続『ペリリュー』
吉田裕著『日本軍兵士 アジア太平洋戦争の現実』(中公新書2017年)という兵士に焦点をおいた本がある。その中には、「病む兵士の心」という項があるのだが、映画『ペリリュー楽園のゲルニカ』を観た後の私の気分の悪さに通じるものがあると思ったので前回のブログに、もう少し加えたい。(カトリックブログで戦場の話が続きすみません。教会の記事を読んでくださっている方、スルーしてね)著書によれば、軍人は「強い軍人精神」が叩き込まれるのだが、刺突訓練などで衝撃を受けながらも、非人間的な訓練や戦闘を繰り返す中で慣れていくのだという。一方、栄養失調や、罪悪感によって「戦時神経症」を発症した者も多いそうだ。衝撃や恐怖から、それを普通のこととして理解しようとするのは、地震の警報に対し得て「大丈夫だ」と思ってしまう「正常性バイアス反応」のようなものなのだろう。この殺戮は、なんということではない、と、精神を平常に保とうとする。すると自分もやってみようという思うようになる。映画を見た後、気持ちが悪い思いを払しょくさせようと、これはなんでもない、自分もできる、という気に(なりそうに)なった。それを気分の悪さと表現した。精神の均衡を保つのにグラグラした。まさに、実際の戦場や「刺突」訓練で初年兵が体験したことなのだろう。「強気」「気丈でなければ」 という軍の方針、これは半端なものではなかったとつくづく思う。この著書では、日本陸軍の兵士の現実問題、被服や靴のもろさや歯科治療の遅れ、「処置」(助からない重傷者を楽にするということですね)の問題等を取り上げており、作戦や戦術に重きをおいた著作以上に、戦争への嫌悪感を抱かせる意味では良いものであろうと思われる。梅の枝にはたくさんの蕾よいお年をお迎えください🐎