目下、今、一番気になるのは、

「結局、スヒョンはどうなった?」 ですよね。

 

こちらの筋追いは、気になったドラマを、世に出回る商業翻訳ではなく、ドラマ好き有志の英訳・もしくは配信サイトの英訳をもとに、(英語ができないくせに)果敢に訳した「なんちゃって訳」となっており、多少、ストーリー展開は訳者の願望に寄ってます。視聴しながら生じた疑問の考察やら、内容を把握しながら、突っ込んだり、賞賛したりしたいという、ドラマ好きの発露です。

ラストまでの完全ネタバレです。

いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。お願い

 

シグナル  시그널 英題:Signal

 (tvN Jan 22, 2016 - Mar 12, 2016 1時間15分×全16話)

対象:15歳以上

脚本:Kim Eun Hee

演出:Kim Won Suk

 

※このドラマは、犯罪を扱うという特性上、登場人物がエピソード毎にたくさん出てくること、1話完結ではないこと、現在・過去の描写が頻繁に入れ替わる、など、通常の筋追いでは、わかりにくい部分もあるため、補足も兼ねて、びびの独断で、人名や、人間関係など、ドラマよりも先に、リマインドしたり、説明をする場合があります。

極力、ドラマ上、「なるほど!! この人がこういう立ち位置だったのね」という謎解き部分の醍醐味が損なわれることのないように工夫したいとは思いますが、なにぶん、整合性を取り切れない箇所もでてきそうな気がします。

余計、わかりにくくなったりしたら、ほんと、申し訳ないです。

 

前記事をお読みでない方は、さきに、こちらからお読みください。

#6-1 #6-2

 

【Episode 6-3】

 

現在

 

ここも、バックに、『소년 박해영』が流れる中、淡々と映像だけが進んでいきます。

소년 박해영 (youtube.com)

 

スヒョンが、冷凍トラック爆発に巻き込まれたことは、すぐに、アン・チスのもとにも知らされました。

 

アン・チス「・・・・・・!」

 

同じ知らせは、シン・ヨジン救出現場にいた刑事たちの耳にも届けられ、一様に言葉を失う刑事たち。

 

意識を取り戻し、数名の警察官たちに支えられるようにして、歩き出したシン・ドンフン。

 

別場所で発見され、氷ついた髪が痛々しい、担架で運ばれていくシン・ヨジン。

 

橋の上にいたオ・ギョンテも、そのまま、警察に連行されていく。

 

そして、未だ、興奮状態が収まらず、隙あらば、火が消えたばかりの冷凍庫のほうに駆け寄ろうとするのを警官たちから押さえられ、振りほどこうともがいているヘヨン。

 

白い布で全てを覆われたストレッチャー。

動き出した振動で、力なく外に出た、黒い煤だらけの腕が見え、

固まるヘヨン。

 

すぐさま、ストレッチャーを追いかけようとして、またしても、両脇から止められる。

 

レスキュー隊との差が少しずつ開いていく。

 

その場に崩れ落ちたヘヨンが、少し手を伸ばして、拾い上げたのは、爆風で吹き飛んだのか、周囲をカバーしているプラスチックが熱でとけた、スヒョンの身分証でした。

 

~ソウル中央署 霊安室前の廊下~

アン・チス以下、大勢の警官仲間が、スヒョンの一報を聞き、駆け付けてきている。

その中には、頭を抱えているケチョルや、ホンギの姿もある。

 

そして、ただ、呆然と、その場に立ち尽くしているヘヨン。

 

영안실(霊安室)・・・ハングルで書かれていますが、読めなくても、この雰囲気はまぎれもなく・・・。

部屋の扉の上部には、大きく

삼가 고인의 명복을 빕니다

謹んで個人の御冥福をお祈りいたします

と書かれた文字が・・・。
 

皆が押し黙っている中、着の身着のままで駆け付けてきた、スヒョンのオンマと、妹のスヨンと旦那さん? 

