ここのパートは、後日談的な感じで、すすんでいきます。

 

こちらの筋追いは、気になったドラマを、世に出回る商業翻訳ではなく、ドラマ好き有志の英訳・もしくは配信サイトの英訳をもとに、(英語ができないくせに)果敢に訳した「なんちゃって訳」となっており、多少、ストーリー展開は訳者の願望に寄ってます。視聴しながら生じた疑問の考察やら、内容を把握しながら、突っ込んだり、賞賛したりしたいという、ドラマ好きの発露です。

ラストまでの完全ネタバレです。

いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。お願い

 

シグナル  시그널 英題:Signal

 (tvN Jan 22, 2016 - Mar 12, 2016 1時間15分×全16話)

対象:15歳以上

脚本:Kim Eun Hee

演出:Kim Won Suk

 

※このドラマは、犯罪を扱うという特性上、登場人物がエピソード毎にたくさん出てくること、1話完結ではないこと、現在・過去の描写が頻繁に入れ替わる、など、通常の筋追いでは、わかりにくい部分もあるため、補足も兼ねて、びびの独断で、人名や、人間関係など、ドラマよりも先に、リマインドしたり、説明をする場合があります。

極力、ドラマ上、「なるほど!! この人がこういう立ち位置だったのね」という謎解き部分の醍醐味が損なわれることのないように工夫したいとは思いますが、なにぶん、整合性を取り切れない箇所もでてきそうな気がします。

余計、わかりにくくなったりしたら、ほんと、申し訳ないです。

 

前記事をお読みでない方は、さきに、こちらからお読みください。

#4-1 #4-2 #4-3

 

【Episode 4-4】

 

現在

 

~署内 渡り廊下~

 

一応の決着を見せた後、ガラス張りの廊下で、手すりにつかまっているヘヨン。

 

重苦しい表情で、うつむいているところに、スヒョンが現れる。

 

スヒョン「みんな、飲みに出かけたけど・・」

ヘヨン「俺は、遠慮しますよ」

スヒョン「なにか他のものを探したほうがいい。酒を飲むとかじゃなくても、ボクシングジムに行って、死ぬほどなにかを殴るとか・・、なんでもいいから、見つけなさい」

ヘヨン「・・・・・」

いきなり、なんの話ですか?と、言いたげに振り返るヘヨン。

 

スヒョン「死んだ人間を見るのは、初めてだったんじゃない? なんど、そういう現場に立ち会おうと、殺人に慣れることはない。あんたが初めてだったからってわけじゃないからね」

 

ああ、それで落ち込んでいると思われたのか、とようやく合点がいったヘヨン。

 

スヒョン「死んだ人間を見続けるのは、今後もキツイはずだから・・・それに折り合いを付けられる何かを見つけることね」

 

そんなふうに、自分を気遣うスヒョンに、どんどん近づいていくヘヨン。

 

パーソナルスペースを超えたところで、首元に手をかざされる様な仕草をされて、

さすがのスヒョンも「な、なにするの?」と後ずさる。

 

ジニョンに絞められたスヒョンの首筋の赤い跡にそそがれていたヘヨンの視線が、今は、スヒョンに向けられています。

いやん、こんなふうに見つめられたら、お姉さん、ドキドキしちゃう。ラブ

 

スヒョンの立ち襟を少しめくり、「女性なんですから、首をこんなふうにみせたらだめですよ」と、囁くように呟いてみせる。

 

ヤバイ!!

改めて見ると、パケヨン、やばすぎる!!

 

ヘヨン「チャ刑事さんも、飲みに行ったりせず、代わりに病院に行ってください」

普段の、あの、クソ生意気な、言い負かし方じゃないんです。

 

年齢を、ふっと飛び越える瞬間っていうのかな。。

 

スヒョンに背を向けて、歩き始めたヘヨンが立ち止まる。

 

ヘヨン「それから・・・」

振り返るヘヨン。

ヘヨン「はじめてじゃありません。死んだ人を見るのは・・・」

 

明らかに、いつもと様子の違うヘヨンを見送るスヒョン。

 

スヒョン「・・・・・・」

ああ、これは、ジョモの顔だ。。← これはまた、のちのち出てきます。

 

何がヤバいって、ヘヨンは別に、恋愛感情の延長線上で、スヒョンに対して、女性扱いをしてるわけじゃないところが、もうね、末恐ろしいんだわ(笑)

 

~ヘヨンの自室~

 

なにか、調べものかな?

