ビジネス本を紹介「図解モチベーション大百科」 | 技術士を目指す人の会

技術士を目指す人の会

勉学を通じて成長をナビゲートする講師。
2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

本日、ご紹介する本はこちら。

 「図解モチベーション大百科

 

●実験結果から導き出される方モチベーションをアップする方法

作者は行動心理学の研究者です。

この書籍には、モチベーションアップの方法が記されています。

単に、作者の経験や一般論で語られるのではなく、心裡・行動に関する実験結果から導き出された方法です。

項目立てされているのは102の方法ですが、細かいものを含めると130以上の方法が掲載さえています。

そして、その全てに実験結果が付されています。これが説得力を生みます。

130以上の方法のうち、印象に残ったものをいくつか紹介します。

 

●断定よりも疑問

心裡・行動に関する実験が行われたそうです。

2つのグループに分かれた被験者に、それぞれ問題を解いてもらうんですが、直前の1分間、各グループ違うことをやってもらいます。

 

Aグループは、「私はやる」と自分に言い聞かせます。

Bグループは、「私はやるのか?」と自に問います。

 

さて、どちらのグループが多く問題を解いたのか?

 

実験結果は、Bグループです。

Bグループの方が、Aグループよりも、1.5倍の問題数を解いたそうです。

 

Aグループの人は、「私はやる」と言うことによって自分を鼓舞する人もいれば、主宰者から「私はやる」と言わされたと思い、白けた気持ちになっている人もいるってことなのでしょうね。

一方、Bグループの人は、「私はやるのか?」と自問します。実験に参加しているので、当然、答は「やるしかない」となるのでしょうが、「私はやる」と考えたのは自分の意志です。

自分の意志で決めたという背景がモチベーションをアップを生みます。

AグループとBグループで差が生じたのは、ちょっとした考え方で、モチベーションの差が生じた結果です。

断定するより質問することが、モチベーションアップにつながるというわけです。

 

●焦点の移動

また別の話ですが、ある業務に携わっているメンバーがいました。

そのメンバーは、その業務のことを面白くないと思っていて、何か工夫しても意味がないと思っています。

このメンバーを2つのグループに分けて、それぞれ異なる質問して、回答してもらいました。

 

Cグループには、「その業務について、なぜ、そう思うのか?」という質問です。

Dグループには、「そう考えることで、その業務にどう役立つのか?」という質問です。

 

C、D、両方とも質問形式です。

そて、どうなったか?

 

Cグループは、その業務が面白くない理由、工夫することがムダな理由を述べたそうです。

一方、Dグループの一部は、その業務を面白くする方法を考え始めたそうです。

 

Cグループは、できない原因を考え、Dグループは、できるようになるための方法を考えています。

問題が生じた原因と、解決するべき問題点は、同じです。

しかし、CグループとDグループでは、異なる思考が発生します。

問題が発生した際、WHY(なぜ?)と聞かると、問題が生じた原因を考えます。そして、その問題を解決できない理由をたくさん考えます。

一方、問題が発生した際も、HOW(どうやったらいい?)と聞かれると、問題の原因を見極めた上で、解決策を考え始めます。

HOWを考えることで、焦点が変わり、そのおかげでモチベーションがアップするというわけです。

 

●モチベーションのアップ

これら2つの話をまとめると、誰かのモチベーションをアップしたいのであれば、以下の質問をするべきです。

「どうやったらうまくかな?」

自分のモチベーションをアップしたいのであれば、以下のことを自問自答するべきです。

「どうやったらうまくいくのか考えるつもりはあるのか?」

 

もちろん、この後、うまくいくかどうかは別問題です。

うまくやるためには、具体的な手順を決める必要がありますし、実際に行動する必要があります。

しかしながら、どうやったらいいのか?という質問をすることで、はじめの一歩を踏み出すことができます。

行動する上でもっとも困難である、はじめの一歩を踏み出すことできるわけですから、モチベーションに関する有効な方法だと思いましたね。

 

 

 

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