坂口恭平作品







何度もいいますけど、黒沢 清って人がいちばん好きな映画作家。

これは、昔からで、いまもそう。
















トビー・フーパーって人の映画がね…

黒沢さんもボクも好きでね。




トビー・フーパーの映画、とにかく見たい。彼はすでに死んだけれども。



しかも、とゆうか、できるならば… 映画館で見たいワケです。


『スペースバンパイア』、『スポンティニアス・コンバッション』等々。






ま、それはそれとして、黒沢 清が監督した映画が、きょう6月14日から日本で公開されます。


フランス映画なんですね。

主演は、柴咲コウ。『蛇の道』。






黒沢 清って人も、その作品の8割は… 殺人を描いている。

『蛇の道』も、もちろんそう。


ほかの新作、『Chime』、『Cloud クラウド』も、たぶん殺人絡みのハナシじゃないかと推測します。



黒沢 清はね。彼の得意なホラー映画じゃなくても、殺人やりますからね。

『アカルイミライ』とか。ほかにもね。















◼️きのうは、カレーライスを作って食べた。

きょうは… ピーマンとシメジのパスタ。作って食べる。


自炊。節約。生活のレベルを落とす。
ぜいたくは、しない。

といいつつ、お菓子なんかをコンビニで買ったりする。毎日。

あのねえ!


いまは、酒ものんでいない。

って、それは痛風だから!

お酒は痛風によくないんです。ビールじゃなくても。


まあ、痛風も治ってきてはいるんで、そろそろ酒のむか…

と思いつつ、ビビっているとゆう…








◼️ゴキブリとの格闘。いまだ、おわらず。


殺虫剤とか、そうした兵器を導入すれば終戦ははやいのだろう。

わたしの場合、G軍団を素手で殺している。



なかなか、奴らもギブアップしない。そんなコトは知っている。

しかし、そのうち終わりが来る気がする。来るといいのだが、終わらなかったりして。





















◼️台所の蛍光灯が切れた。

すると、新しいのを買わねばならんのだが… いままで蛍光灯を買っていた近所の電気屋さんが、閉店してしまったのだ。


とゆうワケで、大型店のEDIONに行って蛍光灯を買った。

この横浜のEDIONで、はじめて買い物をした。

だいたい、わたしは電化製品をあまり買わないので。




◼️お線香を買った。野毛の仏具店で。


コンビニでもお線香は売っている。が、少し前から仏具店で買うようになった。

何種類かあるので、最初、迷った。

まあ、いろいろ試してみないと、どんなものかわからないよね。

















◼️みなとみらいのワークマン女子で、サンダルその他を購入。








さて、ここから坂口恭平の研究。



研究?

単に… 彼の書いた本を読むだけなんじゃねえの???



読みましたね、わたしは。

『幻年時代』。







幼年期、子どものときのハナシが書いてある。


常人の感覚ではない。子どものときから、こんななの?


そう思うのだが、これを書いてるときの坂口恭平は…

当然だが、もう大人だった。10年くらい前だ。


だから、いまの大人の坂口恭平が…

幼少期を捏造しているコトも、かんがえられる。


そのへん、かんがえるとメンドクサイので、もう…

坂口恭平は昔から(他とは)ちがうんだ

で、いいとわたしは思った。

そんなんで、いいのだろうか。

いいワケないであろう。




以下、去年(2023年)の坂口恭平発言を引用する。


(引用はじめ)




俺なんか、どんな国に行ったって何語も喋れなくたって、いつだってなんだって人助け始められるんだから、しかも目的そこだから面白いじゃん。


いつだってどこだって稼げんだから、じゃないからね。いつだってどこだって食いっぱぐれないし、女の子なんでも触らしてくれる。


こんだけ自由にしててアオゲン(注・坂口恭平の子どものコト)が泣いてたら、妻もそうだけどさ、泣いてたらやばいけど、泣いてないんだよね、今のところ。


超楽しかったらしくて、東京が。あんな引きこもりのゲンがゲームじゃないかもって言い出したから。


まあでもなんか俺全部質問に答えられる。それわかんないなってのがない。




(引用おわり)





ど~ですか。わかりますか。


これが、常人とはちがう人の感覚ですよ。




なにが言いたいかってゆうと。


恭平さんを見てると勇気づけられます(と、みんなゆうらしい)


とゆうハナシ。
















1979年作品。



これも、初見ですよ。いまさらで、申し訳。的な。



一言でいえば、青春映画。リアルな。

んなコト知ってるよ、って? …ですよね~!