家に帰ったから、と言って、この子は解放されるわけじゃないんだよね。

 

ふと、手を止め、スヒョンの言葉を思い出すヘヨン。

スヒョン<死んだ人間を見るのは、初めてだったんじゃない?>

 

それに対し、初めてじゃない、と答えました。

 

ヘヨンの机の上のPCモニターに開かれていたのは、「インジュ高校生集団強姦事件」のネット記事。

 

過去 

 

~回想~

今までも、何度か、ヘヨンの脳裏にフラッシュバックされる、ヘヨンの兄が巻き込まれた事件の様子です。

 

ヘヨンの肩に手をかけているのは、オンマですね。

少しずつ、情報が付け加えられていく感じです。

 

捕縛され、警察車両に乗り込む兄。

 

小学生のヘヨン。

自宅前の道です。

当時は、ここインジュ市に、家族四人で暮らしていました。← 補足するなら、第1話 冒頭に出てきた小学校は、このあと、ヘヨンがチニャン市に転居したため、転校したばかりだった、という設定です。

 

なぜか、表の門がしまっていて、不思議に思うヘヨン。

ドンドンドンと叩いても、誰も出てくる気配がない。

 

ヘヨン「オンマ? ヒョン(兄さん)?」

試しに門扉を押してみると、普通に開き、家の中に入ってきたヘヨン。

 

ヘヨン「オンマ?」

玄関をあけたら、すぐに居間兼台所という間取りです。

 

誰もいません。

 

ヘヨン「ヒョン?」

開け放たれた隣の部屋の床に、流れている血と・・足が見え・・・

恐る恐る近づくヘヨン。

 

流れている血を辿っていくと、倒れている兄を発見。

兄の手首から流れ出したものでした。

 

ヘヨン「ヒョン! ヒョン! 目を開けてよ!」

慌てて、駆け寄り、声をかけるヘヨン。

 

 

現在

 

泣き叫びながら、兄を呼び続けた記憶。。。

 

立てかけてある本に手を延ばしたヘヨン。

「Criminal Profiling: Principles and Practice」

https://amzn.asia/d/96alpfa

 

その本に、隠すように、挟んである兄との写真。

 

再び、スヒョンの言葉を思い出すヘヨン。

 

スヒョン<死んだ人間を見続けるのは、今後もキツイはずだから・・・それに折り合いを付けられる何かを見つけることね>

 

 

~チニャン署~

 

薄暗い廊下を抜け、

一人、非常階段を昇っていくスヒョン。

※ 古巣であるチニャン署を訪れたってことでしょうか。たぶんチニャン署でいいんだよね(汗)

 

あまり、人通りのない階まで来たところで、 警察官になりたての頃の自分が、メソメソと階段で泣いていた時のことを思い出す。

 

過去 1995年

 

~回想~

スンスン、鼻をすすりながら、涙を拭っていると、

誰かの足跡が聞こえ、さっと立ち上がる。

先輩のジェハンでした。

ふつうに、すれ違い階段を昇りかけた時、スヒョンが泣いているのに気づいたジェハン。

ジェハン「なにやってんだ、お前?」

スヒョン「なんでもありません」

 

なんでもありません、と言われても、一応、同じ部署の新人です。

さすがに、無視はできません。

 

ジェハン「座れ」

自分と同じ段に腰を下ろすジェハンを見て、同じように座るスヒョン。

 

ジェハン「なんか食ったか?」← 挨拶代わりでもあり、本当にスヒョンの食欲を心配した風でもあり。

そういうと、自分が下げていたレジ袋をゴソゴソと漁るジェハン。

たまたま、休憩用に、お茶やら煙草を買ってきたようで、食べるものなどありません。

今はなき、88(パルパル)という煙草らしいです。

 

こんなものしかねぇ、困ったな・・・と、横を見れば、

スヒョンが大粒の涙をこぼしていて、

更に困ったな・・な状況の、イ・ジェハンさん。ゲラゲラゲラゲラゲラゲラ

 

ジェハン「これでも飲め!」

仕方なく、お茶のペットボトルを渡すジェハン。

 

受け取ったものの、手に抱えて、その無言。

ペットボトルを赤ちゃんみたいに、抱っこするスヒョン。

 

ジェハン「泣いてるのか?」

見ればわかることを聞いてしまうのは、ホント、こういうの、苦手だからです。

 

手で涙をぬぐい、「いいえ」と気丈に答えるスヒョン。

でも、グジュグジュのボロボロ。。

 

