あのね、侯 孝賢ってね、僕の印象だとね…
90年代からこっちは、あんまりおもしろくないの。
そこは、ゴダールもそうなんだけどね。
80年代までは、すごくよかったってゆう。
もちろん例外もあって。
この『珈琲時光』は、いいと思ったのよ。
小津安二郎リスペクトってコトで、日本を舞台にして、親子の関係など描く。
描くけれども、女と男の… 一青窈と浅野忠信の友情を、サラッとやる。
てゆうか、そっちがメイン。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240507/21/ichienkibito/0d/20/j/o1080058115435838011.jpg?caw=800)
これは、20年前の作品。
20年前の東京。
電車と、神保町と。
山手線、そして御茶ノ水… 聖橋。
あと、都電か。
このね、電車、電車で攻めまくるのがいいんです。
つまり、庶民のリアルな東京、その一面。
小津安二郎リスペクト…
これ、小津の生誕100年記念で、侯 孝賢が依頼されて作った映画だからか。
みんな、床に座るの。家でね。
畳なのかな。
小林稔侍が、床に座りながら、夕方ビールをのむ。
すると、場面は急に夜になって、でも、同ポジってゆうか
小林稔侍がいた空間に、一青窈がフレームインしてきて
余貴美子もインしてくる。
一青窈が、カメラに背を向けた位置に座り、母親の余貴美子に向かって唐突に
「妊娠してるの」とゆう。
家族。男と女。
夢と昔話。
わたしは忘れてたんだけども、一青窈のシングルマザー宣言…
「産むけど結婚はしない」とゆう、親からすると、ええっ?
となるハナシにね、親父の小林稔侍はまったく何も言えないのね。
まあ、そんなもんか。なんだけども…
小林稔侍だからさあ、こっちはね、怒るとこわいよなあって思いつつ、画面を見ているのね。
しかし、まあ、娘に対して何も意見できない、よくいる情けない親とゆう描き方。
にしても、急に夜。ほぼ同ポジ、唐突に告白とゆう流れの演出が見事なんだけど
侯 孝賢なんだから、それも当たり前ではある。
さらに、小津リスペクトで、昔風に、隣家に行って
一青窈と余貴美子が、「お酒とグラス貸してくれませんか?」とゆう。
酒をのむのは、小林稔侍。
もちろん、みんな床に座っている。
喫茶店や、浅野忠信の店とかは別として。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240507/21/ichienkibito/a3/71/j/o0397042815435838016.jpg?caw=800)
ともかく、僕の印象として、この『珈琲時光』は、90年代以降における
珍しくも成功した侯 孝賢作品。
僕からすると、あれもこれも…
たとえば、『憂鬱な楽園』だなんだ、「悪くはないんだけどね」なんですね。
演出の見事さとか、随所にあるワケだけども、なんかイマイチなんです。
ほんとうに、どれもこれもですよ。
つまり、リアルな現代映画をおもしろく作る難しさ。
この『珈琲時光』は、外国人として撮っているのが良かったのかなあ。
あの、なんも言わない小林稔侍。
最後まで出てこない、子どもの父親。
ダメな男たち。
一青窈は、しっかりしてるワケだけども、その隣に浅野忠信を配したのが勝因ですかね。
電車大好きな浅野忠信。
友情でええやん、ってゆう女と男の関係。
いいと思います。
神保町シアターにて鑑賞