 

オンマ「どういうことなんですか! スヒョンになにが起きたんですか? 違いますよね、違いますよね?・・・」

アン・チスに詰め寄るオンマ。

 

アン・チス「申し訳ありません」

オンマ「・・・そんな・・・ありえません・・・」

顔を大きくゆがませ、泣き崩れるオンマ。

スヒョンの名を叫びながら、廊下に座り込んだオンマ。

歩くのもおぼつかない状態なのに、霊安室の入口に近づいていくのを、支えようとする周囲の人間たち。

 

そんなお祖母ちゃんの姿を見て、パパのほうに向いてしまうわんぱく君(弟)と、必死で泣くのを我慢するわんぱく君(兄)の姿もあります。

 

オンマの泣き叫ぶ声だけが、廊下に響き渡る。

 

呆然と、その姿を見ているヘヨンの脳裏に、ジェハンの言葉が蘇る。

 

ジェハン<・・・私たちが間違ってたんです。いえ・・・いえ・・・私が・・全て私が間違っていたんです。>

 

~未解決捜査班~

真っ暗な部屋に一人、戻ってきたヘヨン。

明かりをつけたとたんに、見えたのは、スヒョンのデスクの上に置かれた、白い菊の弔花でした。

ショックを受けるヘヨン。

 

たった、ちょっと前じゃないか。

つい、さっきまで、普通に現場に向かうために、車を走らせていたし、電話で会話だってしたのに・・・。

 

スヒョンの机の前に立ち、バットマンの写真立てを手にするヘヨン。

 

ヘヨン:(手錠の重さは、2.5リットルの涙)

 

~回想 ~

ゴミ漁りの嫌疑で、署に連れてこられたヘヨン。

 

ヘヨン「・・・さすがにバットマンは幼稚すぎませんか?」

ある意味、これが、スヒョンとの出会いでした。

 

そして、まだ、ヘヨンは、この写真立てに隠された本当の意味にすらたどりついてすらいません。

 

言い負かしたつもりでしたが、スヒョンは、どこか一味違う警察官でした。

 

スヒョン「警官を憎みながらも、品格あるパク・ヘヨン警衛・・・、あなたは、警官に向いてないわ」

#1-1

 

スヒョン「ちゃんとした人(プロファイラー)をよこしてください」

#2-3

 

スヒョン「あんた、一体なんなの? 」

#1-3

 

ヘヨン「こんなふうに、諦めるつもりなんですか?・・チャ刑事さん」

 

スヒョン「いいえ」

 

スヒョン「私がそうするように言ったんです」

ヘヨンをかばうスヒョン。(#1-4

 

被害者宅に聞き込みに行き、全てを言い終える前に、水をバシャっとかけられるスヒョン。

ヘヨン「!」

店の外からその様子を見ていたヘヨン。

#3-2

 

 

スヒョン「もし、私が、男だとか、女だとか、気にするとしたら、今すぐ、警察バッジを返納しないとね」

#4-1

 

ヨン「これ、なんですか?」

スヒョン「(一般には)チームワークって呼ばれるものよ。」

#2-4

 

スヒョン「死んだ人間を見るのは、初めてだったんじゃない?」

スヒョン「(死んだ人間を見続けるのは、今後もキツイはずだから)・・それに折り合いを付けられる何かを見つけることね」

(#4-4)

 

折り合いなんて、つけられるはずがない。。。

たった一人、ボロボロと涙をこぼしながら、そっと、写真立てを置くヘヨン。

 

そして、同時に、ヘヨンが積み上げていた事件資料の背表紙を確認していく。

うつむくヘヨン。

 

こんなことさえ、始めなければ・・・

 

~回想 #6-2 ~

ジェハン<あなたが正しかったんです。この事件は・・・未解決のまま、放置されるべきだった。俺は・・・俺は・・・手を出すべきじゃなかった・・・>

 

ヘヨン<真犯人を見つけましょう。私たちが壊してしまったのなら、私たちの手で、修復すべきです。我々が今、真犯人を捕まえたら、事態を正すことができるはずです。>

 

ジェハンの顔に、そんなことが可能なのか・・という戸惑いと、一筋の光が見える。

 

その時の会話を思い出したヘヨン。

 

ヘヨン「もし、真犯人を捕まえることができれば・・・」

 

過去が変われば、現在も変わる

 

過去

 

~"大盗事件"事件現場付近~

 

すっかり、暗くなってから、現場に戻ってきたジェハン。

 

過去が変われば、現在も変わる

 

このポイントに気づいたのは、ヘヨンだけじゃなかったんです。

 

ジェハンの目に力が宿っています。

 

ジェハン:未来は、変えられる。

 

変わった未来が、どんな風になるのか、わからないというのに・・・これ以上のどん底はない。。これ以上の悲劇などない、と思っているからですよね。

 

 

それから、行動を起こし始めたジェハン。

 