ジェハン「俺もだ」

スヒョン「・・・・?」

ジェハン「俺だってそうだ。あっちにいる野獣みたいな刑事どもだって、みんなおんなじことをするんだ。俺らは、よく泣くんだよ。死んだ人間を見て、平気な奴なんているか?」

 

そんなふうに言われたら、(余計、止まらないけど)もう、止めるしかありません。

流れ落ちる大粒の涙や鼻水を必死でぬぐい、大きく息を吐くスヒョン。

 

ジェハン「だからこそ、誰がそんなことをしたのか、捕まえなきゃならないんだ。」

唇をぎゅっと嚙みしめるジェハンの目は、若干潤んでます。

 

ジェハン「こんな風にキツい時は、被害者の家族の気持ちを想像してみるんだな。あの人たちが流した涙は、きっと大海のようだろう。それを、少しでも減らせるとしたら・・・たぶん、これくらいなもんだろう」

 

もう1本のペットボトルのお茶も取り出し、スヒョンに見せるジェハン。

 

ジェハン「つまり・・それを念頭に置いて、それだけの心構えをして、犯人に手錠を掛けなきゃならないんだ。それが、俺たちの仕事だ

 

ジェハンを見るスヒョンの目に、たくさんの涙がたまっていますが、かろうじて、流さずにこらえています。

 

ジェハン「泣くことも、いい方法だよな。とにかくなんであれ、それを乗り越える方法を見つけてみろ

 

先輩の言葉に、小さく、何度も何度も、頷くスヒョン。

 

あの時と同じ位置に座り、あの日、ジェハンの横顔を見つめていたように、視線をむけるスヒョン。

 

ジェハンが消息を絶って15年・・・スヒョンは、何度、ここにきて、誰にも見せられない涙をこぼしたんだろう。

 

そして、自分が先輩に言われたことを、今も忠実に信じて守り、それをヘヨンにも伝えたんだ、と思うと、更にジーンおねがい

 

~とある住宅街~

数日後かもしれません。

一人で、一軒の家を訪ねてきたヘヨン。

 

チャイムを鳴らし、しばらく待っていると、女性が門をあけて、外に出てきました。

ウォンギョンの、叔母さんでした。

門扉は20年の間に塗り替えられたのかな?

 

家の中に通されたヘヨン。

壁には、笑顔のウォンギョンの写真が飾られていました。

 

事件の報告書でみる、プロフィール用の写真や、痛ましい現場写真ではなく、若く、つつましやかな、綺麗な女性の写真でした。

 

ジェハンの言葉を思いだし、なんとも言えない気持ちになるヘヨン。

 

~回想 #4-2 ~

ジェハン<写真を見ただけなんだろ。ただの、数枚の写真だ。。 被害者の名前、職業、死んだ時間や場所・・・彼らについて知ってるのはそれだけだ、でも、俺はそうじゃない。

ほんの数日前まで、生きてたんです。彼女は、俺の癒しでした。笑いかけてくれて、優しくて・・・ただ、懸命に自分の人生を生きてただけなんだ!>

 

まさに、ジェハンの言った通りでした。

 

お茶を出してくれた叔母さん。

叔母「きっと、今頃は、安らかに眠っていると思いますよ。結婚する前に、あまりにも若くして亡くなりましたからね。」

壁の写真を見上げながら、静かに話をする叔母さん。

 

叔母「・・・・その・・・新聞で読んだんですけど、うちのウォンギョンが持っていたものが決め手となって、犯人を捕まえた、というのは本当なんですか?」

 

頷くヘヨン。

ヘヨン「ええ、そのとおりです。姪御さんがいらっしゃらなければ、我々は、犯人を捕まえることはできなかったでしょう」

 

それを聞くと、微かに、微笑む叔母さん。

叔母「うちのウォンギョンじゃありませんよ。犯人を捕まえられたのは、イ巡警さんのおかげです」

ヘヨン「イ巡警?」

 

叔母「ウォンギョンが想いを寄せていた方でした」

 

 過去

~役所前~

役所の前で、止められている高級車。

運転手と・・・制服姿のジェハンです。

運転手「同じ公務員じゃありませんか。少しだけ融通をきかせてくださいよ」

 

ジェハン「なんですって? あなたは違反したんですよ。免許証見せてください」

 

どうやら、議員さんか、お偉いさんの公用車っぽいですね(笑)

ちょうど、ウォンギョンが務める役場の前で、取り締まっちゃったみたいです。(笑)

 