その青春の、どこがど~リアルかを、いちいち指摘するのも面倒。


傑作だと評価されてますし、わたしが見てもたしかに傑作だった、とゆう。


しかしそもそも、アメリカについて、わたしは無知なのね。


でもまあ、映画を見てわかったコトを、つらつら書いていきますよ。

映画、アメリカ映画ならそれなりに見ているから。



たとえば、この時期の映画なら、『アニマル・ハウス』(ジョン・ランディス監督)って思い出すんだけど。

あれは、コメディに振り切った傑作でした。

でも、忘れてるなあ。かなり。


たしか、青春とゆうより、無軌道なキャンパス・アクションだったような…



この『ヤング・ゼネレーション』も、舞台として大学は出てくるんだけど、主人公たちは大学生ちゃうのね。

高校は出たけれど、とゆう。











家族、その描写をする。当たり前だけども。

両親と、その一人息子。

こいつが、主役。


家族と同居。

すると、家庭内のコミュニケーションが、まずある。

つまり、親父とおふくろが、どんな人間かを描いていて…

同時に、主人公のキャラクター描写も… って、そんなん当たり前だろ!


いや、だからね。異なる世代、その境遇なんかを描写していると。

親父の仕事だなんだをね。




さらに、似た境遇の仲間を登場させる。

主人公含めて、4人。男の子たち。若い仲間。



思ったより、主人公以外のパートを描いてなかったね。

少しずつ、みたいな。



で、印象的な場所として、池が出てくるのね。ここが、いいんです。

かつては石切場、だったトコロ。

石と水。


そこで、仲間とゆかいに、あるいは静かにたわむれる男の子4人。


『八月の濡れた砂』のように、水に飛び込む。












家族。仲間。そして、恋愛。

さらに、仕事… 勉強。



高校は卒業したけど、大学には行けない奴ら。


いや、おれはやっぱり大学に行こうと思う。

そうか。


となるんだけれども、いまはちょこちょこバイトしたり遊んだり、ふらふらしている。



ふらふらしているので、まわりの大学生たちからは、「お前らはカッターズ(石切工)」だと、バカにされる。

敵対関係。




石切工といっても、それは主人公たちの親父のハナシなのね。

みんな、親父が石切工だったと。



そうした環境、設定で。


なにを具体的に描くのかといえば…

知ってると思うけど、自転車なんです。


主人公が、自転車大好き。











監督のピーター・イェーツが、この映画だと製作も兼ねているんだけども。

ピーター・イェーツの『ブリット』は、カーチェイスの映画でした。

まあ、わたしはつい最近見たんだけども。


こんどは自転車で攻めてくる。




もちろん、脚本・スティーブ・テシックによるアイデアなんだろうけども…

見ていて、「自転車って、いまとあんまり変わらないな」と思う。

1979年ですよ。



これ、クルマなら、見た瞬間に「古いな」と思うに決まってるんですよ。そうでしょう?


ま、自転車に詳しい人が見たらね、「この映画に出てくる自転車は、やっぱり古いね」って思うかもだけど。

素人目には、わからないの。



そんなコトど~でもいい? …そうなんだけどね。












自転車の映画。

そして、もちろんそれがワルくない。


わたしの好きな黒沢 清にも、『打鐘(ジャン)』ってゆう競輪映画(ビデオ)がありましたけどね。



クルマよりも、生身が映るから、なんつうかダイレクトなエモーションがあるでしょう?

自転車映画。



そういや、これよりずいぶん後に、『ローラーガールズ・ダイアリー』(ドリュー・バリモア監督)って、ローラースケートの青春映画がありましたね。

あれも、家族がいて、仲間がいてって、リアルな路線だったと思うけど。

ローラースケートも、そりゃ生身ですよね。

プラス、スピード感。






『ヤング・ゼネレーション』。


自転車野郎の、憧れと挫折。青春。

家族と仲間。


はっきり言って、こいつはナイスガイなのね。

悩まないんだもの。


むしろ… こいつの親父のほうが「バカ息子が!」って、まあコメディタッチですけどね。悩むとゆうか。


息子は、陽気なバカ。


その仲間に、ノッポとチビとアメフト野郎ってゆう…

親が石切工(だった)、ブルーカラーの家庭ゆえ… ってゆうリアルな世界を、少しずつ描く。

彼女だ、兄貴だって。


いいと思います。


スティーブ・テシックの世界観とアイデアが冴える。

ピーター・イェーツも、それに乗る。

乗ったから、製作も兼ねているんでしょう。


レース、スピード、それ俺得意やからまかせろって。





『ゲット・クレイジー』あるいは、『ホーム・アローン』でおなじみの、ダニエル・スターンの…

ボーリングギャグとかね。


彼と主人公の、あの歌とかもナイス。



ラストのオチも決まった。



大人へと、ゆうステップ。その短い猶予期間。

見事なスケッチだと、いまさらながら感服しましたね。



















前作って、おぼえてます?



