本日、ご紹介する本はこちら。
「図解モチベーション大百科」
●実験結果から導き出される方モチベーションをアップする方法
作者は行動心理学の研究者です。
この書籍には、モチベーションアップの方法が記されています。
単に、作者の経験や一般論で語られるのではなく、心裡・行動に関する実験結果から導き出された方法です。
項目立てされているのは102の方法ですが、細かいものを含めると130以上の方法が掲載さえています。
そして、その全てに実験結果が付されています。これが説得力を生みます。
130以上の方法のうち、印象に残ったものをいくつか紹介します。
●断定よりも疑問
心裡・行動に関する実験が行われたそうです。
2つのグループに分かれた被験者に、それぞれ問題を解いてもらうんですが、直前の1分間、各グループ違うことをやってもらいます。
Aグループは、「私はやる」と自分に言い聞かせます。
Bグループは、「私はやるのか?」と自に問います。
さて、どちらのグループが多く問題を解いたのか?
実験結果は、Bグループです。
Bグループの方が、Aグループよりも、1.5倍の問題数を解いたそうです。
Aグループの人は、「私はやる」と言うことによって自分を鼓舞する人もいれば、主宰者から「私はやる」と言わされたと思い、白けた気持ちになっている人もいるってことなのでしょうね。
一方、Bグループの人は、「私はやるのか?」と自問します。実験に参加しているので、当然、答は「やるしかない」となるのでしょうが、「私はやる」と考えたのは自分の意志です。
自分の意志で決めたという背景がモチベーションをアップを生みます。
AグループとBグループで差が生じたのは、ちょっとした考え方で、モチベーションの差が生じた結果です。
断定するより質問することが、モチベーションアップにつながるというわけです。
●焦点の移動
また別の話ですが、ある業務に携わっているメンバーがいました。
そのメンバーは、その業務のことを面白くないと思っていて、何か工夫しても意味がないと思っています。
このメンバーを2つのグループに分けて、それぞれ異なる質問して、回答してもらいました。
Cグループには、「その業務について、なぜ、そう思うのか?」という質問です。
Dグループには、「そう考えることで、その業務にどう役立つのか?」という質問です。
C、D、両方とも質問形式です。
そて、どうなったか?
Cグループは、その業務が面白くない理由、工夫することがムダな理由を述べたそうです。
一方、Dグループの一部は、その業務を面白くする方法を考え始めたそうです。
Cグループは、できない原因を考え、Dグループは、できるようになるための方法を考えています。
問題が生じた原因と、解決するべき問題点は、同じです。
しかし、CグループとDグループでは、異なる思考が発生します。
問題が発生した際、WHY(なぜ?)と聞かると、問題が生じた原因を考えます。そして、その問題を解決できない理由をたくさん考えます。
一方、問題が発生した際も、HOW(どうやったらいい?)と聞かれると、問題の原因を見極めた上で、解決策を考え始めます。
HOWを考えることで、焦点が変わり、そのおかげでモチベーションがアップするというわけです。
●モチベーションのアップ
これら2つの話をまとめると、誰かのモチベーションをアップしたいのであれば、以下の質問をするべきです。
「どうやったらうまくかな?」
自分のモチベーションをアップしたいのであれば、以下のことを自問自答するべきです。
「どうやったらうまくいくのか考えるつもりはあるのか?」
もちろん、この後、うまくいくかどうかは別問題です。
うまくやるためには、具体的な手順を決める必要がありますし、実際に行動する必要があります。
しかしながら、どうやったらいいのか?という質問をすることで、はじめの一歩を踏み出すことができます。
行動する上でもっとも困難である、はじめの一歩を踏み出すことできるわけですから、モチベーションに関する有効な方法だと思いましたね。
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