これは、フランシス・ベーコンが残した格言です。
「読む」ことは人を〇〇にし、
「話し合う」ことは人を〇〇にし、
「書く」ことは人を〇〇にする。
さて、〇〇には、どんな言葉が入ると思いますか?
先日、「ビジネスマンの父より息子へ30通の手紙」という本を読みました。
息子への手紙という形式で、働く者への助言が書き綴られています。
この本で、学ぶことの大切さを、フランシス・ベーコンの言葉を引用して説明してます。
先程、クイズ形式で紹介しました。〇〇に入る言葉は以下の通りです。
豊か
機敏
確か
フランシク・ベーコンの格言は、こうなります。
「読む」ことは人を豊かにし、
「話し合う」ことは人を機敏にし、
「書く」ことは人を確かにする。
この意味を考えてみます。
まずは、❶読むことは人を「豊か」にする。
これは、書籍を読めば、知識が豊かになるという意味でしょう。
読書をすれば心が豊かになるという意味にも解釈できます。
ちなみに、僕がビジネス本や自己啓発本を読み始めたのは、35歳くらいだったと思います。
ちょっと遅いデビューですが、読書のおかげで心が豊かになったと言い切れますね。
読む→豊か という展開は、解りやすいです。
次に、❷話し合うことは人を「機敏」にする。
これは、話し合うことができる人がいれば、一緒にやることができる。だから、行動できようになるという意味に解釈できます。
話し合うという言葉からイメージするのは、会議です。
多くの人が集まる会議になると、参加者の反対により、行動が難しくなることが多いような気がします。
話し合う→機敏 という展開はイメージしにくいです。
そう考えると、話し合うというは、会議ではなく、純粋な議論なのだと思います。
一般的に、研究や開発というのは、
仮説を立てる→試しにやってみる→結果を分析する→改善する
この繰り返しです。
基本的には独りでやるものですが、自らの仮設について話し合うことができる先生や仲間がいれば、自分の考えが整理されます。
そして、試しにやってみることが容易になります。
つまり、機敏な行動につながるわけです。
何をやるにせよ、良い対話というのが重要になるのだと再認識させれますね。
次に、❸書くことは人を「確か」にする。
これは、自分の考えを書いてまとめることによって、考えが確かなものになるという意味に解釈できます。
考えがまとまったから書くのではなく、書くことによって自然と考えがまとまってくるという意味なのかもしれません。
何を書くのかというと、著書、論文、企画書、設計書、報告書でしょうか。
「読む」がインプットなら、「書く」はアウトプットです。
インプットだけではなく、アウトプットが必要であることは間違いありません。
ただ、この格言は、書くことで人を確かにする、となっています。
自分の考えを書くことで、考えたことが整理され、それにより思想が出来上がるという意味なのかもしれません。
自分の考えをまとめるために書くのではなく、誰かに読んでもらって役立ててもらうために書き残すのであるから、書く目的が明確になれば、自ずと何をしたいのか明確になるという意味なのかもしれません。
書くことは重要なんです。
それから、この格言がフランシス・ベーコンによるものだということを踏まえて、もう少し深堀して解釈してみます。
そもそもですが、フランシス・ベーコンは帰納法の発案者として有名です。
帰納法は、様々な事例を集めて観察・分析することにより、法則を導き出す思考法です。
ベーコンは、法則を発見することで、科学が生まれ、科学が人間の生活は豊かで安全なものになると考えていました。
例えば、台風、落雷は、神様が起こしていると考えるのではなく、その現象を観察・分析すれば、台風や落雷の発生原因がわかり、そこから法則をつくることができる。そうすれば、予想、対策が可能になり、安全性を確保できるわけです。
「知は力なり」です。この言葉も有名ですね。
このことを踏まえると、
「読む」ことは人を豊かにするで、ベーコンが読むべきだとしたのは、小説、自己啓発書等ではなく、事実が綴られた過去の記録なのかもしれません。
「話し合う」ことは人を機敏にするで、ベーコンが話し合うこって欲しい人は当時の市民で、権力者や教会から植え付けられたイドラ(先入観)を捨てることにより、合理的な行動が可能になるという意味なのかもしれません。
「書く」ことは人を確かにするで、ベーコンが書いたのが「ノヴム・オルガヌム」であることを踏まえると、書くべきものは後世に残こすべき見識や記録なのかもしれません。
いろいろ考えさせられます。
この言葉は、素晴らしいなぁ、そう思いました。
というわけで、最後に、もう1回、書き記しておきます。
「読む」ことは人を豊かにする。
「話し合う」ことは人を機敏にする。
「書く」ことは人を確かにする。
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