ボクは… もう、かなり忘れてて。

タイトルすら、思い出せなかった。




そう書けば、「馬鹿か?」と思われるだろうけど、実際バカですからね。



シャーリーズ・セロン?

出てたっけ? …そんな感じ。



ひどい。

記憶のなさ加減が、ひどい。



だからこそ、ここでこうして、記録として。のこしておくのは、大事なんです。





にしてもね。

前作の、前日譚ていわれてもね。


そもそも、前作おぼえてないから、「フュリオサ? who???」なワケですよ。







『マッドマックス : フュリオサ』。



なんか、戦国時代みたいな世界ですよね。


天下統一もままならぬ? いくつかのワルの組織がある設定。


フュリオサとゆう少女を、その世界に放り込む。




で、なにをやるかといえば、例の…
クルマとクルマ (あるいはバイク) の襲撃ロード。



なんか空中戦もやる。ちょっと。



炎だったり、銃だったりのアクション、バトル。



これがね、当たり前なんだけど、楽しかったから、「ええじゃないか」ですよ。感想を述べると。そうなります。





前日譚ゆえか、ハッキリと「こいつが悪役」とかが、なんかわかりにくいの。



悪党しかいないせいもある。





そんな世界で、フュリオサを理解して相棒みたくなる男を登場させる。



彼とフュリオサが組んで、敵とロードバトルする。



ゆかいですよ。いいと思いました。








ただ、いかんせん、勧善懲悪がうまく成り立ってない。
 


たぶん、前作『怒りの…なんちゃら』は、単純に敵味方わかりやすかったと思うけど。


白人が、善人。

インディアン、悪人。とゆうようなね。





この映画は、でも、なにがなんだか? ってトコロがあって…

でもね。それも自由な感じで、いいと思いましたね。



もう、ずーっとロードアクションやってろって思う。



いや、それだけじゃないけども。




全員悪党。それでいいよ、みたいな。






で、さっきからね、「いいと思いましたね」とか言ってますけどね。


ラストのちょい前で、寝ちゃいました。あらら。



最後、ど~なった?




まあ、それもど~でもいいよ!






このあと、『怒りの』… アフガン? 葡萄? に、つながる世界。





いや、おぼえてないんだけどねえ。シャーリーズ・セロンか…





ともかく、襲うクルマ、襲われるクルマ。このバトル・アクションええやん、とゆう感じでした。










TOHOシネマズ日比谷にて鑑賞











1968年作品。



スティーブ・マックイーン主演による、刑事アクション。


初見でやんす。





あのね、ボクが生まれた年の映画をね…

いまごろ初めて見てね、「ふーん、このネタやるのか」とか。

「あ~、こうゆう志向?」とかね、のんきに思って…

結局のトコロ、「うん、楽しいな♪」って満足したんだけども。





まあ、このカーチェイスって有名だよね?


もちろん、映画館で見たら「いいねえ!」ってもっと思うんだろうけども。

家で見ても、悪くない。そりゃそうだ。





サンフランシスコの坂。


といえば、このあと作られた『ダーティハリー』もサンフランシスコだけど…

超強力な『ダーティハリー』と比較しちゃあ、ちと弱い…


でも、こっちが先だしねえ。



『ダーティハリー』は、やっぱりサソリ(悪役)が強力だからね!

クレイジー。サソリはクレイジー。



この『ブリット』の真犯人…

みたいな奴は、単なる小ズルい悪党でしかないから、弱いっちゃ弱いんだけど…

そんなコトわかってまっせ、とね。代わりに、堂々たる悪役を演じるキャラクターがいるのね。


それが!

 ボクの!好きな! ロバート・ヴォーン!











日本語吹替えは、もちろん!矢島!正明!