その様子を通りかかったウォンギョンが目撃する。

 

運転手というか、たぶん、秘書ね。

秘書「ああ、もう、これ、どうぞ」

ジェハンに近寄り、露骨な袖の下を渡そうとする秘書。

 

ジェハン「なんなんですか?!」

いいから、いいから、と、更に渡そうとする秘書。

ジェハン「贈収賄を、罪状リストに追加しますか?」

 

しつこく見逃してもらおうとする秘書にむかって、「何を受け取れと? 私はただ、あなたの免許証が必要なんですよ!」と声を大きくするジェハン(笑)

 

秘書「おい、あんた、この方が誰なのか、知らないのか?」

車の中を覗き込むジェハン。

 

気まずそうに、視線を外す議員(推定)。

ジェハン「この方は、別に(車に乗ってただけで)何も悪いことしてないじゃないですか!違反者はあなたでしょうが! だから、あなたの運転免許証を渡してください!!」

 

そのやりとりを聞いていて、思わず、笑ってしまうウォンギョン。


秘書「あんた、どこの署だ?」

ジェハン「なんで、私の所属なんて気にするんですか? 京畿龍山署の、イ・ジェハン巡警ですよ」

 毅然と言い返すジェハン。

 

そんなことがあってから・・・

役場に、職務で、訪れる機会があるジェハン。

ジェハン「ひき逃げの件で、こちらに伺いました。個人情報を取得する必要がありまして・・その・・本当に必要なものでして・・・」

意識しまくり、若干、声もうわずってます。

 

ジェハンとウォンギョンが、お互い憎からず想いあっていたのは、もう、何度も出てきましたが、こんな風に、顔を合わせるうちに・・・って感じだったんでしょうね。

 

これは、公務にかこつけて、大した用事じゃなくても来ちゃうレベルの可愛さよ。

 

わかりやすくて、周囲の人たちにもバレバレじゃん(笑)

 

(ジェハン)告白したい、と思いつつ、

(ウォンギョン)告白してくれないのかな・・と思いつつ、

帰り道、線路の脇を、絶妙な距離感で歩く二人。

そんな時間が、なによりも、穏やかで・・・。

 

女性が襲われ、殺される事件が相次ぎ、自分が送っていける時ばかりでもなく、夜道が心配で、ティーザー銃(スタンガン)を、思い切って、渡したジェハン。

 

家に帰ってきてから、大事そうにそのスタンガンを見ては、にこにこしていたウォンギョン。

 

 

現在

 

叔母< あの子、それが生まれて初めてもらったプレゼントだって言ってました。子供みたいに幸せそうでしたよ。指輪や、ネックレスってわけでもないのに・・・"そんなものの、なにがプレゼントなのよ?"って、私、からかったんですよ

 懐かしそうに、振り返る叔母さん。

 

ヘヨン「・・・・・・」

ショックで何も言葉が出ないヘヨン。

あの日、ジェハンが失ったのは、そんな大切な人だったんだ、と、あの時のジェハンの激高ぶりがようやく理解できたんです。

 

ヘヨン「・・・それで、そのイ巡警についてですけど・・・イ・ジェハンという名前ではありませんか?」

その名前に、懐かしそうに、微笑む叔母さん。

叔母「そのとおりです。イ・ジェハン巡警さん・・その方ですよ」

 

 

過去

〜ジェハンの自宅〜

実は、ウォンギョンの事件のあと、ジェハンの自宅を訪ねたことがあった叔母さん。

 

緊張し、ただ、正座して座っているジェハンと、

初めて入るジェハンの部屋が珍しく、少し周囲を見回している叔母さん。

 

そこで、机の上に、「辞職書」と書かれた封筒をみつけてしまう。

 

証言を翻す意思のないチョングから、自首も拒絶され、証拠も目撃者もなく、事件化をあきらめざるをえない点や、真犯人に重症を負わせた責任を取るつもりでの、辞表だということは、叔母さんは知る由もありません。

 

それには、触れず、あえて、バッグの中から、封筒を取り出す叔母さん。

叔母「ウォンギョンが、とっても迷っていたものです。"イ巡警さんが気に入らなかったらどうしよう"って・・」

 

それを聞き、封筒をあけてみると、映画の前売り券が2枚入っていました。

 

アップになった時、演目、개그맨って読めるんだけど。。。

1989年だし、たぶん、『ギャグメン』(1988)ってコメディ映画で合ってると思うんだよねぇ。

 

 

それを見て、あの日のウォンギョンの様子を思い出すジェハン。

 

~回想 #3-2

ウォンギョン「イ巡警ニム・・・」

 

ピタ!

