![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240511/11/ichienkibito/49/14/j/o0810108015437228492.jpg?caw=800)
五円 木比克です。きょうは、2024年5月11日です。
きのう、【帰って来た橋本 治展】を見てきました。
それは、港の見える丘公園にある、神奈川近代文学館とゆう場所で。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240511/13/ichienkibito/0a/32/j/o0680059115437275689.jpg?caw=800)
エントランスの橋本 治パネル
わりと近所にある。
こないだも、ここで【小津安二郎展】を見た。
橋本 治は、もちろん小説家だったけども、「小津安二郎の映画の完成度」とゆうようなハナシを、それなりにしていた。
ああいう小説が書きたいと。日本人の日常みたいな。
小津リスペクト。はやいハナシがね。
小津安二郎 (1903 ~ 1963、60歳で死去) の同時代人で…
わたしが思い浮かべるのが、ご存じ久生十蘭 (1902 ~ 1957、55歳で死去)
つまり、と言っていいのか… わたしは小津安二郎の映画だったり
久生十蘭の小説だったりが大好きなんだけども。
彼らに会ったコトもないし、話したコトもない。
当たり前だろ。
それを言ったら、橋本 治 (1948 ~ 2019、70歳で死去) とだって、ハナシをしたコトなんかほぼないですよ。
サイン会などで、ファンとしてあいさつぐらいしたかも?
えーっと、【橋本 治展】のハナシでしたね。
いや、近所でやってたから見たよ、とゆうコト以外…
とくになんもありませんけどね。
家に帰ってから、『はじめての橋本治論』をパラパラめくって…
これは、さいきん出た本だけど。千木良悠子って人の書いた。
この人は誰なんだろう? よく知らないんだけども。
とにかくね、この人は、ちゃんと橋本 治論を書いたからエライよって思います。
わたしにはムリ!
それも当たり前っちゃ、当たり前だよ。
なんだけども、橋本 治好きだから、いまこうしてなんか書いてるワケです。
あのね。
また小津安二郎のハナシになるけどね、わたし・五円木比克は…
小津安二郎論のようなものなら書いているんです。
だから?
わたしは… 映画批評家気取りのただのバカだと。
それはまあ、読めばわかるでしょう。
いまさっきも、侯 孝賢 (ホウ・シャオシェン) が撮った『珈琲時光』(2003) ってゆう、小津安二郎リスペクトの映画について書いたけれどね。
それはそれとして、何が言いたいかってゆうと…
小津安二郎の映画も、久生十蘭の小説も、いまも人気があるのがすごいよって。
いや、俺は全然知らんよって人もいるけど。
つまり、教科書にのったり、国民的と評されたりはしてません。
そこまで誰もが知ってる存在ではありません。
なんだけども…
小津なんかは、いつのまにか、徐々に、黒澤 明 (1910 ~ 1998、88歳で死去) より評価があがっているように感じるし。
久生十蘭が好きだとゆう人たちの熱気、愛情も、いまだに感じるワケです。
そのエビデンスは? ってきかれても困るけども。
にしても、映画館、名画座でしょっちゅう小津安二郎の映画を上映しているし、
久生十蘭の本も、新刊として刊行されていると。
根強い人気がある。
小津安二郎のほうは、評価もちゃんとしてるとゆうか。世界的にもね。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240511/12/ichienkibito/c6/c9/j/o1080071115437242853.jpg?caw=800)
で、橋本 治に関して、わたしの意見なんてないんだけれども。
橋本さんが死んでから出た… 保坂和志によるコメントが印象的だったのね。
そのハナシを最後にします。
ちょっと引用するけども
私が橋本治から教わったことは、まず願望すること、願望を持つこと、願望に正直であることだった。 (自分という反-根拠)
いや、ここだけ読んでも何がなんだか…ですけどね。
もう少し引用
橋本治は全共闘世代だったが全共闘は嫌いで ひとりの闘いをはじめた、だから橋本治に揺さぶられた若者たちはひとりの闘いをすることになった、・・・・
いや、そういうことじゃないか? (自分という反-根拠)
保坂和志さんは、あの頃 (っていつだ? それは『革命的半ズボン主義宣言』のころのハナシだ) の橋本 治のすごさについて書いているのね。
それは、なんだったのかと。
さらに引用つづき…
橋本治は何かを語る、訴える、そうするときに、自分以外に根拠を持たない、というすごいやり方を実行した。(自分という反-根拠)
わたしは、そうか… と思いましたね。
自分オリジナルのすごさ。
自分のコトは、自分ではわかりにくい、そう橋本 治も書いていた気がするけども。
権力や親からの、教育、あるいは洗脳につきあわないすごさがある。彼らには。
なんでそうなのかは、わたしには説明できませんよ。
でも、あ~ そうかとなったんです。
いまでゆうと、坂口恭平がそうだから。
坂口恭平って人は、1978年生まれで、いま46歳なのね。
1948年生まれの橋本 治と、30歳ちがう。
このふたりの共通点っていろいろあるんだけど、核心は【自分オリジナル】とゆうトコロ。
もちろん、小説家として橋本 治は、久生十蘭から影響をうけたり…
坂口恭平も、『お金の学校』などで、模倣の大切さを説いている。
先人に学べと。
自分オリジナル、自分を大切にとゆう思想、思考。
さらには、とゆうか…
なんでも自分で作るイズム。
橋本 治は、『ヴィヴィッドボーイのカリキュラム』で
自創性がいちばん大事だ
と書いていました (うろおぼえ、だけど。別の本だったかもしれない)
坂口恭平もね、自分でなんでも作るイズムを実践して、さらには独立国家とゆう革命を志した (現在進行形?)
さらにうろおぼえなんだけども、橋本 治発言で…
スターにはなりたくない。革命家がスターになったらおしまいだから
とゆうのがあって。
なんの革命かは知りません。全共闘とは別のハナシにはちがいないけど。
まぼろしの80年安保、とゆうのもあったなあ。
それからのちにね、あのね、橋本 治は「結局 (俺も) スターになっちゃったな」とも書いていました(笑)
まあ、しょうがないよ。
わたしは坂口恭平の本を、よく読んでいるんだけども、ちょっと前の『家族の哲学』、これは小説だからフィクションかもしれないけども、
恐怖 (不安) と自己否定が止まらない人間 (坂口恭平本人) の、鬱状態の滑稽さが、おもしろすぎるんです。
鬱じゃあないときが (たぶん) 大半だからいいけれども、いつも鬱だったとしたら救われないのよ!
小説ではない本、『躁鬱大学』もめっちゃおもしろい。
このおもしろさは、なんだ。そう思う。
いや、橋本 治も坂口恭平もすごいですよ。
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坂口恭平と養老孟司