2014年に亡くなった鈴木則文監督。
 

わたしは、鈴木則文が大好きなんです。


「没後10年か… 」となるんだけども、今日は見ていなかった『大いなる助走』(原作は筒井康隆) を、DVDで見ました。



佐藤浩市・主演。


脚本は、志村正浩・掛札昌裕・鈴木則文。




あのね。

筒井康隆の原作『大いなる助走』は、はるか昔に読んでいたのよ。


わたしは、筒井康隆が好きとか、そうゆうコトでもないんだけど。


じゃあ、なんで読んだのか?



忘れたけど、とにかくストーリーは知ってるから、あんまり新鮮には見れない。


そう?

いや、そうなるよね。


この映画 (1989年作品) が傑作かどうかの判断もね、うまく出来ないとゆう。

歯切れのわるさ、あるんです。



しかも、昔に読んでたのにね、それなりに小説の内容をおぼえてるの。


同人雑誌。文学ですよ。


好き者の素人が集まって、作品を発表する。

ヲタクの世界。 …ヲタクって!



文学ヲタクって言ったら、昔は怒られたと思う。

ヲタクじゃねえよって。


まあ、いいか。





内容をもっと書けば…

文学… 小説家志望の連中のハナシから始まって、ハードボイルドとゆうか…

荒唐無稽とも思える「お前ら皆殺し」に至るんですよ。


映画だと、タイトルでネタバレしてるけども。





でも、荒唐無稽って、おもしろいってコトだからさあ。


よく知らんけど、筒井康隆、そうゆうおもしろさなら得意だったと思う。




映画も、後半、佐藤浩市が東京に出てきてから。

つまり、文壇…

文学業界に片足突っ込んで、老大家の小説家たちとのやりとりが始まると、グングンおもしろさがヒートアップする。














でもね。

前半の、同人雑誌の仲間とのパートも悪くないのね。



まず、地方都市で文房具屋かなんかやってる蟹江敬三。

蟹江敬三の奥さんが、宮下順子。


この夫婦のキャスティング、いいねえ!


なんだろう、よくわかんないけど、蟹江敬三と宮下順子かあ… ってなるの。


そこへさらに、石橋蓮司や、泉じゅん、粟津號らが絡むとゆう豪華キャスティング!


わたしは、いま挙げた人たち、好きなのね。





そこへもって、山城新伍、ポール牧、由利 徹らが大暴れする…

鈴木則文の世界が炸裂!



いや、もうサイコー。













ポール牧さんはさあ、それほど喜劇的演技はしないんだけども…

めっちゃうさん臭さい役柄に、どハマりしているし。

 

「狂気を演じることが出来るのは、理性によってである」の名言でおなじみの…

山城新伍の狂気炸裂演技! …さすがである。




さらに、由利 徹がおもいっきりふざけまくっても、ビクともしない鈴木則文ワールドのフトコロの深さたるや!













DVDのジャケットに、「鈴木則文が私財を投じて」作ったとある。


則文さんが、作りたくて作った映画!


とゆうコトは、当然ながら、原作が好きだったんでしょうなあ。


鈴木則文と筒井康隆か…







ここで、10年前のハナシを書くけども。



わたし・五円 木比克が…

10年前の今ごろ、ラピュタ阿佐ヶ谷で『シルクハットの大親分』(若山富三郎・主演) とゆう鈴木則文監督作品を見たんです。


見ていて、号泣してしまったのね。


それは、死ぬとは思ってなかった人物が、映画のなかで突然死んだ悲しみゆえ。



そのあと。

家に帰ったら、鈴木則文の訃報が。



そして、わたしが号泣していたその… 2時間ぐらい前に、則文さんが亡くなったらしいのね。


偶然とはいえ、なんだこの縁は?



鈴木則文が死んだから… 号泣した、ワケじゃないのに、なんかわたしのなかでは、「鈴木則文が死んで号泣した!」みたいなコトになっています (笑)








則文さんには、いくつかの著作があってね。


わたしも、2、3冊買いました。


そのひとつ、『下品こそ、この世の花』(2014年) に


「わたしは、人生はやさしさを訪ねる旅だと思っています。」


とあるんです。



泣けるなあ!



 

性善説、性悪説、いろいろあるし、個人個人に裏も表もあるけれど。


わたしは、ごく少数の悪魔的な人たちが、多くの人を残酷な世界へと誘導しているとかんがえます (陰謀論脳)



だまされて戦争させられるとかさあ。




もう1度書くよ。「人生はやさしさを訪ねる旅だと思っています」って…



その旅は、もちろん苦しさやツラさをも味わう旅だろうね。



でも、訪ねるんだよ、やさしさを!






それはそれとして。

笑えるし、おもしろいしとゆう映画を、たくさん作った鈴木則文、偉大なり!






則文さん、ほんとにありがとうございます♥️







      鈴木則文 (1933 ~ 2014。80歳で死去)