあった方法というのがあります。
だから、いろいろ試してみる、そして自分にあった方法を探し当てるのが一番だと思いますね。
★具体的な勉強法
いつ、どこで、誰が、何を、どうやって、なぜ、勉強するのか、整理しておきます。
③Who:社会人
世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる勉強法
1,512円
Amazon |
※213冊目は「ムダにならない勉強法」。これを見たい方は、こちら をクリックしてください。
※212冊目は「勉強法以前の勉強体質のつくり方」。これを見たい方は、こちら をクリックしてください。
※211冊目は「捨てる勉強法」。これを見たい方は、こちら をクリックしてください。
※210冊目は「10年後を生き残る最強の勉強術」。これを見たい方は、こちら をクリックしてください。