同僚刑事「なぁ、みんなもう十分仕事したじゃないか。なんで、解決済みの事件なんかにこだわってんだよ」

ジェハン「あの晩、張り込みした時、最初に、俺はここにいたんだ。で、ここで、捕まえられた」

周辺地図を見せながら説明するジェハン。

 

ジェハン「お前たちが貼り込んでいたのは、どのあたりだった?」

同僚「ああ・・この遊び場の辺りだったな。うん、この遊び場を通り過ぎたな」

ジェハン「ここを通り過ぎたんだな? 確かか?」

 

パトロールの巡警たちにも確認するジェハン。

ジェハン「9月10日の夜に、あの丘に向かって、通り過ぎた者は誰もいなかったんだよな?」

巡警「ええ、誰も(通行は)許可されないんです。この先には、軍関係の一団がおりますので・・・」

 

ジェハン「君らは、確かにここらへんを警備していたんだな?」

巡警「はい、そうです」

ジェハン「なにか、見落としたり・・集中してなかったりとかは?」

巡警「よしてくださいよ。我々は、巡回警官ですよ。」

ジェハン「巡回ねぇ・・・」

こら、失礼だぞ。

 

聞きこんだ通りに、地図に、各部署ごとに張り込んでいた警察たちの動きをかきこんでいくジェハン。

ジェハン:なんかおかしい・・・

 

あの晩のことをもう一度、一から思い返してみる。

ガラスが割れる音が聞こえた。。。

その音は、ジェハンも聞いている。

そして、警笛がなり、誰かの「あっちだ!」という声が聞こえ、一斉に、刑事たちが、その声にむかって走り始めた。

 

ヒョンギデ1班、バス停の南西。

ヒョンギデ2班 西に向かって移動

地元の巡回チーム1班は、遊び場の南側にいた。

巡回チーム2班は、小学校の南西あたりから下ってきた。

 

そして、その合流箇所で、ジェハンが捕まった。

 

ジェハン「これで、逃げられるなんて、どういうことなんだ?」

 

この"ハン検事長宅"のロケ地が、ソウル特別市鐘路区平倉洞のお金持ちエリアだって知ってても、なんの役にも立ちませんね(笑)

 

現在

 

一方、ヘヨンも、こちらの時代で、精力的に動こうとしていました。

 

ヘヨン「以前、ヒョンギデ署にいらっしゃいましたよね? "大盗事件"事件について、いくつかお伺いしたいんです。」

 

完全無視です。

ヘヨン「ほんの少しのお時間でいいんです・・」

ヘヨンにしては、気を使いながら呼びかけるも、一向に立ち止まってくれない刑事たち。

刑事「どけ!」

 

ヘヨン「・・・・・・・」

相当、悪評が回ってるらしいです。

 

~未解決捜査班~

 

スヒョンのデスクが片付けられることになり、ただ、それを呆然と見ているケチョルとホンギ。

 

片付けを命じられたのは、ウィギョンです。

 

戻ってきたヘヨンが、それを見とがめる。

ヘヨン「一体、なにしてる?」

ウィギョン「ああ・・・その・・・3階の総務チームが、机が足りないと言ってまして・・・こちらの私物に関しては、ご家族にお返しすることになりました。」

ウィギョンとしても、これが誰の机だったのか、当然わかっていますし、とても気まずそうです。

 

顔色を変え、デスクに近づくヘヨン。

ヘヨン「向こうには、これじゃなく、別の机を使うように言ってくれ」

ウィギョンが片付けはじめていた段ボール箱の中から、写真立てなどを取り出し、また、もとの位置に戻していくヘヨン。

 

ウィギョン「ですが、上司の方からも、できるだけ早く片付けるように言われておりまして・・・」

ヘヨン「誰が、誰がそんなこと、言ったんだ?!」

語気を強めるヘヨン。

 

アン・チス「俺だ」

振り返るヘヨン。

 

アン・チス「市民が稼ぎ、納めた税金で、公務員の給料は支払われ、机やその上にあるものは全て、国民の税金で買われた支給品なんだぞ。一体、いつまで、そんなくだらない話をするつもりだ?」

ヘヨン「・・・・・・・」

ヘヨン:くだらない?

 

言葉を止めないアン・チス。

アン・チス「未解決捜査班に欠員が生じたが、当面は現状維持でやっていく」

 

ヘヨン:欠員?