立ち止まるジェハン。

 

なにかをポケットから出そうとしているようなそぶりを見せるウォンギョン。

 

思い直したように、「・・・・いいえ、なんでもありません。元気出してくださいね」と、はにかむにとどめる。

 

映画のチケット、渡そうと思ったけど、どうしても渡せなったんですね。

 

ウォンギョン「元気出してくださいね」

 

 

まるで、昨日のことのように、思い出されるジェハン。

 

叔母「ウォンギョンは、イ巡警さんのことがすごく好きだったんですよ、」

あふれ出る涙を指でぬぐいつつ、そう伝える叔母さん。

 

叔母「あなたは、あまり社交的じゃないし、おしゃべりも上手じゃないけど、どんな人の前でも、自分を決して卑下せず、いつも正しいことをしているって言ってました。あなたのそういうところが一番好きなんだ、って言ってました

 

声を出さずに、時折、涙と鼻水を拭いながら、ただ、うつむくだけのジェハン。

 

 

その日の夜・・・11:23

 

物思いにふけっているジェハン。

机の下に転がされたままの無線機に電源が入り、繋がりました。

 

ヘヨン<イ・ジェハン刑事さん、聞こえてますか?>

 

ヘヨンの声で、ようやく、我に返ったものの、すぐに返事はできず。

 

ヘヨンはヘヨンで、ウォンギョンの叔母さんを訪ね、ジェハンとウォンギョンの浅からぬ縁を知り、とても、うわついた調子で、話しかけることなどできません。

 

屋上部屋の縁台に座り、慎重に言葉を選びながら、話しかけるのです。

 

ヘヨン「刑事さん・・・"京畿南部連続殺人事件"・・犯人を捕まえました。」

 

え・・と、座りなおし、無線機を手に取るジェハン。

応答することに決めたようです。

 

ジェハン「どうやって? どうやって、奴を捕まえたんですか? しょ、証拠を見つけたんですか? なんだったんですか? どこにあったんですか?」

今のジェハンにとって、喉から手が出るほど欲しいものなんです。

 

とても、言いにくいことを伝えなければならず、少し、躊躇するヘヨン。

 

ヘヨン「・・・あなたの時代では・・不可能なんです。もし、刑事さんが(その時代で)証拠を見つけ出したとしても、当時の科学技術では、犯人を逮捕することは・・出来ないんです。・・・ですが、刑事さんのおかげで、彼を逮捕できました」

ジェハン「?」

ヘヨン「刑事さんが、我々に証拠を残してくださったんです。どんなに技術が進もうと、証拠が無かったら、また、奴を逃がしてしまうところでした。刑事さんも、犯人をつかまえたうちの一人なんです」

 

唇をぎゅっと噛みながら、小さく頷くジェハン。

ヘヨン「遅くなりましたが、犯人を捕まえることができました。ありがとうございました。」

ジェハン「・・・・・・」

 

視線を上にむけ、ただ、座っているジェハン。

 

そして・・・電源が落ちてしまった無線機を持ちながら、ソウルの夜景に目をむけるヘヨン。

 

事件が解決しても、手放しでは喜べない。

そんな重苦しい晩でした。

 

それでも、もしかしたら、ジェハンの心に、少しだけ変化をもたらしたのかもしれません。

 

~映画館~

一人、ウォンギョンが買った前売り券で、映画館にやってきたジェハン。

 

大きな体を、映画館の小さな椅子に押し込みます。

隣の空席は、ウォンギョンのためのスペースです。

 

コメディ映画で、館内、観客の笑い声が絶えないなか、

一人、ボロボロと、声を押さえながら男泣きするジェハン。

 

~警察署前~

正式に逮捕され、車椅子姿で連行されるイ・ジニョン。

報道陣や駆け付けた市民たちの怒号に際しても、なんの感情も示さず、平然としている。

集まってきた被害者家族たちも、そんな真犯人の姿を見て、一様に泣き叫んだり、悲しみを新たにする。

 

~ジェハンの実家~

同じ頃、テレビの中継を見ている、ジェハンアボジと、スヒョン。

店のテレビで、二人、並んでみてるところが、じ~んと来ちゃう。

感無量なアボンニムに、そっと、ティッシュを渡すスヒョン。

 

~映画館~

泣いて、泣いて、それでも、涙は枯れないジェハン。

 

~ヘヨンの家 屋上~

 