いやあ、『0011ナポレオン・ソロ』が好きだったのよ (懐)



あのテレビドラマではさあ、主役の善人(スパイ)だったけども、それ以降は…

この『ブリット』のような、悪役キャラを多く演じたロバート・ヴォーン。


偉いさんの彼が、よせばいいのに張りきるとゆう設定で。

巻き込まれるカタチの、しがない刑事マックイーン。


刑事の悲哀。


だけでなくねえ、プライベートっつか… 

マックイーンと、恋人ジャクリーン・ビセットのさあ…

私生活も少し描くの。

そうゆう刑事ドラマ。

いまとなっては、ありきたり。なんだけども…


いんじゃないすか。 …いんじゃないすか!



ホントに?



そこは、よくわからんけども… ともかくロバート・ヴォーンが警察にデーンと圧をかけて…

刑事のマックイーンが「クソったれが」と苦虫を噛みつぶす。もう、それだけで満足、満足!

わしゃあ、ロバート・ヴォーンが好きじゃけえ。






おっと、ピーター・イェーツのコト、なんもゆうてませんなあ。


なんて言ったらいいのか、うーん… そこは、あのね。


今度、『ヤング・ゼネレーション』(未見) を見るからさ、そのときにまとめてコメントいたしますよ!















五円 木比克の日記










東京や横浜を、うろうろしている。



それは、いつも…

とゆうか、生まれてからずっと、とゆう感じ。




いまのトコロ、独身で。

気づけば、もう五十代半ば。



とゆう現状。



そんな男の日記。














映画監督・黒沢 清は、現在、68歳。


彼の作る映画が、なぜか (とゆうのも変だが) 好きなのだった。

昔から好きで、いまも好き。


それは、このブログの過去記事を読めばわかると思う。



黒沢 清推し。いまも昔も。



それは、ザ・コレクターズ推し、であるのと同じであり…

黒沢 清もコレクターズも、一般的には知名度なし、とゆうトコロも、なぜか似ている。


大ヒットがない。

だけど、マニアとかの支持は絶大。

そうゆう類いのアーティスト。



彼の新作、あるいは旧作を、見るのが楽しみなのだった。

そして、ついこのまえ見た『ソイレント・グリーン』のリチャード・フライシャー監督は…

黒沢 清の推し監督。




リチャード・フライシャー。


彼とほぼ同世代の、ドン・シーゲルや、ロバート・アルドリッチが…

傑作を連発していた、1970年代。




もちろん、それ以前から、彼らもたくさん映画を撮っていたが。

70年代の映画、アメリカ映画がおもしろすぎるのだった。




後続の世代である、クリント・イーストウッドや、スピルバーグ…

トビー・フーパーや、ジョン・カーペンターも映画を撮りはじめていた1970年代。



いや、70年代アメリカのおもしろ映画を挙げるとキリがない。


ペキンパー、ロバート・アルトマン、ジョン・カサヴェテス…

ジョン・フリン、マイケル・チミノ、コッポラ…

デパルマ、ジョナサン・デミ、スティーブ・カーバーなどなど…




60年代後半からの、ニューシネマ。

それとはまた別の、といえる… スピルバーグや、ルーカスによる娯楽作品。





映画、マンガ、小説等々、山ほど作られる。


そのなかで、時代が変わっても、見続けられる、読まれ続けられるモノは、ごくわずか。



時代が変わると、理解する (おもしろがる) コトが困難になる、とゆうか。



それはそう、なのだが…

時代が変わっても楽しめる、おもしろがれるモノはある。
















           黒沢 清 (中央)






文学フリマ、なる催しに行ってきた。

5月19日 にちようび。



フリマ。ま、コミケのようなもの。

いや、コミケって行ったコトないけども!



その文学フリマで、購入したのは

『佐々木敦による阿部和重(仮)』と『ライナーノーツ』(篠崎 誠)













阿部和重って、かなり好きな小説家なんだけども。

なかには、読んでないモノもある。そんなコトに気づく。



読むか。

うむ。













原宿をうろうろした。

これは、2日前か。



ひさしぶりに、明治神宮にインしてみた。

そして、代々木公園。

天気もよく、心地よい季節。



代々木公園。

また来よう、そう思った。




























1973年作品。



映画館で見るのは、これが初めて。

昔、テレビで見たと思う。


でもまあ、忘れてた。




あまり期待もせずに、シネマート新宿に見に行きましたが…

めっちゃ楽しい、おもしろい。


刑事の捜査モノをベースにして、エンターテインメントの要素を、いろいろまぶした、その楽しさ。













(当時から見た) 未来は、すげえヒドイ世界だよとゆう…

ディストピアSFであり、その意匠がレトロフューチャー的におもしろくて、ゆかい。


未来世界。

それと同時に、多くの人間が在庫過剰みたく扱われるのが…

昔の大恐慌時代のようでもあるのは、ホンマにレトロ (風)





原作のコトは、まったく知りませんが…

未来は「ここまでヒドくなってるんだよ!」とゆう、想像や予想の、当たり外れ。


インターネット的なモノは、想像できなかったらしい。

それはそう。




ともかく、いちいち楽しくなる娯楽アクションの傑作。



フライシャー特有の、ポンポンハナシをすすめるテムポのよさ。


それでいて、アクションはキッチリ描くおもしろさ。













チャールトン・へストン。

彼と、エドワード・G・ロビンソンの、同居生活。

これも、なんだかよくわかんないけど楽しい!




