あのね、侯 孝賢ってね、僕の印象だとね…

90年代からこっちは、あんまりおもしろくないの。



そこは、ゴダールもそうなんだけどね。

80年代までは、すごくよかったってゆう。




もちろん例外もあって。

この『珈琲時光』は、いいと思ったのよ。


小津安二郎リスペクトってコトで、日本を舞台にして、親子の関係など描く。


描くけれども、女と男の… 一青窈と浅野忠信の友情を、サラッとやる。

てゆうか、そっちがメイン。












これは、20年前の作品。


20年前の東京。

電車と、神保町と。


山手線、そして御茶ノ水… 聖橋。


あと、都電か。

このね、電車、電車で攻めまくるのがいいんです。

つまり、庶民のリアルな東京、その一面。



小津安二郎リスペクト…

これ、小津の生誕100年記念で、侯 孝賢が依頼されて作った映画だからか。

みんな、床に座るの。家でね。

畳なのかな。




小林稔侍が、床に座りながら、夕方ビールをのむ。

すると、場面は急に夜になって、でも、同ポジってゆうか

小林稔侍がいた空間に、一青窈がフレームインしてきて

余貴美子もインしてくる。


一青窈が、カメラに背を向けた位置に座り、母親の余貴美子に向かって唐突に

「妊娠してるの」とゆう。



家族。男と女。

夢と昔話。




わたしは忘れてたんだけども、一青窈のシングルマザー宣言…

「産むけど結婚はしない」とゆう、親からすると、ええっ?

となるハナシにね、親父の小林稔侍はまったく何も言えないのね。



まあ、そんなもんか。なんだけども…

小林稔侍だからさあ、こっちはね、怒るとこわいよなあって思いつつ、画面を見ているのね。


しかし、まあ、娘に対して何も意見できない、よくいる情けない親とゆう描き方。



にしても、急に夜。ほぼ同ポジ、唐突に告白とゆう流れの演出が見事なんだけど

侯 孝賢なんだから、それも当たり前ではある。





さらに、小津リスペクトで、昔風に、隣家に行って

一青窈と余貴美子が、「お酒とグラス貸してくれませんか?」とゆう。

酒をのむのは、小林稔侍。


もちろん、みんな床に座っている。


喫茶店や、浅野忠信の店とかは別として。














ともかく、僕の印象として、この『珈琲時光』は、90年代以降における

珍しくも成功した侯 孝賢作品。




僕からすると、あれもこれも…

たとえば、『憂鬱な楽園』だなんだ、「悪くはないんだけどね」なんですね。


演出の見事さとか、随所にあるワケだけども、なんかイマイチなんです。

ほんとうに、どれもこれもですよ。


つまり、リアルな現代映画をおもしろく作る難しさ。


この『珈琲時光』は、外国人として撮っているのが良かったのかなあ。




あの、なんも言わない小林稔侍。

最後まで出てこない、子どもの父親。


ダメな男たち。



一青窈は、しっかりしてるワケだけども、その隣に浅野忠信を配したのが勝因ですかね。


電車大好きな浅野忠信。


友情でええやん、ってゆう女と男の関係。

いいと思います。






神保町シアターにて鑑賞