夜景をみているようでいて、

本当は、違うものを見ているかのような、ヘヨンの後ろ姿。

 

なにげに、サンドバッグや、筋トレ用の器具が置いてあるのは・・・単なる健康維持のための体力づくりなんかじゃないと思います。(苦笑)

 

[시그널 OST Part 1] 장범준 (Jang Beom June) - 회상 (Reminiscence) (youtube.com)

 

ちょうど、映画館のシーンのの辺りから、この曲がバックで流れはじめ・・・それぞれの、"京畿南部連続殺人事件"の幕引きを含め、4話は終わりになります。

 

★『シグナル』EP.4-4 雑感★

 

いろんなことが詰まった4話でした。

 

本音を言うと、どこか重い鉛の玉を飲み込んだような気分です。

 

連続殺人事件とは言え、他の被害者には悪いですが、どうしても、ウォンギョンのことだけでも、十分、悲劇的で。。

実際、ジェハンの責任の取り方・・というか、筋の通し方も、あれでいいのか、という気持ちが拭えなかった気持ちも正直あります。

 

それでも、映画館で泣き濡れるジェハンを見て、刑事を続けてほしい、と、自分がウォンギョンになったつもりで思ってしまったんですよね。

 

ただ、ここで、書いてしまうのは、時期尚早かもしれませんが、ジェハンが背負う十字架は、これだけじゃないんです。

彼が、刑事であり続ける意味・・・このドラマの主題の一つなのではないのかな、と私は思ってしまうんです。

 

実際、ジェハンが刑事を続けていたからこそ、チャ・スヒョンという後輩に巡り会うわけですが・・・

スヒョンが新人警官として、警察に入ってきた正確な年次は、次の5話で出てくるんですけど、1995年です。

"京畿南部連続殺人事件"から6年の月日が経ったことになります。

 

ジェハンは、あの事件以降、自分の罪と向き合いながら、そして、更に、苦い想いを隠しながら、苦しい道を選択し続けています。

 

#1-1


登場した「手錠の重さは、2.5リットルの涙」

写真立てに書かれた言葉の意味は、この時の会話によるものだったんだ、と、ようやく、明かされました。 ← これは、フライングネタバレせず、この回まで取っておきたかったんです。。

 

おそらく、ジェハンが流した涙は、被害者家族に匹敵するほどの相当量だったはず。

 

階段のシーンでのジェハンには、その経験と強い戒めの気持ちが感じられて、でも、深くは語らず、ぐっと唇をかみしめる姿に、彼にとって、あの苦しみは一生浄化できないのかも・・・という気さえしてしまいます。

 

あと、ジェハンとヘヨンの交信に関して言えば、この事件内の時間経過に伴い、かなり、進歩したというか、理解度が深まった感じがします。

 

「あなたの時代では、不可能なんです。」

 

そして・・・それを悟ったジェハンの無言は、悔しさだけじゃなく、彼の胸中を思うと、全てに泣きそうでした。

 

韓国ドラマを見てると、サンウルリム<산울림>の郷愁溢れるメロディがOSTとして使われることも多いですよね。

※俳優のキム・チャンワンさんのバンドです。

 

4話のエンディングに流れる曲は、"サンウルリム"の「回想」のリメイクだそうで。。

『賢い医者生活』を見てた時、あれ、この曲、知ってるけどなんか違う・・・と思ったら、チョン・ギョンホssiの歌声でした・・韓ドラあるある(苦笑)

私は、最初に聞いたからか、チャン・ボムジュンさんのVer.も好きです。

회상(回想) - 장범준(チャン・ボムジュン)

道を歩いていて ふと誰かの隣にいると感じた時
わかってしまったんだ 
もう キミが去ったあとなんだと

そうか ボクは一人で歩いていたんだね 
突然、風が冷たくなったようだった
心は凍りつき その場に立ち尽くしたまま
少しも動けなかった 
まるで凍りついた人のように
驚いたよ 
月明かりが隠れて すすり泣いている

ああ  去ってしまったキミを 
ああ  思い出すよ
ああ  背をむけたキミが
ああ  思い浮かぶんだ

聞かずにおいたんだ
キミがなぜいなくなろうとするのか
でも 心の中ではとてもつらかったんだ
もう 僕から去ろうとしているキミ 
一人では どうしようもなかった
憎いのは むしろボクのほうだった

 

いつものごとく、歌詞は、びびのなんちゃって訳です。

 

★『シグナル』EP.5-1に続く★