人間の役割が (上から) 勝手に決められてる管理社会とゆう設定、エゲツないねえ。


上のほう、つまり…

国家や、超国家的な存在のおそろしさ!




メインのストーリーは、その上層のほうの奴らの陰謀、そこに絡むチャールトン・へストン。



ラストのチャック・コナーズとの銃撃戦もいいんですが…

暴動鎮圧のシーンの、ザックリした描写!


お前らを人間扱いは、せえへんからな、とゆうホイサッサなマシーン駆動。



ドリーム・マシーン (ちょっと違う) に、自らすすんで入る、エドワード・G・ロビンソンの哀しさ!


いやあ、おもしろい。


フライシャー最高。















2014年に亡くなった鈴木則文監督。
 

わたしは、鈴木則文が大好きなんです。


「没後10年か… 」となるんだけども、今日は見ていなかった『大いなる助走』(原作は筒井康隆) を、DVDで見ました。



佐藤浩市・主演。


脚本は、志村正浩・掛札昌裕・鈴木則文。




あのね。

筒井康隆の原作『大いなる助走』は、はるか昔に読んでいたのよ。


わたしは、筒井康隆が好きとか、そうゆうコトでもないんだけど。


じゃあ、なんで読んだのか?



忘れたけど、とにかくストーリーは知ってるから、あんまり新鮮には見れない。


そう?

いや、そうなるよね。


この映画 (1989年作品) が傑作かどうかの判断もね、うまく出来ないとゆう。

歯切れのわるさ、あるんです。



しかも、昔に読んでたのにね、それなりに小説の内容をおぼえてるの。


同人雑誌。文学ですよ。


好き者の素人が集まって、作品を発表する。

ヲタクの世界。 …ヲタクって!



文学ヲタクって言ったら、昔は怒られたと思う。

ヲタクじゃねえよって。


まあ、いいか。





内容をもっと書けば…

文学… 小説家志望の連中のハナシから始まって、ハードボイルドとゆうか…

荒唐無稽とも思える「お前ら皆殺し」に至るんですよ。


映画だと、タイトルでネタバレしてるけども。





でも、荒唐無稽って、おもしろいってコトだからさあ。


よく知らんけど、筒井康隆、そうゆうおもしろさなら得意だったと思う。




映画も、後半、佐藤浩市が東京に出てきてから。

つまり、文壇…

文学業界に片足突っ込んで、老大家の小説家たちとのやりとりが始まると、グングンおもしろさがヒートアップする。














でもね。

前半の、同人雑誌の仲間とのパートも悪くないのね。



まず、地方都市で文房具屋かなんかやってる蟹江敬三。

蟹江敬三の奥さんが、宮下順子。


この夫婦のキャスティング、いいねえ!


なんだろう、よくわかんないけど、蟹江敬三と宮下順子かあ… ってなるの。


そこへさらに、石橋蓮司や、泉じゅん、粟津號らが絡むとゆう豪華キャスティング!


わたしは、いま挙げた人たち、好きなのね。





そこへもって、山城新伍、ポール牧、由利 徹らが大暴れする…

鈴木則文の世界が炸裂!



いや、もうサイコー。













ポール牧さんはさあ、それほど喜劇的演技はしないんだけども…

めっちゃうさん臭さい役柄に、どハマりしているし。

 

「狂気を演じることが出来るのは、理性によってである」の名言でおなじみの…

山城新伍の狂気炸裂演技! …さすがである。




さらに、由利 徹がおもいっきりふざけまくっても、ビクともしない鈴木則文ワールドのフトコロの深さたるや!













DVDのジャケットに、「鈴木則文が私財を投じて」作ったとある。


則文さんが、作りたくて作った映画!