 

アン・チス「大変だろうが、いずれにせよ、数日以内には、チームは解散することになるので、それまでがんばれ」

 

ヘヨンの怒りが、すぐに沸点に到達してしまった・・・。

 

ヘヨン「これが、ここ(警察)での普通のやりかたですか?」

 

アン・チス「・・・・」

ゆっくりと振り返るアン・チス。

 

ヘヨン「警察っていうのは、いつもこんな感じなんですか? 自分たちの同僚が、つい昨日まで元気だったのに、それなのに、よくもこんなことができますね。たった今、見送ったばかりなのに、一体、どうすればこんなことができるんですか!!

 

ケチョルもずっと泣くのをこらえているんです。

 

最後は、感情をぶつけまくるヘヨン。

 

アン・チス「お前に、怒鳴る権利などない」

ヘヨン「・・・・・・」

アン・チス「何もせず、チャ・スヒョンを見殺しにしたのは、おまえだ」

ヘヨン「・・・・・・・・」

言い返せませんでした。

そんなこと、言われなくても、自分自身が一番感じているからです。

 

おそらく、さきほどの刑事たちの、ヘヨンに対する反応を見る限り、皆、同じことを思っているということなのかもしれません。

 

立ったままでいるケチョルを怒鳴りつけるアン・チス。

アン・チス「キム・ケチョル!! 何してる!! お前の責任で、この事態をなんとかしろ!!」

 

ずっと無言だったケチョルの目から涙が零れ落ちました。

スヒョンは、決して、女性だということに甘えることなく、刑事として、普通以上に実績をあげてきたから、その功績を認めない人はいないかもしれませんが、基本、女性刑事なんて煙たがられる存在だったのを、ケチョルだけはなんのかんの言っても、スヒョンにカバーしてもらいながら、うまくやってきていたんだ、と想像するにかたくありません。

 

ケチョルが小さく頷き、動き出すと、今度は、ショックで呆然としているヘヨンを睨みつけ、アン・チス退場。

ホンギが、ヘヨンに近寄り、ポンポンと腕を触りながら力づけると、

ようやく、意識を取り戻したかのようなヘヨン。

 

アン・チスがいなくなり、堪えていた涙が止まらないケチョル。

無理やり、スヒョンの机を片付けようとするケチョルに対しても、「ここはいいから」というように、寄り添ってあげるホンギ。

いいチームだよね。。

 

夜・・・

スヒョンの机が撤去され、ぽっかりとあいた空間を眺めているヘヨン。

なんとか奮い立たせようとしている気力が途切れそうです。

 

ガタン、と椅子に腰かけるヘヨン。

 

その時、スヒョンの言葉が脳裏によみがえりました。

 

~回想 #3-4~

スヒョン「パク・ヘヨン・・・あんたは、このチームで何がしたいの? たしかに、あんたはまだ、完璧なプロファイラーじゃないかもしれない。でも、もう、プロファイラーなのよ。

「私が、ソウルのど真ん中で、証拠や目撃者と格闘してる間、私のことを俯瞰の目で見下ろさなきゃならないの!! 証拠、証人、事件のいずれかであっても、距離を置いて、それらを見るの!! 決して、感情的になったらダメ!

 

今までのスヒョンの忠告はどれも皆、ヘヨンをこの時に導くためだったのではないか、と思えるくらい、的確でした。

 

おもむろに、PCに向かい始めるヘヨン。

ふ~っと、大きく息を吐きだしました。

 

泥棒が会長宅に侵入・・・警察の調査をうけるというネットの記事が開かれています。

 

ヘヨン:俯瞰の目 細部まで・・・

 

記事:白昼堂々 会長宅に強盗に入る大胆な泥棒 

泥棒の侵入経路はいまだ、謎のまま

 

記事:上流階級を狙った強盗 泥棒の行方は謎

 

ヘヨン:決して、感情的になったらだめ

 

スヒョンの言葉を胸の中で、反芻しながら、記事を印刷し、改めて、"大盗事件"について、一から、ホワイトボードに書き込んでいくヘヨン。

 

ホワイトボードに向かうヘヨンの表情も、以前とは、比べ物にならないくらい、凄みがあります。

第一: 1995年9月2日 ムン会長宅  侵入方法は未定

第二: 1995年9月5日 コウ会長宅。 盗品は行方不明。

第三: 1995年9月8日 チャン議員宅 出版記念式典のため、家は不在。

第四: 1995年9月10日 ハン検事長宅 一人息子以外は、親戚の家を訪問中で、不在。


 