とゆうコトは、当然ながら、原作が好きだったんでしょうなあ。


鈴木則文と筒井康隆か…







ここで、10年前のハナシを書くけども。



わたし・五円 木比克が…

10年前の今ごろ、ラピュタ阿佐ヶ谷で『シルクハットの大親分』(若山富三郎・主演) とゆう鈴木則文監督作品を見たんです。


見ていて、号泣してしまったのね。


それは、死ぬとは思ってなかった人物が、映画のなかで突然死んだ悲しみゆえ。



そのあと。

家に帰ったら、鈴木則文の訃報が。



そして、わたしが号泣していたその… 2時間ぐらい前に、則文さんが亡くなったらしいのね。


偶然とはいえ、なんだこの縁は?



鈴木則文が死んだから… 号泣した、ワケじゃないのに、なんかわたしのなかでは、「鈴木則文が死んで号泣した!」みたいなコトになっています (笑)








則文さんには、いくつかの著作があってね。


わたしも、2、3冊買いました。


そのひとつ、『下品こそ、この世の花』(2014年) に


「わたしは、人生はやさしさを訪ねる旅だと思っています。」


とあるんです。



泣けるなあ!



 

性善説、性悪説、いろいろあるし、個人個人に裏も表もあるけれど。


わたしは、ごく少数の悪魔的な人たちが、多くの人を残酷な世界へと誘導しているとかんがえます (陰謀論脳)



だまされて戦争させられるとかさあ。




もう1度書くよ。「人生はやさしさを訪ねる旅だと思っています」って…



その旅は、もちろん苦しさやツラさをも味わう旅だろうね。



でも、訪ねるんだよ、やさしさを!






それはそれとして。

笑えるし、おもしろいしとゆう映画を、たくさん作った鈴木則文、偉大なり!






則文さん、ほんとにありがとうございます♥️







      鈴木則文 (1933 ~ 2014。80歳で死去)
















1992年作品。



とゆうコトは、30年ぶりの再見になるのか。


舞台が、ひとつの建物に限定されるとゆうトコロが…

シュミットの『今宵かぎりは… 』を連想させる。


とはいえ、作風はまったくちがって、こちらはエンターテインメント風ではある。

そんなコトは、見ればわかる。







そして、ど~も、シュミットの自伝的な物語らしい。

どこまでノンフィクションなのかはわからないが、ま、回想形式。



エンターテインメント風と書いたが、「おもしろおかしく作りました」でありつつ…

いや、これリアルやからね。その、本格人間ドラマとはいわんけど…

とゆう上品さ、あるいは軽さが素晴らしい。


本格ドラマの重さはナッシングだよ、と。


やろうと思えば、いくらでも重くできるのに、そうはしない。ダニエル・シュミット。




そんな傑作の冒頭で、主人公がひさしぶりに再会した女性が…

ひとり芝居をしてみせる。

ひとりで、「自分と友人の会話」をやる。


それは、もしかしたら「主人公、ふたりいるよ」とゆう宣言なのかもしれない。


そうではないのかもしれない。




現在の主人公と、子どもの頃の主人公と。













ひとつの建物に、いろいろな人たちがいる。

すると、エピソードには事欠かない。

奇妙な手品師のハナシなど、ゆかいである。


ほかにも、たくさん。


イングリット・カーフェンも、登場する。

さまざまなエピソード。

子ども、そして大人の。


そして、すべて記憶、想い出とゆう。













最後のほうで、カソリック、キリスト教のハナシがある。

ど~やら、シュミットの祖母はキリスト教を嫌っていた。


さりげなく、「あんなやつらとつきあいたくない」といったニュアンスの描写でまとめる。


あんなやつらって、どんなやつら?

と、無知な日本人のこちらは思ったりするが… まあ、偽善と抑圧の権威…

そんな感じだと認識しているので、それと無縁だったシュミットは、すくすくと変人街道を歩んだのだろうと思う。


それでいいじゃないか。








横浜シネマジャック&ベティにて鑑賞















五円 木比克です。きょうは、2024年5月11日です。




きのう、【帰って来た橋本 治展】を見てきました。

それは、港の見える丘公園にある、神奈川近代文学館とゆう場所で。






          エントランスの橋本 治パネル









わりと近所にある。


こないだも、ここで【小津安二郎展】を見た。





橋本 治は、もちろん小説家だったけども、「小津安二郎の映画の完成度」とゆうようなハナシを、それなりにしていた。

ああいう小説が書きたいと。日本人の日常みたいな。


小津リスペクト。はやいハナシがね。






小津安二郎 (1903 ~ 1963、60歳で死去) の同時代人で…

わたしが思い浮かべるのが、ご存じ久生十蘭 (1902 ~ 1957、55歳で死去)




つまり、と言っていいのか… わたしは小津安二郎の映画だったり

久生十蘭の小説だったりが大好きなんだけども。


彼らに会ったコトもないし、話したコトもない。


当たり前だろ。




それを言ったら、橋本 治 (1948 ~ 2019、70歳で死去) とだって、ハナシをしたコトなんかほぼないですよ。


サイン会などで、ファンとしてあいさつぐらいしたかも?