ヘヨン:事件の詳細もしくは、写真などない場合もあるが、どこかに手がかりがあるはずだ。

 

オ・ギョンテが犯人だという証拠=郵便受けの指紋、金庫の盗難、目撃者ハン・セギュの証言

 

無線は、また、必ずかかってくる。その前に、解決させなければ・・・。証拠、証人、事件について・・・まだ、遠くにある点と点・・・決して、感情的になることなく・・

 

よかった・・・

スヒョンの言葉が、ギリギリのところで、ヘヨンを奮い立たせている。

 

 

翌朝

結局、徹夜したんだね。

 

ヘヨン:もっと情報が欲しい。。過去の記事を見ただけでは、犯人像を完全に把握することはできない・・

 

一覧にしてみて、改めて、焦りを覚えるヘヨンの背後から、近寄ってきたのは、ケチョル。

 

ヘヨンによって書かれた"大盗事件"の概要を見て、はぁ~と大きくため息をつく。

ケチョル「まだ、この事件を追うのか?」

ヘヨン「・・・・・・」

その声に、ケチョルがいることに気づいたヘヨン。

ケチョル「もうやめたほうがいい」

 

壁にぶち当たってしまっても、それでも、ヘヨンには諦めきれないんです。

もとをただせば、ギョンテのことも、ウンジのことも、そして、スヒョンのことも、全部自分のせいだとわかっているから。

 

その時・・・ヘヨンの後ろで、「おや、一体、誰がこんなゴミを捨てたんだ?」とわざとらしく独り言をいうケチョル。

 

そういって、ガタンと大きな音を立てて、部屋から出て行ってしまう。

 

残されたヘヨンが、ふと後ろを振り返ると、

 

1995年 高位階連鎖強盗("大盗事件")と書かれた、当時の捜査資料でした。

 

目を見開くヘヨン。

 

ケチョル~~~~~!!!笑い泣き

ホントは、スヒョンの机が片付けられるとなった時、ヘヨンみたいに、止めたかったんだよね。

自分が口に出せなかった想いを、ヘヨンが代弁してくれた。

気に入らないところもいっぱいある若造だけど、ちゃんと、仲間を思う気持ちがあるとわかったうえでの助け船です。

 

そこからは、一転、集中して、捜査資料をめくりながら、初めて見る写真や、詳細に目を通していくヘヨン。

新たにわかったこともたくさんあります。

 

第三の事件には、写真も指紋もなし。

 

被害者家族の家族構成や、その他、現金30万ドルほか、貴金属、宝飾品など、実際に盗まれたものの写真が添付されている。

 

順番に見ていくうちに、ふと、息子たちに目を止める。

 

カン・ソクホ(20) テヨン中等高等学校

チャン・ギフン(19) テヨン中等高等学校

ハン・セギュ(21) テヨン中等高等学校

コ・ジヌ テヨン中等高等学校

ヘヨン:被害者家族には、それぞれ、年の近い息子がいた。幼いころから同じ地域で育った幼馴染たち。。

彼らは、それぞれの家に、自由に出入りできていた。。そして、知り合いを尋問したりすることはなかった。。

 

そして、その中に、重要証人だったハン・セギュが含まれている。。

 

ホワイトボードの文字を見るヘヨン。

 

ハン・セギュの証言

 

ヘヨン「唯一の証人 ハン・セギュ。もし、彼の証言が虚偽だったとしたら・・・」

 

~ハン検事長宅 前~

 

1台の車が、家の前に停まっている。

そこに、ハン家の自動車が滑り込んでくる。

 

それを確認して、降りてきたのは、ジェハン。

 

お互い、無線で連絡取らなくても、その時代時代で、ちゃんと、ここに行きついてるところが、さすがなジェハンとヘヨン。

 

ジェハン「ハン・セギュさん・・」

声をかけ、身分証を提示しながら、自分の名前を名乗るジェハン。

 

ジェハン「刑事のイ・ジェハンと言います。私のこと、ご存じですか? 10回ほど、お電話しましたが、全て、無視されましたよね」

ハン・セギュ「どけよ」

 

はぁ?