          志賀直哉と小津安二郎














えーっと、【橋本 治展】のハナシでしたね。


いや、近所でやってたから見たよ、とゆうコト以外…

とくになんもありませんけどね。









神奈川近代文学館 公式 えっくす から転載







家に帰ってから、『はじめての橋本治論』をパラパラめくって…

これは、さいきん出た本だけど。千木良悠子って人の書いた。

この人は誰なんだろう? よく知らないんだけども。



とにかくね、この人は、ちゃんと橋本 治論を書いたからエライよって思います。


わたしにはムリ!



それも当たり前っちゃ、当たり前だよ。


なんだけども、橋本 治好きだから、いまこうしてなんか書いてるワケです。











あのね。

また小津安二郎のハナシになるけどね、わたし・五円木比克は…

小津安二郎論のようなものなら書いているんです。


だから?



わたしは… 映画批評家気取りのただのバカだと。

それはまあ、読めばわかるでしょう。



いまさっきも、侯 孝賢 (ホウ・シャオシェン) が撮った『珈琲時光』(2003) ってゆう、小津安二郎リスペクトの映画について書いたけれどね。


それはそれとして、何が言いたいかってゆうと…


小津安二郎の映画も、久生十蘭の小説も、いまも人気があるのがすごいよって。



いや、俺は全然知らんよって人もいるけど。



つまり、教科書にのったり、国民的と評されたりはしてません。

そこまで誰もが知ってる存在ではありません。


なんだけども…

小津なんかは、いつのまにか、徐々に、黒澤 明 (1910 ~ 1998、88歳で死去) より評価があがっているように感じるし。


久生十蘭が好きだとゆう人たちの熱気、愛情も、いまだに感じるワケです。



そのエビデンスは? ってきかれても困るけども。




にしても、映画館、名画座でしょっちゅう小津安二郎の映画を上映しているし、

久生十蘭の本も、新刊として刊行されていると。


根強い人気がある。


小津安二郎のほうは、評価もちゃんとしてるとゆうか。世界的にもね。













で、橋本 治に関して、わたしの意見なんてないんだけれども。


橋本さんが死んでから出た… 保坂和志によるコメントが印象的だったのね。

そのハナシを最後にします。


ちょっと引用するけども





 私が橋本治から教わったことは、まず願望すること、願望を持つこと、願望に正直であることだった。 (自分という反-根拠)





いや、ここだけ読んでも何がなんだか…ですけどね。


もう少し引用





 橋本治は全共闘世代だったが全共闘は嫌いで ひとりの闘いをはじめた、だから橋本治に揺さぶられた若者たちはひとりの闘いをすることになった、・・・・

 いや、そういうことじゃないか? (自分という反-根拠)






保坂和志さんは、あの頃 (っていつだ? それは『革命的半ズボン主義宣言』のころのハナシだ) の橋本 治のすごさについて書いているのね。


それは、なんだったのかと。



さらに引用つづき…





 橋本治は何かを語る、訴える、そうするときに、自分以外に根拠を持たない、というすごいやり方を実行した。(自分という反-根拠)







わたしは、そうか… と思いましたね。


自分オリジナルのすごさ。





自分のコトは、自分ではわかりにくい、そう橋本 治も書いていた気がするけども。



権力や親からの、教育、あるいは洗脳につきあわないすごさがある。彼らには。


なんでそうなのかは、わたしには説明できませんよ。


でも、あ~ そうかとなったんです。


いまでゆうと、坂口恭平がそうだから。







坂口恭平って人は、1978年生まれで、いま46歳なのね。

1948年生まれの橋本 治と、30歳ちがう。




このふたりの共通点っていろいろあるんだけど、核心は【自分オリジナル】とゆうトコロ。






もちろん、小説家として橋本 治は、久生十蘭から影響をうけたり…

坂口恭平も、『お金の学校』などで、模倣の大切さを説いている。


先人に学べと。




自分オリジナル、自分を大切にとゆう思想、思考。



さらには、とゆうか…

なんでも自分で作るイズム。



橋本 治は、『ヴィヴィッドボーイのカリキュラム』で

自創性がいちばん大事だ

と書いていました (うろおぼえ、だけど。別の本だったかもしれない)










坂口恭平もね、自分でなんでも作るイズムを実践して、さらには独立国家とゆう革命を志した (現在進行形?)







さらにうろおぼえなんだけども、橋本 治発言で…


スターにはなりたくない。革命家がスターになったらおしまいだから


とゆうのがあって。


なんの革命かは知りません。全共闘とは別のハナシにはちがいないけど。


まぼろしの80年安保、とゆうのもあったなあ。





それからのちにね、あのね、橋本 治は「結局 (俺も) スターになっちゃったな」とも書いていました(笑)


まあ、しょうがないよ。





わたしは坂口恭平の本を、よく読んでいるんだけども、ちょっと前の『家族の哲学』、これは小説だからフィクションかもしれないけども、

恐怖 (不安) と自己否定が止まらない人間 (坂口恭平本人) の、鬱状態の滑稽さが、おもしろすぎるんです。


鬱じゃあないときが (たぶん) 大半だからいいけれども、いつも鬱だったとしたら救われないのよ!






小説ではない本、『躁鬱大学』もめっちゃおもしろい。

このおもしろさは、なんだ。そう思う。




いや、橋本 治も坂口恭平もすごいですよ。







          坂口恭平と養老孟司















あのね、侯 孝賢ってね、僕の印象だとね…

90年代からこっちは、あんまりおもしろくないの。



そこは、ゴダールもそうなんだけどね。

80年代までは、すごくよかったってゆう。




もちろん例外もあって。

この『珈琲時光』は、いいと思ったのよ。


小津安二郎リスペクトってコトで、日本を舞台にして、親子の関係など描く。


描くけれども、女と男の… 一青窈と浅野忠信の友情を、サラッとやる。

てゆうか、そっちがメイン。












これは、20年前の作品。


20年前の東京。

電車と、神保町と。


山手線、そして御茶ノ水… 聖橋。


あと、都電か。

このね、電車、電車で攻めまくるのがいいんです。

つまり、庶民のリアルな東京、その一面。



小津安二郎リスペクト…

これ、小津の生誕100年記念で、侯 孝賢が依頼されて作った映画だからか。

みんな、床に座るの。家でね。

畳なのかな。




小林稔侍が、床に座りながら、夕方ビールをのむ。

すると、場面は急に夜になって、でも、同ポジってゆうか

小林稔侍がいた空間に、一青窈がフレームインしてきて

余貴美子もインしてくる。


一青窈が、カメラに背を向けた位置に座り、母親の余貴美子に向かって唐突に

「妊娠してるの」とゆう。



家族。男と女。

夢と昔話。




わたしは忘れてたんだけども、一青窈のシングルマザー宣言…

「産むけど結婚はしない」とゆう、親からすると、ええっ?

となるハナシにね、親父の小林稔侍はまったく何も言えないのね。



まあ、そんなもんか。なんだけども…

小林稔侍だからさあ、こっちはね、怒るとこわいよなあって思いつつ、画面を見ているのね。


しかし、まあ、娘に対して何も意見できない、よくいる情けない親とゆう描き方。



にしても、急に夜。ほぼ同ポジ、唐突に告白とゆう流れの演出が見事なんだけど

侯 孝賢なんだから、それも当たり前ではある。





さらに、小津リスペクトで、昔風に、隣家に行って

一青窈と余貴美子が、「お酒とグラス貸してくれませんか?」とゆう。

酒をのむのは、小林稔侍。


もちろん、みんな床に座っている。


喫茶店や、浅野忠信の店とかは別として。














ともかく、僕の印象として、この『珈琲時光』は、90年代以降における

珍しくも成功した侯 孝賢作品。




僕からすると、あれもこれも…

たとえば、『憂鬱な楽園』だなんだ、「悪くはないんだけどね」なんですね。


演出の見事さとか、随所にあるワケだけども、なんかイマイチなんです。

ほんとうに、どれもこれもですよ。


つまり、リアルな現代映画をおもしろく作る難しさ。


この『珈琲時光』は、外国人として撮っているのが良かったのかなあ。




あの、なんも言わない小林稔侍。

最後まで出てこない、子どもの父親。


ダメな男たち。



一青窈は、しっかりしてるワケだけども、その隣に浅野忠信を配したのが勝因ですかね。


電車大好きな浅野忠信。


友情でええやん、ってゆう女と男の関係。

いいと思います。






神保町シアターにて鑑賞