「誰に対して物を申しているのか?」が通用しないのね。

 

セギュ「どけよ、お前、耳が聞こえないのか?」

ジェハン「これでも・・ずいぶん上品で、学識あるつもりですが・・」

めんどくさい奴とばかりに、押しのけようとするも、びくともしないジェハン。

セギュ「?」

再度、強めに押しますが、元国体選手相手に敵うわけないです。

 

ジェハン「あなたも、賢い方のようだ。早速、本題に入りましょう。あなたは、トイレに行こうとして、怪しい人物を目撃したんですよね」

セギュ「マジで、気分悪いわ。」

ジェハン「これはとても重要なことなんです。ぜひとも、確認させてください。あの日、賊が東側の窓から逃走したというのは確かですか?ここには、数十人の警察官がいましたが、誰もその姿を見ていないんです」

周辺の道路にむけて、指を示すジェハン。

セギュ「あいつがやったんだ、わかったか?」

それだけ言うと、家の中に入ろうとするセギュ。

ジェハン「おい・・当時、俺には、反対側の窓だったと言ってただろ!」

急に口調が変わったジェハンを振り返るセギュ。

ジェハン「あの証言のどこまでが嘘なんだ?」

セギュ「何言ってんだか・・・」

ジェハン「そもそも、泥棒なんていなかったんだろ?」

セギュ「・・・・・」

ジェハン「(もし本当に)泥棒がいたのなら、奴に逃げる方法はなかったはずだ。なぜ、嘘をついた?

声を荒げるジェハン。

 

セギュ「お前になど、なにもいうことはない。失せろ!」

ジェハン「お前が泥棒なのか?」

セギュ「(運転手に)何してる?」

運転手「ここでこのようなことは困ります。どうか、お引き取りください」

手は出ししませんよ、と、運転手に触らせないように、腕でシャットアウトしてみせるジェハン。

それから、ゆっくりと敷地外にあとずさる。

その間、一切、セギュから目を離さない。

 

門の横のインターフォンを押すセギュ。

 

その姿を見て、ギョンテの家で交わした会話を思い出すジェハン。

 

~回想 #5-2

ウンジ<あれ、アマチュアの仕事だよ。考えてもみてよ。プロが、どうして、こんな大事(おおごと)になるような真似するの?刑事を怒らせたり、収入源を失うなんて、意味がないわ>

 

 

ウンジ<それに、盗品がどこからも見つかってないんでしょ。この犯人は、全然、注意深くないし、根本的なことがわかってない。

 

ギョンテ「確かに、アマチュアの仕事だが、あまりにも簡単すぎる。信じられないくらいの裕福な家ばかりだから、かけてるセキュリティもかなりのものだろう。彼らの知り合いとかの犯行だと思わないか?

 

セギュ「俺だ!」

解錠された門から家の中に入っていくセギュ。

 

ジェハン:簡単に侵入できるアマチュア・・・誰からも疑われない人物・・・あいつだ。あいつが犯人だ。

 

確信するジェハン。

なんて、モシッソ!!

もう、完璧、このフェーズに移行したとみなします(笑)

 

 

ここで切ります。

 

 

★『シグナル』EP.6-3 雑感★

 

よくよく考えてみたら、悲劇が、すべて、過去だけのものだと、心のどこかで思い込んでいた、自分の目の節穴さや、浅はかさに、ただただ、頭(こうべ)をたれるのみ。

 

正直、前記事でウンジの悲劇を再現するあたりで、もう、へとへとだったんです。

スヒョンの死が明らかになり、私の気力は根こそぎ奪われました。

 

複数主役のドラマですが、現場で揉めてキム・ヘス途中降板!!なんていう騒動はなかったはず(笑)

 

冗談はさておき、ギョンテのことを、慎重で最新の注意を払う強盗だ、と説明がありましたが、本来、スヒョンも、かなり、慎重で、プロ意識も高い優秀な刑事のはずです。

もし、ギョンテの電子技術に関する情報共有がなされていたとしたら、結果はどうだったのか。。

でも、スヒャン自身、少し、向う見ずなところがあるのも否めません。

市民を守る、犯人を逮捕するためとあらば、自分のことは二の次、三の次。

平気で身体を張るんです。

仲間が来るのなんて、待ってられないんです。

もちろん、スヒョンとて、最初からそうだったわけじゃありませんが・・・。

 

あとは、なんと言っても、まだ、スヒョンの件で、混乱している中で、そのスヒョンが投げかけてくれていた言葉で、自分を奮い立たせ、一歩ずつ、一歩ずつ、進んでいこうとしているヘヨンの姿に、泣けてくる。

あ、ケチョルもだよ~~。

 

★『シグナル』EP.6-4に続く★